倉敷美観地区は、ゆっくり眺めながら雰囲気を味わうのにとても向いている日本の古い町並みだと思う。作り込まれた感じがあまりなく、白壁と黒瓦、倉敷川、柳、古い家々が一体となり、地区全体に独特の雰囲気がある。昼間は大原美術館、阿智神社、林源十郎商店、国芳館などのスポットを回りつつ、スイーツや小さなお店、お土産、体験なども組み込めるので、実際に歩いてみると想像以上に時間がかかる。
私自身、これまでに何度か訪れているが、一番強く感じるのは、倉敷は一度では回りきれない場所だということ。初めてのときは定番の川沿いの景色や古い町並みの雰囲気に目が行くかもしれないが、その後、路地にある小さなお店や古い建物、神社、あまり目立たない展示館などが溶け合い、のんびりと心地よく過ごせる雰囲気を生み出していることに気づいた。現代と過去が交わって残された風景を感じられ、特に訪れる時間帯によって雰囲気も少しずつ違う。
少なくとも夕方、できれば夜まで滞在するのがおすすめ。昼間の倉敷は比較的にぎやかで観光客も多いが、夕方を過ぎると人が徐々に減り、お店も次々と閉まり、川沿いや白壁の通りはかえってとても静かになる。夜の明かりが水面や白壁に映ると、昼間とはまったく違う印象になる。時間が許すなら、少なくとも半日から一日は確保して、岡山のついでに少し立ち寄るだけの観光地にはしないほうがいいと思う。
































