
心身を整える旅へ!髙尾山薬王院の御護摩修行・精進料理体験
東京都心から電車で約1時間。自然豊かな「高尾山」は、都内にいながら山岳信仰や修験道に触れられる場所だ。
中腹には、その信仰を今に伝える「髙尾山薬王院」が位置する。
参道を歩くと、杉木立の香りや静かな空気が広がり、高尾山が長く祈りの場として大切にされてきたことが感じられる。
髙尾山薬王院では、火を使った祈り「御護摩(おごま)修行」と食を通じて心を整える「精進料理」を体験できる。
どちらも専門知識がなくても参加でき、儀式や料理に込められた意味を理解して体験することで、その精神性に触れられるだろう。
この記事では、御護摩修行と精進料理を中心に、髙尾山薬王院の魅力を紹介していく。
髙尾山薬王院へのアクセス
髙尾山薬王院の最寄り駅は京王線「高尾山口駅」。
新宿駅で京王線特急に乗車すれば、直通かつ1時間ほどでアクセスできる。
そのため、東京都心のホテルからも日帰りで充分に楽しめる。
高尾山周辺や八王子市街地にもホテルが充実しているため、近くで1泊するのもお勧めだ。
高尾山口駅到着後は、駅から徒歩5分の高尾登山電鉄「清滝駅」からケーブルカーで高尾山駅に行き、1号路の参道を約6分登ると、髙尾山薬王院の聖域の入口「浄心門」に着く。
そこからの道中には、平和と幸福を祈る「仏舎利塔」や、人々の願いと祈りが育てた「大杉原」など見どころが満載だ。
以下の音声ガイドを聞きながら登山すれば、髙尾山薬王院はもちろん、高尾山の魅力をより深く感じられるはずだ。

髙尾山薬王院が人々を惹きつける理由
高尾山の自然が豊かに保たれてきた背景には、約1,300年前からこの山を信仰の対象として大切にしてきた人々の存在がある。
境内では、天狗の像などが点在し、高尾山が霊山として多くの人々に信仰されてきた歴史を知ることができる。
御護摩修行や精進料理といった体験は、この信仰文化を「見る」だけでなく「体験する」形で理解できる点が魅力だ。
髙尾山薬王院は、自然・文化・体験が一体となった貴重な場所として、日々多くの旅人が訪れている。


髙尾山薬王院で受け継がれる修験道と天狗信仰
髙尾山薬王院は、山岳信仰の拠点として修験道の教えが今も息づく場所だ。
古くから霊山として知られ、山伏たちが山中で修行を積み、祈りを捧げてきた歴史を持つ。
山中の杉並木や石碑は、長い年月を経て守られてきた信仰の山であることを静かに伝えている。
この修験道とともに、高尾山では天狗も広く親しまれてきた。
天狗は神仏の使いとされ、除災開運や招福の象徴として語られてきた。
参道を進んでいくと天狗が腰かけたとされるひときわ目を引く大きな杉と出会う。その名は「天狗の腰掛杉」。今も訪れる人を静かに見守り、参拝者に力を与えている。
境内には、赤い顔に高い鼻を持つ「鼻高天狗(大天狗)」やカラスのくちばしを持つ「烏天狗(小天狗)」の像が立ち、訪れる人々の目を引く。
こうした修験道と天狗信仰に触れながら歩くことで、髙尾山薬王院の文化的背景をより深く感じられるだろう。

高尾山に受け継がれる祈りの証「杉苗奉納」
文化的背景を楽しむなら、高尾山に受け継がれる信仰のひとつ「杉苗奉納」も知っておきたい。
願いが成就したお礼として杉の苗木を髙尾山薬王院へ奉納する風習が、遠い昔から現在まで続いている。
そのひとつひとつが根を張り、年月をかけて成長したのが、参道の杉並木だ。これらの巨木の中には、樹齢500年を超える杉もある。
杉並木の対面には、杉苗奉納をした人たちの名前が記された芳名板がズラリと並ぶ。
この札は、毎年掛け替えられており、こうした歴史の積み重ねが、髙尾山薬王院で大切にされてきた祈りの文化につながっている。
御護摩修行や精進料理を体験することは、この祈りの精神に触れる貴重な機会となる。

自分自身の心と静かに向き合う「御護摩修行」
「御護摩修行」とは、インドに起源を持つ秘法で、護摩木を焚いて炎で煩悩を焼き清め、精神的な浄化と願いを成就させるための儀式だ。
真言密教では炎を仏の智慧と捉え、迷いや不安を照らし出す光として願いを託す。
髙尾山薬王院では毎日この御護摩修行が行われ、誰でも参加できる。
ご本尊・飯縄大権現の「身・言葉・心」の働きを自らの内側と一致させるという教えのもと、導師によって煩悩を表す護摩木に点火される。
法螺貝の音、読経、太鼓の響きが境内に広がると、儀式独特の緊張感と静けさが生まれ、自然と心が整っていく。
参拝者は事前に名前と祈願内容を記し、その願いは御本尊の分身でもある御護摩札に託される。
炎が勢いよく立ち上がる瞬間、祈りは火焔に乗って仏へ届けられるとされ、儀式の後にはその御護摩札が授与される。
これは「ここで確かに祈り、これからもその願いを大切に生きていく」という、自分自身への誓いの証として手元に残るものだ。
また、御護摩修行の音声ガイドでは、炎を“智慧の象徴”とする考えや、法螺貝の音に込められた意味など、御護摩の背景をより分かりやすく紹介している。
体験前後に聞くと、儀式の一つひとつがどのような意味を持つのか理解が深まり、体験そのものがより豊かに感じられるはずだ。
- 主な内容
- ・法螺貝や読経、太鼓などの儀礼
- 御護摩料
- 3,000円〜 ※金額によって御護摩札の大きさ等が変わる
- 修行時間
-
・午前:9時30分、11時
・午後:12時30分、14時、15時30分 - 所要時間
- 20分 〜 30分
- 対応言語
- 日本語
- 音声ガイド
- 音声ガイドを聞く

自然の恵みと静かな祈りに触れる「精進料理」
「精進料理」とは、仏教の教えに基づいた菜食中心の料理である。
動物性食材、五葷(にんにく・ねぎ類など)を避けるといった戒律に従い、”命あるものを殺さずにいただく”という思想のもとで発展してきた。
髙尾山薬王院では、旬の野菜、豆、根菜など自然の恵みを味わうことができる食材が使われる。
味付けは素材の香りや甘みを引き出すために控えめで、派手さはないが、ひと口ごとに深い滋味を感じられる。
食事の際には、料理が目の前に届くまでに関わった多くの人や自然への感謝を込めて「食事の偈(げ)」を唱えることがある。
これは、食材の命を尊び、一膳と向き合う姿勢を整えるための祈りの言葉だ。
食べ終わった後、お膳を見つめると、ただ空腹を満たしたという以上の、静かな満足感が残る。
自然の恵み、料理人への感謝、そして自分自身の心と向き合う時間が重なり、一膳が小さな“祈りの拠り所”になるはずだ。
精進料理の音声ガイドでは、精進料理の歴史や「なぜ自然の恵みと向き合うことが修行につながるのか」といった背景が紹介されている。
ぜひ精進料理を体験する前に、音声ガイドも聞いてみてほしい。
- 食事場所
- 髙尾山薬王院 大本坊
- 提供時間
- 11時〜14時
- 料理・料金
-
【高尾膳(4,400円)】季節の野菜・豆腐の煮物・汁物などが彩り豊かに盛り付けられた豪華な膳
【天狗膳(3,300円)】約10品(揚げ物・ご飯・デザートなど)の小鉢料理
※献立は季節により変動 - 対応言語
- 日本語
- 食事制限
-
対応可:アレルギー・ベジタリアン
対応不可:ハラル・ビーガン - 申し込み方法
- 電話予約 ※2名から申し込み可
- 音声ガイド
- 音声ガイドを聞く

まとめ
髙尾山薬王院は、東京都心のホテルから気軽にアクセスできるのにもかかわらず、山岳信仰や修験道の文化に触れられる貴重な場所だ。
参道を歩く時間、御護摩修行の炎、精進料理の一膳。そのどれもが、自然と自分自身へ視線を向ける静かな祈りとなる。
深い知識がなくても楽しめる体験が揃い、観光として訪れた人でも”祈り”を身近に感じられるのが髙尾山薬王院の魅力だ。
高尾山の自然と長く続く祈りの文化に触れることで、旅の中に小さな心の余白が生まれるはずだ。
都心から離れすぎず、非日常に
身を置ける高尾山。御護摩修行や精進料理を通して、いつもよりゆっくりと自分の心に耳を傾ける旅を楽しんでほしい。
また、高尾山の様々な楽しみ方や、高尾山周辺の楽しみ方を紹介する、以下のページもぜひチェックしてほしい。