
【インバウンドWeb集客ガイド】効果的な情報発信のポイントと成功事例を紹介
訪日外国人旅行者が急増し、各地でインバウンド集客に取り組む自治体や事業者が増えている。
しかし、「情報を発信しても外国人に届かない」「何から始めればいいかわからない」と悩む声も多い。
旅行情報発信サイト「GOOD LUCK TRIP」にも、同様の課題を抱える自治体や企業から多くの相談が寄せられている。
この記事では、インバウンドをWebで集客するために押さえておきたいポイントと、代表的な施策、成功事例を紹介する。
内容を参考にすれば、課題解決の糸口が見つかるはずだ。
インバウンド集客の一丁目一番地は”情報発信”
これまでインバウンド集客施策を行っていない場合や、多言語サイトを作っただけでは、ほとんどの外国人に自社の施設や店舗、サービスが認知されていないと考えた方がいい。
認知されていない状態でインバウンド向けのクーポンを発行したり、チケットを予約してもらうためにOTAに掲載したりしても、来訪や予約に結びつく可能性は低い。
だからこそ、インバウンド集客の第一歩は”知ってもらうこと”から始まる。
知ってもらうために重要なのが、外国人に自社のストーリー・魅力・サービス内容などを伝えるための “情報発信”だ。

インバウンド向けの情報発信を始める前に知っておきたい3つのポイント
インバウンド向けの情報発信を集客へとつなげるためには、訪日外国人がどこで、どのように情報を集め、何を知りたいのかを理解することが欠かせない。
その上で、自社の知名度を把握し、訪日外国人が求めている情報を正しく伝え、行動につながる導線を整える必要がある。
ここでは、そのために押さえておきたい3つのポイントを紹介する。
1. 集客のターゲットにする国・地域を明確にする
インバウンド集客でよくある失敗は、「訪日外国人」をひとくくりに考えてしまうことだ。
当たり前だが、国や地域によって言語や文化、価値観、生活習慣は大きく異なる。
さらに同じ国でも、訪日経験の有無や日本への興味関心度合いによって、求める情報や行動が違う。
そのため、まずはターゲットとする国・地域を明確にし、それぞれの特性に合わせて発信内容や訴求方法を変えることが重要だ。

2. 外国人旅行者が情報を集める手段を知る
外国人が旅行情報を集める手段は、国や地域、年代によって大きく異なる。
ただ、「検索エンジンを活用して自ら情報を探す」という行動は、どの国や地域、年代でも共通している。
旅行先を決めるタイミングだけでなく、旅行中に近くの飲食店や観光スポットを調べる場面でも、検索エンジンが使われる。
SNSや広告のような受動的な情報収集とは異なり、検索経由のアクセスは「既に日本旅行を検討している」「実際に飲食店や体験施設を探している」外国人によるものが多い。
そのため、外国人に自社の情報を届けて集客につなげるには、検索結果上で自社を見つけてもらうための取り組みが欠かせない。

3. 訪日外国人が知りたい・求めている情報を理解する
インバウンド集客を考える上で欠かせないのが、「訪日外国人は何を知りたいのか」を理解することだ。
多くの外国人旅行者が共通して求めているのは、“日本人目線” だ。
日本で暮らす人々が今どんなものに注目しているのか、どんな場所に通っているのかを知りたがっている。
近年はリピーターが増え、定番スポットよりも「日本人が日常的に利用している場所やサービス」への関心が高まっている。
そのため、情報発信する際には、「日本人目線で紹介すること」「日常に根ざした体験や文化を伝えること」を意識したい。
訪日外国人が求める情報については、以下の記事でも詳しく紹介しているので、参考にしてほしい。

どれを選ぶ?インバウンドWeb集客施策の特徴とメリット・デメリット
インバウンドWeb集客には、多言語サイト、SNS、OTA、Webメディアなど、様々な施策がある。
ただ、施策によって役割も成果が出るタイミングも異なるため、どれから取り組むべきか見極めることが重要になる。
ここでは、代表的な施策それぞれの特徴や、メリット・デメリットを紹介する。
自社の状況に合う施策を選ぶための参考にしてほしい。
最初に取り組むべき集客施策「Webメディア」
インバウンドを集客する上で、まず始めに取り組みたいのが、訪日外国人向けに日本の旅行情報を発信しているWebメディアの活用だ。
Webメディアは、旅行前の情報収集はもちろん、旅行中にも閲覧されることが多く、認知獲得だけでなく、集客や予約・購買、ファン獲得まで幅広い役割を担っている。
特に、検索エンジンからアクセスを集めているWebメディアであれば、主体的に情報収集している訪日関心層に情報を届けられるため、来日後の利用や来店につながりやすい。
また、一度掲載すれば、中長期的に情報を届けられる持続性の高さもメリットだ。
一方で、効果を最大化するには媒体選定が重要になる。
日本旅行に関心を持つ外国人からアクセスを獲得していないWebメディアでは、掲載しても認知拡大や集客にはつながりにくい。
集客につながるWebメディアの選び方については、こちらの記事を参考にしてほしい。

認知獲得後に取り組みたい「多言語サイト」
多言語サイトとは、日本語のWebサイトをベースに、英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語・タイ語など、複数の言語に対応しているWebサイトのことだ。
自社の公式情報を正確に届けられるだけでなく、自社ブランドの世界観やこだわりを多言語で発信できる点がメリットだ。
しかし、多言語サイトを制作しただけでは、ほとんど見てもらえない。
アクセスを集める手段(多言語SEOやリスティング広告)がセットで必要になる。
制作費用も高額になりやすく、1言語あたり150万円前後が相場だ。多言語SEOや広告を併用すると、さらに費用がかかる。
また、多言語サイト制作には特有のノウハウが必要だ。
ノウハウがない制作会社へ依頼すると、アクセスが集まらなかったり、アクセスが集まっても集客に繋がらないリスクがある。
そのため、インバウンド集客の最初の施策としてはお勧めできない。
まずは、既に訪日関心層を集客しているWebメディアの活用が効果的だ。
例えるなら、
・人が集まっているショッピングモールに出店する:Webメディア掲載
・人通りの少ない場所に店を構え、集客をゼロから始める:多言語サイト制作
といったイメージになる。
まずはWebメディアで自社を知ってもらい、手応えを得てから多言語サイトを制作する方が効率的だ。
多言語サイトについて詳しく知りたい場合は、旅行情報発信サイトの運営だけでなく、多言語サイト制作の実績も豊富な「GOOD LUCK TRIP」のノウハウが詰まった、こちらの記事を参考にしてほしい。

インバウンド集客の最後のステップを担う「OTA」
オンライン旅行代理店「OTA(Online Travel Agency)」の活用も、インバウンド集客でよく利用される施策のひとつだ。
特に宿泊施設や体験施設では、OTAの利用を検討するケースが多い。
OTAの多くは多言語や多通貨に対応しており、世界中の旅行者に露出を拡大できる点がメリットだ。
また、レビューや評価、返金保証、サポート体制が整っているため、旅行者の不安を減らすことができ、予約につながりやすい。
利用者のリアルな声を知ることで、自社サービスの改善にもつながる。
一方で、OTA内検索で上位表示されなければ、出稿しても成果は見込みづらい。
さらに、「手数料が発生する」「訴求できる情報に制約がある」といったデメリットもある。
特に自社のブランドや魅力を自由に伝えにくい点は理解しておきたい。
そのため、OTAはインバウンド集客において起点ではなく終点、
つまり「最後の予約のタッチポイント」として位置付けるのが理想だ。
「Webメディアで認知と興味を獲得し、OTAで予約する」といった導線を設計することをお勧めする。

情報発信の基盤を整えてから活用したい「SNS」
ターゲットとする外国人旅行者が利用するSNS上で、公式アカウントを運用して情報発信することも、インバウンド集客の代表的な施策だ。
SNSは拡散力が高く、継続的な情報発信やフォロワーとのコミュニケーションを通じてファンを獲得できる点がメリットだ。
一方で、投稿は流れやすく、持続的に情報を届けるには運用コストがかかるというデメリットがある。
また、フォロワー数やエンゲージメントが、実際の来店や予約とどれほど結びついているのかが分かりづらく、成果の可視化や評価が難しい。
インフルエンサーやKOL(Key Opinion Leader)の活用も広く行われているが、そのファン層と自社のターゲットが一致していなければ効果は限定的だ。
投稿が一過性で終わってしまえば、認知にも繋がりにくい。
そのため、まずは「外国人に自社を知ってもらう施策」と、知った後に公式情報を伝えられたり、予約可能にしたりする、受け皿を整えることが先決だ。

インバウンド集客で成果を上げた「GOOD LUCK TRIP」の成功事例
インバウンド集客は、正しい施策を選び、継続的に取り組むことで成果へとつながる。
ここでは、「GOOD LUCK TRIP」を活用して情報発信を行い、実際に訪日外国人の利用・来店につなげている企業や団体の成功事例を紹介する。
抱えていた課題から実施した施策、得られた成果を知ることで、自社の取り組みのヒントが見つかるはずだ。
京王電鉄株式会社様の成功事例
まずは、東京都心から多摩地域、神奈川県北部に路線網を持つ京王電鉄様の成功事例を紹介する。
京王電鉄様は、沿線の観光スポット情報を幅広く発信していたものの、「広く浅いPR」になってしまい、訪日外国人にしっかりと魅力が届いているのか課題を感じていた。
そこで、訪日関心層を多く集めている多言語旅行メディア「GOOD LUCK TRIP」と連携し、「GOOD LUCK TRIP」内に特集ページ「高尾山+one」を掲載。
「高尾山へ登る旅に、楽しみをひとつ加えよう!」というメッセージのもと、沿線の体験・観光スポットを紹介した。
役割も明確化し、
- 自社サイト:乗車券・アクセス情報など鉄道会社が提供すべき情報に特化
- GOOD LUCK TRIP:観光情報の訴求とインバウンド集客を担う
という形で、自社サイトとWebメディアを組み合わせた情報発信の体制を構築した。
その結果、計画していた3年間分のPVを想定より1年以上早く達成する見込みとなり、大きな成果を実感していただけている。
また、閲覧データを活用したマーケティングにも活かせる点も評価していただけた。
東京ステーション開発株式会社様の成功事例
続いて、東京駅にある商業施設「東京駅一番街」(運営:株式会社東京ステーション開発様)の成功事例も紹介しよう。
東京駅一番街では、新店舗のオープンやポップアップイベントの開催など、日々変化する現場の最新情報を、訪日外国人へ継続的に届ける必要があった。
そこで、記事を長期間掲載できることに加え、掲載後の情報追加・メンテナンスにも柔軟に対応できる点が評価され、「GOOD LUCK TRIP」に施設の魅力を伝える記事を掲載。
掲載した記事は、「東京駅一番街」に関する主要キーワードで検索上位を獲得しており、台湾市場の潜在顧客へ効率的にリーチできていることを実感していただいている。
また、検索キーワードやユーザー行動データを分析し、店内導線の改善や販促施策に活かせる点も高く評価されている。
一般社団法人中央酪農会議様の事例紹介
最後に、日本全国の酪農関連機関や生乳生産者団体で構成される「一般社団法人中央酪農会議様」の成功事例を紹介する。
牛乳の需要喚起施策の一環として、日本に暮らす消費者だけでなく、日本を訪れる外国人旅行者にも情報を届ける取り組みを進めている。
その中で、市場が拡大するインバウンドへのアプローチは、酪農家や関係者からの要望も高まっていた。
そこで、効果的に情報発信できる方法を検討し、複数の施策を比較した結果、「GOOD LUCK TRIP」への記事掲載を採用いただいた。
SEO対策によって検索上位を狙えること、運営母体への信頼性、そしてコストバランス。これらが導入の決め手となったポイントだ。
記事の制作過程においては、読者への訴求と情報の正確性を両立することが課題となったが、臨機応変な対応により、納得感のある記事に仕上がったと高く評価されている。
記事公開後、台湾・香港からのGoogle検索では「日本 牛乳(牛奶)」で検索1位を獲得。
アメリカからも「Japanese Milk」で上位表示を達成し、想定以上のSEO成果が出ているとの声をいただいた。
インバウンド集客をこれから始めるなら「GOOD LUCK TRIP」の活用がお勧め
「何から取り組めばいいかわからない」「知名度の獲得と集客どちらも実現したい」という方は、Webメディアの活用から始めよう。
メディア選びに迷ったら、まずは「GOOD LUCK TRIP」への出稿を検討してほしい。
このコラムを掲載している「GOOD LUCK TRIP」は、旅行ガイドブック「地球の歩き方」を制作する企業が、世界中の旅行者に向けて日本の魅力を発信するインバウンドメディアだ。
GOOD LUCK TRIPの「OMAKASEプラン」では、その施設やサービスに興味のあるユーザーからアクセスを集める記事から、制作する記事広告への導線を設置。
記事の内容に応じて最適な誘導を提案するため、認知獲得だけでなく来訪や利用につながりやすい。
さらに、記事広告は永久掲載され、導線も1年間継続するため、短期的な効果にとどまらず、長期的な集客効果も期待できる。
例えば、東京の飲食店の場合は「東京 グルメ」で上位表示されている記事から記事広告へ誘導を行うことで、「東京で飲食店を探している訪日外国人」に効果的にアプローチできる。その結果、来店へとつながる可能性が高まる。
多言語でSEOの成果を出すために、日本語用原稿を用意しているのも特徴のひとつだ。
インバウンドメディアへの出稿を検討している方、どの媒体を選ぶべきか迷っている方は、ぜひ一度GOOD LUCK TRIPへお問合せ・相談してほしい。
まとめ
この記事では、インバウンド集客でよく聞かれる「情報を発信しても外国人に届かない」「何から始めればいいかわからない」といった課題を解決するためのポイントや、代表的な集客施策、成功事例を紹介してきた。
基本を押さえ、自社に合った施策を選んで実施すれば、訪日外国人の来店や利用へと確実に近づいていくはずだ。


