浮世絵のモチーフにもなった景勝地・三保松原の観光ガイド
美しい富士山を眺められる景勝地「三保松原」。
「三保松原」は日本らしい景観を眺められるとして、人気の観光スポットとなっている。
日本の銭湯で見られる富士山は、この場所をモチーフに描かれていることが多い。
この記事では「三保松原」の絶景を満喫するために知っておきたい、楽しみ方やお勧め観光シーズン、外せない立ち寄りスポットを紹介しよう。
三保松原ってどんなところ?
静岡県静岡市清水区、三保半島の東部にある「三保松原」は、日本三大松原のひとつだ。
約5kmの海岸に3万本ほどの松が生い茂り、日本新三景のひとつにもなっている。
富士山世界文化遺産の構成資産にも登録された、駿河湾を挟み富士山を眺められる景勝地だ。
富士山・松・白波の3つが織りなす、「三保松原」の景観からは日本らしい美しさを感じるだろう。
江戸時代の浮世絵師・歌川広重(うたがわひろしげ)をはじめとする、多くの芸術家が「三保松原」の景観をテーマにし、絵画や和歌などでその魅力が表現されてきた。
24時間いつでも散策可能。入場料も無料なので、気軽に観光できるのも嬉しいポイントだ。
三保松原へのアクセス
静岡観光の移動拠点である、「JR静岡駅」からのアクセスを案内しよう。
「JR清水駅」へは、沼津行・三島行・熱海行のどれに乗っても到着する。
バスは曜日によって行き先も変わるが、以下の表示であれば問題ない。
- 平日(三保車庫前行・東海大学三保水族館行)
- 土日祝(世界遺産三保松原行)
バス停からは住宅街を歩くが、看板を確かめながら進んでほしい。
- 経路
-
1. JR東海道本線へ乗車し、「JR清水駅」で下車
2. しずてつジャストライン(三保山の手線)へ乗車し、「三保松原入口」にて下車
3. バス停から、徒歩約15分 - 所要時間
- 約1時間
三保松原のお勧め観光シーズンは?
「三保松原」のお勧め観光シーズンは、秋と冬だ。
秋は10月初旬から、冠雪した「富士山」を眺められる。
冬は緑を蓄えた松と、雪化粧された「富士山」を眺めてほしい。
秋から冬は晴れの日が多く、雲や霧の発生確率も低い。
「富士山」を望む絶景を見たいなら、天候の影響を受けにくい、秋や冬に訪れよう。
三保松原を120%満喫できる3つの楽しみ方
「三保松原」では、いたるところに絶景スポットがある。
少し散策すれば、SNS映えする写真も撮影できるだろう。
しかし、海岸からの景観はともかく、その他に何を見て、どう楽しめば良いかわからないかもしれない。
そんな時はこれから紹介する楽しみ方を、ぜひ参考にしてほしい。
1. 三保松原を代表する海岸から望む絶景
「三保松原」の海岸からは、雄大な富士山を堪能してほしい。
松林を越えて浮かぶ富士山と、打ち寄せる駿河湾の白波に、日本を象徴する雰囲気が感じられる。
芸術作品のモチーフとなった光景でもあり、「三保松原」で見られる代表的な絶景だ。
2. 古くから残る伝説を感じられる「羽衣の松」
羽衣伝説の舞台となった「羽衣の松」は、「三保松原」の中央にある。
この地に伝わる羽衣伝説を簡単に紹介しよう。
漁師が松にかけられた羽衣を発見し、持ち帰ろうとすると天女に出会う。
羽衣を返してほしいと頼まれた漁師は、返す代わりに天上の舞を見たいとリクエスト。羽衣を返された天女は空へ飛び立った、という話だ。
羽衣伝説の中で天女が羽衣をかけた松が、「羽衣の松」と呼ばれている。
「羽衣の松」は富士山の噴火や樹木の衰えにより、世代交代しており、現在の松は3代目だ。
「羽衣の松」は「御穂神社」の御神体でもある。御穂神社は、「三保松原」から徒歩7分の位置に鎮座する。
御祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)と三穂津姫命(みほつみひめのみこと)。
松に隣接する「羽車神社」は、「御穂神社」の離宮だ。
石に願いを書いて奉納すれば、叶えられると伝えられるので、ぜひ試してみよう。
3. 絶景を構成する「松林」を散策
「三保松原」には、約3万本のクロマツが植えられている。
日本人にとって「松」は、正月飾りや門松で使用する身近で神聖な存在。
それと同時に結婚式や祝い事にも登場し、品格の高さを表すシンボルでもある。
江戸時代は「御穂神社」の領地とされ、歴代の将軍から庇護を受け、松林の伐採が禁じられていた。
海岸線ではなく松林の中も、ぜひ散策してみてほしい。
松の間から覗く海岸や富士山の美しさを楽しむのはもちろん、松林の神聖な雰囲気も感じてみよう。
「三保松原」の入口から御穂神社まで480mの松並木が続く、「神の道」と呼ばれるその参道も美しいため、ぜひ足を運んでほしい。
三保松原に訪れたら必ず立ち寄るべき「みほしるべ」
三保松原の価値や魅力、松原保全の大切さを発信する施設。
6つのテーマで構成された展示室を通して、三保松原について理解できる。
三保松原に関する浮世絵ポスターが飾られる通り土間には、ベンチが設置され、館内には、無料で使えるコインロッカーも。
冬季の土日祝限定で、松の入浴剤を使用した足湯を楽しむことができ、三保松原散策の休憩所としても活用できる。
その他、ミュージアムショップも併設され、三保松原にちなんだかわいいオリジナル商品が目白押し。旅の思い出を持ち帰ろう。
三保松原周辺の人気飲食店3選
「三保松原」を散策したら、小腹が空くだろう。そんな時にピッタリの人気飲食店をご紹介。
もちろん、ガッツリ食べられるメニューもあるので、安心してほしい。
三保松原周辺にも魅力的な観光スポットがあるため、これから紹介するお店で腹ごしらえしておこう。
1. 川村農園CAFÉ
トマトやメロン、枝豆などの温室栽培をメインにする三保地区の川村農園。
12代目となる現オーナー夫妻が週末のみ営業するカフェでは、農園で採れた野菜や果物を使ったメニューを味わえる。
現在の店舗には2016年に移転オープン。木材を多用したオーガニックな空間で、テーブルや椅子などは店主の手作りなのだとか。
2. 鐘庵 清水三保総本店
世界遺産、三保の松原の三保街道沿いにある、静岡・愛知を中心に50店舗以上展開し、静岡県定番の蕎麦チェーンの1号店。
看板メニューは「桜えびかき揚げ」。桜えびの素材に最もこだわっており、鐘庵用に特別に管理加工された台湾産や、地元で取れる駿河湾産を使用。
また高品質天ぷら油とオリジナル天ぷら粉を使って、サクサクで香ばしさを出した。
3. Casetta di Shu
天女の羽衣伝説で知られる御穂神社の参道で、富士山世界文化遺産の構成資産に登録される三保の松原から御穂神社へと続く約500mの松並木の「神の道」沿いにあるガーデンカフェ。
全面ガラス張りの店内には、季節のお花や木々が飾られオシャレで落ち着いた空間に演出されている。
三保松原と併せて訪れるべき周辺観光スポット3選
「三保松原」の周辺にも魅力的なスポットが多い。
日本の文化歴史を感じられるスポットや富士山を望む絶景スポット、「三保松原」を望む絶景スポットなど、「三保松原」と静岡を満喫するために訪れるべき、周辺の観光スポットを紹介しよう。
1. 久能山東照宮
江戸幕府を開いた徳川家康公を祀るため、2代将軍秀忠公が1617年に創建した神社。
「死後は久能山に葬るように」との遺言にもとづき、建てられたといわれる。
御社殿は本殿と、参拝するための拝殿を石の間でつないだ権現造。
総漆塗りで豪奢な装飾に彩られた江戸時代初期を代表する建造物で、2010年に国宝建造物の指定を受けた。
2. 日本平夢テラス
静岡県静岡市にある「日本平」は標高307mの丘陵地で、「日本観光地百選コンクール」で1位に選ばれたこともある日本屈指の景勝地。
そんな日本平の山頂に2018年にオープンしたのが「日本平夢テラス」だ。
屋内の展示エリア、ラウンジスペース、展望フロア、屋外の展望回廊から構成され、各所から富士山や駿河湾、三保松原といった絶景を望める。
3. 神の道
羽衣伝説にゆかりある御穂神社の参道で、三保松原から神社の鳥居の前まで約500mにわたってまっすぐに続く松並木。
「羽衣の松」を目印に降り立った神々が、御穂神社に迎えられる際に通ったとされている。
樹齢200~400年の老松が立ち並び、周囲が神聖な空気に包まれた道は松の根を守るために整備されたボードウォークで歩きやすく、車いすでも通行できるバリアフリー仕様。
三保松原に関するよくある質問
Q
三保松原の入場料は?
無料です。
Q
三保松原の見どころは?
海岸からの景観・羽衣の松・松林です。
まとめ
初めて「三保松原」を訪れる方でも、その絶景を満喫できるように、お勧めの観光シーズンや楽しみ方などを紹介してきた。
日本ならではの絶景を一目見に、ぜひ訪れてみてほしい。
「三保松原」以外にも、魅力的なスポットが多い静岡。
静岡をより楽しむならこちらの記事も参考に、観光プランを組み立ててほしい。