【出島の観光ガイド】江戸と西洋の文化が混ざり合う唯一無二のスポット
異国情緒が漂い、古い街並みと現代風の街並みが融合している「出島」。
他の街では感じられない独特の風情や、趣に触れられる街として人気の観光スポットとなっている。
この記事では「出島」を観光するなら知っておきたい見どころや、お勧めの観光シーズン、周辺の観光スポットを紹介していく。
「出島」の観光を計画している人は、ぜひこの記事で予習してから訪れてみてほしい。より一層、「出島」観光を楽しめるはずだ。
出島ってどんなところ?
長崎県長崎市にある日本初の本格的な人工島で、以前は扇形をしていた「出島」。
明治時代以降は港湾整備による埋め立てなどで内陸化し、扇形の原型や「島」としてのイメージとはかけ離れてしまった。
1951年頃から江戸時代(1603〜1868年)の姿へ復元が開始され、一部は当時の姿を取り戻している。
今では貴重な史跡として、国に指定されている。
「出島」はキリスト教の布教を禁止するため、ポルトガル人を管理する目的で江戸時代に造られた。
いわゆる、鎖国政策のひとつだ。
ポルトガル人やオランダ人の居住地であり、鎖国政策の中で唯一開かれた西洋への窓口として機能していた。
現在の「出島」には江戸時代の外観や内観を忠実に再現した建物があり、当時の人々の暮らしがイメージできるほどのクオリティだ。
和洋折衷の建物は、フォトスポットとしても人気。
江戸時代の文化を体験・見学・学習できるスポットも豊富で、日本の歴史を学びたい人にはピッタリと言える。
長崎の食材を使った「出島」らしいグルメも味わえるので、様々な楽しみ方ができる。
出島内に着物をレンタルできるお店があるため、着物を着て「出島」を散策するのもお勧め。
そうすれば、より一層情緒を感じながら出島観光ができるはずだ。
鎖国していた江戸時代の異国交流の場所で、日本の歴史と文化を体感できるのは「出島」観光の大きな魅力だ。
出島へのアクセス
長崎観光の移動拠点となる「長崎駅」を起点として、「出島」へのアクセスを紹介しよう。
- 経路
-
1.路線バスの「新地中華街行き」に乗車し、「新地中華街」で下車
2.歩いて5分ほど - 所要時間
- 約10分
出島の営業時間と入場料
「出島」の営業時間と入場料は、下記の表を参考にしてほしい。
出島内の施設ごとに営業時間は異なるので、気になる施設がある場合は、事前に施設の営業時間を確認しておこう。
- 営業時間
- 8:00〜21:00(最終入場 20:40)
- 入場料
-
・大人:520円
・高校生:200円
・小中学生:100円
出島のお勧め観光シーズンは?
「出島」を観光するなら春か秋がお勧めだ。
出島内は歩いて観光することになるため、気温的にも過ごしやすい季節に訪れたい。
「出島」を含め、人気の観光地である「長崎」は年間を通して観光客が大勢訪れる。
夏休みやお正月など、長期休暇の人が多いシーズンは避けるのが無難だ。
和洋折衷の独特な空間が魅力!出島の人気観光スポット7選
江戸時代や明治時代の文化と西洋の文化が折衷された、唯一無二の観光スポットが「出島」には満載だ。
どこか懐かしい感覚を覚えながらも、触れたことのない新鮮な文化を体験できるはず。
「出島」に数ある魅力的な観光スポットの中でも、必ず訪れるべきスポットを紹介しよう。
1. 現在から過去への架け橋「出島表門橋」
「長崎」と「出島」を結ぶ新しい橋として、2017年に造られた「出島表門橋」。
当時の「出島」を復元したと誤解されないように現代的なデザインにしつつ、景観を損ねないような構造が求められた。
その結果として、視覚的にもユニークで魅力的な「出島表門橋」が完成した。
2018年にはグッドデザイン賞も受賞している。
2. 人気のフォトスポット「カピタン部屋」
カピタンとはオランダ商館長を指し、「カピタン部屋」はその住まいだ。
1階が倉庫などに使われ、2階は居住区と事務所を兼ねており、接待の場としても利用された。
「カピタン部屋」の注目すべきポイントは内観にある。
部屋の壁には日本の伝統的な模様があしらわれた壁紙が貼られており、洋風の内装と和風の壁紙が調和した空間が演出されている。
他では見られない空間から、フォトスポットとしても人気。
3. 異国情緒あふれる「旧出島神学校」
「旧出島神学校」は、現存する日本最古のキリスト教の神学校の建物だ。
なお、ここでのキリスト教徒とはプロテスタントを指す。
日本にキリスト教を伝えながら、牧師を養成する場としても使われていた。
異国の雰囲気を強く感じられる建物で、異国情緒が溢れる「出島」らしい魅力がある。
「旧出島神学校」の横には「ミニ出島」というミニチュアがあり、「出島」を15分の1のサイズで再現している。
4. 出島の歴史が学べる「十四番蔵」
「十四番蔵」はいわゆる倉庫で、輸入品の砂糖が保管されていた。
「出島」には砂糖を保管していた蔵が多く存在し、砂糖が「出島」における主要な輸入品だったことがわかる。
2016年に復元された「十四番蔵」だが、時代を感じさせる見た目に復元技術の高さが垣間見える。
現在は建物の中で、出島の築造や出島橋に関する展示が行われている。
5. 江戸時代の生活と文化を学べる「ヘトル部屋」
ヘトルとは商館長に次ぐ位の人物、いわゆる次席のこと。カピタンと同じくポルトガル語だ。
当時「ヘトル部屋」は、住居として利用されていた。
現在は1階のミュージアムショップで「出島」グッズが購入できるほか、2階では企画展が楽しめる。
当時の生活や文化を体験しながら学べる場所だ。
6. 江戸とオランダの繋がりを体感できる「拝礼筆者蘭人部屋(蘭学館)」
オランダ商館の首席事務官、書記長の住居として利用されていたのが「拝礼筆者蘭人部屋(蘭学館)」だ。
現在は蘭学(オランダから学んだ学問)に関する展示を見られる場所として、貴重な施設となっている。
江戸時代に使われていた顕微鏡や尺時計などが展示されており、西洋文化との交流の歴史を肌で感じられる。
7. 長崎名物を味わえる「長崎内外倶楽部レストラン」
歴史ある明治期の建物「旧長崎内外クラブ」を利用した店内で、長崎ゆかりの洋食やスイーツを味わえる。
クラシカルな建物は1903年に建てられた英国式明治洋風建築。
当時は長崎に在留する外国人と日本人の親交の場として設立された「長崎内外クラブ」があった。
出島周辺の異国情緒漂う観光スポット4選
異国との交流が古くからあったからこそ、成立出来た文化や建築が「出島」周辺のスポットでも数多く見られる。
「出島」を思う存分満喫したら、これから紹介するスポットも合わせて観光してみてほしい。
これまで以上に、「出島」や周辺文化について深い知見が得られるはずだ。
1. 長崎新地中華街
「新地中華街」は神戸、横浜と並ぶ日本3大中華街のひとつ。
規模は小さくコンパクトながら東西、南北あわせて約250mの十字路に、中華料理、中華菓子、中華雑貨など約40店舗が立ち並ぶ。
ちゃんぽん、皿うどんを味わうのはもちろん、エビのすり身をパンに挟んで揚げた「ハトシ」や、トロトロの角煮をまんじゅうではさんだ「角煮まんじゅう」などを食べ歩きするのも楽しい。
2. オランダ坂
長崎の観光名所の中でも有名なオランダ坂とは、外国人居留地があった山手地区に残っている石畳の坂道のこと。
代表的なオランダ坂は活水学院下の坂、活水坂、誠孝院(じょうこういん)前の坂。
活水学院下の坂は、居留地を造る際に切り開かれた道で、この坂を上がるとオランダ坂の石碑が見える。さらに続く坂道が活水学院の通学路でもある活水坂だ。
3. 東山手十二番館
幕末から明治初期にかけて旧外国人居留地が造成されていた、東山手エリアの一画に立つ国指定重要文化財。
日本における初期洋風建築の代表的な建物であり、オリジナリティあふれるいくつかの様式を目にできる。
正面側には幅を広くとったベランダ付きの主屋が設けられ、威風堂々とした構えは、往時に領事館として用いられていた建物にふさわしい造りになっている。
4. 長崎出島ワーフ
2階建ての建物の前には全長150mのデッキが広がり、ターミナルに出入りするフェリーやクルーズ船、ハーバーに停泊するヨットなど長崎港の景色を一望することができる。
2棟の建物をつなぐ展望デッキは稲佐山や女神大橋も見渡せる絶景スポット。
港や帆船がライトアップされ、一転してロマンチックな雰囲気になる夜の港も必見だ。
出島に関するよくある質問
Q
出島は現在でも江戸時代の形のまま残っている?
明治時代以降に面影は無くなったが、現在は復元が進められています。
Q
出島はなんのために作られたの?
キリスト教の布教を禁止する目的で、ポルトガル人を管理するために造られました。
まとめ
この記事では「出島」の基本的な情報や歴史、観光スポットなどを紹介してきた。
江戸時代の文化や建物の中に、西洋文化が取り入れられた、独特な空間は「出島」にしかない。
長崎を観光するなら、ぜひ「出島」に訪れて、ここでしかできない体験を満喫してほしい。
長崎観光の予定のある方は、長崎の魅力的なスポットを厳選して紹介している、こちらの記事も参考にしてほしい。