
散策の前後で必食したい!高尾山名物・とろろ蕎麦が味わえる人気グルメ店5選
都心からのアクセスが良く、四季を通じて多くの人が訪れる高尾山。
登山やハイキングを楽しみたい人はもちろん、日本の自然や食文化を体験したい人にも人気の観光スポットだ。
そんな高尾山を訪れたら、ぜひ味わっておきたいのが名物のとろろ蕎麦。
参拝や登山の歴史とともに受け継がれてきたこの一杯は、歩いた体にやさしく染みわたる滋味深い味わいとして親しまれている。
本記事では、高尾山でとろろ蕎麦を提供する人気店を厳選した5軒を紹介する。
これから高尾山を訪れる予定の人や、登山後にどこで食事をするか迷っている人は、ぜひ参考にしてほしい。
高尾山が育んできた食文化に思いを馳せながら、ここでしか味わえない一杯を堪能してみよう。
高尾山で「とろろ蕎麦」が有名な理由
高尾山でとろろ蕎麦が名物となったのは、江戸時代末期(1853〜1868年)から明治時代(1868〜1912年)頃。
髙尾山薬王院への参拝客や登山客の滋養強壮が目的で広まったといわれている。
自然薯(じねんじょ)や大和芋を使ったとろろは消化が良く、疲れた体への栄養補給に最適だったことが理由だ。
とろろ蕎麦は、粘りの強いとろろが蕎麦によく絡み、なめらかな喉越しとまろやかな味わいが楽しめるのが特徴。
出汁やつゆと混ざることで旨みが一層引き立ち、さっぱりとしながらも満足感のある一杯だ。
高尾山を訪れた人伝てに高尾山のとろろ蕎麦の評判が広まり、今や定番メニューとして提供されている。
現在、高尾山麓から山腹、山頂付近までの間に約20軒の蕎麦屋が点在。
とろろだけでなく、ゼンマイやワラビなどの山の幸を加えた山菜とろろ蕎麦も人気メニューとなっている。
各店それぞれ、出汁やつゆの味わいや麺の太さに工夫を凝らしたメニューが揃う。
高尾山の豊かな自然の中で味わう蕎麦は、格別な一杯として地元客や観光客に親しまれている。


高尾山で人気の蕎麦屋5選
高尾山には、麓から山頂付近まで約20軒の蕎麦店が点在。
麺や出汁、とろろの仕立てにそれぞれ個性がある。
とろろ蕎麦をはじめ、山の幸を楽しめる山菜蕎麦など、店ごとに異なる味わいが楽しめるのも魅力だ。
ここでは山麓・山腹・山頂エリアに分けて、厳選した5軒の人気グルメ店を紹介する。
蕎麦の特徴だけでなく、絶景テラスや山小屋風の店構えといったロケーション、サイドメニューにも注目。
登山前後の過ごし方に合わせて、自分好みの一軒を見つけてほしい。
1. 山麓エリア|老舗「高橋家」で堪能する2種の芋を使った伝統のとろろ蕎麦
創業は江戸時代の後期、天保7年(1836年)。
老舗が軒を連ねる高尾山周辺において、ひときわ存在感のある「高橋家」だ。
髙尾山薬王院の表参道に位置し、ケーブルカーへと続く「清滝」駅の目の前というわかりやすい場所にある。

2種の芋を使用した「とろろそば」
自家製の蕎麦は、蕎麦粉にとろろ芋と上新粉で練り上げたもので、食感と喉越しの良い細めに仕上げている。
名物は、長芋と大和芋の2種類を使った「とろろそば」だ。
別のお椀で提供されるとろろには、うずらの卵とプチプチとした食感のとんぶりが入っており、蕎麦に入れていただく。
つゆは鰹や鯖節など数種類の魚から丁寧にとった出汁に醤油を加えた甘めの仕上がり。
これが細めの蕎麦によく合い、繊細な風味がたまらない味わいだ。

薬味をプラスして好みの味わいに!
各テーブルには、蕎麦をさらに味わい深く楽しむための薬味が添えてある。
缶に入っているのは海苔、そのほかワサビや七味唐辛子なども。
自分の好みで薬味を加えて、一杯の蕎麦を味変しながら心ゆくまで堪能しよう。

摘物も多彩!蕎麦と合わせて注文しよう
蕎麦のほかに味わいたいのが摘物(つまみもの)。
厚焼き玉子、鴨肉の燻製、焼き味噌など酒の肴にぴったりなメニューがずらり。
冷酒には八王子の「桑の都」やあきる野市の「高尾山」などの地元の酒を揃えている。

御神木の柿の木も見どころ!
とろろ蕎麦の名店として名を馳せる高橋家だが、ここでしか見られない景色がある。
それは、店舗の天井を貫き、天に向かって伸びている樹齢150年の柿の木だ。
柿の幹には紙垂(しで)が巻かれ、まるでこの店の御神木となって来店客にも親しまれている。


2. 山麓エリア|国産自然薯をふんだんに使った「栄茶屋」の濃厚とろろ蕎麦
昭和初期(1930年代前半頃)から高尾山の麓で店を構える「栄茶屋」。
ケーブルカー「清滝」駅へと延びる、髙尾山薬王院の表参道沿いにある蕎麦店だ。


国産自然薯たっぷりの「自然薯蕎麦」
看板メニューは、国産の自然薯をたっぷり使った「自然薯蕎麦」だ。
自然薯は数少ない日本原産の野菜で、あらゆる山芋の中でも際立って粘りが強いのが特徴。
古くから滋養強壮食として重宝され、“山菜の王者”として親しまれてきた。
栄茶屋のとろろは自然薯を皮ごとすりおろして作られているため、自然薯特有の大地の香りを存分に味わえる。
自然薯蕎麦の食べ方は、自然薯のとろろと特製の甘いつゆをよく混ぜ合わせ、蕎麦全体にしっかり絡め、ふんわり泡立てるのがポイント。
一口すすれば、空気を含んだ不思議な食感と、自然薯の濃厚な旨みが口いっぱいに広がる。

蕎麦の残りのつゆでとろろご飯を堪能
器に残った自然薯のつゆは、麦飯にかけてとろろご飯として食べるのがお勧めだ。
ふわりとした自然薯に出汁の旨みが重なり、麦飯に絡むことでコク深い味わいに変化する。
蕎麦を食べ終えたあとも楽しみが続く、二度おいしい締めの一品だ。

一緒に味わいたい!高尾山名物
ここでは高尾山名物のひとつである「天狗の耳たぶ」=キクラゲも味わえる。
肉厚でぷりぷりの国産キクラゲは、炒め物にも天ぷらにも、蕎麦の具材としても相性抜群だ。
「天狗の耳たぶ」とのペアリングにお勧めの日本酒は「元巳」。
高尾山がある八王子市に位置する小澤酒造場の渾身の一杯だ。
先代の社長が自分の名前をつけたその傑作は、甘すぎず辛すぎず、蕎麦や天ぷらのおいしさを一層引き立ててくれる。


3. 山腹エリア|打ち立て自家製麺と絶景を楽しむ「高尾山スミカ」のとろろ蕎麦
ケーブルカー「高尾山」駅を降りてすぐの場所に店を構える「高尾山スミカ」。
高尾山名物の天狗焼や各種お土産品を販売するこの施設には、いつでも打ち立ての蕎麦を楽しめる蕎麦処が併設されている。
モダンでナチュラルな印象の店内は、登山後の疲れをやさしく癒やしてくれる空間。
2階席からは八王子の街並みや奥多摩の山々を一望できる。
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登山者で賑わう「高尾山スミカ」外観
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大きな窓がある2階席は開放的な空間
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雲取山、御前山、鷹ノ巣山、大岳山を一望できる
打ち立て自家製麺の「とろろ蕎麦」
「高尾山スミカ」の蕎麦処の特徴は、なんといってもこだわりの自家製麺。
毎朝粉から蕎麦生地を作り、注文が入ってから仕上げるため、コシの強さと喉ごしの良さがより引き立つ。
店長いわく「蕎麦の風味をしっかり味わいたいなら冷たい蕎麦がお勧め」とのことだ。
ほかにも、夏は肉蕎麦、冬はカレー南蛮蕎麦など、季節ごとにさまざまなメニューが展開されるのも魅力。
打ち立ての蕎麦と、思わず深呼吸したくなる癒やしの空間で、登山後の疲れをゆっくりと癒やそう。

揚げたてのかき揚げを共に味わう
サイドメニューで特に人気なのが、手作りのかき揚げ。
野菜や海老、貝柱などをたっぷり使ったこだわりのかき揚げは、注文が入ってから揚げるためサクサク食感が楽しめる。
いつでも揚げたてのかき揚げと打ち立ての蕎麦を味わえるのは、「高尾山スミカ」ならではの贅沢だ。

4. 山腹エリア|「十一丁目茶屋」の絶景テラスで味わう!手擦りのとろろ山菜そば
1899年に創業した山の中腹にある「十一丁目茶屋」。
ケーブルカーの「高尾山」駅から徒歩約1分と、山頂へ続く道沿いに位置。
店名の 「十一丁目茶屋」は、江戸時代の単位の「1町(約109m)」に由来する。
山中のお寺、髙尾山薬王院から数えて十一町目に当たることから、登山客から親みをこめて「十一丁目さん」と呼ばれ、そのまま店名となった。
店前では甘団子、焼き団子と2種類の団子があり、香ばしい香りに誘われる。
昼時は行列ができる人気店。
その理由のひとつに、テラス席からの絶景が挙げられるだろう。
横浜方面を一望できるテラス席があり、天気の良い日には横浜のランドマークタワーが見渡せる。
また、家族経営でアットホームな雰囲気と笑顔のおもてなしに出会えるのも魅力だ。
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茶屋と土産物店で左右に分かれている店
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大きな窓から眺望を楽しめる店内
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横浜方面まで一望できる人気のテラス席
手擦りのとろろが決め手!「とろろ山菜そば」
こちらの名物の蕎麦は、高尾山名物のとろろ蕎麦に山菜がのった「とろろ山菜そば」。
きのこや蕨など山の幸がふんだんにトッピングされており、とろろと蕎麦と共に味わえる一品だ。
特にとろろのおいしさは格別で、とっても滑らか。
口当たりなめらかな食感を生み出すのは、機械ではなく全て手擦りしているからこそ。
1日に40本以上の山芋を1本1本丁寧におろしているそうだ。
きめ細かな喉越しが蕎麦のおいしさを引き立ててくれる。


山の幸を楽しめるサイドメニューも
サイドメニューにはおでんや山菜の盛り合わせ、ふきのとうなど山の幸が味わえる。
人気の「みそおでん」は、オリジナルのみそダレが特徴。
甘いながらも生姜の風味でさっぱりとして、山の疲れを吹き飛ばしてくれる。

高尾山土産にお勧め商品も揃う
茶屋の隣には土産物店があり賑やか。
高尾山ならではの漬物や日本酒、工芸品までが揃っている。
高尾山名物の「こんにゃくキクラゲ」や「天狗グッズ」などもここで購入可能。
下山前にチェックしておきたい。

5. 山頂エリア|登頂後に「曙亭」で味わう太麺田舎風の山菜蕎麦
高尾山ケーブルカー「高尾山」駅からゆっくりと歩いて約50分。
途中に髙尾山薬王院などを経由して、ようやく山頂に到着する。
適度な登山の後のご褒美は山頂での食事だろう。
高尾山の山頂には3軒の食堂があり、その中でも山頂にいちばん近いのが「曙亭」。
高尾ビジターセンターの隣にあって、昼時は行列のできる人気店だ。
40席ある店内でいただく「店内蕎麦」、屋外で食べる「外蕎麦」と分かれている。
ゆったりと食事するなら「店内蕎麦」、自然を感じるなら「外蕎麦」がお勧め。
「外蕎麦」の調理スピードは速く、ほぼ待たずに蕎麦が提供される。
また、「曙亭」の全てのメニューは、山頂付近の店外で食べることが可能。
お気に入りの場所で蕎麦を楽しめるのも嬉しいポイントだ。
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高尾山頂からはこの近さ
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山小屋風の赤い屋根が目印
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ゆっくりと食事するなら店内で
太めの蕎麦が絡む「山菜蕎麦」が人気
人気は高尾山の名物でもある「山菜蕎麦」や「とろろ蕎麦」。
蕎麦は乱切りの田舎風で、麺はかなり太め。
どのメニューもボリュームたっぷりで食べ応えがある一品となっている。
「山菜蕎麦」は、姫筍、蕨、きのこがたっぷりとトッピングされているのが特徴。
蕎麦と出汁、山菜の相性の良さが際立つ味わいが、登山で疲れた心と体を癒してくれる。
蕎麦には替玉や大盛りもあるので満足できること間違いなしだ。


ボリュームたっぷりのおでんもお勧め!
サイドメニューには、山菜盛り合わせや味噌田楽のほか、おでんがある。
昆布、ちくわ、さつま揚げなど5種類の具材が入ってボリューム感がたっぷりのおでんが一番人気だ。
そのほか、お酒の種類も充実しているので、登頂の喜びの祝杯をあげるのにもお勧め。

高尾山の蕎麦に関するよくある質問
Q
高尾山の蕎麦屋が空いているシーズン・時間帯は?
混雑しやすいのは春・秋の週末や祝日。比較的空いているのは平日の午前中や14時以降です。登山客のピークを過ぎた時間帯を狙うと、ゆっくり食事が楽しめます。冬の平日はさらに落ち着く傾向があります。
Q
高尾山の蕎麦屋の営業時間は?
店によって異なりますが、目安は10時〜16時前後。天候や混雑状況により早く閉まることもあります。売り切れ次第終了の場合もあるため、早めの来店がお勧めです。
Q
蕎麦はどのように食べるのがお勧めですか?
蕎麦とつゆとよく馴染ませて、音を気にせず一気にすすりあげるのがお勧めです。蕎麦の香りと食感を存分に味わえます。とろろ蕎麦の場合は、食べ終えた後は器にとろろ汁が残るので、麦飯を注文してとろろご飯にするのもお勧めです。
Q
高尾山周辺の蕎麦屋は予約できますか?
予約ができないところが多く、先着順での案内になります。団体やコース料理の場合は予約できる店舗もあるので、詳細は各店舗へお問い合わせください。
まとめ
本記事では、高尾山名物のとろろ蕎麦を中心に、山麓・山腹・山頂それぞれのエリアで楽しめる個性豊かな高尾山名物の蕎麦が食べられるグルメ店を紹介してきた。
伝統の味を守る老舗や自家製麺にこだわる店、絶景とともに味わえる茶屋、山菜料理やおでんなどのサイドメニューまで、高尾山ならではの食文化が受け継がれている。
高尾山を訪れる際は、景色や参拝に加え、どのエリアで蕎麦を味わうかも旅の楽しみにしてほしい。
きっと、自分にとって特別な一軒に出会えるだろう。
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