今回の銀山温泉では一泊する機会はなかったが、宮崎駿の『千と千尋の神隠し』に登場する名湯屋のモデルのような能登屋旅館を実際に目にして、それでも興奮が収まらなかった。
100年の歴史を持つこの木造洋風建築は、大正ロマン期を代表する建物。赤い小橋の向こう側から撮ると、幾重にも重なるクラシカルな窓枠と精巧な看板が、まるで映画のワンシーンそのもの。ジブリファンとして、現実にある童話のような風景に思いがけず出会えたことに、胸がいっぱいになった。宿泊しなくても、ただ静かに立ち止まり、この歴史的建築の見事な美しさを眺めるだけで、いつまでも余韻に浸れる。今回の旅で最も大切な一場面となった。





















