伝統芸能「淡路人形浄瑠璃」の舞台裏まで鑑賞!

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淡路島の人形芝居(人形浄瑠璃)を常時上演している専用劇場・淡路人形座では、舞台裏を見学することができるバックステージツアーを実施しています。国指定の重要無形民俗文化財にも指定される淡路島の伝統芸能を、その舞台裏まで堪能してみてはいかが。舞台の仕掛けを学んだ上で鑑賞するお芝居は、感動もひとしおです!

福良港前に位置する淡路人形座へ

淡路人形座は「うず潮クルーズ」の出航場所である福良港の前に位置しています。階段を登って2階の入り口から館内へ。受付では多言語対応のイヤフォンガイドの貸し出しも。鑑賞する舞台の内容を紹介してくれるので、上演前に聞いておけばより舞台を楽しむことができます。公演は月ごとに変わるので、事前に公式サイトでチェックしておくのがおすすめ。この日は淡路島人形浄瑠璃の起源といわれる「戎舞」の鑑賞ができるバックステージツアー。館内に入ると、上演開始まで劇場前の待合室へ。

建築家・遠藤秀平氏設計の建物も必見です
建築家・遠藤秀平氏設計の建物も必見です
上演終了時に投げ入れる「おひねり(チップ)」の用意もできます。
上演終了時に投げ入れる「おひねり(チップ)」の用意もできます。
壁に淡路島の伝統産業「瓦」を使用するなど客席もみどころ豊富。
壁に淡路島の伝統産業「瓦」を使用するなど客席もみどころ豊富。

人形浄瑠璃の舞台装置を学んだら、バックステージへ!

まずはこれから見学する舞台の仕組みについて、人形を動かす人形遣いの方がスクリーンを使って解説。人形浄瑠璃の舞台の用語や装置など、イラストや映像でわかりやすく紹介してくれます。一通りの説明を聞き終えたら、いよいよバックステージへ。バックステージは写真撮影OKなので、カメラの用意を忘れずに!

舞台裏に入るとずらりと並ぶ人形たちがお出迎え!
舞台裏に入るとずらりと並ぶ人形たちがお出迎え!
さまざまな演目に登場する人形たちが一堂に会します。今日の演目の主役は左端の戎さま!
さまざまな演目に登場する人形たちが一堂に会します。今日の演目の主役は左端の戎さま!
人形遣いが履く「高下駄」も実際に履くことが可能! 写真は一番高いもので30cmもあります。
人形遣いが履く「高下駄」も実際に履くことが可能! 写真は一番高いもので30cmもあります。

実際の舞台上で仕掛けや貴重な文化財を拝見!

続いて舞台上へ。人形浄瑠璃の舞台は、船底と呼ばれる構造になっており、客席からは見えない段差があります。これは鑑賞する際に、目線が人形と同じ高さになるようにする工夫だとか。さらに絵が次々と変わるふすま(道具返し)など舞台を隅々まで見学。なかでも上演中、幕間に上から降りてくる「衣装山」も実際に降してもらえます。これは、人形の衣装をずらりと並べた竿のことで、今回は120〜130年前の衣装を見せてもらいました。豪華な着物は全部で500万円ほどするとか! 間近で鑑賞できる贅沢な時間です。

このふすまが次々と変わる様子は、最後のお楽しみ!
このふすまが次々と変わる様子は、最後のお楽しみ!
貴重な文化財でもある着物。細かい刺繍の素晴らしさにため息が出ます。
貴重な文化財でもある着物。細かい刺繍の素晴らしさにため息が出ます。

バックステージ見学の後は、淡路島の伝統芸能を実際に鑑賞

人形浄瑠璃のストーリーを語る太夫と、主に三味線などで音楽を奏でる演奏者が座る床を通ってバックステージツアーは終了。客席に戻ると、今度は人形遣いの実演です。実際に人形遣いが動かす人形は、生きているように見えるから不思議! 細やかな手や頭の動きを、一つひとつ解説を聞きながら鑑賞します。そしていよいよ演目「戎舞」の上演です。福の神である戎さまが、願いを叶えてくれる縁起の良い演目で、事前に書いた願い事が抽選で読みあげられます。願い事か叶うように客席からも拍手で応援! 上演が終わったら、戎さまと一緒に記念撮影も。良いことがありそうな、縁起の良い時間を過ごすことができます。

独特な文字で書かれた床本。赤い字で語る上でのコツが記されています。この本も120〜130年前のもの!
独特な文字で書かれた床本。赤い字で語る上でのコツが記されています。この本も120〜130年前のもの!
頭(かしら)と右手を担当する人形遣い、左手を担当する人形遣いと、足を担当する人形遣いの3人体制で人形に命を吹き込みます。
頭(かしら)と右手を担当する人形遣い、左手を担当する人形遣いと、足を担当する人形遣いの3人体制で人形に命を吹き込みます。
戎様がお酒を飲み、みんなの願いを叶えるために舞を舞う、「戎舞」。
戎様がお酒を飲み、みんなの願いを叶えるために舞を舞う、「戎舞」。
最後に戎さまと記念撮影! 縁起の良いことが起こりそう!
最後に戎さまと記念撮影! 縁起の良いことが起こりそう!

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