【茨城・大子町1泊2日ドライブ旅】紅葉と名産を味わい尽くす!

【茨城・大子町1泊2日ドライブ旅】紅葉と名産を味わい尽くす!

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筆者 : GOOD LUCK TRIP
監修 : 大子町

茨城県にある自然豊かなエリアとして知られる大子町。
袋田の滝」などの風光明媚な景色が見られるだけではなく、奥久慈りんご、大子漆など名産品が数多くある。
秋シーズンは一見の価値がある紅葉の景色を見せてくれるスポットだ。
本記事では茨城の秋の人気スポットである「国営ひたち海浜公園」を起点にした大子町の秋の景色や味覚を味わい尽くすドライブモデルコースをご紹介。
東京近郊の紅葉スポットを探している方はぜひチェックしてほしい。

茨城県大子町とは?

アクセス

茨城県大子町は県の最北西端に位置し、福島県栃木県に隣接している地域だ。
「国営ひたち海浜公園」から「常陸大子駅」まで車で約1時間、「竜神大吊橋」から「常陸大子駅」までは車で約25分あれば到着する。

特徴

大子町は年間90万人の観光客が訪れる、観光と農林業の町だ。
男体山、八溝山、久慈川、奥久慈温泉郷の観光資源が知られ、特産品には奥久慈しゃも、奥久慈りんご、鮎、そば、こんにゃくなどが挙げられる。

常陸太田市と久慈郡大子町の境にある奥久慈「男体山」
常陸太田市と久慈郡大子町の境にある奥久慈「男体山」

Day1 さまざまなスポットから大子町の絶景を眺めてみよう

1日目は茨城空港か最寄り駅でレンタカーを借り、「国営ひたち海浜公園」へと向けて出発。
茨城が誇る絶景スポット「国営ひたち海浜公園」や「竜神大吊橋」に立ち寄って大子町内へと向かうコースだ。

9:30 秋色に染まる草花が咲き誇る「国営ひたち海浜公園」

潮風を感じながら四季折々の花と緑を楽しめる観光スポット「国営ひたち海浜公園」。
秋にはコキア、コスモス、バラなどの草花を観賞でき、花々が織りなす景色を見ることができる。

秋には一面コキアが広がる「みはらしの丘」
秋には一面コキアが広がる「みはらしの丘」

開園面積約237ヘクタールもの広大な敷地には、草花のほか、海抜100mからの景色を眺められる大観覧車や林間アスレチック広場などもある。

11:30 「竜神大吊橋」で360度の絶景に囲まれながら歩く

「国営ひたち海浜公園」から車で1時間ほど走ると到着する、長さ375メートルある「竜神大吊橋」。
歩行者専用の橋のなかでは日本最大級の長さを誇る吊橋がお出迎え。
赤黄緑に色づいた山々が織りなすパノラマの絶景を吊橋の上から堪能しよう。

スリリングさと紅葉美を同時に楽しめる
スリリングさと紅葉美を同時に楽しめる

12:30 「袋田の滝」で雄大な自然の力強さと彩り豊かな秋の景色を体験

「竜神大吊橋」から車を走らせること約20分、「袋田の滝」に到着。
「袋田の滝」は栃木県の華厳の滝、和歌山県那智の滝に並ぶ、日本三名瀑の滝だ。
滝を鑑賞するスポットは「第1観瀑台」と「第2観瀑台」の2つ。
「第1観瀑台」へと向かうトンネルは、話し声がかき消されるほどの水流音が響き渡る。
滝の壮大さを水流音からも体感できるのも「袋田の滝」のポイントだ。

滝への期待感が高まるトンネル
滝への期待感が高まるトンネル

高さ120メートル、幅73メートルの大きさで、滝の流れが大岩壁を四段に落下するため「四度の滝」とも言われる景観は圧巻だ。

「第1観瀑台」からは滝が迫ってくるような景色が見られる
「第1観瀑台」からは滝が迫ってくるような景色が見られる

トンネル奥のエレベーターで上昇し「第2観瀑台」へ。
滝の段瀑がよく見えて、滝の高さと幅を確認できる。
滝の流れはシルクで織られた帯のように滑らかだ。

段瀑と赤、黄、緑の彩りが美しい「第2観瀑台」
段瀑と赤、黄、緑の彩りが美しい「第2観瀑台」

13:30 カフェレストラン「フランボワーズ」の庭園でランチタイム

国道沿いを車で走ると花木に包まれた庭園が一際目立つのが、地元野菜を使ったカフェレストラン「フランボワーズ」。
2005年7月から約20年もの間、近隣住民の憩いの場として愛され続ける店だ。
ガーデニング好きな店主の母が一人で手入れをしている庭園も一見の価値がある。
バラ、宿根草、ギボウシ、さらにスイーツや料理に添えるジューンベリー、ミント、ローズマリー、ローリエなどが育てられている。
アンティーク風のインテリアで作られている趣のある内装は、オープン当初からのものだ。

店主の母が手入れをする自慢の庭
店主の母が手入れをする自慢の庭
アンティーク調の空間でゆったりと時間を過ごす
アンティーク調の空間でゆったりと時間を過ごす

ランチメニューはパスタ、ピザ、ハンバーグステーキ、ミートソテーの4つから選べる。
今回は「和風ハンバーグステーキ」を。
醤油ベースの優しい味わいのソースがかかったハンバーグは、肉本来の味わいを楽しめる逸品だ。
また、セットの旬菜サラダに添えられた自家製ドレッシングは、玉ねぎのほど良い酸味があり野菜との相性も抜群。

「和風ハンバーグセット」とほうじ茶
「和風ハンバーグセット」とほうじ茶

秋限定で販売するのは、大子町産のりんごを使った「アールグレイとりんごのタルト」。
秋風にゆられる花木を眺めながら過ごす時間は、気持ちが高揚して会話もより盛り上がるだろう。

紅茶の香りが上品に漂う「アールグレイとりんごのタルト」
紅茶の香りが上品に漂う「アールグレイとりんごのタルト」

15:00 由緒ある「大子温泉やみぞホテル」へチェックイン

1976年に創業した「大子温泉やみぞホテル」は、大子町で全国植樹祭が開催された際に昭和天皇皇后両陛下が滞在されたホテルだ。
洋室・和室ともに室内が広々としていて大きな窓が設置されており、秋には全部屋の窓から久慈川と紅葉を眺望できる。

和室とベッドを兼ね備えた「和洋室」
和室とベッドを兼ね備えた「和洋室」
「洋室ツインルーム」でも山々の景色を眺めることができる
「洋室ツインルーム」でも山々の景色を眺めることができる

18:00 茨城名物の「常陸牛」と「奥久慈しゃも」を食す

夕飯は「大子温泉やみぞホテル」の茨城を代表する食材を使った「奥久慈しゃも石焼きと常陸牛すき焼き」だ。
熱々に熱した石の上でさっと焼いていただく奥久慈しゃもの石焼きは、弾力のある肉質と旨みが感じられる。
また、赤身にほどよく霜降りが入った常陸牛はすき焼きとの相性抜群。
溶き卵にあえて食べると口のなかでとろけるような食感。
赤身肉の奥深い味わいを楽しもう。

茨城を代表する食材や旬の食材を使った贅沢メニュー
茨城を代表する食材や旬の食材を使った贅沢メニュー

20:00 奥久慈りんごを使った「りんご風呂」で癒される

夕飯を食べ終わってひと息ついたところで温泉へ。
秋から冬にかけて登場するのが「大子温泉やみぞホテル」名物の「りんご風呂」だ。
奥久慈のりんごを湯船に浮かべた温泉は、甘酸っぱい香りが広がり心も体もリフレッシュできる。

甘酸っぱいりんごの香りに包まれながらくつろげる
甘酸っぱいりんごの香りに包まれながらくつろげる

Day2 漆器塗り体験やりんご狩りで文化と名産に触れる

大子町滞在2日目は、大子漆塗り体験やりんご狩りで、大子町の伝統文化や名産品に触れていこう。

8:00 「大子温泉やみぞホテル」で和食膳の朝食を

朝食は卵焼き、焼鮭、納豆、目玉焼き、きんぴらごぼう、ひじきの煮物などボリューム満点の和食膳。
しっかりと和朝食をとって2日目スタート。

小鉢で少しずつ違うメニューを食べられるのが嬉しい
小鉢で少しずつ違うメニューを食べられるのが嬉しい

10:00〜13:00 「器而庵」で漆器作り体験と作品を見学

ホテルのチェックアウトを済ませたら、「器而庵(きじあん)」へ。
希少な漆の樹液が採れることで知られている大子町。
地元産の天然素材や漆器に触れ合う機会を作るため、2010年に築120年以上を誇る呉服商の見世蔵だった場所を改装してスタートした漆器のギャラリー&工房だ。

器而庵の外観。明治時代中期の貴重な文化財
器而庵の外観。明治時代中期の貴重な文化財

器而庵では、漆掻き、漆塗り、器研ぎなどを3時間ほどで体験することが可能だ。
今回は「器研ぎ」を体験。
器研ぎは漆を塗るために最も重要な工程で、化粧の下地と同じで丁寧に研がないと漆塗りが荒くなってしまうそう。
ろくろの機械にのせた器の内側に指の腹を添えて、表面をなでるようにしてゆっくりと指の腹を上げていく。
緊張して手で器をうまく支えられなくても、店主が優しく教えてくれるので安心だ。

器研ぎを体験中。職人の手つきを間近で見られる。
器研ぎを体験中。職人の手つきを間近で見られる。

漆器は使い込むことで漆本来の成分が作用してツヤが出るそうだ。
自分へのおみやげに購入して日々の食卓で使用しながら、その変化を体験するのもいい。

使うほどツヤが出るという漆のお椀
使うほどツヤが出るという漆のお椀
梅の枝で作ったという箸はおみやげにも
梅の枝で作ったという箸はおみやげにも

13:30 「旧上岡小学校」でアニメ「ガールズ&パンツァー 劇場版」のロケ地巡り

旧上岡(うわおか)小学校は1911年に創立し、2001年に閉校した。
元々は上岡地区と山田地区の子供が通う学校だったが、閉校時には学区に応じて通う学校が分かれてしまいお互いの交流がなくなってしまうことから跡地を残すことになったという。
黒電話やロッカーなどの備品、廊下に貼られた校長が描いた在校生の似顔絵などの掲示物は当時のまま残されている。
時の流れが止まったような静かな校内で、じっくりと見学したい。

色々なロケ地に使われる旧上岡小学校
色々なロケ地に使われる旧上岡小学校
校長と当時の生徒が描いた絵が展示された1階廊下
校長と当時の生徒が描いた絵が展示された1階廊下

旧上岡小学校は、茨城県大洗町を舞台にしたアニメ「ガールズ&パンツァー(通称:ガルパン)」の劇場版のロケ地として使われていた。
同アニメは、戦車を使った「武道戦車道」がある世界で、女子高生たちの学園生活を描いたテレビアニメである。
旧上岡小学校は校内全ての場所で見学可能だが、アニメの要となる職員室、校長室、放送室は校舎外から見学できる。
校舎の至る所にアニメに出てきたスポットがあるため、ファンならアニメに出てきた場面と同じ画角で記念撮影を撮ってみたくなるだろう。
見学は土日祝日のみで、料金は無料。

生徒会広報・河嶋桃が放送室に向かう場面で映る職員室
生徒会広報・河嶋桃が放送室に向かう場面で映る職員室
「ガルパン」の登場人物が座っていた校長室の椅子
「ガルパン」の登場人物が座っていた校長室の椅子
風紀委員らが寝床にしていたとされる放送室
風紀委員らが寝床にしていたとされる放送室

13:45 「月待の滝 もみじ苑」でそばを食べながら秋色に染まった滝を鑑賞

月待の滝 もみじ苑」は「月待の滝」を眺めながらそばを食べられる茶屋。
客席は屋外と屋内とあり、建物に沿って奥へと進むと、「月待の滝」を眺望できる屋外の客席が用意されている。
定番メニュー「もりそば」は、そば粉10に小麦粉2を加える「外二(そとに)」と呼ばれる配合で作られている。
そのため、そばの風味が濃く、歯ごたえのある食感が特徴だ。

秋色染まる「月待の滝」を眺めながら、そばを食べる贅沢な時間
秋色染まる「月待の滝」を眺めながら、そばを食べる贅沢な時間
風味と歯ごたえをしっかり感じる絶品「もりそば」
風味と歯ごたえをしっかり感じる絶品「もりそば」
食後はコーヒーを飲みながら、滝を眺めるのもいい
食後はコーヒーを飲みながら、滝を眺めるのもいい

14:00 「黒田りんご園」で奥久慈りんご狩りを体験

樹の上で完熟させてから収穫する「樹上完熟」の製法で作られる「奥久慈りんご」。
その「奥久慈りんご」の発祥の地と言われているのが「黒田りんご園」だ。
化学肥料を使わずに50品種ものりんごを育て、品種「ふじ」は鮮度や甘みが評価され、茨城県果実品評会で4年連続金賞を獲得している。

赤々となった実と、黄色い葉っぱの秋らしいコントラスト
赤々となった実と、黄色い葉っぱの秋らしいコントラスト

例年、りんご狩りは9月下旬から12月上旬頃まで。
時期によっては「ふじ」「陽光」「ジョナゴールド」といった定番品種から、「奥久慈宝紅(おくくじほうべに)」「あいかの香り」「こうとく」など茨城ならではの希少品種も。
奥久慈で育ったりんごは完熟度の高さが特徴だが、品種によって酸味や食感、香りが異なる。
食べてみたい品種があれば、時期を狙っていくのもいいだろう。

入場したら試食用のりんご1個が提供される
入場したら試食用のりんご1個が提供される
1番収穫できる品種が多い10月が狙い目!
1番収穫できる品種が多い10月が狙い目!

時間が許せば「大子温泉やみぞホテル」をさらに満喫!

本モデルコースには組み込めなかったが、「大子温泉やみぞホテル」には「YAMIZOバレルサウナ」もある。
時間に余裕が合うサウナはぜひ体験してみてほしい。

スギとヒノキの香りでいつもよりも整う?!「YAMIZOバレルサウナ」

「大子温泉やみぞホテル」のくつろぎのウッドデッキスペースに用意されているのは「バレルサウナ」。大子町産のスギ、室内にはヒノキが使用された、1基につき男女混合で最大6人まで入れるサウナだ。
10:00~12:00、12:30~14:30、15:00~17:00で完全予約制。
水風呂や外気浴スペースも併設しているので、プライベートな空間を思う存分使って整えることができる。
ポンチョやサウナハットのレンタルもあるため、手ぶらで利用できるのも嬉しいポイントだ。

ヒノキの香りに包まれるバレルサウナ内
ヒノキの香りに包まれるバレルサウナ内
貸し切りのため、完全プライベートなサウナタイムに
貸し切りのため、完全プライベートなサウナタイムに

まとめ

常陸牛や奥久慈しゃも、奥久慈りんごなどの茨城県名産品とともに、あらゆる絶景が楽しめるのが大子町。
なかでも日本三名瀑のひとつに数えられる「袋田の滝」や久慈川の支流大生瀬川がつくり出す「月待の滝」の紅葉に染まる景色は一見の価値ありだ。
劇場版アニメ「ガールズ&パンツァー」のロケ地も含めてめぐれば、他では味わい得ない1日を過ごせるはず。
秋のドライブ旅に選んでみてはいかがだろうか。