羽黒山

出羽三山の主峰である月山の北西に位置する標高414mの山。バス停のある随神門から山道を歩いて数分のところに高さ29mの五重塔が杉木立に溶け込むようにそびえている。天慶元（938）年に平将門の創建と伝えられており、神仏習合の形態だった羽黒山に残る数少ない仏教建築のひとつ。昭和41（1966）年には国宝に指定された。

五重塔から山頂まで続く石段はなんと2,446段。途中に難所があるので靴選びには注意したい。山頂に到達すると、国内最大級の茅葺き屋根が目を引く三神合祭殿が鎮座する。現在の合祭殿は文政元（1818）年に、5,275両（現代に換算すると5億円以上）もの大金を費やして建てられたもの。鮮やかな朱色の社殿が特徴的で、細かい彫刻が随所に施されている。帰りは山頂発着のバスも利用できる。

出羽三山は月山、羽黒山、湯殿山の総称。これら三山を巡ることは古来より死と再生を辿る「生まれかわりの旅」として信仰の対象とされていた。