これを読めば魅力も見どころも網羅できる!高尾山の観光完全ガイド
ミシュランガイドに三つ星の観光地として認定され、世界一の登山者数を誇る「高尾山」。
アクセスの良さや気軽に登山できる整備された環境、登山中にいくつもある見どころ、そして何よりも高尾の自然を満喫できることが人気の理由だ。
「高尾山」を初めて訪れる人でも楽しめるように、この記事では高尾山の基本的な情報や魅力はもちろん、登山ルートやお勧めの観光シーズン、季節ごとにお勧めの服装など、「高尾山」を楽しむために必要な情報を紹介しよう。
高尾山ってどんなところ?
東京都西部の八王子市にある、標高599mの「高尾山」。
訪れる人の数は年間約300万人と、世界一の登山者数を誇る。
2007年にはミシュランガイドで最高ランクの三つ星の観光地として認定され、海外からの観光客も多く訪れる、人気の観光スポットだ。
そんな「高尾山」の魅力は、山頂や複数ある展望スポットからの壮大な景色や、紅葉に染まる秋の美しい景色だ。
整備された登山道や登山客用の休憩所やトイレがあり、ケーブルカーやリフトを利用すれば約1時間で山頂に登れるため、誰でも気軽に登山できることも「高尾山」が人気を集めている理由のひとつ。
東京都内からのアクセスも良く、日帰りで楽しめるのも嬉しいポイントだ。
高尾山へのアクセス
- 経路
-
1. 「新宿駅」で京王線へ乗車し、「高尾山口駅」で下車
2. 「高尾山口駅」から登山口まで、徒歩3分で到着 - 所要時間
- 約1時間
土日祝に高尾山を訪れるなら、京王電鉄の「Mt.TAKAO号」はお勧めだ。
高尾山口行きの列車は新宿を出ると途中停車駅は明大前(乗車専用)のみで、以降は終点までノンストップ。
新宿と高尾山口を最速43分で結んでいる。井の頭線利用者は明大前で「Mt.TAKAO号」に乗り換えが可能。
高尾山のお勧め観光シーズンは?
どの季節に訪れても楽しめる「高尾山」だが、お勧めの観光シーズンは秋だ。
紅葉のシーズンは山の麓から山頂まで広範囲で木々が色づき、多くの観光客が紅葉を楽しみに訪れる。高尾山山頂の展望台からは、富士山と紅葉がコラボレーションした絶景が楽しめるので、観光時期を調整できるなら、ぜひ訪れてほしい。
高尾山の紅葉は、例年11月中旬から12月上旬にかけて見頃を迎える。
紅葉の季節に「高尾山」を楽しみたいなら、こちらの記事も参考にしてほしい。
高尾山の登山コースと所要時間
「高尾山」の登山コースは、自然研究路の1〜6号路や、稲荷山コース、高尾山・陣馬山の縦走コースなど、主要なものは全8コースある。
コースによって難易度が異なり、登山初心者にぴったりなコースだけでなく、登山が好きな上級者向けのコースもある。
それぞれのコースについて詳しく説明していこう。
登山コース別の所要時間
登山コース別に所要時間を知りたい方は、下記の表を目安にしてほしい。
休憩や山頂までの観光スポットに立ち寄る時間は入れていないため、実際には表に記載した時間よりもかかると思ってほしい。
- 1号路
-
登り:約1時間40分
下り:約1時間20分 - 2号路
- 1周40分
- 3号路
-
登り:約1時間
下り:約50分 - 4号路
-
登り:約50分
下り:約40分 - 5号路
- 1周30分
- 6号路
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登り:約1時間40分
下り:約1時間20分 - 稲荷山コース
-
登り:約1時間40分
下り:約1時間20分 - 高尾山・陣馬山コース
- 約5時間30分
初めて高尾山に登る方にお勧めの「1号路」
子どもや登山初心者でも無理なく登山でき、最も利用者が多い「1号路」。
ほとんどの道が舗装されており、普段着にスニーカーで気軽に登れるコースである。
途中に団子や蕎麦などのご当地グルメが楽しめるお茶屋や、さる園、杉並木や薬王院などの観光にお勧めのスポットが多数あり、楽しく登山ができるのが魅力的だ。
「高尾山」の主な観光スポットを巡れることもあり、定番のコースとなっている。
季節の草花を観察できる「2号路」
高尾山の中腹あたりにあり、全長約1kmを約40分で周遊する「2号路」。
ケーブルカーやリフトで登った場所からコースに入れる。
1号路を挟み、高尾山の南斜面と北斜面の二つのルートを周遊するコースで、こちらも登山初心者や子どもでも楽しめる。
コースの南斜面には常緑樹、北斜面には落葉樹と棲み分けられており、様々な草花などを観察しながらハイキングできるコースだ。
登山客が少ないルートを選びたいならお勧めの「3号路」
比較的登山客が少なく、喧騒を避けて登頂したい方にお勧めの「3号路」。
一部に傾斜が急な箇所もあるが、ほとんどは緩やかな上り坂なので、登山初心者の方にもお勧めのコースである。
常緑樹の林や、杉、モミの木が多く見られ、高尾山の自然を目一杯に満喫できるだろう。
高尾山唯一の吊り橋のある「4号路」
コース内の吊り橋が人気で、利用者が比較的多い「4号路」。
山肌を歩く4号路は、道幅が狭い箇所が多く、登山初心者は足元に注意が必要。
高尾山で唯一の吊り橋があるコースで、記念撮影のために利用する登山者も多い。
紅葉の季節には、ブナやモミ、カエデなどの落葉樹が鮮やかに色づき、紅葉を楽しみながら登山ができるコースである。
山頂付近の自然をゆっくり鑑賞できる「5号路」
高尾山山頂のすぐ下を周遊する「5号路」。
高低差が少なく短めのコースのため、誰でも気軽に楽しめるコースである。
江戸杉と呼ばれる江戸時代に植樹され、高尾山で最も歴史の古い人工林が見どころ。
中には39mを超える杉の木もあり、樹齢は150年と言われている。
登山を楽しみたい方にお勧めの「6号路」
自然研究路の6コースの中でも険しい山道が続き、最も自然を楽しめる「6号路」。
ほとんどが舗装されていない自然道を歩くため、比較的難易度は高めの上級者向けコースとなっている。
道中には滝や沢を登る場所もあり、マイナスイオンを存分に感じられるのが魅力的だ。
気軽に登山を楽しみたい方にお勧めの「稲荷山コース」
舗装された道を歩かずに、山道で登山を満喫したい方にお勧めの「稲荷山コース」。
6号路と比較すると難易度は低く、初級者向けのコースとなっている。
途中にある展望台からは東京のビル群を望む絶景が楽しめる。
日当たりが良く、比較的なだらかな稲荷山コースは、自然道で気持ちの良い登山を楽しめる。
本格的な登山と絶景を楽しめる「高尾山・陣馬山コース」
更に本格的な登山を楽しみたい方へお勧めの「高尾山・陣馬山コース」。
高尾山山頂から城山、景信山を経由し、陣馬山山頂を目指す約15kmのコースで、中級者〜上級者向けのコースとなっている。
このコースで訪れる「奥高尾」とも呼ばれるエリアは観光客が少なく、静かに登山を楽しめることが登山愛好家にも愛されている理由のひとつだ。
途中で見られる絶景の数々は素晴らしく、陣馬山山頂の「かながわの景勝50選」に選ばれた絶景や、「関東の富士見百選」にも選ばれた富士山の眺望も見どころ。
高尾山にはどんな服装でいけば良い?
観光客に人気のある高尾山だが、標高は599mあり、山の天気や気温は変わりやすい。
突然の雨にも耐えられる雨具や、急な気温の変化にも対応しやすい服装を準備しておこう。季節ごとに服装の目安を紹介するので、参考にしてほしい。
- 春(3月 - 5月): 長袖シャツ・セーター・フリース・冬用ジャケット・ウィンドブレーカー
- 夏(6月 - 8月): 半袖シャツ・長袖シャツ・ウィンドブレーカー
- 秋(9月 - 11月): 長袖シャツ・薄手のセーター・フリース・ウィンドブレーカー
- 冬(12月 - 2月): 長袖シャツ・セーター・フリース・冬用ジャケット・ウィンドブレーカー
高尾山の魅力を満喫するために絶対に外せない見どころ6選
その豊かな自然だけでなく、神聖な雰囲気が漂うスポットも多く、東京有数のパワースポットとしても知られている「高尾山」。山頂ではご当地グルメを楽しめるスポットも。
見どころが多い「高尾山」の中でも、特に外せない見どころを厳選して紹介しよう。
1. 高尾山さる園・野草園
高尾山の中腹、自然に囲まれた環境の中にある「高尾山さる園・野草園」。
さる園には約90頭のサルたちがおり、ボスザルを筆頭に秩序あるサル社会を形成。
お互いに毛づくろいをしたり、寒い日には身を寄せて温め合ったりと生き生きと暮らす姿を間近に見られる。
飼育員による解説が聞けるのも人気。毎年4月初旬~8月上旬にかけて生まれるかわいい子ザルも必見だ。
2. 高尾山ケーブルカー
歩いて登れば1時間程度かかる山麓から中腹までの道のりを約6分で結ぶ「高尾山ケーブルカー」を利用すれば、誰もが快適にアウトドアを満喫することができる。
麓にある清滝駅と山上の高尾山駅の間は全長約1,000m、高低差約270m。
高尾山駅近くの最も急な場所では31度と、ケーブルカーとしては日本最大のこう配を記録。
四季折々の自然をはじめ、車内から眺める高尾山の絶景は必見。
3. たこ杉
樹齢約450年・高さ約37m・根回り約6mの巨大な杉の木の「たこ杉」。
タコの足のような根が特徴的だ。
「たこ杉」は市指定の天然記念物であり、高尾山で人気のパワースポット。
1号路の道中にあり、ケーブルカーの高尾山駅から少し登った位置にあるので、見逃さないように。
4. 浄心門
1号路を進み、たこ杉からさらに登ると現れる「浄心門(じょうしんもん)」。
1,200年以上もの歴史をもつ薬王院の境内への入り口となる門であり、この先が霊気の満ちる聖域であることを示している。
薬王院は仏教寺院だが、この門は神社の鳥居の形をしていることが特徴的。
薬王院に限らず、日本では国策として昔から神道と仏教を融合し、信仰を再構築してきた歴史がある。
そんな神仏習合(しんぶつしゅうごう)の歴史を感じられるスポットだ。
5. 髙尾山薬王院
744年、聖武天皇の勅令により、高僧行基菩薩によって開山。
高尾山の山腹にあり、正式名称は「髙尾山薬王院有喜寺」という。真言宗の大本山であり、成田山新勝寺、川崎大師平間寺と並び関東三大本山のひとつに数えられる。
不動明王の化身である飯縄大権現が御本尊で、そのお供である天狗が住む山と言われ、境内には天狗の像が多数点在する。
石車を回すと身を清められる「六根清浄石車」、大きな石の輪をくぐり、奥にある大錫杖を鳴らすと願いが叶うとされる「願叶輪潜」など、さまざまなご利益を授かるオブジェがあり、近年ではパワースポットとしても人気を集めている。
6. 高尾山山頂
晴れた日には富士山や丹沢の山々を見渡せる「高尾山山頂展望台」。
高尾山を登頂した記念に、山頂の標識で記念撮影してみて。
山頂には平坦で大きな広場があり、屋根のある休憩スペースや創業1945年から登山客に愛され続けているお茶屋などがある。
お茶屋などの売店で購入したグルメは、テイクアウトして休憩スペースで飲食することも可能。
ご当地グルメのとろろそばやカレーライス、暑い夏にはソフトクリームなどもお勧めだ。
広場の中央には「高尾ビジターセンター」と呼ばれる、高尾山周辺の自然についての情報を提供する施設もある。
トイレは二ヶ所あるので混雑時でも安心。下山前に利用しておこう。
登山前や登山中に立ち寄りたいグルメスポット2選
「高尾山」には登山前や登山中に立ち寄れる飲食店がいくつかあり、ご当地グルメが楽しめる。
これから紹介する2つの店舗は、高尾山登山の出発地点や最も利用者の多い1号路の道中にあり、気軽に立ち寄れるので参考にしてほしい。
1. 栄茶屋
京王高尾山口駅とケーブルカーの清滝駅を結ぶ坂の途中にあり、高尾山から下山してきた登山客に人気のそば処。
看板メニューは高尾山名物の「自然薯そば」だが、こちらでは通常の山芋に比べて粘りと香りが強く、風味も濃厚な自然薯を使用。とろろが泡立つまで全体をかき混ぜ、好みで薬味を入れて味わおう。麦飯を追加で注文し、残ったとろろに入れていただく「自然薯めし」も絶品だ。
2. ごまどころ 権現茶屋
道がすべて舗装されており、初心者でも気軽に登れるため高尾山の登山道の中でも最も利用者の多い1号路。
男坂と女坂の合流地点にある「権現茶屋」は、ケーブルカーの高尾山駅から徒歩15分とひと息つくのに絶好の立地で常に賑わうお店。
名物は炭火であぶり、店頭で香ばしい匂いを漂わせるごまだんご。
1本に約2,300粒のゴマが練りこまれただんごは金ごまと黒ごまの2種類あり、東京の醤油を使用したみたらしや特製の醤油たれ、クルミ味噌の3種類のたれを選ぶことができる。
高尾山限定グッズをお土産に「高尾山スミカ 土産処」
高尾山中腹に位置するケーブルカー「高尾山」駅を降りるとすぐの場所にある複合施設「高尾山スミカ」内の土産処は、高尾山に訪れた際はぜひ立ち寄りたいスポットだ。
土産処は、高尾山スミカの1階中央部に位置。高尾山スミカのオリジナルキャラクター「てんとぐー」のかわいいイラストがあしらわれた手ぬぐいやポストカードをはじめ、ケーブルカーやリフトのTシャツやマグカップなどのオリジナルグッズも販売する。
登山の疲れを温泉で癒せる「京王高尾山温泉 / 極楽湯」
高尾山へのアクセス駅である京王線「高尾山口駅」となりの好立地にある「京王高尾山温泉/極楽湯」は、ハイキングや観光にプラスして立ち寄りたい日帰り温泉施設。
高尾山の豊かな自然に包まれた絶好のロケーションで、マイクロバブルの「檜風呂」や「サウナ」をはじめ、多彩な湯船がスタンバイ。
なかでも、地下約1,000mから湧く天然温泉が美しい眺望とともに楽しめる「天然温泉 露天岩風呂(ぬる湯・あつ湯)」は、柔らかい湯ざわりで、美肌効果も期待できる。
有料のタオルレンタルもあるので、ふらっと立ち寄れるのもうれしいポイントだ。
高尾観光の拠点にピッタリの「ホテルタカオネ」
2011年7月、京王高尾線高尾山口駅の目の前にオープンした宿泊施設。
宿泊するだけではなく、さまざまな体験をすることがコンセプトの「活動型ホテル」になっている。
用意されるアクティビティは、陶芸体験、高尾オーダーメイドツアー、革を使ったクラフト製作など。
どれも地元ガイドや地元のクリエイターが指導してくれる。すべての宿泊プランに薪が付いてくるので、夜はたき火を楽しもう。
高尾山周辺にも魅力的な観光スポットやグルメは多いので、ホテルタカオネを中心にこれから紹介する観光スポットや飲食店も巡ってみよう。
高尾山の周辺観光スポット2選
「高尾山」を満喫したら、周辺にある歴史や自然をさらに楽しめるスポットの観光もお勧め。
これから紹介する2つの観光スポットも合わせて観光し、高尾観光を堪能してほしい。
1. 高尾梅郷
高尾梅郷は、旧甲州街道に架かる上椚田橋から始まる遊歩道梅林、関所梅林、天神梅林、荒井梅林、湯の花梅林、するさし梅林、木下沢梅林、小仏梅林の8つで構成され、すべてを歩いて回ると片道1時間半ほどの道程だ。
約1万本もの梅の木は例年2月中旬から3月中旬に見ごろを迎え、紅白の美しい花を咲かせる。見ごろの時期には、あたり一帯に梅の香りが広がり、観梅に訪れた人たちを楽しませている。
2. 八王子城跡
小田原を本拠としていた小田原北条氏が築城した八王子城の城跡。
本城の補助的役割を持つ支城として、北条氏照が天正10年(1582)-天正15年(1587)頃に築城したとされている。
戦国の山城としての状態を良く残していることなどから、2006年に「日本100名城」に選定された。
高尾山周辺の人気飲食店2選
高尾山周辺には自然豊かな環境の中で、日本料理を楽しめる飲食店がいくつかある。
ここでは高尾山の下山後や高尾観光の際に訪れてほしい、人気の飲食店を紹介しよう。
1. うかい鳥山
清流が流れ、豊かな緑に包まれた高尾山麓に佇むいろり炭火焼料理店。
約6,000坪の広大な敷地内には、越中五箇山から移築した合掌造り、高尾山を借景に広がる日本庭園と、風情豊かな景観が広がる。
こちらでいただけるのは、丹念に育てられた鶏の炭火焼をはじめ、季節ごとに厳選した食材を使った料理の数々。豊かな自然の中で育った鶏や特選和牛、清流の川魚などを炭火でじっくりと焼き上げた、滋味豊かな味わい。
2. 高尾山名主 いろりの里 ごん助
高尾山口駅から車で約5分の場所にある、地元の名店「ごん助」。
高尾山口駅への無料送迎サービスがあるため、車がなくても移動手段で困ることはない。
6,000坪の広大な敷地内にひっそりとたたずむ離れ個室で、山の幸や海の幸を炭火で炙る炉端焼きが楽しめる。
登山後の夕食にぜひ訪れてほしい、高尾の名店だ。
高尾山に関するよくある質問
Q
高尾山が混雑していない時期は?
夏休みシーズン前の6月や、紅葉が始まる11月上旬、紅葉が少し残る12月上旬などは比較的混雑を避けられます。
Q
高尾山が混雑していない時間帯は?
朝8時までに登山口から登り始め、お昼までに下山すれば、比較的混雑を避けられます。
まとめ
東京の中でも特に人気が高い観光スポット「高尾山」を100%楽しむために、知っておきたい登山ルートやお勧めの観光シーズン、季節ごとにお勧めの服装、見どころなどを紹介してきた。
東京の都心部から約1時間・乗換なしでアクセスできるため、東京を観光するなら、ぜひ高尾山にも足を運んでみてほしい。
東京から少し足を伸ばして観光する予定がある方は、東京近郊で人気の観光地を紹介している、こちらの記事も参考にしてほしい。