これを読めば誰でもわかる!神社の正しい参拝方法
日本文化を感じられるスポットとして、神社は観光中に訪れることが多い場所のひとつ。
日本古来の神様を祀る場所なので、神社では守るべき作法が決められている。
そのため、実際に神社を訪れた際には、どのようにして振る舞うべきか戸惑うことも多いだろう。
だが、安心してほしい。この記事を読めば、神社で守るべき作法を一通り理解できるはずだ。
日本の文化や神社の魅力を存分に堪能するためにも、この記事を参考にしながら作法に則って参拝しよう。
神社ってどんな場所?
神社とは日本古来の信仰である「神道(しんとう)」の施設。
神道は日本の民俗宗教であり、「惟神道(かんながらのみち)」とも呼ばれる。
経典や教えなどはなく、開祖がいないのも特徴のひとつ。
自然や身の回りの道具など、様々なものに神が宿ると考えられている多神教だ。
太陽の神や月の神、海の神のような自然現象を司る神様や国土開拓の神、芸能を司る神など、多種多様な神を信仰しており、その多さから八百万の神々(八百万とは具体的な数ではなく、数と種類の多さを表している)と言われている。
神社によって祀られている神様は異なり、複数の神様を祀っていることも多い。
そのため、ご利益も神社によって異なる。
お目当てのご利益のために、遠方の神社へ参拝する日本人も多い。
参拝時はご利益を授かることが真っ先に頭に思い浮かんでしまうが、参拝は本来、神様に感謝と願いを伝える場所だ。
神社へ参拝する時は、まずは快く神社に受け入れてくれたことへの感謝や、普段見守ってくれていることの感謝から伝えよう。
神社に参拝する時の服装は?
服装に関して厳しい決まりはなく、普段着でも構わない。
ただ、露出が多い服装は避けよう。
サンダルでのお参りも失礼に当たるため、気をつけてほしい。
神社によってはたくさん歩くこともあるので、歩きやすい靴で行くのがお勧めだ。
神社を参拝する際に知っておきたい作法
ここからは、神社にお参りする上で知っておきたい作法を紹介していく。
細かい作法は神社によって異なる場合もあるが、これから紹介する内容を覚えておけば大丈夫だ。
覚える内容は多いが、一連の作法を通して日本の文化を体験するのも面白いだろう。
鳥居のくぐり方
鳥居は神様と人間の世界を分ける境界であり、境内への入口を表す門でもある。
そのため、手前で一礼してから鳥居をくぐるのが丁寧かつ正しい作法。
鳥居の中央は神様の通り道であるため、左右どちらかの端からくぐるように。
右側なら右足、左側なら左足から鳥居をくぐるのも作法のひとつだ。
参拝を終えて境内から出る際も、鳥居をくぐったら鳥居の方へ振り向いて、一礼しよう。
参道の歩き方
境内にあるお参りするための道、参道の歩き方にも作法がある。
参道の中央は「正中(せいちゅう)」と呼ばれ、神様が通る道とされる。
そのため、参道を歩く際は正中を避けて端を歩こう。
何らかの理由で正中を横切る場合には横切りながら会釈するか、立ち止まったうえで社殿などに向かって礼をすると良いだろう。
どこが参道かわからない場合は、とにかく道の中央を歩かないようにすれば大丈夫だ。
手水の作法
手水(てみず、ちょうず)とは、神様へ参拝する前に手や口を清める水のことで、その行為自体を指すこともある。
なお、手水を行う場所を手水舎(てみずや、ちょうずや)と呼び、水が張られた水盤と柄杓(ひしゃく)がある。
手水の作法は柄杓を右手で持って水を汲み、左手にかけて洗うことから始まる。
その後左手に持ち替えて水を汲み、右手にかけて洗う。
続いて、もう一度右手に持ち替えて水を汲んだら、左の掌に水を溜めて口をすすぐ。
最後に左手を水で流したら、柄杓を立てるようにして持ち手部分を流すように洗う。
全て終了したら、柄杓を元の場所に伏せた状態で戻せば完了だ。
柄杓に直接口を付けたり、手を洗った水を水盤に戻さないように注意しよう。
礼拝の仕方
社殿(神様が祀ってある建物)の礼拝の仕方は、地域や神社によって異なる場合も多いが、基本である「二礼二拍手一礼」を覚えておけば問題ない。
「二礼二拍手一礼」は、以下の順番で行う。
- 本殿の前で姿勢を正し、90度のお辞儀を2回行う
- 両手を胸の高さで合わせて右手を少し下にずらし、拍手を2回する
- ずらした右手を戻したら、もう1度深くお辞儀をする
もし社殿に鈴がある場合は、「二礼二拍手一礼」をする前に鳴らそう。
お賽銭の金額と入れるタイミング
神様への感謝を表すために、社殿の前にある箱へ入れるお金のことを「お賽銭」と呼ぶ。
鈴を鳴らした後、二礼二拍手一礼をする前にお賽銭を入れる。
失礼のないように、投げ入れたりせず、丁寧にお金を入れよう。
お賽銭で最も戸惑うのは金額だが、これにも決まりはない。
お賽銭はあくまで神様への感謝を表すものなので、自分で決めた金額にしよう。
日本人は「5円玉にはご縁ある」のように、縁起を担いで決める場合も多い。
神様に願い事を伝える神事「ご祈祷」
さらに本格的に神社ならではの体験をしたいなら、ご祈祷してもらうのもお勧めだ。
ご祈祷とは神職(神社に従事し、神事などを行う人)に祝詞(のりと/神様に対して、神職が唱える言葉)を読んでもらうことで、神様にお願い事を伝える儀式のこと。
日本では子供の成長を願う七五三(3歳、5歳、7歳に神社へ参拝する伝統行事)でご祈祷してもらう方が多く、健康祈願や厄除けでのご祈祷も可能だ。
ご祈祷を行う場合は祈祷料を納める必要がある。
祈祷料は神社や願い事によって異なるため、神社の公式サイトか直接確認してほしい。
お祓いに似ていると思われがちだが、お祓いは不浄を取り除いて心身を清めるもの。
つまり、目的に大きな違いがある。機会があれば、ぜひ体験してみてほしい。
参拝後はおみくじを引いてみよう
おみくじとは参拝者の運勢を占うもので、神様の意思やメッセージが込められているとされる。そのため、おみくじは必ず参拝後に引こう。
おみくじで占われる内容や大吉などの運勢の名前、順番などは神社によって異なる。
引いたおみくじの取り扱いにも決まりはなく、持ち帰るか境内の指定された場所に結ぶ場合が多い。
おみくじを引いた場所で辺りを見渡せば、多くのおみくじが結ばれている場所が見つかるはずだ。
持ち帰る場合は、よく持ち歩くカバンや財布などに大切にしまっておこう。
良い運勢なら持ち帰り、悪ければ結ぶ方が多い。良い運勢なら旅行の記念に持ち帰ろう。
旅の記念にもピッタリな御朱印
御朱印とは神社へ参拝した際にもらえる証明のようなもので、印章や日付、神社の名前などが記されている。
その御朱印を書いてもらう手帳が御朱印帳で、神社によってオリジナルの御朱印帳が用意されていることも少なくない。
デザインも豊富なので、お気に入りの御朱印帳を選ぶと良いだろう。
御朱印は神社へ参拝したことの証なので、参拝後にもらうのがマナー。
書いてもらいたいページを開けて手渡し、待っている間に御朱印代を用意しておこう。
現金での支払いが基本なので、事前に用意しておくのも忘れないようにしたい。
様々な神社を巡って御朱印を集めるのが、趣味の日本人も増えてきている。
日本旅行が好きな方は、御朱印帳を購入して御朱印を集め、旅の記念にするのもお勧めだ。
神社とお寺の違いと見分け方
日本にはお寺も多いが神社とは、どのような違いがあるのだろうか。
最も大きな違いとして、神社とお寺では信仰対象となる宗教が異なる。
神社は神道の施設で神様を祀り、お寺は仏教の施設で仏様を祀る。
神社では神様の依代(神様が宿るとされる物)が信仰の対象となり、お寺では主に仏像が信仰の対象だ。
神社とお寺の違いは建造物にもあり、鳥居があるのは基本的に神社となる。
しかし、日本では神道と仏教が互いに影響を与えており、神道と仏教が国策として融合していた時期もあるため、鳥居が建てられているお寺もある。
そのため、基本的には名前で見分けるのがお勧めだ。
以下のように名前の最後についている文字で見分けよう。
- 神社
- 〇〇神社・〇〇大社・〇〇神宮
- お寺
- 〇〇寺・〇〇院・〇〇庵・〇〇坊
礼拝作法の違い
信仰対象となる宗教が違うので、神社とお寺では参拝の作法が異なる。
礼拝の作法は混同しやすいので、特に注意しよう。
お寺ではお賽銭を入れた後に、胸の前で手を合わせて一礼し、願いごとをした後に一礼するのが一般的な作法。
なお、お寺の参拝方法は宗派による違いが多くあるので、事前に公式サイトなどで調べておこう。
神社の参拝に関するよくある質問
Q
神社には夕方や夜にお参りしても良い?
マナー的にNGではないですが、神社の閉門時間以降は参拝できません。
Q
神社とお寺の見分け方は?
名前に〇〇神社や〇〇神宮とついていれば神社、〇〇寺や〇〇院であればお寺です。
Q
神社でしてはいけないことは?
一般的なマナーはもちろん、露出が多く派手な服装など神様に対して礼節を欠く行為はしてはいけません。
まとめ
この記事では、神社を参拝するうえで知っておきたい作法を紹介してきた。
作法を守って参拝すれば、日本文化をより深く感じられるはずだ。
日本文化や神社の魅力を満喫するためにも、この記事を参考に作法を守りながら参拝してほしい。
日本ならではの文化を、宗教的な側面から触れる良い機会となるはずだ。