
日本伝統の騎射文化「流鏑馬」の迫力と技、その奥深さに触れる京都・鎌倉旅
疾走する馬の上から弓を引き、次々と的を射抜く「流鏑馬」。その迫力ある光景の背景には、長い年月をかけて受け継がれてきた技と精神がある。今回は、京都・上賀茂神社で行われる「笠懸神事」と、鎌倉で行われる「流鏑馬」の稽古見学・体験を紹介。間近で見て、技を知り、自ら弓を構えることで、日本の騎射文化の奥深さに触れてみよう。

「流鏑馬」とは、天下泰平や五穀豊穣などを祈願し、疾走する馬上から的を射る神事。一方の「笠懸」は騎射の稽古として発展したもので、流鏑馬よりも実戦的だ。
「流鏑馬」の起源は約1,500年前、欽明天皇の時代に行われた「矢馳馬」に遡るとされている。現在継承されている「流鏑馬」の様式は、源頼朝の時代、約800年前に定められた様式に基づくもの。全長218mの馬場を疾走しながら3つの的を順番に射抜き、「天下泰平・五穀豊穣・万民息災」を祈願する神事として受け継がれている。一方の「笠懸」は、左真横の的のみを狙う「流鏑馬」とは異なり、左下方を射る「弓手筋違」と右下方を射る「馬手筋違」といった射法が用いられる。
大日本弓馬会では「弓馬軍礼故実武田流」を維持保存しており、馬上で身体を上下動させず姿勢を保つ「立ち透かし」など、日本古来の馬術を継承。国内各地で神事を執り行うほか、海外でも「流鏑馬」を披露し、日本の弓馬術の普及と継承に取り組んでいる。

「立ち透かし」の姿勢を支える日本伝統の木製鞍「和鞍」

騎射の際に射手が身につける伝統的な装束

馬上での安定性を追求した日本伝統の馬具「和鐙」

馬を操りながら的に向かって矢を放つ「流鏑馬」の射手

「笠懸」で射手へ矢を渡す独自の儀式「矢代振」

左手に持った弓を馬の首越しに構えて右側の的を狙う笠懸の技「馬手筋違」
よくある質問に対する掲載施設の回答です。
Q
「流鏑馬」と騎射は同じものですか?
同じではありません。馬上から矢を射ることは広く「騎射」と呼ばれていますが、「騎射」のうちでも天下泰平・五穀豊穣・万民息災などを祈願する神事として行われるものが「流鏑馬」です。
Q
「流鏑馬」にはどのような技術が用いられていますか?
馬上で身体の上下動を抑えて姿勢を保つ「立ち透かし」や、次の的までに腰から矢を抜き、弓に番えて構える「矢番え」などがあります。
Q
「流鏑馬」と「笠懸」にはどんな違いがありますか?
「流鏑馬」では基本的に左真横に設置された的を狙うものです。一方、「笠懸」では右下方や左下方などに置かれた的も射るため、より実戦的で高い技量が求められます。