醍醐寺
平安時代前期の874(貞観16)年、弘法大師空海の孫弟子で修験道中興の祖とされる理源大師聖宝が創建した寺院で、真言宗醍醐派の総本山。醍醐山全山の200万坪にも及ぶ寺域をもち、その広さは、京都市内でも最大規模。境内は山上の「上醍醐」と山裾の「下醍醐」に分かれ、80余りの堂塔が点在している。創建当初は、「上醍醐」を中心に発展。後に醍醐天皇の御願寺として天皇の厚い帰依を受け、山麓にも壮大な伽藍が形成されていったという。
今回の京都旅行で最も驚かされ、深く印象に残った場所は、間違いなく醍醐寺。広大な境内に一歩足を踏み入れると、目の前に広がる、背が高く枝葉の生い茂ったさまざまな桜の木にたちまち魅了された。そよ風に揺れる多品種の桜の花びらは、青空と白い雲、鮮やかな緑の芝生に映えて、ひときわ美しく心を奪われる。風が吹くと桜吹雪まで舞い、夢のようだった。
境内を歩いていると、風情あふれる野外の茶席も偶然見つけた。ロマンチックな桜の木の下に直接座り、お茶を味わいながら年に一度の花見を楽しめる、まるで日本のドラマの中に入り込んだようなひととき。醍醐寺の歴史といえば、ここは日本の著名な歴史上の人物、豊臣秀吉と深い縁がある。当時、秀吉はここで一世を風靡した盛大な花見の宴「醍醐の花見」を催し、それによって千種類を超える貴重な桜の品種がこの地に受け継がれてきた。よく見ると、古い建物の屋根瓦にまで隠れた豊臣家の家紋を見つけることができ、至るところに濃厚な歴史の足跡が感じられる。
醍醐寺の敷地はかなり広く、壮麗な自然の景色と、奥深い文化や歴史を持つ建築が一体となっている。丸一日時間を空け、ゆっくり散策しながら境内いっぱいの桜をじっくり眺め、どこまでものんびりとした文化の趣あふれる京都の春を楽しむのにぴったり。

































