
感性を刺激する旅へ【訪れるべき東京の街13選】
日本の首都・東京には、様々な特徴を持った多彩なエリアが点在する。
なかでも「原宿」・「渋谷」は世界的に知名度が高く、流行の発信地として人気だ。
その一方で、誰もが知る有名な場所ではなく、サブカルチャーやレトロな街並みが魅力の観光地に興味がある人もいるだろう。
この記事では、アート・音楽・文学など様々なカルチャーを感じられる東京の街を紹介していく。
1. 様々なジャンルのカルチャーが交錯する「下北沢」
東京都世田谷区に位置し、小田急線と京王井の頭線が交差する「下北沢」は、渋谷駅から電車で7分ほどとアクセスが良いエリア。
「シモキタ」の愛称で親しまれており、若者や新進気鋭のクリエイターに根強い人気を誇るサブカルチャーの発信地である。
独自の文化を育む街の雰囲気は自由で個性的。細い路地には古着店・レコードショップ・アートギャラリーなどが立ち並んでいる。
他にはないディープスポットも点在し、ヴィンテージ品や一点物が見つかるのも「下北沢」ならではの魅力だ。
小劇場が多いことから演劇の街としても有名で、舞台芸術に触れられるのも特徴のひとつ。
特にファッション・音楽・アート好きにピッタリで、自分の感性で街を楽しみたい人にお勧め。

2. ローカルな雰囲気と色濃いカルチャーが魅力の「高円寺」
東京都杉並区に位置する「高円寺」はJR中央線や総武線、東京メトロ丸ノ内線からアクセスが良好なエリア。
レトロとモダンが融合したユニークさがあり、独特で色濃いカルチャーが特徴だ。
東京屈指のサブカルタウンとも呼ばれ、街中には個性的な古着店・雑貨屋、カフェが軒を連ねるほか、ライブハウスや小劇場も多い。
ギャラリー・ストリートアートが日常風景に溶け込んでおり、様々なバックグラウンドを持つ人が集う。
一方で、大小17もの商店街は昭和の面影を残す懐かしい雰囲気が漂い、昔ながらの温かみのある買い物が楽しめる。
また、阿波おどり・高円寺フェスをはじめ、地域密着型イベントも頻繁に開催され、訪れる人を飽きさせない。
「高円寺」は良い意味で観光地然としておらず、ローカルな雰囲気を感じたい方にお勧めだ。

3. 落ち着いた街の一角にディープなスポットが点在する「吉祥寺」
東京都武蔵野市に位置する「吉祥寺」は、JR中央線・JR総武線・京王井の頭線の3路線が乗り入れ、新宿駅からは電車で約15分と交通アクセスに優れたエリア。
住みたい街ランキングで常に上位に入る人気の街で、都会と自然が調和した雰囲気が魅力だ。
街全体および行き交う人々に落ち着いた空気が漂い、古き良き情緒と新しいカルチャーを感じられる。
駅周辺には大型商業施設や文化施設が立ち並び、少し離れた場所には自然豊かな公園が広がる。
その一方で、赤提灯の灯る居酒屋が軒を連ねる横丁や個性的なショップ・グルメスポットが集まるエリアが存在するのも魅力のひとつ。
全体的に落ち着いた雰囲気があるため、ゆっくり色んなスポットを巡りたい人にお勧めだ。

4. レトロなスポットが集まる古き良き街「神田」
東京都千代田区に位置する「神田」は、東京駅と秋葉原駅のほぼ真ん中にあるエリア。
江戸時代(1603年~1868年)から学問や文化の発信地として栄えた歴史を持つ。
現在はビジネス街の印象が強いが、昔ながらの風情をとどめており、訪れる人に懐かしさと新鮮さを同時に感じさせる。
飲食店が軒を連ねる神田駅周辺や、スポーツ用品店が集まる神田小川町など、散策路に沿って多様なエリアが存在し、楽しみ方も幅広い。
老舗の飲食店、由緒正しい神社仏閣だけでなく、モダンカフェやアートギャラリーもあり、独特の空気感を味わえるだろう。
特に日本の伝統文化・歴史が好きな人、モダンな東京を体感したい人にお勧めだ。

5. 本とカレーと純喫茶、懐かしさに浸れる「神保町」
東京都千代田区に位置する「神保町(じんぼうちょう)」は、都営新宿線・三田線、東京メトロ半蔵門線の神保町駅を中心としたエリア。
上述の神田とも近く、神田・神保町エリアとも呼ぶため、訪れる際は一緒に巡ると良いだろう。
「神保町」を一言で表すならば、”本の街”だ。「神田神保町古書街」には、130軒以上の古本屋が並び、その規模は世界一とも言われている。
それぞれが単なる本屋ではなく、文学・歴史・洋書などの専門分野を持ち、充実した品揃えを誇る。
もちろん新刊書店も充実しており、鉄道・マンガといったサブカル分野も強い。
秋の風物詩「神田古本まつり」・「神保町ブックフェスティバル」をはじめ、定期的にイベントも開催され、大小の様々なイベントで日々賑わう。
また、純喫茶やカレーの名店が多く、読書にぴったりな落ち着いた空間で本とグルメを同時に楽しめる。
本、書店巡りが好きな人、純喫茶やカレー好きに訪れてほしい街だ。

6. 大人心くすぐる隠れ家が点在する「中目黒」
東京都目黒区に位置する「中目黒」は、東急東横線・東京メトロ日比谷線の中目黒駅を中心としたエリア。
渋谷・代官山・恵比寿から近く、都会的ながら親しみやすい雰囲気が魅力だ。
街全体は洗練された大人の余裕とカジュアルさが同居しており、目黒川沿いに広がる季節ごとの自然美も見どころ。
特に春は約800本もの桜が咲き誇り、ライトアップされた桜並木を多くの人が楽しんでいる。
駅前には商業施設や飲食店が立ち並ぶ一方、少し歩くと隠れ家的なバーやセンスの良いブティックが点在し、訪れる度に新たな発見があるのも人気の理由。
また、夜になると飲み屋街が賑わい、昼とは違った大人の社交場の顔も見せる。
トレンドに敏感な若者、カルチャーの発信源に触れたい人などにお勧め。

7. アート・建築・ファッションが感性を刺激する「青山」
東京都港区と渋谷区にまたがる「青山」は、高級感あふれるおしゃれなエリア。
北青山と南青山の総称を「青山」と呼び、主に表参道駅・外苑前駅の周辺一帯を指す。
渋谷・原宿・六本木に隣接した、エレガントな雰囲気を持つ大人の街として人気が高い。
特に約900mにわたって続くケヤキ並木通りには、有名ブランドの旗艦店・アンティークショップ・先端的なギャラリーなどが点在する。
世界的な建築家が手掛けた建築物も多く、デザインに敏感な人にとっては歩いているだけで見どころが尽きないだろう。
美術館などのアートスポットのほか、裏通りにも一流シェフが腕を振るうレストランや話題のスイーツショップがあり、静かなひとときも楽しめる。
ファッションやアートに精通したハイセンスな人、上質な時間を過ごしたい人にお勧め。

8. 下町情緒とカフェ文化が息づく「清澄白河」
東京都江東区に位置する「清澄白河(きよすみしらかわ)」は、東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線の清澄白河駅を中心としたエリア。
江戸時代から川沿いの倉庫街として栄え、近代以降も町工場や木場が作られたこともあり、古風な雰囲気が漂う。
下町の情緒を残した街並みに合わせるように、個性的でレトロな店構えが多く、レストラン・雑貨屋・ギャラリーなど、様々なお店が軒を連ねる。
一方で近年は再開発が進み、現代的な感性が息づく穴場スポットとしても注目を集めている。
特に東京でも有数のカフェ激戦区で、ブルーボトルコーヒー日本1号店を筆頭にモダンなコーヒーショップからクラシカルなロースタリーまで多彩な店が競い合う。
緑が豊かで静かな環境でコーヒーを楽しみつつゆっくり過ごしたい人にお勧め。

9. 古き良き東京と美食に出会える「神楽坂」
東京都新宿区に位置する「神楽坂(かぐらざか)」は、早稲田通りを中心に広がるエリア。
江戸時代~大正時代(1912年~1926年)に花街(はなまち:芸者屋・遊女屋が集まる地域)として栄え、今も石畳の路地や料亭が残る趣深い街並みが魅力だ。
路地裏に足を運ぶと当時の面影が強く感じられ、タイムスリップしたかのような気分になる。
ちなみに、早稲田通りは全国でも珍しい逆転式一方通行(時間帯で一方通行の向きが変わる)なので、時間帯をずらして道路を見ると面白いだろう。
和の雰囲気が漂う一方で、「東京の小さなパリ」とも呼ばれており、本格派フレンチやワイン専門店も立ち並ぶ。
古さと新しさ、和と洋が共存した居心地のよさが「神楽坂」ならではの特徴だ。
歴史・文化に触れながら、大人の散策を楽しみたい人にお勧め。

10. どこか懐かしい街並みが広がる「日暮里」
東京都荒川区に位置する「日暮里」は、JR山手線・京浜東北線・常磐線、京成本線、日暮里・舎人(とねり)ライナー、スカイライナーの6路線が乗り入れる交通の要所。
成田空港から直通でアクセスできるほか、羽田空港や上野方面にも行きやすく、国内外の旅行者にとって便利な地域だ。
街並みにはノスタルジックな下町情緒が色濃く残り、どこか懐かしい空気に包まれている。
谷中・根津・千駄木に続く「谷根千エリア」の入口であり、1日中歩き回っても飽きない多彩な風景が特徴。
特に有名なのが「谷中(やなか)銀座商店街」で、昭和の面影が残る店々が軒を連ね、食べ歩きや買い物が楽しめる。
あちこちに冒険心をくすぐる細い路地が広がり、慣れない道の先にある一期一会の出会いも魅力のひとつ。
また、生地・手芸用品が揃う繊維街の顔も持っており、手芸など物づくりが好きな人にもお勧め。

11. レトロとトレンドが交差する「三軒茶屋」
東京都世田谷区に位置し、東急田園都市線と世田谷線が交差する「三軒茶屋(さんげんぢゃや)」は高級感漂うエリア。
「三茶」の愛称で人気を博し、渋谷から電車で約5分と近い都会的な利便性と自然の豊かさの調和が特徴だ。
一帯にたくさんの芸能人・著名人が住んでいるため、お洒落な街というイメージも強い。
駅周辺は、メディアで取り上げられる注目のカフェ・レストランが立ち並び、時代の流行を体感できる。
その一方で、親しみやすい飲み屋街や商店街、銭湯なども多く、地元に根差した下町としての顔を持ち合わせる。
エリアごとに雰囲気が変わっていく、新旧様々な姿を楽しめるのが「三軒茶屋」ならではの魅力と言えるだろう。普段とは異なる街歩きをしたい方にお勧め。

12. ものづくりと感性が息づく「蔵前」
東京都台東区に位置する「蔵前(くらまえ)」は、浅草にも近い隅田川沿いに広がるエリア。
かつては職人や問屋が集う町として栄え、現在も街並みは昔ながらの名残を感じさせる。
一方、近年は「東京のブルックリン」とも称され、注目を集めるスポットになっている。
歴史を大切にしつつ古い建物を活かしたリノベーションが進み、カフェ・雑貨店・アトリエなどの増加がその理由だ。
街の再生と創造の雰囲気がニューヨーク・ブルックリンの流れと似ていて、特に若手クリエイター・デザイナーから人気。
また、「蔵前」は職人技や手仕事にこだわった”ものづくりの文化”が根づいており、見どころ満載の個性的なショップも多い。
おしゃれながらも派手すぎないので、ゆったりと東京の今と昔を味わいたい人にお勧め。

13. 大人が歩きたくなる、感性を刺激する街「奥渋谷」
東京・渋谷駅の西側周辺に位置する「奥渋谷」は、神山町・富ヶ谷・宇田川町にまたがるエリアを指す。
2010年ごろからその呼び名が定着した比較的新しい場所で、独自のカルチャーを醸成している。
賑やかな渋谷の中心街から徒歩10分ほど離れると、閑静な住宅街の奥に隠れ家のような雰囲気が漂うエリアが広がる。
気の向くままに歩くと、路地裏に佇むブックカフェやセンスの良いインテリアショップなど、思わず足を止めてしまう魅力的なお店が次々と姿を表す。
観光地として大々的に開発されていない分、こぢんまりとした店舗が多く、それぞれに個性と温かみがあるのが特徴だ。
都会の散策を楽しみながら、自分だけのお気に入りスポットを見つけたい人にお勧め。

東京のカルチャーを感じられる街に関するよくある質問
Q
東京駅からアクセスしやすいサブカルチャーを楽しめる街はどこですか?
昔ながらの風情をとどめる「神田」、ローカル感を楽しめる「高円寺」がお勧めです。
Q
新宿駅からアクセスしやすいサブカルチャーを楽しめる街はどこですか?
古き良き情緒と新しいカルチャーが共存する「吉祥寺」、サブカルチャーの発信地「下北沢」がお勧めです。
Q
渋谷駅からアクセスしやすいサブカルチャーを楽しめる街はどこですか?
洗練された雰囲気と独自のセンスが感じられる「中目黒」、エリアごとに様々な雰囲気を味わえる「三軒茶屋」がお勧めです。
まとめ
この記事では、東京の中でもサブカルチャーの発信地や昔ながらの風情が漂う13の街を紹介してきた。
いずれも人気観光地ではないが多彩な魅力を持っており、その独特な雰囲気に触れれば感性が刺激されるはずだ。
気になった街へ、ぜひ足を運んでみてほしい。