【和歌山城の観光ガイド】和歌山の歴史文化と自然が調和する絶景を楽しむ
白亜の天守閣がそびえ立つ、和歌山市のシンボル「和歌山城」。
その美しい佇まいと四季折々に変化する自然の景色が調和した姿は麗しく、国から名勝に指定されている。
この記事では初めて観光する人でも楽しめるよう、お勧めの見どころを中心に「和歌山城」の魅力を紹介していこう。
和歌山城ってどんなところ?
和歌山県和歌山市の緑豊かな「虎伏山(とらふすやま)」の頂上に、「和歌山城」は位置する。
国から名勝(景色が美しい場所)に指定されており、風光明媚な城として名高い。
築城の名手・藤堂高虎(とうどうたかとら)が初めて手がけた近世城郭で、特徴的な白亜三層の大天守閣は風格すら漂う。
そんな「和歌山城」の魅力と言えば、大天守閣を中心とする美しい景観に加えて、歴史・自然・文化が見事に融合している点だろう。
日没後のライトアップされた幻想的な眺めも見逃せない。
敷地内には重要文化財に指定された「岡口門」や歴史ある櫓など、魅力的な施設が多い。
自然・文化を味わえる「西の丸庭園」・「紅松庵(こうしょうあん)」や、ふれあい体験ができる無料の「動物園」もあり、色々な形で楽しめる。
また、「和歌山城」の歴史や見どころを教えてくれる「おもてなし忍者」が敷地内に潜んでおり、お城観光や思い出作りを手伝う機会を伺っている。
どこからともなく姿を現す忍者のおもてなしを受けてみよう。
和歌山城の歴史
「和歌山城」は、1585年に紀州(現在の和歌山県)を平定した豊臣秀吉(とよとみひでよし)から指示を受けた豊臣秀吉の弟・豊臣秀長(とよとみひでなが)が築城した。
築城とともに当時「若山」と呼ばれた土地の名を、「和歌山」に豊臣秀吉が改名。
「関ヶ原の戦い」が終わった1600年には浅野幸長(あさのよしなが)が城主となり、連立式天守や本丸の造営が進められる。
1619年になると徳川家康(とくがわいえやす)の10男・徳川頼宣(とくがわよりのぶ)が入城し、「紀州徳川家」が成立した。
紀州徳川家は、江戸時代の将軍家に次ぐ地位を持つ「徳川御三家」のひとつだ。
以降、徳川家の居城として約250年の歴史を持つ。
和歌山城へのアクセス
和歌山観光の移動拠点となる「JR和歌山駅」からのアクセスを紹介しよう。
徒歩で30分程度なので、街並みを散策しながら向かっても良いだろう。
- 経路
-
1.「JR和歌山駅」で和歌山バス「0系統」もしくは「25系統」へ乗車し、バス停「和歌山城前」にて下車
2.「和歌山城駅前」から徒歩約1分で到着 - 所要時間
- 約5〜6分
和歌山城の利用可能時間と入園料
和歌山城の利用可能時間と入場料は、施設によって異なる。
主な施設の利用可能時間と入場料は、下記の表を参考にしてほしい。
和歌山城天守閣
- 利用時間
-
9:00〜17:30(入場は17:00まで)
※7月24日〜8月24日の期間は20:00まで。最終入場は19:30に延長される。 - 定休日
- 12月29日〜12月31日
- 入場料
-
・大人:410円
・小学生〜中学生:200円
名勝 西之丸庭園
- 利用時間
- 9:00〜17:00
- 定休日
- 12月29日〜12月31日
- 入場料
- 無料
茶室 紅松庵
- 利用時間
- 9:00〜16:30
- 定休日
- 12月29日〜1月3日
- 入場料
- 一服(お抹茶と季節のお菓子):470円
動物園
- 開園時間
- 9:00〜17:00
- 定休日
-
6月〜9月、12〜2月の火曜日
※火曜が祝日の場合は直後の平日が休園日となる - 入園料
- 無料
和歌山城のお勧め観光シーズンは?
「和歌山城」を観光するなら、桜が見頃を迎える春がお勧めだ。
ソメイヨシノを中心に、敷地内に植えられた約600本の桜が咲き乱れ、白やピンクの色鮮やかな花びらが天守閣や石垣と調和した美しい光景が広がる。
日没から23時にかけては、ライトアップされた幻想的な夜桜を楽しめる。
桜の見頃の3月下旬から4月上旬には「桜まつり」が開催され、屋台やイベントなどで賑わいを見せる。
歴史文化と自然が生み出す景観が楽しめる!和歌山城の見どころ6選
日本の城の中でも特に美しいと評判の「和歌山城」は、日本100名城に認定されている名城だ。
歴史を感じさせる「天守閣」や「石垣」の他にも、自然を楽しめる庭園や動物園など魅力的な観光スポットが多い。
その中でも外せない見どころを厳選して6つ紹介しよう。
1. 日本の風情を感じられる名園「西之丸庭園」
和歌山城公園内にある「西之丸庭園」は、国の名勝に指定されている日本屈指の名園。
徳川頼宣(とくがわよりのぶ)によって、茶道や能楽などを楽しむ場所として江戸時代初期に作られた。
池泉回遊式(ちせんかいゆうしき/大きな池を中心にした庭園作り)になっており、湧水を利用した2段の池・瀧など、土地の特徴を活かした工夫がされている。
堀の中に浮かぶ池亭「鳶魚閣(えんぎょかく)」や、いくつもの池にかかる橋から生み出された風情ある景色が魅力的。
別名「紅葉渓庭園」とも呼ばれている通り、毎年秋になると庭園内の紅葉が見事に色づき、池や瀧に紅葉が映る絶景も必見だ。
2. 全国的にも珍しい斜めにかかる橋「御橋廊下」
「御橋廊下(おはしろうか)」は、城主の趣味の場「西の丸」と生活の場「二の丸大奥」をつなぐ廊下橋。
江戸時代では殿様など限られた人しか通れなかったため、外から見られないように屋根と壁を設けて造られた。
全国的にも珍しい約11度の角度で斜めに架かっており、滑らないように段差がつけられている。
江戸時代の図面をもとに2006年に復元され、現在は自由に渡れるので、約11度の勾配を体感してみよう。
3. 外から見ても中から見ても美しい景色が広がる「天守閣」
「和歌山城」の天守は、大天守と小天守が多門櫓(たもんやぐら)でつながっているのが特徴で、「日本三大連立式天守閣」のひとつにも選ばれている。
印象的な白亜三層の大天守閣からは、和歌山の市街地を360度見渡す絶景が目の前に広がる。
内部には、紀州徳川家ゆかりの武具や古文書などが多数展示されており、和歌山の歴史を感じられるだろう。
1945年に和歌山大空襲によって焼失したが、1958年に空襲前の外観のままに再建されたものが現在の天守閣だ。
4. 和歌山の歴史と文化を楽しみながら学べる「わかやま歴史館」
「わかやま歴史館」は「和歌山城」の総合ガイダンス施設。
1階には観光案内・お土産センターが、2階には歴史展示室があり「和歌山城」の歴史・文化を知れる。
「紀州徳川家伝来の金印」・「わかやまの歴史絵巻」をはじめ、「和歌山城」に関わる遺品や絵図など豊富な歴史資料が展示されている。
江戸時代の和歌山城をVRで再現した「よみがえる和歌山城」の上映や、茶室「実際庵」の忠実再現など、目で見るだけでなく体感しながら学べるのも魅力的だ。
5. 多種多様な刻印を探しながら敷地内を散策してみよう「石垣の刻印」
「和歌山城」の石垣は、様々な刻印が見られることで有名。
約170種類2,100個以上の刻印が確認されており、石の正面に限らず上下や側面といった、あらゆる面に渡って刻印されている点も特徴と言える。
模様は〇や△に近い記号から家紋や人名、日付・方位と考えられるものなど多種多様だ。
刻印がつけられた理由は呪術的な意味や所有者の表示など諸説あるが、明らかになっていない。
石垣の刻印を探し、模様に込められた意味を想像しながら散策してほしい。
6. 市民から親しまれている入場無料の「和歌山城公園動物園」
大正時代より100年以上にも渡って、和歌山県民らから親しまれている動物園。
和歌山城の敷地内に立地しており、ほ乳類21種79点、鳥類26種83点、爬虫類2種5点(2021年3月時点)を飼育・公開している。
昭和レトロな小さい動物園ではあるが、そのアットホームな雰囲気が評判を集め、休日には家族連れや和歌山城へ観光に訪れた人たちが立ち寄って大賑わい。
入園料が無料なのも評判の理由だ。
和歌山城の周辺観光スポット2選
「和歌山城」を満喫したら、和歌山出身のアーティストの作品を鑑賞できる美術館と、和歌山にゆかりのある文化財を展示している博物館にも足を運んでみよう。
これから紹介する和歌山城周辺のスポットに足を運べば、和歌山の魅力をより堪能できるはずだ。
1. 和歌山県立近代美術館
明治以降の近代や現代美術をメインに紹介している美術館。
和歌山県紀の川市出身の美術家・保田龍門や、抽象的な作風で知られる洋画家・川口軌外、異端の日本画家として名高い川端龍子など、和歌山県出身の郷土作家を中心に、1万点を超える作品を所蔵。
2. 和歌山県立博物館
和歌山県ゆかりの文化財を収集、展示する博物館。
1963年に創設された県立美術館が前身で、現在の施設は黒川紀章の設計により1994年に開館した。
博物館の近くには和歌山城があり、また和歌山県立近代美術館が隣接しているので、あわせて巡るのがおすすめだ。
和歌山城に関するよくある質問
Q
和歌山城の桜の見頃はいつ?
3月下旬から4月上旬です。
Q
和歌山城の紅葉の見頃はいつ?
11月下旬から12月上旬です。
まとめ
「和歌山城」の見どころを紹介してきたが、いかがだっただろうか。
歴史・自然・文化が見事に調和したその美しい光景を堪能するために、ぜひ一度訪れてほしい。
敷地内には庭園・歴史館・動物園もあるので、家族旅行でも1人旅でも楽しめるだろう。
「和歌山城」は市街を一望できることから、和歌山観光のスタート地点にもお勧めだ。
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