【高千穂峡の観光ガイド】日本神話の舞台で神秘的な絶景を楽しむ
日本神話の舞台となった高千穂にある「高千穂峡」(たかちほきょう)は、数多くの写真家にも愛される絶景スポット。
圧倒されるほどスケールの大きな自然景観が魅力で、国の名勝だけでなく天然記念物にも指定されている。
この記事では「高千穂峡」の基本情報に加え、見どころを満喫できる楽しみ方や併せて巡りたい観光スポットもご紹介。
これを読めば、「高千穂峡」と高千穂の地を満喫できること間違いなしだ。
高千穂峡ってどんなところ?
「高千穂峡」は宮崎県の西臼杵郡(にしうすきぐん)、高千穂町に位置する「五ヶ瀬川」にかかる峡谷であり、平均80mの断崖が7km続く。
圧巻のスケールで広がる美しい自然景観が特徴で、大自然の雄大さを肌で感じられるのが魅力だ。
「阿蘇山」の噴火によって流れ出した溶岩を、「五ヶ瀬川」が数万年かけて浸食して作り出された絶景は、神秘的な雰囲気に溢れている。
「高千穂峡」の絶景は国の名勝と天然記念物に指定されており、観光客や旅行者のみならず、プロの写真家たちにも愛されている。
「高千穂峡」における自然景観で最大の見どころと言えば、「真名井の滝」(まないのたき)だろう。
「高千穂峡」のシンボルとも言える「真名井の滝」には霊妙かつ、洗練された美しさがある。
「真名井の滝」は日本の滝100選にも選出された名瀑で、水が流れ落ちる姿は美しい白蛇のようだと評される。
「高千穂峡」を訪れた際には、ぜひその様子を忘れずに鑑賞してほしい。
日本神話の舞台となった高千穂
高千穂の地は日本神話とのゆかりが深く、特に天岩戸(あまのいわと)神話と天孫降臨神話の舞台として知られている。
日本神話の舞台であることを知れば、高千穂への観光がより楽しくなるはずだ。
太陽の神・天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩戸‘(岩窟)に隠れたことで世の中が闇に包まれ、数多くの災いが起こったことが天岩戸神話の始まり。
「天安河原」(あまのやすかわら)と呼ばれる大洞窟に集まった神々は相談し、岩戸の前で宴を開いた。
踊りが上手い天鈿女命(あめのうずめのみこと)などの助力によって、天照大神を岩戸の外に連れ出し、世界に光が戻ったと言われているのが天岩戸神話だ。
天照大神が隠れた岩戸を御神体として祀っているのが「天岩戸神社」で、「天安河原」は「天岩戸神社」の西本宮から歩いて10分ほどの位置にある。
天岩戸神話にも登場した天照大神は地上世界が乱れていることから、自身の孫である瓊々杵尊(ににぎのみこと)に治めさせようと降臨を命じた。
瓊々杵尊が高千穂の地に降り立ったこの出来事を天孫降臨神話と呼び、天孫降臨の地には「槵觸神社」(くしふるじんじゃ)がある。
「槵觸神社」は「高千穂バスセンター」から歩いて10分ほどの地点に位置するので、機会があれば足を運んでほしい。
高千穂峡へのアクセス
国際線を有する「宮崎空港」を起点とする、「高千穂峡」へのアクセスを紹介しよう。
「高千穂バスセンター」からは徒歩で向かうことも可能だが、距離や所要時間を考慮するとタクシーの利用がお勧めだ。
- 経路
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1.「宮崎空港」でJR宮崎空港線に乗車し、「延岡駅」で下車。
2.「延岡駅」でバスに乗車し、「高千穂バスセンター」で下車。
3.「高千穂バスセンター」でタクシーに乗車すること5分 - 所要時間
- 約3時間15分
高千穂峡のお勧め観光シーズンは?
四季折々で移り変わる自然の姿を観察できる「高千穂峡」だが、特にお勧めしたい観光シーズンは夏にかけての新緑の時期だ。
鮮やかな緑が美しい「高千穂峡」では、清涼感に溢れた夏の空気感を実感できるだろう。
高千穂峡の見どころを満喫できる2つの楽しみ方
ここからは「高千穂峡」の楽しみ方を紹介していく。
「真名井の滝」は特に訪れてほしい定番のスポットだが、それ以外の見どころにもぜひ注目してほしい。
これから紹介する楽しみ方を実践すれば、より「高千穂峡」の魅力を満喫できるはずだ。
1. 名瀑・真名井の滝で自然の美しさと雄大さを感じる
「高千穂峡」を象徴する景色が「真名井の滝」であり、観光するなら絶対に外せない見どころのひとつだ。
17mの落差で流れ落ちる「真名井の滝」が、周囲の景観と調和する光景はまさに絶景。洗練された優美さすら感じられる。
特筆すべきは「真名井の滝」をボートに乗って鑑賞できることだ。
至近距離から見上げる形で眺める、「真名井の滝」や「高千穂峡」の断崖は迫力満点。
2. 遊歩道を散策して独特な景観を楽しむ
峡谷に沿って遊歩道が整備されており、「高千穂峡」の独特な地形や巨石などの興味深い景観を楽しめる。
遊歩道から見て対岸の位置には「仙人の屏風岩(びょうぶいわ)」がそびえており、
屏風のように見える柱状節理(ちゅうじょうせつり)のスケールの大きさに、圧倒されるだろう。
推定で200tの重さがあるとされる巨石、「鬼八の力石」も見逃せない。
荒神であった鬼八(きはち)が力自慢の際に投げたと伝わっており、「仙人の屏風岩」と近い場所にある。
「五ヶ瀬川」の中で最も川幅が狭い辺りは「槍飛(やりとび)」と呼ばれ、「槍飛橋」という橋も架かっている。
橋が無かった当時、落城して敵から逃げる武士が「五ヶ瀬川」の岩に槍の柄を突いて渡ったことが「槍飛」の由来だ。
高千穂峡と併せて巡るべき高千穂の観光スポット5選
「高千穂峡」を有する高千穂には、日本神話にまつわる観光スポットがたくさんある「神話のふる里」として知られている。
高千穂の観光スポットを巡れば、日本の歴史や伝統文化を五感で楽しめるだろう。
ここからは「高千穂峡」と併せて巡るべき観光スポットを紹介するので、ぜひ併せて訪れてみてほしい。
1. 高千穂神社
約1,900年もの昔、垂仁天皇時代に創建されたと伝わる古社。
「高千穂皇神(たかちほすめがみ)」と「十社大明神(じっしゃだいみょうじん)」を御祭神に祀る。
伝統的な「高千穂の夜神楽」を、365日毎晩開催していることでも知られる。「高千穂の夜神楽」とは、国の重要無形民俗文化財に指定されている古来より伝わる舞。
2. 天安河原
日本神話のエピソードとして登場する、天照大神が隠れた「天岩戸」を御神体として祀る宮崎県高千穂町の天岩戸神社。
その西本宮から岩戸川に沿って10分ほど歩いた場所にある「天安河原(あまのやすかわら)」は、八百万の神々が天照大神を岩戸から外に出すための相談をしたといわれる場所だ。
注目は渓流沿いにある「仰慕ヶ窟(ぎょうぼがいわや)」。大きな洞窟内に八百万の神が祀られる社があるが、その周りが無数の石積みで囲まれ、神秘的な雰囲気を漂わせている。
3. 天岩戸神社
日本書紀や古事記に記されている「天岩戸神話」を伝える古社。
「天照大神(アマテラスオオミカミ)」が、弟の「素戔嗚尊(スサノオノミコト)」がふるった乱暴に怒ってお隠れになられた「天岩戸」と呼ばれる大洞窟を御神体に祀る。
西本宮には御神体である「天岩戸」を望む「遙拝所」があり、神職が決まった時間に案内してくれる。
有名な神話の舞台を間近で眺めると、不思議なパワーを感じるはず。
4. あまてらす鉄道
観光客に人気だったが、2005年に惜しまれながらも廃線となった高千穂鉄道。
その線路を活用し、ディーゼルエンジンを搭載した観光用のグランド・スーパーカートが運行している。
途中ふたつのトンネルを抜けながら、高千穂駅から高千穂橋梁まで往復5.1㎞を時速20㎞で約30分かけて走る。
高千穂駅は国鉄時代の駅舎がそのまま残っており、とてもノスタルジックなたたずまい。
5. 道の駅 高千穂
国道218号沿いに立地、天孫降臨の神話が残る九州随一のパワースポット「高千穂峡」から車で5分ほどの距離にある道の駅。
国の名勝や天然記念物にも指定されている「高千穂峡」や、優美な曲線を描くアーチ状の橋桁が特徴の「神都高千穂大橋」が一望できる、大自然のすばらしいロケーションの中にある。
日本の文化と神話の世界を感じられる「高千穂神楽」
宮崎県高千穂町に伝わる民俗芸能で、五穀豊穣を祈願して奉納される「高千穂の夜神楽」。
神話にまつわる観光スポットを巡ったら、神話を題材にした芸能も楽しもう。
平安末期から鎌倉時代にかけて成立し、江戸時代末期まで高千穂神社の神職によって奉納されていたものが33番の神楽に整えられ、集落ごとに受け継がれてきた。
日本文化を現代に伝える貴重なもので、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
高千穂神社の境内にある神楽殿では、毎晩20時から「高千穂神楽」を一般向けに公開。
各集落の舞手が毎日交代で登場し、約1時間をかけて33ある神楽のうち「手力雄の舞」「鈿女」など代表的な4番を披露する。
日本の神話の世界や民俗芸能に触れたいなら、ぜひ足を運んでほしい。
高千穂名物を堪能!訪れるべき人気飲食店3選
「高千穂峡」や高千穂の観光スポットを満喫したら、高千穂の名物グルメも堪能しよう。
ブランド牛をはじめとする、様々な名物グルメを味わえる飲食店があるので、ぜひ高千穂で食事を楽しんでほしい。
どこに行くか迷ったら、これから紹介する人気の飲食店へ足を運んでみよう。
1. 高千穂牛レストラン和
5年に1度、和牛日本一を決定するために開催される「全国和牛能力共進会」において、肉質や肉の量、脂肪の質を評価する肉牛の部の最高賞「内閣総理大臣賞」を受賞した高千穂牛。
「高千穂地区農協管内で生産・肥育されたA4等級以上の黒毛和牛」だけが名乗ることのでき、柔らかな肉質と旨味あふれる味わいが特徴の高千穂牛を手頃な値段で味わえるのがJA直営のこちら。
2. 居酒屋てんつくてん
高千穂の中心地にあり、旅行者も訪問しやすい、フレンドリーな居酒屋。
刺身や一品、雑炊、月ごとのお薦めメニューなどが並び、何度訪れても飽きの来ないラインアップだ。
宮崎名物の「チキン南蛮」といった定番に加え、その大きさに驚くおにぎりの「ばくだん」、納豆好きにはたまらないおいしさの「五色納豆」などオリジナルメニューも充実。
3. そば処天庵
宮崎交通高千穂バスセンターから徒歩5分と、アクセスも抜群のそば処。
そば粉は高千穂産を使用し、石うすで挽き、手打ちで提供する。豊かな香りとのど越しの良さが自慢の二八そばだ。
豊かな香りとのど越しの良さが自慢の二八そばだ。名水で知られる秋元神社の御神水を使用、米や野菜も無農薬の自家栽培と、高千穂の恵みを心行くまで堪能することができる。
高千穂で人気の宿泊施設4選
「高千穂峡」をはじめ、その他周辺にある高千穂の観光スポットを巡るなら、高千穂で1泊して観光するのがお勧めだ。
ここでは高千穂にある魅力的な宿泊施設を紹介するので、宿探しの参考にしてもらいたい。
1. ソレスト高千穂ホテル
「高千穂バスセンター」から徒歩約8分の場所に佇む、観光に便利なホテル。
訪れた旅人に食と空間で癒しを提供し、モダンなインテリアとともに大人の非日常感を演出する。
客室は旅の目的やメンバーに応じて選べる4タイプを用意。琉球畳を敷き各部屋に庭園と浴槽を完備した「特別和洋室」のほか、観光メインの際に気軽に利用できる「スタンダードツインルーム」や「スタンダードダブルルーム」を備える。
2. 高千穂 離れの宿 神隠れ
和の風情を感じる格調高い敷地内に、4棟全8室の離れ形式の客室をゆったり配置。
和モダンな和洋室やシモンズ製ベッドを備えた洋室、くつろぎ感あふれる和室など、華鳥風月をテーマにした客室は、それぞれ趣が異なり、好みに応じて選べる。
全客室に専用風呂を完備しているので、好きな時間に思う存分湯が楽しめるのもうれしいポイント。
3. 神呂木の庄 旅館 神仙
毎晩「高千穂神楽」を披露する「高千穂神社」のほど近くに佇む、和情緒あふれる旅館。
日本庭園を備えた広大な敷地内に、客室が15室。天孫降臨の地として知られる高千穂の地で、和のやすらぎに満ちたくつろぎの時間が過ごせる。
全客室に、開放感たっぷりの露天風呂や爽快な香りに癒される総檜内湯を完備。好きな時間に気の向くまま、ゆったり湯に浸かって旅の疲れを癒やせる。
4. ホテル高千穂
高千穂峡や高千穂神社へは徒歩圏内と、観光拠点に最適。
フロントでは神楽鑑賞用の座布団を無料で貸し出しているので、夜神楽鑑賞もゆったりと楽しめる。
光明石を使用した準天然温泉「天照の湯」が自慢で、塩化カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩化ナトリウムからなる泉質は無色透明で、やわらかい湯触り。
高千穂峡に関するよくある質問
Q
高千穂峡の紅葉の見頃は?
11月の中旬から下旬が見頃になります。
Q
高千穂峡を観光するにはどれくらい時間が必要?
巡る場所にもよりますが、2時間から3時間ほどあれば充分でしょう。
まとめ
この記事では「高千穂峡」の基本情報に加えて、お勧めの楽しみ方などを紹介してきた。
「高千穂峡」の大きな魅力である、大自然の雄大さや力強さを、美しい景観の中で感じてみよう。
日本神話や日本文化を感じられる、その他の高千穂の観光スポットにも、ぜひ足を運んでほしい。
宮崎県の観光スポットをもっと知りたい方は、訪れるべき観光スポットを厳選して紹介している、以下の記事も参考にしてほしい。