【和ろうそく楽しみ方ガイド】揺らめく炎に癒される!

【和ろうそく楽しみ方ガイド】揺らめく炎に癒される!

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筆者 : 元村颯香

人々の暮らしに欠かせない「明かり」。現代のように電気やガスが普及していない時代は、夜、暗闇を明るく照らすために、人類はろうそくを灯して暮らしてきました。世界でみると洋ローソクが主流ですが、日本には古くから日本の生活に寄り添った「和ろうそく」というものがあります。その歴史や日本人にどのように親しまれてきたか、さらには和ろうそく職人のワザまでをもご紹介していきます。

和ろうそくの歴史

ろうそくが日本に伝わってきたのは、奈良時代(西暦710年~794年)と言われています。仏教とともに、中国から「蜜ろうそく」という、ミツバチの巣から採れる「ろう」がもたらされたのが始まりです。「蜜ろう」はとても貴重なもので、当時は限られた高貴な人しか使うことができなかったといいます。
その後、平安時代(西暦794年~1185年)になると、「蜜ろう」に代わって、松の樹脂でできたろうそくの製造が始まったと考えられています。
和ろうそくの使用量がピークを迎えたのは、江戸時代後期(西暦1745年~1786年)から明治時代(西暦1868年~1912年)と言われています。江戸時代後期(西暦1745年~1786年)でも和ろうそくは高級品で、使うことができたのは、裕福な商人や武家が中心だったそうです。ちなみに、一般的な庶民が使っていたのは菜種油のあかりでした。
そして現在は「櫨(はぜ)」の実をはじめとする「植物性」の「ろう」を使って「和ろうそく」ができています。はぜはうるし科の落葉高木。はぜの実を使った和ろうそくの始まりは室町時代(西暦1336年~1573年)と言われています。

櫨の木。そこから採取される実は和蝋燭の原料として知られています
櫨の木。そこから採取される実は和蝋燭の原料として知られています

和ろうそくは誕生してから現在に至るまで、日本の伝統的な暮らしとともにありました。お供え物として使用できる和ろうそくは、お盆やお彼岸、年忌、月命日など、ご先祖様の大切な日である仏事には欠かせないもののひとつです。法要中には和ろうそくを絶やさずに燃やし続けなければなりません。そこで、和ろうそくの芯を太くしたり、液だれがしづらいものにしたり(もし汚れたとしても簡単に拭き取ることができるのも特徴のひとつです)、少ないススしか出さないものに改良されたりとさまざまな工夫をこらしてその技術が発展してきました。
和ろうそくは仏事で使われるため、石油から作られるパラフィンや、動物・魚などからとれた油やろうを使わず、植物性のろうでできているのです。
現在でも、日本中の神社仏閣で使われていますし、お茶席や夜咄(よばなし)で使われることもあります。お茶席では実は和ろうそくは明かりとして活躍しているだけでなく、時間を計る道具としても用いられているのです。ほかにも能や狂言、歌舞伎の舞台などでも使われています。
ちなみに和ろうそくには2種類の色があります。「赤」と「白」です。

赤と白の和ろうそく
赤と白の和ろうそく

白い和ろうそくは日常的にお仏壇に灯すものとして用いられています。ほかに葬儀のときや三回忌までの法要でも用いられています。一方で赤い和ろうそくは「朱ろうそく」とも呼ばれていて、お正月、お盆、年忌などのおめでたい法要や儀式に使われています。(お仏壇のお精入れ・嫁入りなど)そうやって使い分けがされてきました。

また、ろうそくの側面に花などのイラストが描かれている「絵ろうそく」というものもあります。いまでは年中どんな季節でも、お仏壇にお供えするお花が手に入りますが、かつては東北地方北陸地方などのような寒い地域は冬場お仏壇にお供えする花がなかなかありませんでした。その代わりとして、花が描かれた「花ろうそく」が誕生します。その「花ろうそく」がきっかけとなり発展し、「絵ろうそく」が生まれたのです。

絵柄は季節に合わせた絵柄だったり、ご先祖様が生前好きだった花だったり、自由に選ぶことができます。これはお供えする花と同じ扱いなので、日常では火は灯さず「お供え」します。しかも生花ではないため枯れることはありませんから、ご先祖様に失礼になりません。またお盆やお彼岸、ご先祖様の命日など大切な日には火を灯すと「供養」になります。「絵ろうそく」はいまではお土産品としても人気で、花のほかに動物や人気キャラクターの絵が描かれたものもあります。絵は印刷されているものもあれば、「絵付師」という、和ろうそくに絵を描く専属の絵師が描いていることもあります。オリジナルの絵ろうそくをオーダーできるお店もありますよ。

ろうそくの側面に花などのイラストが描かれている「絵ろうそく」
ろうそくの側面に花などのイラストが描かれている「絵ろうそく」

ところで、京都などの花街で見かける舞妓さんや芸妓さんの顔はなぜ白塗りをしているのか知っていますか?実は和ろうそくと親密な関わりがあるからなのです。京都では芸舞妓さんが芸を披露するお茶屋で、照明としても和ろうそくが使われてきました。つまり、部屋を暗くして、この和ろうそくのあかりの中で芸舞妓さんは舞うのです。白塗りしていると、和ろうそくのやさしいほのかな明かりが肌になじんで、映えて見えるからなのです。歌舞伎俳優が白塗りをしている理由のひとつも、同じ理由だと考えられています。

そうやって、古くから和ろうそくは日本人の生活にとって必要不可欠なものだったのです。

和ろうそくと洋ろうそくのちがい

本題に入る前に、ろうやワックスの種類を分類してみましょう。主に3種類に分けられます。植物系ろう・動物系ろう・石油系ワックスです。

植物系ろう 動物系ろう 石油系ワックス
櫨ろう 蜜ろう パラフィンワックス
米ぬかろう 鯨ろう マイクロワックス
パームろう イボタろう
カルナバろう

和ろうそくでは主に植物系のろうが使われていて、西洋ろうそくでは主に石油系ワックスが使われています。
ほかに、世界中で使われている洋ろうそくとの違いはどういうところにあるのでしょうか?
実は和ろうそくと洋ろうそくは大きな違いがたくさんあります。一覧にまとめてみました。

和ろうそく 洋ろうそく
原料 「櫨(はぜ)の実」や「木ろう(もくろう)」など、植物性のろう 石油から採れるパラフィン
いぐさの髄から採れる灯心
製造方法 一本一本手作業で作られているため、作れる数も限られています 機械化されているため大量に生産することができます
大きく美しく揺らぎます。芯が太いため、消えにくいです 小さくて消えやすい
明るさ ほの暗いオレンジ色 明るいオレンジ色
単位 「匁(もんめ)」 ※一匁は3.75グラム 「号」
価格 高価 安価

では和ろうそくの特徴についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

【原料】について

現在、和ろうそくに使用されているのは、すべて植物性の原料なのです。原料のひとつである「はぜの実」。「はぜの実」から作られたろうそくは、油煙が少なくて、天然素材。人体にもやさしいものです。ほんのりと「ろう」が溶ける香りがして、ヒーリング効果もあります。以上の理由から「はぜの実」は和ろうそくの原料として古くから重宝されてきました。
和ろうそくの原料に使えるはぜは、「琉球櫨(りゅうきゅうはぜ)」または「唐櫨(とうはぜ)」と呼ばれる中国から伝来してきたはぜから派生したものなのです。まず沖縄県に伝わり、そこから鹿児島県へ。そして熊本県で本格的に栽培された琉球櫨は、そのあと西日本各地に広がり、江戸時代から明治時代にかけて、はぜからできた「和ろうそく」が日本各地で長年親しまれてきたのです。
しかしながら、そんな「はぜの実」は実はいま、とても貴重なものとなっています。農家の高齢化や後継者不足などが原因です。そういったことから、和ろうそくは危機的な原料不足に陥っているのです。そのため近年では、パーム椰子、菜の花、米ぬか、うるしなどの植物性の「ろう」が原材料に用いられていることも少なくありません。
そんな状況ではありますが、なんとか「和ろうそくの明かり」を絶やさせまいと、いま日本の様々なところで、荒れるはぜ林を再生しようとする動きや、新たにはぜの生産地を作ろうという動きが活発になっています。

【芯】について

和ろうそくの芯の原料「いぐさ」。実は「いぐさ」は、日本の暮らしに必需品である「畳」の素材です。畳で使われないいぐさは、ろうそくの芯へと利用されてきました。素材を余すところなく活用したいという古くからの日本人の美しい考え方が和ろうそくの製造にも表れているのです。

【製造方法】について

後述の「和ろうそくの作り方(工程)」で詳しく説明します。

【炎】について

特に和ろうそくの大きな特徴であるもののひとつのが「炎」です。独特な燃え方をします。炎が揺らめくように見えるのです。和紙にいぐさを巻き付けているため、巻いている場所に段ができているのがわかります。
これがポイントなのです。

和紙にいぐさを巻き付けているため、巻いている場所に段ができている様子
和紙にいぐさを巻き付けているため、巻いている場所に段ができている様子

【明るさ】について

西洋ろうそくに比べてほの暗いオレンジ色を放つのが特徴です。なぜならば、石油系の西洋ろうそくよりも植物性の和ろうそくの「ろう」は融点が低いためだからなのです。
そのため、優しくてあたたかみのある色をしています。

【単位】について

単位とその燃焼時間については後述の「燃焼時間」で詳しく説明します。

【価格】について

西洋のろうそくに比べて高価なものになります。
これは、和ろうそくはひとつひとつ職人が手作業で作り上げているということも、大きな理由のひとつです。

和ろうそくの作り方(工程)

では、和ろうそくづくりは、職人がどのようにひとつひとつ全ての工程を手作業で行っているのでしょうか。このパートでそれを見ていきます。また、それぞれの製造過程で違う職人が活躍しているのです。
和ろうそくは、いわゆる「分業制」なのです。どういう仕事があるかというと、和ろうそくの原料となるはぜの実をつむ「ちぎり子さん」のほかに、「ろう」を製造する「製ろう所」、和紙にいぐさの髄を巻き付けて灯芯を作る「巻き手職人」、和ろうそくの型を作る「木型屋さん」、和ろうそくの芯を指す竹串を作る「竹串屋さん」など。
それぞれの製造過程で多くの職人の伝統のワザが集結してやっと1本の和ろうそくができあがっていくのです。つまり「和ろうそく」は、日本が誇るたくさんの伝統的な職人のわざが集結した渾身の1本なのです。その手さばきは熟練の技だからこそできるもの。
実際に工房を訪ねて和ろうそくができあがる、その工程を見せていただきました。

中村ローソク

今回訪ねたのは京都府京都市伏見区竹田にある「中村ローソク」。
創業した1887年から和ろうそくを作り続けています。
この道およそ35年。4代目の田川広一さんにその作業を見せていただきました。

中村ローソクの田川広一さん
中村ローソクの田川広一さん

まず工程に入る前に下準備。

①芯差し

和紙を筒状にしていきます。これが和ろうそくの芯の軸となります。それに灯心と呼ばれる、薄黄色で1mほどある細長いものを巻き付けていきます。灯心はイグサ(日本の畳の原料です)の仲間で灯心草と呼ばれる植物の髄です。灯心を巻き付けた芯を竹串に差していきます。

②芯を木型に入れる

次工程で「ろう」を流し込む際に温度差で固まらないように、適温の湯につけて温めておきます。

③「ろう」を木型に流し込む

芯を入れた木型の中に「ろう」を流し込んでいきます。

ろう塊
ろう塊
ろうを溶かす
ろうを溶かす
ろうを流し込む
ろうを流し込む

④木型から生地を取り出す

「木ろう」や「植物ろう」を流し込んだ状態のろうそく(生地)を、木型から取り出します。

ろうそく取り出す
ろうそく取り出す
ろうそくの形
ろうそくの形

⑤生地に清浄生掛けを施す

清浄生掛け(せいじょうきがけ)とは、生地を日光にさらして白くして、ほどよい温度に保ちながら、よく練った上掛け用の白い「ろう」を手で生地に擦り付けていく工程です。ろうそくの太さや大きさは、芯の太さ・大きさだけでなく、清浄生掛け(せいじょうきがけ)の回数によっても変化していくそうなのです。ちなみに朱色のろうそくは、清浄生掛け(せいじょうきがけ)のかわりに、朱色の「ろう」の杓を使って上掛けします。

朱色塗る田川さん
朱色塗る田川さん
朱色ろう塗る
朱色ろう塗る

⑥上切り・下切りを行って、形を整える

ろうそくの上部の芯回りと下部についた清浄生掛けの余分な「ろう」を切って、形を整えていきます。

⑦完成

上切り・下切りを行って、形を整えると完成です。

完成イメージ
完成イメージ

「京・絵ろうそく」の場合、ここから絵付師の下でさまざまな文様が描かれていきます。

絵付後の完成イメージ
絵付後の完成イメージ

和ろうそくの燃焼時間

和ろうそくの炎症時間は30分から9時間以上のものまでさまざまです。使用するシーンによって使い分けすることができます。ここでは一部の和ろうそくの形の寸法と燃焼時間についての例をご紹介していきます。

【いかり型の和ろうそくの寸法と燃焼時間】

※真ん中がくびれていて上部が広がっている、緩やかなカーブが描かれた和ろうそくのこと。いかり型は主に浄土宗、浄土真宗で使われています。

匁数 芯までの長さ(約・cm) 直径(cm)上/下 燃焼時間(およそ)
2匁 7.5 1.7/1.2 50分
3匁 10.0 2.0/1.4 1時間
4匁 11.5 2.1/1.5 1時間15分
5匁 12.0 2.2/1.5 1時間30分
10匁 15.0 2.7/2.0 2時間
15匁 16.5 3.2/2.2 2時間30分
20匁 18.0 3.8/2.8 4時間
30匁 19.0 4.5/2.8 5時間
50匁 21.0 5.5/4.1 7時間
100匁 25.0 7.5/5.2 9時間

【棒型の和ろうそくの寸法と燃焼時間】

※まっすぐに近い形状をしている和ろうそくのこと。主に浄土宗と浄土真宗以外の宗派で使われています。

匁数 芯までの長さ(約・cm) 直径(cm)上/下 燃焼時間(およそ)
1.5匁 11.0 1.0/0.9 30分
3匁 13.0 1.3/1.0 1時間
4匁 14.5 1.4/1.1 1時間15分
5匁 16.0 1.5/1.2 1時間30分
10匁 18.5 2.0/1.5 2時間30分
15匁 19.5 2.5/1.8 3時間
20匁 20.0 2.7/2.0 4時間
30匁 22.0 3.4/2.5 5時間30分
50匁 23.5 4.2/3.0 7時間
100匁 27.5 5.8/3.8 9時間

【数寄屋ろうそくの寸法と燃焼時間】

※数寄屋ろうそくは茶の湯や夜噺のときに用いる和ろうそくのこと。

匁数 芯までの長さ(約・cm) 直径(cm)上/下 燃焼時間(およそ)
数寄屋(小) 18.0 2.5/1.8 2時間50分
数寄屋(大) 19.5 2.5/1.8 3時間
燃える和ろうそく
燃える和ろうそく

和ろうそくの使い方

和ろうそくを使うときにはろうそくを立てる「燭台」、火を消す「火消し」、和ろうそくの芯を調整する「芯切」を準備するといいでしょう。日本で和ろうそくを購入する際に一緒に販売していることも多くあります。

また、和ろうそくを使う際、コツがあります。ここではそのコツについて説明していきます。
和ろうそくに火を付けるときは、火がつきにくい場合のみ、先をほんの少しつぶしておくといいです。問題がなければつぶす必要はありません。一度で使い切るほうがいいですが、もし2度や3度にわたって使用する場合は、燭台にしっかり立て芯先に少し穴をあけておきましょう。そうしないと煙が出る場合があります。

和ろうそくを使用する際は「芯切」という作業が必要になります。和ろうそくは芯が太いため、炭化してしまい、残ってしまうのが特徴でもあります。炎もどんどん大きくなってしまいます。そのため、1~2時間ほど燃え進んだところで、「芯切ばさみ」という道具を使って芯を切り、長さを調節する必要があるのです。いちばんはじめの、この芯切の作業は和ろうそくの大きさによってそのタイミングが変わってきます。芯先が頭を少したらしたときがタイミング。そのたらした下部から1~2cmほど残して、先端をはさみ取るといいでしょう。取り除いた芯は陶器や金属のフタのある灰皿などに入れて、火が燃え移らないようにしてください。2回目以降の芯切も、先端部が頭を少したらしたら1回目と同じように2cm程残し、先端部を切り離しましょう。時間が経過すればするほど、切り取る頻度は増えていき、その間隔も短くなっていきますので注意が必要です。
「芯切」という専用の道具があるのが望ましいのですが、もしなければ他のもので代用することができます。その際には、火箸・はさみ・葉巻切などを代用品として使うといいでしょう。

芯切り用の「芯切ばさみ」
芯切り用の「芯切ばさみ」

和ろうそくを消すときにも注意しなければいけないことがあります。一番望ましい消し方は、ろうそくを少し残して火の最下部を切り離して「火消」を使って消灯することです。しかし、万が一最後まで燃え尽きた場合は、芯を押しつぶすか、不燃のものをかぶせると良いです。そうすると煙が出たり、においが残ったりしません。また、菜種油やサラダ油に浸けて消すこともできます。その場合は芯先だけをしっかりと油の中に浸けること。
消すときにこれが一番大切なことで注意しなければならないことなのですが、口で吹いて消したり、手で払って消したり、扇子やうちわを使って煽いで消すことは絶対にやめてください。溶けたろうが周りに飛び散ってかなり危険です。絶対にやめましょう。

燭台もこまめに掃除することが大切です。ろうや灰で燭台が汚れてしまった場合には、熱めのお湯に浸けると、ろうが溶けていきます。いらない布やティッシュペーパーで拭き取りましょう。また、お湯に洗剤を溶かしておくとよりきれいになります。ゴリゴリと強い力で拭き取らなくても大丈夫です。

和ろうそくの燭台
和ろうそくの燭台

また、和ろうそくを管理するときにも注意が必要です。和ろうそくは暑さに特に弱く、溶ける可能性があるため、日陰で保存します。特に、車のダッシュボードに入れてしまうと夏場気温が上がって溶ける可能性が高くなります。だからと言って、冷蔵庫で保存することも避けた方がいいです。冷たくなりすぎるとパリパリと剥がれる可能性があるからです。

和ろうそくの製造体験や絵付け体験

実際に和ろうそくの職人がどういう風に和ろうそくを作っているのかということを実際に間近で見ることができます。中村ローソクでは京都の伝統工芸に触れてほしいという思いから、体験教室も行っています。絵付けだけのコースから、和ろうそくづくり全てを学べるコースまであります。ぜひ自分自身で作り上げた和ろうそくを貴重な体験とともにおうちに持ち帰ってみてはいかがでしょうか?
ここでは、どんな体験ができるのかご紹介していきます。

和ろうそく体験の様子
和ろうそく体験の様子

【体験の集合場所とアクセス】

体験教室
有限会社中村ローソク 京蝋燭なかむら
集合場所
京都府京都市伏見区竹田三ツ杭町57-8
電話番号
075-641-9381
アクセス
地下鉄烏丸線「竹田駅」下車 3番出口より徒歩5分
公式サイト
公式サイト

①「和ろうそく製造&絵付け体験」のコース

ただ作るだけでなく、その歴史や工程を学びながら和ろうそくを作り上げることができます。全部やってみたい方へおススメのコースです。また、完成した和ろうそくは持ち帰ることができます。

※以下の概要は取材当時のものです。詳しくは個別にお問合せください。

所要時間
2時間~2時間半
料金
5500円(税別)
定員
1~6人(6人以上はお問合せが必要です)

▼体験の流れ

中村ローソク集合

オリエンテーション
 ∟・自己紹介(名前・職業など・参加の目的)
 ∟・スケジュール

和ろうそくとは?(商品の説明)
 ∟・和ろうそくの歴史
 ∟・和ろうそくの特徴
 ∟・和ろうそくのこだわり
 ∟・和ろうそくの使われている場所

仕事の見学
 ∟・和ろうそく作りに必要な道具の紹介
 ∟・和ろうそく作りの楽しさとしんどさの紹介

仕事の体験 / 型流し / 仕上げ体験
 ∟・質疑応答
 ∟・型流し体験
 ∟・仕上げ方法の説明に従って、仕上げの体験

和ろうそくの絵付け体験
 ∟・絵付け方法の説明に従って、絵付け体験

体験まとめ
 ∟・体験教室の感想・質問タイム

体験教室終了!

②「和ろうそく製造体験」のコース

和ろうそく作りの原点を実際に体験できるコースです。
和ろうそくがどうやって作られているのかということを実際に見てみたいという方におススメです。和ろうそくの歴史や特徴・和ろうそくづくりのこだわりを職人から直接聞くことができますよ!さらに型流しの体験もできて、実際に和ろうそくを作ることができます。職人の研ぎ澄まされた技術がたくさん盛り込まれた和ろうそくづくり。その難しさや楽しさを味わうことができます。また、完成した和ろうそくは持ち帰ることができます。

※以下の概要は取材当時のものです。詳しくは個別にお問合せください。

所要時間
~1時間半
料金
3500円(税別)
定員
6人まで

③「和ろうそく絵付け体験」コース

短時間で和ろうそくに触れてみたい!という方におススメのコースです。
お手軽に自分の好きな絵や文字を和ろうそくに描いて、自分だけのオリジナリティあふれる和ろうそくを作ることができます。完成した和ろうそくは持ち帰ることができます。

※以下の概要は取材当時のものです。詳しくは個別にお問合せください。

所要時間
約30分~1時間
料金
2500円(税別)
定員
1~20人まで(20人以上の場合はお問合せが必要です)

中村ローソクでは不定期で、和ろうそくのもとで舞妓が舞うというイベントなど、和ろうそくに関するイベントを開催しています。HPでチェックしてみてください。

まとめ

古くから日本人の生活を明るく照らしてきた「和ろうそく」。実はサスティナブルなものでもありました。
かつてはろうそくをともしている間に出る「ろう」をかき集めて、再度溶かして固めて、ろうそくを再生して作っていたといいます。ほかにも、ろうそくの燃えた灰は畑にまくことで肥料にも活用していたのだそうです。

ろうそくの使い方に表れる、昔の日本人の生き方の美しさや、何百年もの間職人から職人へと大切に受け継がれてきたその製法はこれまでずっと守られてきました。最近では和ろうそくはさらに発展し、森林の香りがするものや華やかなローズなどフローラルの香りがするものまで商品化されています。やさしく揺らめく炎にリラックスできる良い香り。
ぜひ今夜は就寝前に灯すアロマキャンドルを「和ろうそく」にして、気分を変えてみてはいかがでしょうか?

元村颯香

筆者

フリーアナウンサー

元村颯香

伝統文化や芸能、歴史を中心に発信