
©秋本治・アトリエびーだま/集英社
『こち亀』の世界をリアルに体験!こち亀記念館完全ガイド
『こちら葛飾区亀有公園前派出所(通称:こち亀)』は、日本マンガの金字塔といえる国民的な作品だ。
社会風俗・時事ネタを巧みに取り入れつつ、主人公・両津勘吉(りょうつかんきち)、通称「両さん」を中心とした下町が舞台の人情コメディが幅広い世代に支持されている。
そんな、『こち亀』の世界観を体感できる「こち亀記念館」が2025年3月に東京都葛飾区亀有に誕生。
両さんが自分の派出所の上に勝手に記念館を建てたという設定になっており、5階から1階を両さんと一緒に巡り、全5フロアで作品の魅力を堪能できる。
この記事では、こち亀記念館の基本情報、館内ガイドや見どころを紹介していく。
初めて訪れる人でも楽しめるようにまとめたので、ぜひ最後まで読んでほしい。
日本が誇る“下町マンガ”の世界へ
40年間にわたり連載された『こち亀』は、日本人にとって”日常と笑い”の象徴である国民的ギャグマンガだ。
昭和時代(1926年〜1989年)から平成時代(1989年〜2019年)までの日本社会の変化や流行、価値観の移り変わりをリアルタイムで描き続けてきた。
東京の下町・亀有を舞台にした人情コメディは世代を超えて愛されており、主人公・両さんは親しみやすい人生の先輩と言えるだろう。
2025年3月、ついに両さんのまち・亀有に「こち亀記念館」が誕生した。
原作の舞台を実際に歩き、作品の世界を「五感で」感じられるスポットとして早くも人気を集めている。

こち亀記念館ってどんなところ?
「こち亀記念館」は、作品の世界観を体感できる新スポット。
外観を含む5階建ての建物全体が展示・体験スペースとして活用され、館内には撮影スポット・複製原画ギャラリー・ミニゲームコーナーなど、多彩な見どころが盛りだくさん。
“両さんが自身の勤務する派出所の上に勝手に記念館を建てた”という、ギャグマンガらしいユニークなコンセプトも面白い。
来館者は両さんの上司である大原巡査部長の依頼で、逃げ出した両さんを館内で追いかけながら展示を楽しめるストーリー仕立ての作りになっている。
マンガの中に入り込んだような体験ができ、『こち亀』の魅力を余すことなく味わえる。
あちこちにちりばめられた細かい小ネタも注目のポイントだ。

『こち亀』ってどんな作品?
『こち亀』こと『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は、秋本治(あきもとおさむ)先生が描く国民的なギャグマンガ。
1976年から2016年までの40年間、週刊少年ジャンプで一度も休載せずに連載が続いた長寿マンガである。
単行本は201巻に及ぶほか、テレビアニメ・実写化など幅広いメディア展開も行われ、世代を問わず日本人から愛されている。
作品は東京・葛飾区亀有を舞台に、両さんと個性的な派出所メンバー、地域住民とのリアルな東京の下町生活を描いた人情コメディ。
両さんの型破りで突拍子もない行動がトラブルを巻き起こし、笑いの中に郷愁も漂わせるエピソードの数々が人気の理由だ。基本的に1話完結型でどこから読んでも楽しめる。

こち亀記念館へのアクセスガイド
こち亀記念館の最寄り駅は、JR常磐線の「亀有駅」。
亀有駅南口を出たら、アリオ亀有方面に向かい宮前通りを進むと右手に建物が見えてくる。
約3分と近く、道順が分かりやすいので迷わずにアクセスできるだろう。
東京都内の各主要駅からは、JR山手線で西日暮里駅まで行き、東京メトロ千代田線(我孫子行)に乗り換えて亀有駅で下車するのが分かりやすい。
山手線は出発駅によって内回り・外回りが異なるが、基本的な乗り換えルートは共通だ。
所要時間については、以下の表を参考にしてほしい。
- JR東京駅から
- 約35分(JR山手線・内回り)
- JR上野駅から
- 約35分(JR山手線・内回り)
- JR品川駅から
- 約45分(JR山手線・内回り)
- JR新宿駅から
- 約40分(JR山手線・外回り)
- JR渋谷駅から
- 約50分(JR山手線・外回り)
亀有駅周辺には『こち亀』のキャラクター銅像も点在しており、散策しながら向かうのも楽しみだ。
こち亀記念館の入館料とチケットの購入方法
こち亀記念館の入館料は以下の通り。
- 大人(高校生以上)
- 700円
- 子供(小・中学生)
- 300円
- 未就学児
- 無料
※1階は無料開放、2階〜5階はチケットの購入が必要
公式サイトから前売り入館券(入場予約・日時指定)を入手するのが原則で、入館時にスマートフォンでQRコードを掲示する形となっている。
1回につき5人分まで申し込みが可能で、決済方法はクレジットカード(VISA・マスターカードなど)とd払いが可能だ。
また、当日に空きがあれば現地でもチケットを買える(現金・電子マネー・クレジットカード)。

こち亀記念館の開館時間・休館日
こち亀記念館の開館時間と休館日は、以下の通りだ。
- 開館時間
- 10:00 〜 18:00(最終入館 17:00)
- 休館日
- 第3火曜日(第3火曜日が祝日の場合は、翌平日)
こち亀記念館の3つの魅力
こち亀記念館の魅力とともに、どんな体験ができるかを紹介していこう。
ここで全体像をイメージしてから、後述する館内別ガイドやイベントについて読むと理解が深まるだろう。
ここでしか見られない複製原画やグッズ、資料の数々
こち亀記念館では、作品の世界観に触れられる多彩な展示が揃う。
「両さんが生まれた場所」では、秋本先生が『こち亀』を描く際に参考にした資料や模型、過去のお宝グッズなどを公開している。
秋本先生の直筆原稿を再現した「複製原画ギャラリー」も見どころのひとつだ。
また、散らかった“両さんの汚部屋”を再現した「両さんの部屋」には、作中の小ネタが随所にちりばめられている。
『こち亀』の世界をより深く楽しめる内容で、ファンなら一度は見ておきたいものばかりだ。

オリジナルミニゲームや体験型展示も充実
こち亀記念館は資料やグッズの展示だけでなく、オリジナルミニゲームや体験型展示も楽しめる。
5階では、作中のイメージを再現した「両津大明神」で、50種類のキャラクターをモチーフにした「キャラみくじ」を引けるなど、見るだけで終わらない『こち亀』らしい遊び心に触れられる。
3階には20種類のミニゲームがあり、記念館のために作られたユニークなゲームで、大人から子どもまで夢中になれる。
さらに、2階の「両さんの部屋」や「永久名誉館長室」には、作中の世界観を感じられる小ネタや仕掛けがちりばめられている。

こち亀記念館のオリジナルグッズを購入できる
こち亀記念館の1階「両津ストアー」では、キャラクターをモチーフにしたオリジナルグッズを購入できる。
文房具、クリアファイル、ロゴステッカーをはじめ、日常使いのスマホリング、トートバッグや葛飾区内産業とのコラボグッズといった多彩なラインアップが揃う。
なかでも、注目は株式会社セキグチの人気キャラクター「モンチッチ」とのコラボレーション商品。
両さんの姿になった再現度の高いぬいぐるみ、バッグ・鍵につけられるラバーマスコットが好評だ。
また、地元産業「東京和晒」の伝統技法で染め上げた「注染手拭」、「北星鉛筆株式会社」とコラボした文房具など、日本の職人技が光るアイテムも展開。(取材当日時点)
今後も様々な新商品を販売していく予定だ。
これらのグッズは、こち亀記念館でしか手に入らないので、お土産や観光の思い出にもぴったり。
見どころが盛りだくさん!こち亀記念館の館内ガイド
ここからは、こち亀記念館の館内ガイドを紹介していこう。
大原巡査部長の依頼で逃げ出した両さんを追いかけるストーリー仕立てで全館を巡るため、マンガの世界に入り込みながら楽しめる。
各階に異なる見どころがあり、様々な小ネタやユーモアあふれる仕掛けが来館者を最後まで飽きさせない。
5階「両津勘吉誕生!」
5階「両津勘吉誕生!」は、記念館巡りのスタート地点。
エレベーターで上がるとすぐに広がる同フロアでは、両さんが誕生した背景やその魅力に迫っていく。
まずは、秋本先生の手描き映像を通じて両さんが生み出される瞬間を追体験できる。
壁面には秋本先生の私物・模型コレクション、歴代のこち亀グッズ、作品に関わる資料などがずらりと並んでおり、創作の源泉・裏側を垣間見える。
資料にある薔薇の図鑑(大原巡査部長の趣味)など、原作の細かなエピソードをちりばめた小ネタを探すのも面白いだろう。
また、作中に登場する「両津大明神」も見どころのひとつ。
『こち亀』のキャラクターが描かれた「キャラみくじ(全50種類)」を1回100円で楽しめる。
4階「こち亀の作品世界」
4階「こち亀の作品世界」は、40年にわたる連載の中から厳選された複製原画をテーマ別に展示しているギャラリー。
名場面・感動的なシーンの原画が多数並び、秋本先生の繊細なタッチや迫力のある構図をじっくり堪能できる。
静止画に加えて、原画の中の両さんがアニメーションのように動き出すユニークな仕掛けも見どころ。
さらに壁面を埋め尽くすマンガのコマ割り、コミックス201巻までの表紙ビジュアルを次々と映す大型映像など、多角的に作品の世界を感じられる。
館内を巡りながら時代ごとのテーマ、タッチの違いを楽しめるのが同フロアの醍醐味。


3階「こち亀のあそび場」
3階「こち亀のあそび場」は、デジタルコンテンツや昭和レトロ風のミニゲームが20種類ほど用意されたゲームセンターのようなフロア。
木製パソコン「山田28号」を操作できるほか、指を入れると開運する?名前を提案してくれる「開運改名くん」など、作中に登場する両さんの発明品を楽しめる仕掛けもある。
その他にも、「AI人格診断!? 両さん度チェッカー!」、「麗子と♡ 相性診断」、「ポクポク和ゲーム!! 拓け!! 悟りの世界」など、ギャグ要素満載のミニゲームがそこかしこに並ぶ。
一部は英語対応で、国内外の来館者が幅広く直感的に遊べるというのもうれしい。
全て作中の設定や場面などを再現した展示物となっていて、『こち亀』の世界観に触れながら記憶に残るユーモラスな体験ができる。
また、等身大キャラクターや顔がコミカルに映るマンガ風のフォトスポットも盛りだくさん。
特に麗子、纏と撮れるスポットには面白い仕掛けがあるため、ぜひ写真に収めてほしい。
2階「わしのためのフロア」
2階「わしのためのフロア」は、五感で両さんの気配を感じられる体験展示フロア。
“わしによる、わしのための場所”というコンセプトのもと、2つのゾーンで構成されている。
1つ目が「両さんの部屋」。部屋干しの洗濯物、ミニ冷蔵庫をはじめ、ひとり暮らしの独身男性が醸し出す生活感が何ともリアルだ。
両さんの趣味を反映したファミコン・競馬新聞・ビデオテープといった展示に加えて、小ネタがちりばめられたディテールも見どころ。
冷蔵庫にある麻里愛の手作り弁当、闇鍋に入った得体の知れぬ食材など、数えるとキリがない。
2つ目は「永久名誉館長室」。立派な革張りの椅子に座って撮影ができるほか、引き出しにしまわれた始末書は来館記念に持ち帰りが可能だ。


1階「ようこそ亀有へ!」
1階「ようこそ亀有へ!」は、マンガの世界と現実の亀有をつなぐフロア。
受付エントランスは机・電話・掲示板まで派出所を忠実に再現しており、あっという間に引き込まれていく。
ちなみに、上階へ向かうエレベーターの中には両さんの指名手配書が大量に貼られ、乗車中に大原巡査部長のアナウンスが流れるなど細かな工夫が盛りだくさん。
特筆すべきは記念館のゴールでもある点だ。
2〜5階を楽しんだ後に再び1階に戻ってきて「両津ストアー」で記念館オリジナルグッズなどのお土産を買い、まちへと繰り出すという構成になっている。
交流スペースでは、亀有のデジタルマップ、亀有の祭りや行事の映像も紹介され、地域と作品の深い結びつきを伺える。
1階は無料なのでグッズ購入、観光案内を目的に足を運ぶのもお勧め。

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エレベーターの内に貼られた両さんの様々な指名手配書
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魅力的なグッズが並ぶ両津ストアー
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亀有と作品の深い結びつきを感じられる交流スペース
こち亀記念館で開催されるイベントも要チェック!
こち亀記念館では、季節感や地域との連携を楽しめるイベントも開催している。
紹介するイベントは全て過去のものだが、様々な企画が組まれており、こち亀らしさと亀有の魅力を体験・発見できると好評だった。
開催されるイベントは公式サイトで告知されるので、来館前にチェックしよう。
こち亀記念館と併せて楽しみたい亀有の観光スポット3選
こち亀記念館だけでなく、作品の舞台となった亀有も観光してみよう。
作中に登場した「亀有香取神社」・「葛飾 伊勢屋」のほか、キャラクターの銅像や『こち亀』のデザインマンホール、キャラクターたちが案内する「こち亀記念館」へのサイン表示が街中に点在するので、退館後はぜひ亀有を巡ってほしい。
ここでは、こち亀ファンの間で有名なスポットを3つ紹介しよう。
1. 亀有公園
亀有公園は、JR亀有駅北口を出てほど近く(直進して右折した場所)にある公園。漫画『こち亀』に同名の公園が登場することで有名。
公園内に2体ある漫画の主人公「両さん」の銅像と記念撮影する人が絶えない。
1体は「ダブルピース両さん像」、もう1体はベンチに座る「ひとやすみ両さん像」。ベンチに座る両さん像のうしろには大きな看板も。

2. 亀有香取神社
JR亀有駅から南東に300mほど進み、大通り(環七通り)を越えたところにある神社。
亀有香取神社は、1276年に創建された由緒ある神社として地元民から親しまれており、『こち亀』でも度々登場することで有名な神社。
境内には「少年よ、あの星を目指せ!両さん像」がある。亀有エリアを巡るマップの1つに入っていることもあり、散策に立ち寄る人たちも多い。

3. 亀有銀座商店街(ゆうろーど)
「亀有銀座商店街」は、JR亀有駅南口から旧水戸街道方面へ伸びる全長約200mの直線型商店街。
昭和初期に自然発生的に形成された歴史を持ち、地域住民の日常を支える生活密着型の店舗が軒を連ねる。
現在は約110店舗が加盟し、A街区からE街区まで5つの区域に分かれて営業している。
個人経営の惣菜店・喫茶店もあり、どこか懐かしい雰囲気を醸し出す看板やディスプレイなど、昭和の風情を色濃く残す街並みが魅力。
イベントも頻繁に開催され、下町ならではの人情味あふれる人々と交流をできるのも特徴だ。
また、商店街内には「少年両さん像」、キャラクターの銅像・パネル、名物グルメをはじめ、いたる所で『こち亀』を感じられる。

こち亀記念館と亀有を満喫する1日モデルコース
こち亀記念館と併せて亀有を観光するなら、以下の記事で紹介するモデルコースを参考にしてほしい。
JR「亀有」駅を起点に、『こち亀』の世界観を感じながら、亀有のまちを歩いて楽しめる構成になっている。
作品のファンはもちろん、古き良き日本の雰囲気を楽しみながら、気軽に下町散策をしたい人にもお勧めだ。
こち亀記念館に関するよくある質問
Q
こち亀記念館の所要時間は?
普通に回る場合は30分〜1時間程度、展示品の細部までじっくり見学する場合は1時間30分〜2時間程度を目安に考えると良いでしょう。
Q
こち亀記念館はどこにあるの?
JR常磐線「亀有」駅南口から徒歩3分ほど、宮前通りを進んだ先にあります。
Q
こち亀記念館が混雑する時間帯は?
土日祝の開館直後(10時〜)、昼過ぎ(14時〜16時)は混雑する可能性があるので、時期・時間帯によっては事前予約がお勧めです。
Q
施設内では写真撮影できるの?
SNS映えするフォトスポットが多く用意されており、記念に残る写真撮影を楽しめます。※一部展示品は不可
Q
施設内で飲食できる?
施設内での飲食は禁止されています。
まとめ
この記事では「こち亀記念館」の基本情報や魅力、館内別に見どころを紹介してきた。
『こち亀』と亀有愛にあふれたこち亀記念館は、作品の世界観にどっぷりと触れられる新感覚のスポットだ。
大小さまざまな仕掛け、数え切れないほどの小ネタ、貴重な展示など、細やかに設計されており、自然と笑いと懐かしさに包まれる。
記念館を巡った後は、亀有のまちを歩いてリアルな『こち亀』の世界も楽しもう。
