これを食べるために日本に来る価値あり!と断言できる駅弁8選
鉄道の旅を彩る駅弁。全国津々浦々、各地の名産を詰め込んだ駅弁はまさにその地の文化と歴史の縮図。今回は、国内外の鉄道を取材してきた鉄道ジャーナリストであり、6,000食以上の駅弁を食したという駅弁マニアの櫻井寛さんをして「食べなければ損」と言わしめた、絶品駅弁を紹介します。
そもそも駅弁ってなに?
日本全国、どこの駅に行っても目にする駅弁。駅弁は日本の鉄道旅を語る上で欠かせない存在です。これだけ多種多様な駅弁があるのは、世界広しといえども日本だけ。日本が世界に誇る文化のひとつといえるでしょう。
駅弁とは厳密には、社団法人日本鉄道構内営業中央会に加盟する駅弁業者が販売するお弁当のことを指します。その証となるのが駅弁マーク。1988(昭和63)年に日本鉄道構内営業中央会が考案し、加盟する企業に表示を許可したのが駅弁マークです。
これが付いていれば駅弁として歴史があり、認定されているものということがわかります。しかし、団体に加盟していて駅弁マークを付けていない駅弁や、団体に加盟していなくても絶大な人気を誇るお弁当もあり、明確な線引きは難しい状況。今回は駅とそのごく周辺で買える列車の旅を想定した駅弁で、コンビニ弁当ではないお弁当を駅弁とし、話を進めていくことにします。
ただ、駅弁マークは歴史と実績の証。もしも駅弁選びに迷ったら、駅弁マークを目印に選ぶのもひとつの方法です。
駅弁が誕生したのはいつ?
その後の1889(明治22)年、姫路駅で初の幕の内弁当が発売されました。白飯にかまぼこ、鯛の塩焼きなどが入った豪華メニューで、白米が高級だった時代にあってかなりの贅沢品。今も駅弁を買う際は少なからず気分が高揚しますが、当時の人にとっても駅弁が特別な存在であったことがうかがえます。
その後、鉄道網が発達し長距離列車が増えるにつれて、駅弁の需要も増加します。しかし各地に駅弁文化がまさに開花しようとした矢先、戦争に突入し食料供給の難しい時代に入ります。そんななかでも人々は知恵と工夫を凝らし、戦時中には雑穀入りのお弁当や、蒸しパンなどが販売されたという記録が残されています。
4,000以上の駅弁がひしめくニッポン
昭和30年代、高度成長期に入った日本では、鉄道網が整備され、余暇には旅行に行く余裕も生まれます。それに伴い駅弁の需要が再び増加し、駅弁百花繚乱の時代を迎えます。
ところがそんな時代も長く続きません。1964(昭和39)年に東海道新幹線が全線開通すると新幹線のホームでの駅弁の立ち売りが禁止に。同時に窓の開かない車両も増えて、駅のホームで窓から手渡しで販売していた駅弁は苦難の時代を迎えます。また、コンビニエンスストアやファストフード店などの外食産業も増加し、競争はさらに激化。駅弁の勢いは衰えたかに見えました。
しかし、駅弁は日本人の魂にすり込まれていたのでしょう。さまざまな移動手段が発達し、外食産業が多様になるなかでも今日まで駅弁は生き残り、現在も4,000種以上もの駅弁が、お腹を空かせた旅人の胃袋を満たそうと日本全国の駅で待っています。
駅弁の魅力はなんといっても、その土地の名産品を使っていることが多く、土地柄を味覚で知ることができること。また基本的にはその土地に行かなくては食べられないというのが魅力です。
駅弁の入手方法は?
実際に駅弁はどこで買えるのでしょうか。事前にウェブ検索して利用する予定の駅で駅弁が発売されているか調べておくとよいでしょう。主な入手スポットは次のとおり。
1. 駅構内
駅によりさまざまですが、駅構内の売店、改札外の売店、ホームにある売店などで購入できます。駅構内の売店は複数の駅弁を扱う小売店で、予約はできません。
2. 駅構外の直営店
地方の駅では駅弁の製造会社が駅近くに店舗を持っていることもあり、そこに赴いて購入するというパターンもあります。いちど駅の外へ出る必要はありますが、予約を受け付けている店もあります。また、オーダーを受けてから製造することもあり、少々時間はかかりますができたてが購入できるというメリットがあります。また観光列車の運行がある日は、運行時間に合わせて駅のホームでの販売があることも。
その駅の名物駅弁だけでなく、高崎駅で販売される「上州D51弁当」のようにSLぐんまが運行する日だけ販売される特別な駅弁もあるので、要チェック。これらは数量限定なので見つけたら悩まず即買いが鉄則です。
3. 駅弁フェア
デパートの催事などで開催される駅弁フェアでも駅弁を手に入れることができます。日本全国から駅弁が一堂に会し、なかにはレアな駅弁も登場します。有名なのは、京王百貨店で開催される「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」。1966年の開催以来2024年で59回を迎える京王百貨店の名物イベントで、約300種類の駅弁に出会う事ができます。
4. 通信販売
通信販売で購入できる駅弁もあります。コロナ禍で、苦境にたたされた駅弁事業者のなかには、直接販売の代替案として通信販売を開始するところも出てきました。もしかしたらお目当ての駅弁が通信販売で手に入るかもしれません。ぜひホームページなどをチェックしてみてください。
駅弁の販売時間や価格帯は?どこで食べる?
駅弁によりさまざまですが、始発から少量の駅弁が並び始め、徐々に品数が増えてくるというイメージです。これも駅により事情はかなり異なりますが、地方の駅ではだいたい8時くらいに並び、売り切れ次第終了というところが多いよう。また、主要な便の発着に合わせて販売されるところもあります。もちろん、乗客数の多い駅では事情はかなり異なり、朝、昼、夜と随時補充されるところもあります。
駅弁はどこで食べたらいいのでしょうか。従来はこのようなボックス席が一般的で、車窓の景色を眺めながら食べることができました。
現在、東京をはじめ大都市の通勤路線では横一列のロングシートが一般的。これらは大量の乗降客を効率よく運ぶことを想定し作られているので、明確に定められているわけではありませんが、ロングシートで駅弁を食べるのは、マナーとしてNGだと思ってよいでしょう。
ただし、湘南新宿ラインや上野東京ラインのように、中距離列車の一部にはグリーン車が設けられており、比較的長距離をゆったり旅したい人が乗車しています。グリーン車を確保すればそこで駅弁を食べるのは問題ありません。
また、移動中以外にも到着地の休憩スペースで、観光地で風景を楽しみながら、宿泊のホテルで夕食代わりになど、さまざまなシチュエーションで楽しめるのも駅弁の魅力です。
駅弁の価格は、大船軒のサンドイッチ580円から、15万円を超す埋蔵金弁当までさまざまですが、1,000円~2,000円の価格帯が中心です。
“駅弁王”が全国から厳選した絶品駅弁8選!
さて、前置きはこのくらいにして、そろそろ駅弁マニアの櫻井さんに必食のお弁当を教えてもらいましょう。今回は、味わいはもちろん、生まれた背景も面白く、櫻井さんが自信をもっておすすめする8つの駅弁はこちら!
1. 母恋めし(北海道)
北海道中南部にある室蘭本線の母恋(ぼこい)駅。このとても小さな駅で、驚くほどたくさんの外国人旅行客の姿を見かけます。
その理由は駅名。「母を恋する」というこの駅名は漢字圏の方の心に深く刺さり、この駅に来て看板の前で写真を撮るのが北海道旅行の定番になっています。
その駅にある人気の駅弁が「母恋めし」です。見た目からして一風変わっているのですが、蓋をあけると現れるのは、殻付きのホッキ貝。合わせてホッキ貝と昆布ダシで炊き込まれたおにぎり、燻製チーズと味付き卵、それにハッカ飴が入っています。
見た目だけでなく、このお弁当が生まれた背景も実にユニーク。ホッキ貝の工芸作家をしていたお父さんは、工芸品を作るたびに大量の身をあまらせていました。そこでお母さんはホッキ貝をさまざまな料理に工夫して使っていたのですが、そのなかで特に好評だったのが炊き込みごはん。それを娘のお弁当に持たせたというのが母恋めしの原点です。
この駅弁、もうひとつ驚くべき特徴があるんです。それは、お箸がついていないこと。すべて個包装になっていて、手づかみで食べられるようになっています。これは、揺れる電車のなかでお弁当が食べやすいようにというお母さんのアイデア。まさに母の愛情が詰まった駅弁なのです。
と、言いましたが実は母恋という地名はアイヌ語の「ポク・オイ」=「ホッキ貝のたくさんあるところ」という意味。ホッキ貝のうま味が凝縮されたおにぎりは、口にいれると豊かな磯の香りが広がります。添えられている燻製チーズと味付き卵も絶品。リンゴチップでていねいに燻製したチーズはおつまみにも最高で、単品で買い求める方も多いそうです。
愛情たっぷりの「母恋めし」。北海道を訪れたらぜひ味わいたいお弁当です。
- 販売元
- 母恋めし本舗
- 買える場所
- 母恋駅売店
- 料金
- 1,500円
- 電話
- 0143-27-2777
- 公式サイト
- 公式サイト
2. 津軽めんこい懐石弁当 ひとくちだらけ(青森県)
青森県津軽地方の郷土料理、名産を中心に、青森の味を一口ずつ24種類集めた珠玉のお弁当をご紹介しましょう。蓋をあけると手の込んだお惣菜が宝石のよう並んでおり、歓声を上げずにはいられません。
9分割という駅弁はありますが、24分割という駅弁は日本全国探してもなかなか見つからないでしょう。ごはんだけでも4種類。季節により内容は多少変わりますが、旬の食材を使用したお惣菜が詰め込まれており、菊のおひたしや餅米を蒸してつくる「すしこ」、紅ショウガを混ぜて炊き込む津軽スタイルのいなり寿司などの郷土料理のほかに、黒石焼きそばなどのご当地グルメまでカバーしており、これを食べれば津軽の食文化の輪郭が理解できます。新旧の味を一度に味わえるのもこのお弁当の魅力。そして、もうおわかりだと思いますが、お酒のおつまみとしても最高です。ただ、午前中には売り切れてしまうので確保はお早めに。朝一で購入して、手に入れてからのんびりと観光を楽しむのが鉄則です。
- 販売元
- つがる惣菜
- 買える場所
- 新青森駅、弘前駅
- 料金
- 1,350円
- 電話
- 0173-35-4820
- 公式サイト
- 公式サイト
3. 牛肉どまん中(山形県)
1993(平成5)年、山形新幹線開業に合わせて発表された比較的新しい駅弁、とはいえ誕生30年なのですが、まず注目してほしいのが昔ながらの、縦長のお弁当というスタイルを保っている点です。なぜ縦型か。それはかつて駅のホームで駅弁を売り歩くときに、売り箱に重ねて渡しやすかったからです。縦長ならば片手で持ってお弁当が受け渡しできます。また、駅弁を車内で食べるときも、横長だと隣の人と腕がぶつかってしまいますが、縦長ならばコンパクトに食べることができ、隣の人に迷惑をかけることがない。実に日本人らしいきめ細やかな心遣いがこのスタイルに象徴されているのです。
究極の牛肉弁当といえる理由はもちろん、味わいにあります。一見してわからないのですが、実はこれ、牛のロースとそぼろの2種類が乗っているんです。
牛肉の2種類のうま味を同時に味わえるなんて至福の極み。ご飯は山形県産米「どまんなか」を使用しています。「どまんなか」米の特徴は冷えてもおいしいこと。牛肉のうま味を存分に吸い込みしっかりと受け止めるコシと粘りのあるご飯で、牛肉とのパワーバランスも絶妙です。
ところでこの駅弁を製造する新杵屋は1921(大正10)年に創業した老舗和菓子店で、1957(昭和32)年から米沢駅構内で駅弁を販売してきました。この牛肉弁当のおいしさの秘密のひとつに、厳選した醤油を使った秘伝のタレがあるのですが、そのタレには和菓子屋として培ってきたノウハウが生きているんです。
- 販売元
- 新杵屋
- 買える場所
- 米沢駅、赤湯駅、本社工場直売店
- 料金
- 1,350円
- 電話
- 0238-22-1311
- 公式サイト
- 公式サイト
4. 元気甲斐(山梨県)
元祖グルメ駅弁といえばこちら。1985(昭和60)年にテレビ番組「探検レストラン」の企画から誕生した駅弁で、鉄道&駅弁好きの著名人の情熱が結集してできたお弁当です。
二段重というだけでもテンションが上がりますが、上段は京都の老舗料亭「菊之井」、下段は東京の味処「吉左右」という、東西の名店が監修しました。
魅力はなんといってもお弁当が二度、楽しめるところ。というのは、それぞれにおかずとお弁当が入っているんです。一の重には、胡桃ご飯、レンコンのキンピラ、ヤマメの甲州煮、こんにゃくの味噌煮、蕗と椎茸と人参のうま煮など、二の重には栗としめじのおこわ、鶏の柚子味噌あえ、ワカサギの南蛮漬け、山牛蒡の味噌漬けなど。一段を食べ終えても、もう一度駅弁が味わえる。こんな幸福がほかにあるでしょうか。
多くの駅弁ツウが口を揃えて、このお弁当がいちばんおいしいと言っていますが、その理由はお重を開けてみればわかります。一品一品ていねいに作られたお惣菜と、冷えてもおいしく食べられるおこわ。箸を口に運ぶたびに幸福感があふれ出す。そんな体験が待っています。
イラストレーターの安西水丸さんが描いた掛け紙もすてきですよね。中央線は、東京から山梨県を経由し名古屋までを結ぶ鉄道路線。東から西へ、あるいは西から東へ移動しながら東京と京都の名店の味を楽しめる、実にしゃれた趣向の駅弁なのです。
- 販売元
- 株式会社 丸政
- 買える場所
- 中央本線小淵沢駅、甲府駅(土日のみ)
- 料金
- 1,800円
- 電話
- 0551-36-2521
- 公式サイト
- 公式サイト
5. シウマイ弁当(東京都ほか)
4000以上の駅弁のなかで、キング・オブ・駅弁といえば、崎陽軒のシウマイ弁当ということになるでしょう。なにがキングか。それは1日2万8000食という驚くべき製造数です。
販売は、神奈川、東京、埼玉、千葉、静岡の5県という関東エリア限定なのに、これだけの製造数を誇るんです。それほどに愛されているシウマイ弁当は、まさに日本の駅弁を代表する存在。まずは、これを食べて駅弁キングの味を体に覚え込ませると良いと思います。それを基本として自分の好みの駅弁を探し求めていくのがいいでしょう。
シウマイ弁当が誕生したのは1954(昭和29)年のこと。1928(昭和3)年に発売し大ヒットした「昔ながらのシウマイ」は、豚肉にホタテが配合され冷めてもおいしいのが特徴。そのシウマイに唐揚げや玉子焼きなどのお惣菜、そして俵型のおにぎりが8個詰め込まれています。ご飯は、普通に炊くのではなく、蒸気で蒸しているので冷めてもふっくらとしています。また、注目してほしいのがお弁当箱の素材。ヒノキやスギの薄い板でできた経木のお弁当箱は、ご飯やお惣菜からでた水分を吸ってくれるので、時間が経ってもおいしく食べられるんです。これだけの販売個数を誇っても経木のお弁当箱を使う。駅弁は冷めてもおいしくなければならないという、崎陽軒の矜恃を感じます。
- 販売元
- 崎陽軒
- 買える場所
- 横浜駅ほか
- 料金
- 950円
- 電話
- 0120-938-029
- 公式サイト
- 公式サイト
6. 松阪でアッツアツ牛めしに出会う!!(三重県)
冷えてもおいしいことということが駅弁の真価であるように言ったそばから、アツアツが食べられる駅弁をおすすめしてしまいます。だって、温められるならば温かいものがおいしいに決まっているじゃないですか。
それがこの「松阪でアッツアツ牛めしに出会う!!」です。
容器に付いたヒモを引っ張ると100℃の蒸気が発生し、容器のなかで対流、伝導してお弁当を温めるナルホットという特殊な容器を使用。文字通りアツアツのお弁当が食べられます。
制作するのは1895(明治28)年創業の駅弁の老舗あら竹。メインとなる牛肉は、地元松阪中町の老舗精肉店「丸中本店」から仕入れたものでA-4とA-5ランクのものを使用しています。味付けは、意外にもガーリック味!ですが駅弁なので後味がくどくならないよう絶妙な塩梅に工夫されています。
このお弁当は双葉社発行の漫画アクションの連載マンガ「駅弁ひとり旅」とのコラボレーション企画で誕生したもので、実は櫻井さんも監修として開発に参加されています。ですがここだけの話、これまでに櫻井さんがなんらかの形で開発に携わった駅弁は10以上。残念ながら消えていく駅弁が多いなか、2010(平成22)年の発売以来愛され続けるロングセラーが「松阪でアッツアツ牛めしに出会う!!」です。長く愛され続けるのもこのお弁当が本当においしいからでしょう。
- 販売元
- 駅弁のあら竹
- 買える場所
- JR松坂駅
- 料金
- 1,700円
- 電話
- 0598-82-2222
- 公式サイト
- 公式サイト
7. 穴子飯 うえの *レギュラー(広島県)
「日本一の穴子飯の駅弁」。櫻井さんが「そう言い切って異論はないだろう」と言うほど、歴史と高い質を誇るのが、うえのの穴子飯です。創業は1901(明治34)年。直接漁師から仕入れる穴子は、100匹のうち1匹いるかいないかという金穴子。それを明治から受け継がれている秘伝のタレで焼き上げます。
焼きたての穴子と炊きたてのご飯が詰められた、できたてのお弁当はすぐに食べてももちろん美味なのですが、おすすめはできてから2時間後。穴子の蒲焼きのうま味がご飯にしみこみ、さらに経木のお弁当箱が余分な水分を吸い取ります。これをうえのの社長は「なれる」という呼び方をしていましたが、すべてにおいて絶妙なバランスになるのが2時間後ということなんです。うえのの売店は広島県のJR宮島口駅から宮島行きのフェリー乗り場に行く途中にあるので、穴子飯を購入し、宮島行きのフェリーに乗船。宮島に到着して観光したらちょうど食べ頃になります。
最高の穴子飯を、日本三景の宮島を眺めながら食べる。なんという贅沢でしょうか。
- 販売元
- うえの
- 買える場所
- JR宮島口駅
- 料金
- 2,700円
- 電話
- 0829-56-0006
- 公式サイト
- 公式サイト
8. 山海三昧(大分県)
鮨駅弁のベストといえば、こちらの駅弁。製造するのは、九州大分県の大同市場のなかにある人気の鮨店「鮨由」です。大将は関の漁師の家の生まれで、魚についてはプロ中のプロ。詰められているのは、豊後水道おしずしに豊後牛あぶりにぎり、椎茸バター焼にぎり、鳥天にぎりなど、文字通り海の幸、山の幸がてんこ盛り。
酢飯のなかにも具がはいっていて、どれもとてつもなく手が込んでいます。2015(平成27)年に第11回JR九州駅弁大会グランプリを受賞し、その功績が掛け紙にもプリントされていますが、むしろこの駅弁がJR九州駅弁大会の格を押し上げたのではと思ってしまうほどの完成度の高さです(櫻井さん)。
- 販売元
- 鮨由
- 買える場所
- 大分駅、別府駅
- 料金
- 1,400円
- 電話
- 097-513-5612
プラスαの楽しみのある駅弁
さらに、駅弁のなかにはプラスαの楽しみのある駅弁もあります。新潟県新津駅の人気駅弁「雪だるま弁当」は、完食後のお弁当箱が貯金箱として利用できます。
口の部分からコインを投入できるのですが、眉毛や鼻を動かして、さまざまな表情を作れるのもご愛敬。
またお弁当箱が新幹線などの電車の形をした駅弁も人気です。E5系はやぶさやE6系こまちなどの定番商品は基本的には子供向けの駅弁ですが、E4系Maxの引退時には2階建てのE4系Max弁当が登場。こちらは新潟の老舗駅弁3軒がそれぞれ「上越新幹線Max ありがとうオール2階建て弁当」として自慢の味を詰め込み、E4系MAXの座席数にちなんだ1634円で販売したところ、即完売続出の大人気駅弁となりました。
また「SL大樹日光埋蔵金弁当」は、石炭シャベルを模したスプーンが付属。SLの石炭をくべるシャベルでちらし寿司を発掘すると、お宝のように具材が発掘できるという趣向です。
このように、駅弁にはただ食べるだけでなく、大人の心もくすぐるさまざまな仕掛けがちりばめられているのです。
まとめ
世界一の駅弁大国を攻略しよう!
北から南まで日本全国から8つの駅弁を厳選してご紹介しました。紹介した駅弁のなかには東京駅構内の「祭」や新宿駅構内の「頂」で買えるものもあるので、現地まで足を運べない方はチェックしてみて。
ここで紹介した駅弁は日本全国の駅弁の0.02%にも及びません。行く先々で出会う駅弁との一期一会もまた、駅弁の魅力のひとつです。ぜひ、さまざまな駅弁を味わってみてください!