日本人が愛する“風呂上がりの牛乳”を銭湯で味わう特別な体験

日本人が愛する“風呂上がりの牛乳”を銭湯で味わう特別な体験

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筆者 :  GOOD LUCK TRIP

新鮮で濃厚ながら、すっきりとした味わいが特徴の日本の牛乳。その美味しさは訪日観光客の間でも話題を集めている。
牛乳はコンビニやスーパーでも手軽に購入できるが、せっかくならその美味しさを最大限味わえる「銭湯」という場所で体験してみてほしい。
湯上がりの心地よい疲れとともに味わう冷たい牛乳は格別だ。
この記事では、「特別な牛乳体験」をテーマに、銭湯での牛乳文化やミルクスタンドで味わう牛乳の魅力を紹介する。

日本の牛乳が美味しい理由

日本の牛乳には、国産の生乳のみが使用されている。生乳とは牛から搾ったままの乳で、それを殺菌しただけのものを牛乳と呼んでいる。
手を加えず、自然の恵みそのままの新鮮さを保っていることが、日本の牛乳の美味しさの秘密だ。
コンビニやスーパーには、飲み切りサイズから大容量まで様々なタイプが揃っている。
ただ、日本の牛乳の魅力を最大限味わいたいなら、銭湯へ足を運んでみてほしい。

新鮮で濃厚ながら、すっきりとした味わいの牛乳
新鮮で濃厚ながら、すっきりとした味わいの牛乳

古くから日本人の日常に根付く「銭湯」とは

銭湯とは、地域の人々が日常的に利用する公衆浴場のこと。
その起源は鎌倉時代(1185年〜1333年)にまで遡り、現代でも日本人の生活に根付いている。
入浴の場としてだけでなく、地域の交流拠点としての役割も果たしており、世代を超えたコミュニティの場として親しまれている。
浴場の壁一面に描かれた富士山や四季の風景などのペンキ絵も、銭湯ならではの魅力。
銭湯の魅力やマナー・ルールを詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてほしい。

日本人にとって身近でありながら非日常を感じられる銭湯
日本人にとって身近でありながら非日常を感じられる銭湯

銭湯で風呂上がりに飲む牛乳で感じられる小さな幸せ

湯上がりにキンと冷えた瓶入り牛乳を一気に飲み干す瞬間は、日本人にとって“ささやかな幸せ”を感じるひととき。
火照った体に、冷たく新鮮で濃厚な牛乳がすっと染みわたり、思わず「ふぅ」と息をつきたくなる。
腰に手を当てて飲み干すのが、日本人の定番スタイル「Japanese Milk Style」だ。
新鮮で濃厚ながら、すっきりとした味わいの牛乳を、ぜひこのスタイルで味わってみてほしい。
古くから日本人が親しんできた銭湯で、冷たくて新鮮な牛乳を「Japanese Milk Style」で飲み干す、日本ならではの特別な牛乳体験を楽しもう。

日本人が感じている風呂上がりの小さな幸せを感じてみよう
日本人が感じている風呂上がりの小さな幸せを感じてみよう

最も『牛乳らしさ』を楽しめる瓶牛乳を探してみよう

銭湯で牛乳を飲むなら、紙パックよりも瓶入りを選びたい。
瓶はにおい移りがなく、冷たさをそのまま伝える素材のため、牛乳本来のコクと香りを損なわずに味わえる。
一口飲むとガラスの口当たりとともに冷たさがダイレクトに伝わり、湯上がりの火照った体に心地よく染みわたる。

銭湯での体験をより特別なものにしてくれる瓶入り牛乳
銭湯での体験をより特別なものにしてくれる瓶入り牛乳

銭湯で牛乳を飲む習慣が定着した理由と背景

戦後の日本では冷蔵庫が普及しておらず、銭湯は地域の人々が集まる場所として販売する場所として適していた。
そこで牛乳メーカーが冷蔵ケースを設置し、「お風呂上がりの牛乳」を提案したことから習慣が広まった。
入浴後に冷たい牛乳を飲む行為は、水分と栄養を補給しつつ、ちょっとしたご褒美体験として人気を集めるように。
やがて「風呂上がり=牛乳」は文化として定着し、銭湯の象徴的な風景となった。
近年も風呂上がりの飲み物といえば、牛乳を思い浮かべる日本人は多い。

風呂上がりに味わう冷たい牛乳は格別
風呂上がりに味わう冷たい牛乳は格別

銭湯の自動販売機で牛乳を購入する手順

多くの銭湯では、自動販売機で牛乳を販売している。
湯上がりの余韻を感じながらすぐに味わえるよう、購入の流れを事前に把握しておこう。
自動販売機の種類によって支払い方法や操作手順は異なるが、以下の手順を押さえておけばスムーズに購入できるはずだ。

  1. 購入したい牛乳の番号を確認する
  2. 自動販売機に現金を入れる
  3. 購入したい牛乳の番号を押す
  4. お釣りを受け取る
  5. ガタンと音がしたら牛乳を取り出す
  6. 腰に手を当てて冷たい牛乳を飲み干す
  7. 飲み干した後のビンを返却場所に置く

お風呂上がりの牛乳を楽しむならココ!東京のお勧め温浴施設・銭湯3選

せっかく風呂上がりの牛乳を味わうなら、銭湯選びにもこだわりたい。
ここからは、昔ながらの情緒と快適さを兼ね備えた、お勧めの温浴施設・銭湯を3軒紹介する。
ぜひここで、特別な牛乳体験を楽しんでほしい。

1. 武蔵小山温泉 清水湯

大正12(1923)年創業の老舗銭湯。敷地内には黒湯と黄金湯の2つの天然温泉が湧出しており、贅沢にかけ流しで使用。
銭湯価格で2種類の天然温泉が楽しめると人気を集めている。
深さ200メートルから湧き出る琥珀色の黒湯は、都内の黒湯でも特にきめが細かく、澄んだ琥珀色の上質の温泉。保湿・保温効果が高く、美肌の湯として知られている。

2. 浅草ROXまつり湯

東京浅草に位置する「浅草ROXまつり湯」は、下町情緒あふれる浅草の中心にある、都内最大級の温浴施設である。
つくばエクスプレス「浅草駅」から徒歩1分というアクセスの良さに加え、浅草寺や仲見世通りといった観光スポットからもほど近く、観光の合間に立ち寄るには絶好のロケーションだ。
浅草ROXまつり湯の魅力は、東京の真ん中でありながら、多彩なお風呂と癒しの空間が充実している点にある。

東京スカイツリーを望む都内最大級の温浴施設
東京スカイツリーを望む都内最大級の温浴施設

3. 蒲田温泉

蒲田温泉は昭和12年(1937)から続くレトロな銭湯。湧出する天然温泉は真っ黒で、黒湯の温泉が多い蒲田の中で最も黒いとされる。
湯の黒さは海洋ミネラルたっぷりの「フミン酸」が含まれているため。いやな匂いはしないので温泉に不慣れな人でも安心だ。
泉質は、美肌の湯と言われるナトリウム炭酸水素塩・塩化物鉱泉。
源泉のまま薄められていない湯はとろみがある質感だ。湯上りの肌はしっとりすべすべで、湯冷めしにくく疲労回復にも効果的。

ツルツル美肌になれる真っ黒湯が特徴のレトロな銭湯
ツルツル美肌になれる真っ黒湯が特徴のレトロな銭湯

日本人の日常に溶け込むミルクスタンドにも立ち寄ってみよう

銭湯と同じように、日本人の日常に溶け込み、特別な牛乳体験ができる「ミルクスタンド」にも足を運んでほしい。
ミルクスタンドとは、牛乳や乳飲料、菓子パンを主な商品とする売店のこと。
ビン入り牛乳と菓子パンを購入し、その場のテーブルで立ち飲み・立ち食いを楽しめるのが特徴だ。
かつては日本全国の主要駅にあり、出勤前のサラリーマンや通学中の学生が手早く朝食や間食を済ませる定番スポットとして親しまれていた。
現在は数が減少し、レトロな雰囲気や昔ながらのスタイルを味わえる貴重な存在となっている。
全国的に有名なブランド牛乳だけでなく、各地のご当地牛乳まで取り揃えており、コンビニやスーパーでは出会えない味を楽しめるのも魅力のひとつ。
東京の観光プランに組み込みやすい、JR秋葉原駅とJR御徒町駅にあるミルクスタンドを紹介しよう。
銭湯以外で瓶牛乳を飲める場所は珍しいため、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

ミルクスタンド 秋葉原店

JR「秋葉原駅」構内、総武線5番線ホームにある「ミルクスタンド 秋葉原店」。
全国各地のビン入り牛乳を常時約50種類取り扱っており、牛乳と相性の良い菓子パンも販売している。
店舗前に設置されたテーブルで立ち飲み・立ち食いする、ミルクスタンドならではのスタイルが魅力。
購入したビン入り牛乳は、その場でスタッフが手際よく栓を開けてくれる。
飲み終えたビンは店員に返却するルールとなっているので、忘れずに返そう。

秋葉原駅ホームの賑わいとともに「瓶入り牛乳」を味わえる
秋葉原駅ホームの賑わいとともに「瓶入り牛乳」を味わえる

ミルクスタンド酪 御徒町店

JR「御徒町駅」北口改札を出てすぐの高架下通路にある「ミルクスタンド酪 御徒町店」。
牛乳の加工から販売・配送までを一貫して手がける「大沢牛乳株式会社」が運営するミルクスタンドだ。
店頭では自社製品のほか、全国各地から取り寄せたご当地牛乳も販売しており、コンビニやスーパーではなかなか手に入らない珍しい銘柄を楽しめる。
また、菓子パンやミルクコーヒー、いちごミルクなどの乳飲料も取り扱う。
店舗の前にはテーブルが設置されており、その場で立ち飲み・立ち食いを楽しめるのも魅力。
こちらも飲み終えたビンはその場で返却するルールとなっている。
なお、JR「秋葉原駅」構内の6番線ホームにも「ミルクスタンド酪」秋葉原構内店があるため、アクセスしやすい方に立ち寄ってみてほしい。

下町・御徒町の風情とともに楽しむ、昔ながらの「瓶入り牛乳」
下町・御徒町の風情とともに楽しむ、昔ながらの「瓶入り牛乳」

旅行先で牛乳を楽しめる施設を探してみよう!

銭湯やミルクスタンド以外にも、日本各地には牛乳の魅力を味わえるお店が数多くある。
例えば、以下のような店舗でも特別な牛乳体験や牛乳の美味しさを楽しめる。
旅行先でご当地牛乳を味わったり、牛乳を使ったスイーツやグルメを探してみるのもお勧めだ。

店舗名 概要
東毛酪農63℃ 「東京スカイツリー」の足元に広がる商業施設「ソラマチ」の4階にあるプレミアムソフトクリーム専門店。
東毛酪農業協同組合が製造する低温殺菌の牛乳で作られたアイスクリームを楽しめる。
コーシン牛乳赤塚販売所 東京都板橋区で地域の人々に愛される、昔ながらの牛乳屋。
コーシン乳業株式会社が運営しており、自社の製品だけでなく、雪印・メイトーなど、複数のメーカーの牛乳を楽しめる。

まとめ

日本では、どこでも手軽に新鮮で美味しい牛乳を味わえるが、せっかくならより特別な“牛乳体験”も楽しんでほしい。
旅行の際は、銭湯をプランに組み込み、風呂上がりの牛乳を味わいながら、日本人が感じる“小さな幸せ”を体験してみよう。
また、JR秋葉原駅やJR御徒町駅に立ち寄る機会があれば、ミルクスタンドもぜひ訪れてみてほしい。
様々な形で、日本の美味しい牛乳を満喫しよう。