
【京王百草園の楽しみ方】東京・日野の花と眺望の名所で四季を愛でる
「京王百草園」は、東京・日野市にある自然豊かな日本庭園だ。
新宿から電車で約40分、都会の喧騒を離れて静かに四季の風景を楽しみたい人にお勧めの場所。
「京王百草園」内には梅やアジサイ、紅葉など約30種の花木が植えられ、見晴台からは富士山やスカイツリーを望める。
本記事では、季節ごとの花の見どころや歴史、和室の貸し切り利用、地元名産のスイーツまで、「京王百草園」の魅力を詳しく紹介する。
「京王百草園」ってどんなところ?
「京王百草園」は、江戸時代に建立された松連寺の跡地を、明治初期に生糸商人・青木角蔵が整備し一般公開したのが始まり。
現在は京王電鉄が所有・管理し、自然美と歴史が調和した日本庭園として親しまれている。
「京王百草園」内には梅・アジサイ・紅葉など30種ほどの花木が植えられ、特に早春の梅まつりがお勧めだ。
見晴台からは富士山やスカイツリーを望め、四季の移ろいとともに心安らぐひとときを楽しめる。
「京王百草園」へのアクセス
「京王百草園」へは京王線新宿駅から百草園駅で下車し、徒歩約10分で到着する。
または聖蹟桜ヶ丘駅や高幡不動駅からはタクシーで約10分。
百草園駅南口を出て右に直進し「百草園通り」を曲がると長い急坂が現れる。
緑に囲まれた閑静な住宅街の坂を上ると、「百草園まであと130m」という看板が見え、その付近から傾斜がより急になる。
正門に着いたら上り切った達成感を感じられるだろう。
「京王百草園」で体験できる日本の四季
「京王百草園」には梅、アジサイ、紅葉を中心に、季節ごとに咲く花や木が約30種類点在している。
どの季節に行っても旬の花を見られることが魅力だ。
また、「京王百草園」にはウグイス、メジロ、ジョウビタキ、アオジなどの野鳥や、フクロウ、タヌキ、アナグマなどの野生動物が姿を見せることもある。
野鳥の鳴き声を聞きながら、花をのんびりと鑑賞すると心が穏やかになるだろう。
ここでは「京王百草園」で鑑賞できる花木を季節ごとに紹介する。
1. 春(3月〜5月)
3月は遅咲き梅、白木蓮、ボケ、サンシュユが、4月は日本桜草、ツツジ、ミツバツツジ、カタクリ、シャクヤクが、5月は藤、シャクナゲ、ボタン、サツキが開花する。
新緑の中にひときわ目立つ垂れ下がった藤は、思わず立ち止まって眺めたくなる。
桜が散る頃にはツツジが咲き始め、初夏への移り変わりを感じられる季節だ。


2. 夏(6月〜8月)
6月から7月上旬にはアジサイが、7月は睡蓮やノウゼンカズラが、8月は百日紅が見頃だ。
「京王百草園」内には西洋アジサイとガクアジサイの2種類が400〜500株ほど植えられている。

紫・白・赤に染まったアジサイの色もあり、繊細な色の違いを見ながら散策しよう。
水滴で葉を光らせたアジサイは梅雨の時期ならではの景色だ。
池いっぱいに広がる睡蓮は見頃になると水面を鮮やかに彩る。


「京王百草園」では、主に温帯性の睡蓮が植えられており、7月〜8月にかけて次々と花を咲かせる。
日差しが強くなる昼頃には閉じ始めるため、午前中の観賞がお勧めだ。

3. 秋(9月〜11月)
9月は萩、金木犀、マンジュシャゲが、10月は吉祥草やホトトギスが咲く。
金木犀の果物のような甘い香りは、遠くからでも漂ってきそうだ。
冬に近づく11月には、「京王百草園」内の至るところに植えられた紅葉が赤や黄色に染まる。
満開の紅葉の中を歩きながら秋風を感じたい。


4. 冬(12月〜2月)
12月は紅葉や山茶花が、1月は日本水仙、ロウバイ、早咲き梅が、2月は梅、椿、福寿草、寒咲きアヤメが咲く。
水仙の黄色、寒咲きアヤメの紫色は冬が明けたことを知らせてくれるような色彩だ。
また、「京王百草園」は約50種類、約500本の梅が咲く名所として知られ、開花する2月から
3月上旬には「梅まつり」が開催される。
夜になるとライトアップされる満開の梅花は、見晴台からの夜景と一体感を感じられ、うっとりするだろう。


花だけではない「京王百草園」の楽しみ方4選
四季の花々が彩る「京王百草園」の魅力は、花を愛でるだけではない。
「京王百草園」内には一般利用者が使える和室や土間に入ってひと息つける場所もある。
ここでは、「京王百草園」にある他の楽しみ方を4つ紹介しよう。
1. 見晴台から富士山やスカイツリーを眺望する
「京王百草園」内の奥には2箇所の見晴台があり、雲ひとつない天気なら都市部の観光名所が見える。
階段を上がってひとつ目の見晴台からは茨城県の筑波山。
さらに上にあるふたつ目の見晴台からは東京スカイツリーや東京都庁第一庁舎、富士山などが見える。



2. お休み処で「京王百草園」の梅の実を使った羊羹を食べる
ひとつ目の見晴台の敷地には、休憩所と和室が併設された「松連庵(しょうれんあん)」がある。
休憩所ではジェラート、どら焼き、「もぐさ羊羹(ようかん)」を販売する。
日野市の牧場「モグサファーム」が運営する直営店「アルティジャーノ・ジェラテリア」から仕入れたジェラートは、清涼感のあるミルクの味と砂糖がバランスよく混ざり、甘さ控えめだ。
同市の老舗和菓子店「はごいた本舗」から仕入れたようかんは、百草園で収穫した梅の実から作った梅干しをようかんに加工している。
ようかんは梅と白インゲンの一種である手亡(てぼう)が原料。
わずかに感じる梅の酸味と、舌を優しく包み込むような手亡の甘みを感じられる。
「京王百草園」内のベンチで花を見ながら食べれば、ピクニック気分を味わえるだろう。


3. 「松連庵」と「三檪庵」の和室を貸し切り利用する
「京王百草園」内の「松連庵」と「三檪庵(さんれきあん)」は貸出可能だ。
どちらの建物も茶会、作品展、コスプレ撮影会などの利用ができる。
松連庵は江戸時代に再建された「松連寺」が由来。
当時の建築様式である茅葺き屋根が特徴だ。
正面には、寿昌院慈岳元長尼が植樹したと伝えられている立派な寿昌梅(じゅしょうばい)がある。
松連庵には事務所が併設されており、和室のみ貸出可能だ。


三檪庵は、秋田杉の無垢材を用いた茶室。
生い茂った外観から門をくぐると、開放感のある和室が見える。


4. 百草園と隣接された「百草八幡神社」で木漏れ日を感じる
三檪庵の後にある「百草園(神社門)」をくぐると隣接された「百草八幡神社」にも行ける。
百草園の華やかな空間から神聖な空間へと移り変わる。
鎌倉幕府の御祈祷寺で百草にあったと言われている真慈悲寺(しんじひじ)の提案により、1250年に建立された。
社の両脇には狛犬が見守るようにして鎮座している。
敷地内には日野市指定天然記念物のシイノキ群があり、本殿裏には高さ17mの巨木がそびえ立つ。
木漏れ日が差し込む静かな場所で、自然の偉大さを感じてみよう。

「京王百草園」に関するよくある質問
Q
駐車場はありますか?
ありません。電車かタクシーでの来園が推奨されています。
Q
動物を連れて入園可能ですか?
動物を連れての入園は禁止となっています。
Q
望ましい服装はありますか?
「京王百草園」内は階段や坂が多いため、雨天時は滑りづらい靴を履くのがベストです。
まとめ
春の梅から夏のアジサイ、秋の紅葉、冬の水仙まで、四季折々の花が咲く庭園「京王百草園」。
自然を感じながら静かに過ごしたい人や、日本らしい景色を楽しみたい人にとって、訪れる価値のある場所だろう。
「京王百草園」内の見晴台から眺める景色や、歴史を感じる建物、地元産のスイーツなども楽しみのひとつ。
都会から少し足を延ばして、日本の季節を五感で味わってみてはいかがだろうか。