日本伝統の騎射文化「流鏑馬」の迫力と技、その奥深さに触れる京都・鎌倉旅

日本伝統の騎射文化「流鏑馬」の迫力と技、その奥深さに触れる京都・鎌倉旅

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筆者 :  GOOD LUCK TRIP

疾走する馬の上から弓を引き、次々と的を射抜く「流鏑馬」。
その迫力ある光景の背景には、長い年月をかけて受け継がれてきた技と精神がある。
「流鏑馬」をはじめとする日本の弓馬術を維持保存する「大日本弓馬会」では、神事での奉納だけでなく、その魅力をより深く知るための見学・体験の機会も設けている。
今回は、京都・上賀茂神社で行われる「笠懸神事」と、鎌倉で行われる「流鏑馬」の稽古見学・体験を紹介。
間近で見て、技を知り、自ら弓を構えることで、日本の騎射文化の奥深さに触れてみよう。

「流鏑馬」とは?800年受け継がれてきた騎射文化

「流鏑馬」とは、疾走する馬の上から的に向かって矢を射る、日本に古くから伝わる騎射のひとつ。
大日本弓馬会が維持保存する「流鏑馬」では、全長218mの馬場に3つの的を立て、馬を走らせながら次々と矢を放つ。
単なる武芸ではなく、「天下泰平・五穀豊穣・万民息災」を祈願して行われる神事であり、馬上から矢を射る「騎射」とは区別されている。
現在、大日本弓馬会が維持保存するのは、源頼朝の時代、約800年前に定められた様式に基づくもの。
その技と精神は時代を越えて受け継がれ、今も各地の神社などで披露されている。

京都・上賀茂神社で希少な「笠懸」を間近で体感

京都の上賀茂神社では、2026年10月18日に「笠懸神事」が行われる。
「笠懸」は「流鏑馬」と並ぶ代表的な騎射のひとつ。
大日本弓馬会では、その技を披露するだけでなく、射手との交流などを通して騎射文化を身近に感じられる機会を設けてきた。
今回はさらに体験プログラムを充実。
迫力ある神事を間近で観覧した後は、自ら弓を構え、射手が操る技の難しさに触れられる。

「上賀茂神社 笠懸神事」の様子
「上賀茂神社 笠懸神事」の様子

「流鏑馬」とは何が違う?「笠懸」の見どころ

「笠懸」は、「流鏑馬」と並ぶ日本の伝統的な騎射のひとつ。
「流鏑馬」では、馬の進行方向に対して左真横に設けられた的を射る。
一方の「笠懸」では左右の下方に設けられた的も狙うため、より実戦的で高い技量が求められる。
上賀茂神社の笠懸では、往路で左真横の的を射る「弓手横(ゆんでよこ)」、復路では左下方の的を狙う「弓手筋違(ゆんですがい)」、右下方の的を狙う「馬手筋違(めてすがい)」といった射法を見ることができる。

竹矢来(たけやらい)に囲まれた的を狙う「弓手横」
竹矢来(たけやらい)に囲まれた的を狙う「弓手横」

なかでも「馬手筋違」は、弓を持つ左手を馬の首越しに大きく伸ばして右側の的を狙う、「笠懸」ならではの射法だ。
「流鏑馬」とは異なる的の位置や、射手が身体の向きを変えながら瞬時に弓を構える一連の動きを間近で見ることで、「笠懸」がより実戦的な騎射とされる理由を実感できる。

弓を馬の頭を越えて右下の的を狙う「馬手筋違」
弓を馬の頭を越えて右下の的を狙う「馬手筋違」

「流鏑馬」と「笠懸」の動画チェック!迫力を疑似体験

疾走する馬上から矢を放つ射手の動きや、的を射抜くまでの一連の所作を動画でチェックしよう。
「流鏑馬」と「笠懸」それぞれの騎射の特徴や、馬のスピード、射手の技を映像で確認できる。

見るだけじゃない!実際に弓を構えて「笠懸」の難しさを体感

日本博事業「笠懸見学・笠懸体験」に事前に申し込んだ方は、神事を見た後に、実際に弓を構えて「笠懸」の難しさを体験することができる。
2026年の笠懸神事では、専門家による解説を聞きながら特等席で神事を観覧した後、実際の馬場で体験プログラムを実施する予定だ。
木馬に乗り、神事で用いられる本物の的を弓で狙う。
下方に設置された的を射ることの難しさを自分自身で味わえば、先ほど目の前で見た射手たちが、疾走する馬の上でどれほど高度な技を操っていたのかも実感できるはずだ。
事前申し込みをしなくても、神事の後に、射手との交流や馬とのふれあいなどを通して、騎射文化を身近に感じられるのも魅力。
観覧から体験へと一歩踏み込むことで、「笠懸」への理解を深められるだろう。

正式名称
上賀茂神社 笠懸神事
開催日
2026年10月18日
時間
13:00〜
場所
京都府京都市北区上賀茂本山339
料金
一般1,000円、最前列席3,000円
受付方法
開催日当日、上賀茂神社境内の笠懸神事受付にて先着順で受付
アクセス
京都市営地下鉄烏丸線「北山」駅から市バス上賀茂神社前下車すぐ
公式サイト
公式サイト

同日開催

正式名称
日本博事業「笠懸見学・笠懸体験」
時間
13:00〜
体験内容
解説付き観覧、木馬からの騎射体験など
体験料金
10,000円(当日会場にて現金での支払い)
受付方法
事前に大日本弓馬会公式サイトからオンラインで先着順で受付
公式サイト
大日本弓馬会公式サイト
迫力ある「笠懸」を間近で観て、体感しよう
※画像は「笠懸」の様子で、体験イメージではありません 迫力ある「笠懸」を間近で観て、体感しよう

鎌倉で本格的な「流鏑馬」の稽古を間近から見学

神事として披露される「流鏑馬」とはまた違った表情に出会えるのが、鎌倉での稽古見学だ。
大日本弓馬会では鎌倉市内に「流鏑馬」専用の稽古場・大日本弓馬会 鎌倉教場(以下、鎌倉教場)を開設し、毎週日曜日に本格的な稽古を実施。
「流鏑馬」を未来へ受け継ぐため、射手たちが技を磨く現場を間近で見学できる。

疾走する馬と射手を間近で!「流鏑馬」の稽古を見学

馬が勢いよく駆け抜け、その馬上で射手が弓を構える。
神事とは異なり、技を磨く稽古の現場だからこそ感じられる緊張感も、鎌倉教場を訪れる魅力のひとつだ。
見学時に注目したい技のひとつが「立ち透かし」。
馬上で身体が上下動しないように姿勢を保つ、和式馬術の重要な技だ。
さらに、的を射った直後には、腰から次の矢を抜いて弓に番え、再び構える「矢番え」を行う。
馬を疾走させながら一連の動作を繰り返す射手の技を間近から見れば、「流鏑馬」の迫力だけでなく、その技術の高さも感じられるだろう。
神事のように完成された技を披露する場とは異なり、稽古では射手が馬と向き合い、ひとつひとつの動作を磨いていく姿を間近で見られる。
馬が駆け抜ける音や射手の息遣いまで感じられる距離感も、稽古見学ならではの魅力だ。

「立ち透かし」などの匠の技を間近で見学
「立ち透かし」などの匠の技を間近で見学

射手の目線を疑似体験!「流鏑馬」の技に挑戦

鎌倉教場では稽古を見学するだけでなく、「流鏑馬」の世界をより身近に感じられる体験も予定されている。
実際の馬に乗って「流鏑馬」を行うことは危険を伴うため、来場者による実乗体験は行わない。
その代わり、木馬に乗って的を射る騎射体験や、射手が馬上で撮影した映像を活用した疑似体験などを楽しめる予定だ。
映像の中では、ひとつの的から次の的までわずか約4秒。
その間に腰から矢を抜き、弓に番え、的を狙わなければならない。
射手でも難しいという一連の動作に挑戦すれば、「流鏑馬」の技術と難しさを身体で理解できる。
射手との交流や馬へのエサやりなども予定され、見るだけでは分からない「流鏑馬」の奥深さに触れられるだろう。

稽古で用いる木馬に乗った騎射体験
稽古で用いる木馬に乗った騎射体験
「大日本弓馬会 鎌倉教場」での開設記念流鏑馬の様子
「大日本弓馬会 鎌倉教場」での開設記念流鏑馬の様子
正式名称
日本博事業「流鏑馬稽古見学・流鏑馬体験」
開催日
2026年11月15日、12月20日、2027年3月14日(予定)
時間
10:00〜12:00(予定)
場所
神奈川県鎌倉市関谷1395ほか 大日本弓馬会「流鏑馬鎌倉教場」
体験内容
流鏑馬の稽古見学、木馬での騎射体験、映像体験、射手との交流、エサやりなど
体験料金
10,000円
受付方法
事前に大日本弓馬会公式サイトからオンラインで先着順で受付
アクセス
JR「大船」駅または「藤沢」駅から神奈中バスに乗車し、「島の神」バス停で下車して徒歩約7分
公式サイト
大日本弓馬会公式サイト

毎年各地で見られる「流鏑馬」を間近で見られる神事・行事

大日本弓馬会による流鏑馬神事は、京都・鎌倉以外でも各地で毎年行われている。
4月29日の「富士御室浅間神社流鏑馬神事(甲斐の勝山やぶさめ祭り)」をはじめ、8月17日の「三嶋大社流鏑馬神事」、9月19日の「寒川神社流鏑馬神事」、11月3日の「明治神宮流鏑馬神事」などが恒例。
開催地によって馬場や神事の様子も異なる。

馬場との距離が近く、騎射の迫力が伝わる「富士御室浅間神社流鏑馬神事」
馬場との距離が近く、騎射の迫力が伝わる「富士御室浅間神社流鏑馬神事」
参道を馬場として流鏑馬が奉納される「寒川神社流鏑馬神事」
参道を馬場として流鏑馬が奉納される「寒川神社流鏑馬神事」
射手らが列をなして進む行軍も行われる「明治神宮流鏑馬神事」
射手らが列をなして進む行軍も行われる「明治神宮流鏑馬神事」

「流鏑馬」・「笠懸」に関するよくある質問

Q

実際に馬に乗って流鏑馬を体験できますか?

A

流鏑馬は危険を伴うため、来場者が実際の馬に乗って流鏑馬を行う体験はできません。鎌倉教場では、木馬を使った騎射や映像などを通して、その技や難しさを体験できます。

Q

初心者でも弓を使った体験はできますか?

A

上賀茂神社と鎌倉教場では、木馬に乗って的を射る体験が予定されています。

Q

流鏑馬や笠懸の見学・体験には予約が必要ですか?

A

詳しくは大日本弓馬会公式サイトを確認してください。

まとめ

馬が疾走する音、素早く弓を構える射手の所作、そして矢が的を射抜く瞬間。
「流鏑馬」や「笠懸」の魅力は、現地で間近に見ることでより鮮明に感じられる。
さらに解説を聞き、自ら弓を構えてみれば、その迫力を支える技術や難しさにも気づけるはずだ。
京都では日本で唯一神事として行われる「笠懸」、鎌倉では技を磨き続ける「流鏑馬」の稽古。
それぞれの場所を訪れ、日本の騎射文化が今も受け継がれている姿と、その奥深さに触れてみよう。

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