国指定重要文化財 岩瀬家

約300年前に8年もの歳月を費やして建てられた、日本最大の5階建て合掌造り家屋。当時の建築様式を今に伝える貴重な建物で、国の重要文化財にも指定されている。

岩瀬家は江戸時代、この地で製造されていた火薬の原料を加賀藩へ納める塩硝上煮役兼役宅を務めた旧家で、ケヤキ材をふんだんに用いた重厚な内部が見どころ。
間口26.4m、奥行き12.7m、高さ14.4mにも及ぶ大きさで、釘などの鉄や金物を一切使わずに、縄と“ねそ”で結びあげて造られている。準5階建て構造で、1・2階は住居、3～5階は養蚕の作業場という構造。囲炉裏からの暖を上げやすくするため上階の床板は透かしが入っている。

現在は、家長の間、書院の間、武者隠しの間などのほか、屋根裏、庭園などの見学が可能。囲炉裏端で、火のぬくもりを感じながら聞く当主の話も興味深い。

合掌造りとは、日本に古くから伝わる豪雪地帯ならではの知恵が生かされた建築様式。急勾配の茅葺き屋根が特徴で、手を合わせたような形をしていることから「合掌造り」と呼ばれるようになった。