宮崎県内最大の歓楽街
夜の街「ニシタチ」地元流の歩き方ガイド
宮崎市の中心に位置する県内最大の歓楽街「ニシタチ」は、宮崎の郷土料理を味わえる居酒屋やスナック、バーなど、多種多様な店がひしめき合う魅惑のエリア。昼に宮崎市南部に位置する一大観光エリア「青島」を観光した後、「ニシタチ」に移動してグルメを楽しむのが定番のルートとなっている。
「ニシタチ」の居酒屋やステーキ店で宮崎の名物グルメを堪能した後は、地元民がこよなく愛するうどんや南国のフルーツがたっぷりのパフェを味わうなど、店から店へとホッピングするのが「ニシタチ」を地元流に楽しむ近道。そして、「スナック」と呼ばれる日本独特の飲食文化に触れることで、宮崎の旅がより刺激的で充実したものになる。
“ニシタチ”とは?
「ニシタチ」とは「西橘通り(にしたちばなどおり)」を中心に広がる、宮崎県内最大の歓楽街。各通りには季節ごとに色彩を変えるニシタチのシンボル”提灯“が連なり、幻想的で昭和レトロな雰囲気は、歩くだけで楽しい気持ちさせてくれる。1,000軒以上の飲食店が密集しており、九州地方でとくに愛されている蒸留酒「焼酎」と郷土料理を味わえる店も多い。
ニシタチへのアクセス
JR「宮崎空港」駅から宮崎空港線で約10分、「宮崎」駅下車。「宮崎」駅西口から「ニシタチ」の中心街へは徒歩10~15分ほど。
ニシタチ・モデルコース Day1
数ある宮崎名物のなかでも、まず味わいたい地鶏料理に舌鼓。日本独特の飲食店「スナック」の扉を開くと、そこには地元民が憩う癒しの空間が広がっている。
香ばしさと弾む歯ごたえに悶絶!名物・鶏の炭火焼を堪能
みやざき地頭鶏とは?
畜産王国として知られている宮崎県。なかでも「みやざき地頭鶏(じとっこ)」と呼ばれる地鶏のブランド力は絶大だ。もともと霧島山麓(県西部)で飼育されていた「地頭鶏」という在来種を、県が独自に交配改良を重ね、食用鶏として生み出した品種。広い鶏舎でのびのびと育てられた「みやざき地頭鶏」は程よい筋肉量と健康的な内臓が特徴だ。宮崎グルメの代表格・チキン南蛮や炭火焼など、さまざまな調理法で味わうことができる。
ぐんけい本店隠蔵(かくしぐら)
メインの通りから一本外れた小路にあり、隠れ家的な雰囲気を醸す「ぐんけい本店隠蔵(かくしぐら)」。
「ぐんけい」では地鶏の飼育法にもこだわり、品質には定評がある。こちらで扱っている鶏は「みやざき地頭鶏(じとっこ)」というブランド鶏で、やわらかく、かつ程よい弾力を感じられるのが特長。店内は炭火で地鶏を焼く、香ばしい匂いが広がる。
一番の名物は「みやざき地頭鶏」を炭火で豪快に焼き上げた「炭火焼」。炭の香りをなじませるようにじっくりと焼き、香り・食感ともにベストな状態でテーブルへと運ばれる。また、天然の粗塩をじっくり炒って作られるオリジナルの炒り塩もおいしさの秘訣。シンプルな料理ながら、奥深さと職人の技を感じる。そのままでも十分美味しいが、柚子胡椒を添えて味わうのが地元流。
そのほかメニューにはチキン南蛮や冷汁などの郷土料理が並ぶ。宮崎市に到着したら、まず訪れたい一軒だ。
基本情報
- 日本語名称
- ぐんけい本店隠蔵(かくしぐら)
- 郵便番号
- 880-0002
- 住所
- 宮崎県宮崎市中央通8-12
- 電話
- 0985-28-4365
- 定休日
- 不定休
- 営業時間
- 17:00~24:00(L.O.23:00)
- 予算
- 夜3,000円~
- アクセス
- JR「宮崎」駅から徒歩17分
- クレジットカード
- 可
- 公式サイト
- 公式サイト
ママとのトークとお酒が愉しめる“地元民の社交場”「スナック」に潜入
スナック文化とは?
カウンター越しにマスターが接客をしてくれる、日本特有の飲食店の業態。一般的には「ママ」と呼ばれる女性マスターが接客してくれることが多い。食事を楽しむというよりは「会話と酒を楽しむ」という傾向が強いのも特徴。料金体系は店によって異なるが、定額で時間制の飲み放題という店が多い(3,000〜4,000円/2時間)。また、ほとんどの店がカラオケ機器を備えている。ニシタチは日本でも有数の「スナック密集地帯」であり、個性豊かなスナックが点在している。スナックを楽しむなら一軒のみならず、2〜3軒のスナックを「はしご」して楽しむのが一般的。
OTENBar
「重たい扉さえ開いてくだされば、どなたでも歓迎しますよ」と「OTENBar」ママの鳥山智代さん。一見では入りづらそうな雰囲気でも、勇気を持って扉を開ければそこには常連客とママがグラスを傾けながら、和気あいあいと会話を楽しむ和やかな空間が広がっている。
乾杯は九州地方でもっともスタンダードな酒である「焼酎」で。芋焼酎や麦焼酎、米焼酎など多くの種類があるが、宮崎では芋焼酎がもっとも愛飲されている。水割りやロック、お湯割りで味わうのがおすすめ。
長年通う常連客は親しみやすい人が多く、カウンターに肩を並べれば自然とコミュニケーションが生まれる雰囲気も魅力的だ。
「OTENBar」は2時間4,000円で飲み放題、歌い放題という分かりやすい料金設定で、初めてでも安心。「焼酎」の種類も多くそろっているので、いろいろな銘柄を好みの飲み方で飲み比べてみるのも楽しい。
また、ママが違えば店の雰囲気もまったく異なるのが、スナックのおもしろいところ。せっかく「ニシタチ」を訪れたのなら、店から店をホッピングする「スナックのはしご文化」も体験しよう。焼酎と楽しいトークの余韻に浸ったまま、次のスナックの扉を開けるのはなんとも幸せだ。
基本情報
- 日本語名称
- OTENBar(オテンバー)
- 郵便番号
- 880-0002
- 住所
- 宮崎県宮崎市中央通7-30 たそがれビル2F
- 電話
- 0985-27-0014
- 定休日
- 日曜
- 営業時間
- 20:00~25:00
- 予算
- 夜2時間4,000円
- アクセス
- JR「宮崎」駅より徒歩17分
- クレジットカード
- 可
- 公式サイト
- 公式サイト
「釜揚げうどん」で夜のニシタチを締める
釜揚げうどんとは?
日本の麺料理のひとつである「うどん」文化が根付いた宮崎。四国地方のコシの強いうどんとは異なり、やわらかめのうどんをつゆにつけて味わう、「釜揚げうどん」が地元では愛されている。宮崎の釜揚げうどんは、丼に茹で汁と麺を一緒に入れて提供するスタイル。地元民は茹で汁とツユを割って飲む。日本にはお酒を楽しんだ後、最後にラーメンなどを味わう「締め」という習慣があるが、宮崎では釜揚げうどんで締めることも多い。
釜揚げうどん 戸隠(とがくし) 本店
ニシタチ界隈にある人気店のひとつが、「釜揚げうどん 戸隠(とがくし) 本店」。
広い店内はもともと社交ダンス教室であった名残。生徒にうどんを振る舞ったところたちまち評判となり、1967年にうどん店を創業したそう。
麺は数種類の小麦を独自にブレンドすることにより、やわらかくモチモチの食感に仕上げている。ツユに絡みやすいように、細めに打っているのも特徴だ。
ツユは昆布とカツオ節からダシを取っており、シンプルですっきりした味わい。そこに柚子の酸味と香りが加わり、食欲を増進してくれる。麺を食べ終えたら、ツユと茹で汁を割り合わせて最後まで飲み切るのも地元流。
基本情報
- 日本語名称
- 釜揚げうどん 戸隠(とがくし) 本店
- 郵便番号
- 880-0002
- 住所
- 宮崎県宮崎市中央通7-10
- 電話
- 0985-26-2872
- 定休日
- 日曜、祝日
- 営業時間
- 19:00~26:00
- 予算
- 夜700円~
- アクセス
- JR「宮崎」駅から徒歩17分
- クレジットカード
- 不可
- 公式サイト
- 公式サイト
ニシタチ・モデルコース Day2
「ニシタチ」のディープな魅力にすっかり虜になった2日目。優雅な個室で宮崎牛のステーキを味わい、宮崎のみずみずしいフルーツたっぷりのパフェで締めくくる。
宮崎が世界に誇る「宮崎牛」をこだわりの鉄板焼で堪能
宮崎牛とは?
宮崎県は国内屈指の黒毛和牛の産地。その中でも最上級のものだけが「宮崎牛」の名を冠することを許されている。アカデミー賞授賞式のアフターパーティーでも宮崎牛が提供されるなど、その豊潤な味わいは世界中の人びとを魅了。脂の質がよいため、焼肉やステーキで味わうのに適している。
橘通りミヤチク APAS(アパス)
宮崎県内で生産される牛豚などを加工し、宮崎県内や日本全国に食肉を届けている「ミヤチク」直営のレストラン「橘通りミヤチク APAS(アパス)」。生産農家ととても近い距離にある企業だけあり、品質に絶対的な自信を持っている。
VIPな気分に浸れるカウンター席で、優雅なひとときを過ごすのもおすすめ。大きな鉄板でシェフが宮崎牛を好みの加減で焼き上げてくれる。その華麗な手さばき、フランベするときの豪快な炎はライブ感満点で、ついつい見とれてしまう。
焼き上がったステーキをひとたび口に含めば、肉の旨味に加えて脂の甘みを感じることに驚く。玉ねぎソースやガーリックソースに絡めて味わうのもよいし、わさびや宮崎産の塩を添えてシンプルに素材本来のよさを堪能するのもよい。また、宮崎産のワインも各種取り揃えており、宮崎牛とのマリアージュも楽しみだ。
また、鉄板カウンターのほかに、焼肉用の焼台を中央に配したテーブル席もあり、よりカジュアルに宮崎牛のおいしさを堪能することもできる。
基本情報
- 日本語名称
- 橘通りミヤチク APAS(アパス)
- 郵便番号
- 880-0001
- 住所
- 宮崎県宮崎市橘通西3-10-36 西村ビルB1
- 電話
- 0985-31-8929
- 定休日
- 不定休
- 営業時間
- ランチ11:00~14:00(LO)、ディナー17:00〜21:30(LO)
- 予算
- 昼1,500円~、夜5,000円~
- アクセス
- JR「宮崎」駅から徒歩15分
- クレジットカード
- 可
- 公式サイト
- 公式サイト
宮崎の太陽の恵みを受けたフルーツたっぷりなパフェで締める夜
宮崎のフルーツとは?
温暖な気候で日照にも恵まれたフルーツ王国・宮崎。完熟にこだわったマンゴーをはじめ、日向夏や金柑などは、全国屈指の収穫量を誇る。そのほか、パッションフルーツやパパイヤなどさまざまなフルーツが多く収穫され、季節を追うように次から次へと旬を迎えるのも特徴。
フルーツ大野 アネックス
1982年創業のフルーツショップ「フルーツ大野」が営むフルーツパーラー「フルーツ大野 アネックス」。南国・宮崎産のフルーツをふんだんに使った、パフェを味わうことができる。
なかでも「宮崎完熟マンゴー」を使ったパフェは人気No.1の一品。アーウィン種の宮崎完熟マンゴーは、濃厚な甘さととろける口当たりが特長だ。
パフェのベースには金柑、キウイ、ブドウ、ドラゴンフルーツ、日向夏、柿などの果物が使われている(内容は季節により異なる)。また、卵を使わずに作った自家製ミルクジェラートも、フルーツとの相性抜群。
そのほか、日向夏や金柑など季節のフルーツを主役にしたパフェも季節限定で登場。果物を贅沢に使った果物店ならではのカクテルも味わい深く、「ニシタチ」で過ごす夜を素敵に演出してくれる。
基本情報
- 日本語名称
- フルーツ大野 アネックス
- 郵便番号
- 880-0001
- 住所
- 宮崎県宮崎市橘通西2-7-2 K&Kマンション 2F
- 電話
- 0985-86-6288
- 定休日
- 無休
- 営業時間
-
11:00~17:30(LO 17:00)、19:00~22:00(LO)
金・土曜11:00~17:30(LO17:00)、19:00~23:00(LO)
日曜11:00~16:30(LO16:00) - 予算
- 昼夜1,000円~
- アクセス
- JR「宮崎」駅から徒歩17分
- クレジットカード
- 可
- 公式サイト
- 公式サイト
宮崎市の繁華街「ニシタチ」の夜の楽しみ方ガイドを動画でチェック!
動画ではサウンドとともに、「ニシタチ」を紹介。臨場感たっぷりで、夜の「ニシタチ」をともに巡っているような気持ちにさせてくれる。
まとめ
カラフルな提灯が連なり、活気に満ちた「ニシタチ」は歩くだけで心を開放してくれる魅力的なエリア。一歩路地に入ればちょっとレトロな酒場街の風景が現れるなど、さまざまな顔を持ち合わせていて散策の楽しみが尽きない。ぜひ時間が許す限り街を探検し、地元流の「ニシタチの歩き方」を追体験してほしい。