雨夜の函館山、もう一つのロマンチックな趣
今回の北海道・函館旅行で最も楽しみにしていたのは、有名な夜景を見るために函館山へ登ることだった。函館山は標高334メートル。街は函館湾と津軽海峡に囲まれ、日が暮れると無数の明かりが海岸線に沿って広がり、独特な扇形の光景を作り出す。
残念ながらその夜は小雨が降り、山頂は雲と霧に包まれていた。本来ならくっきりと輝くはずの街の夜景も、霞がかった雰囲気をまとっていた。ロープウェイがゆっくりと上昇する中、窓の外の明かりは雨と霧の中で見え隠れしていた。展望台に到着してガラス越しに眺めると、函館市街は変わらず明るく輝き、海は深い青色の夜に沈んでいた。
最も晴れ渡った函館の夜景には出会えなかったものの、思いがけず雨夜ならではの静けさとロマンチックな雰囲気を感じられた。旅の素晴らしさは、必ずしも完璧な天気があってこそ生まれるものではないのかもしれない。時には小雨や霞が、かえって記憶をより深く刻んでくれる。この夜の函館は、鮮明さが少し欠けた分、詩情が増していた。















