妻籠宿へ向かう中山道の古道を歩くのは、夢のような時を超える旅。4月末に訪れると、道中では枝先に遅咲きの淡いピンクの桜がまだ見られ、素朴な緑にロマンチックな彩りを添えていた。
静かな森の遊歩道を奥へ進むと、勢いよく水が流れ落ちる滝や、力強い自然のエネルギーを放つ、まっすぐにそびえる巨木がひっそりと佇んでいる。思わず立ち止まって深呼吸すると、全身の疲れが洗い流され、宮崎駿の映画を見ているような既視感があった。森を抜けて妻籠宿に着くと、目の前の光景にさらに息をのんだ。電線を隠した黒い木造の長屋が通り沿いに連なり、百年前の素朴な景観をそのまま残している。騒がしい商業的な雰囲気もなく、石畳の道を歩いていると、瞬時に江戸時代へタイムスリップしたかのようで、感動が自然と込み上げてきた。
























