
【出雲大社の観光ガイド】見どころ・ご利益・参拝作法・周辺スポットまで網羅
神々の国と呼ばれる出雲に鎮座する「出雲大社」。
日本有数のパワースポットには、様々なご利益を求めて国内外から多くの観光客が訪れる。
この記事では、出雲大社の成り立ち・アクセスといった基本情報をはじめ、見どころ・参拝作法・御朱印まで幅広く紹介していく。
初めて参拝する予定の人でも満喫できるように、知っておきたい情報をまとめたのでぜひ最後まで読んでほしい。
出雲大社ってどんなところ?
島根県出雲市にある「出雲大社」は、日本の代表的な神社のひとつ。
創建は神代(じんだい/神武天皇が即位する以前の時代)とされ、古代より「杵築大社(きずきたいしゃ)」と呼ばれていた。
1871年に出雲大社と改称、通常は「いずもたいしゃ」と読むことが多いが、正しい読み方は「いづもおおやしろ」である。
縁結びの神様・福の神様として名高い「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)」を主祭神とし、全国各地から篤い信仰を集めている。
神話と結びついた歴史、信仰が色濃く残り、多角的に日本文化を感じられるのが出雲大社の魅力。
松並木に包まれた荘厳な境内には、力強い佇まいが目を引く国宝「御本殿」や参拝者を圧倒する「神楽殿」の大注連縄など、多彩な見どころが尽きない。

出雲大社の歴史
日本最古の歴史書「古事記」・正史「日本書紀」によると、大国主大神は国土を開拓し、農業・医療・漁業などの知恵を人々に授けていたようだ。
その後、皇室の御祖先神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)の命を受けた使者により「国譲り」が行われた。
大国主大神は国を譲る代わりに立派な宮殿の建立を求め、実際に築かれた社殿が出雲大社の起源とされる。※諸説あり
かつての本殿は、現在の倍ほどの高さ約48m(あるいは96m)であったという伝承も残る。
また、出雲大社は古代より地域の政治的・宗教的中心地として重要視され、尼子氏(あまごし)や徳川幕府からも厚い保護を受けてきた。
近代以降は火災・修理・御遷宮(本殿の大規模修理・遷座)を経て、現在の姿を保っている。

出雲大社のご利益
出雲大社の主なご利益は「縁結び」。「縁」は単に恋愛・結婚だけでなく、人と人とのすべての良いつながりを指し、幸福な家庭づくりや人間の関係構築など、あらゆる良いご縁を意味する。
また、国造り神としての性格から「開運招福・事業繁栄・五穀豊穣」、医療神としての側面から「病気平癒・心身健康」のご利益も期待できる。

出雲大社の参拝時間と料金
出雲大社の参拝自体は無料だが、宝物殿の拝観には大人300円、大学・高校生200円、中・小学生100円がかかる。参拝時間は以下の通り。
- 通常の参拝時間
-
6時〜19時
※1.御本殿より北側にある素鵞社方面は16時30分まで
※2.宝物殿は8時30分〜16時30分 - 初詣の参拝期間
-
・12月31日:6時〜0時
・1月1日:0時〜19時
・1月3日:0時〜19時
※公式ホームページ要確認
出雲大社へのアクセス
出雲大社の最寄り駅は、一畑電車大社線「出雲大社前駅」。
ここでは、出雲の玄関口「出雲縁結び空港」と、観光拠点となるJR「出雲市駅」から出雲大社までの行き方を以下の表にまとめた。
また、出雲大社周辺には「出雲大社大駐車場」・「古代出雲歴史博物館 駐車場」などの無料駐車場があるので、レンタカーでのアクセスもお勧め。※混雑時期は交通規制あり
| 起点 | 経路 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 出雲縁結び空港 |
「出雲縁結び空港」バスターミナル・大社方面のりばから出雲一畑交通・直通バスに乗車し、「出雲大社」で降車、到着 ※直通バスは原則1日に2本程度、午前中発しかないので注意 |
約45分 |
| JR出雲市駅 |
バス停「出雲市駅」から一畑バス大社線・出雲大社行に乗車し、「正門前」で降車、到着 ※一畑電車北松江線「出雲市駅」から電車でのアクセスも可 |
約35分 |
出雲大社のお勧め観光シーズンは?
出雲大社を観光するなら「神在月(かみありづき)」のシーズンがお勧め。
神在月は旧暦の10月、新暦の11月〜12月を指し、全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲の地に集まる特別な期間。
平安時代(794年〜1185年)発祥の伝承とされ、他の地域では神様が不在になることから「神無月(かんなづき)」と呼ぶ。
出雲大社でも重要な神事が執り行われ、特に多くの人々で賑わう。
神々を迎える「神迎神事・神迎祭(かみむかえしんじ・かみむかえさい)」に始まり、「神在祭」・「縁結大祭」と続き、最後に「神等去出祭(からさでさい)」で神々を全国に送り出して終わる。
古来の伝統・神話を体感できる絶好の機会だ。

ここだけは外せない出雲大社の見どころ6選
ここからは、出雲大社の見どころを6つに絞って紹介していく。
いずれも深い歴史と信仰に根ざした荘厳な雰囲気を持ち、神秘的なパワーを感じられる。
伝統的な建築様式や独特の構造美も特徴で、出雲大社ならではの空間・景色が広がる。
境内は広く様々な建造物があるが、少なくともこれから紹介する見どころは押さえておこう。
1. 神楽殿
「神楽殿」は、もともと千家國造家(出雲大社の祭祀を司る家系)の大広間として使われていた建物。
明治時代(1868年〜1912年)に入ると出雲大社教の神殿的役割も担い、1981年に規模を拡張して今の姿になった。
出雲信仰の中心的な聖域のひとつで、現在は拝殿とは別に御祈祷や神前結婚式、各種祭事などが行われている。
魅力は何といっても正面に掛かる「大注連縄(おおしめなわ)」。
長さ約13.6m、重さ約5.2tという、写真で伝わりきらない圧倒的なスケールが参拝者の目を奪う。
数年に一度、新しい注連縄に掛け替えられる伝統も見どころ。
また、神社建築では珍しい正面破風の装飾にステンドグラスを取り入れた設計も印象的だ。

2. 拝殿
「拝殿」は、御本殿の前に建てられた”参拝者の祈りの場”。
通常時の一般参拝・御祈祷のほか、古伝新嘗祭などの重要祭礼・様々な奉納行事なども執り行われており、祭祀と実務の両面で中心的な役割を担う。
出雲大社の拝殿は1519年に造営されたが、1953年に火災で大部分が焼失、1959年(1963年)に新拝殿が完成した。
戦後最大の木造神社建築と言われる高さ約12.9mの堂々たる姿が特徴だ。
大社造りと切妻造(きりづまづくり)の折衷様式という独特の建築様式を持ち、その壮麗な外観と神聖な空間が気持ちを落ち着かせる。
また、一般的な神社とは左右逆に取り付けられた大注連縄も注目のポイント。

3. 素鵞社
御本殿の背後にひっそりと鎮座する「素鵞社(そがのやしろ)」は、出雲大社の「摂末社(せつまつしゃ)」のひとつ。
摂末社とは、御本社に付随して境内周辺に置かれる小さな社を指し、主祭神と関係の深い神様を祀る「摂社」、摂社に次ぐ格式を持つ「末社」を合わせた総称だ。
素鵞社には、ヤマタノオロチ退治や草薙剣の神話で有名な神格「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」を祀っており、厄除け・開運招福・家内安全といったご利益が期待できる。
見どころは軒下にある「御砂」と呼ばれる神聖な砂。
この砂は「稲佐の浜」の砂と交換していただいて帰る慣習があり、神力(家屋の清め・地鎮祭など)を宿すと信じられている。

4. 祓社
出雲大社の摂末社のひとつ「祓社(はらえのやしろ)」は、参拝者が持つあらゆる罪や穢れ(けがれ)を払い、心身を浄化するための神聖な場所。
一帯には空気がピンと張り詰めており、規模こそ小さいものの神域の入口を感じさせる。
祓社に祀られるのは「祓戸四柱の神(はらえどよはしらのかみ)」という4柱で、生活の中に入り込んだ禍事を清める働きを期待できる。
正式な作法に従い、神様とまっすぐ向き合うためにも、祓社は御本殿・拝殿の参拝前にお参りすべき社だ。
正門「勢溜の鳥居」をくぐってすぐ、下り参道の右手にあるので、気づかずに通り過ぎてしまう人もいるが、参拝時は忘れずに足を運んでほしい。

5. 御本殿
国宝「御本殿」には縁結びをはじめ、五穀豊穣・商売繁盛・病気平癒などあらゆるご利益をもたらす万能の神様・大国主大神が主祭神に祀られている。
悠久の時の中で遷宮と修理を繰り返し、現在の建物は1744年造営の流れを継ぐものだ。
高さは24mにもおよび、「大社造(たいしゃづくり)」と呼ばれる、日本最古の神社建築様式を今に伝える。
木造建築としての重厚さ、心御柱(しんのみはしら)など内部構成に残る古い形式、神話と結びついた物語性が参拝者の心を惹きつける。
歴史が凝縮した荘厳な存在感は圧倒的で、「天下無双の大廈(二つと同じものが無い壮大な神殿)」と称えるのにふさわしい。
なお、古代の御本殿は約48m(あるいは96m)もあったと伝わる。

6. 銅鳥居
拝殿の最も近くに立つ「銅鳥居」は、荒垣正門にあたる神域の入口を示す重要な建造物。
1666年に毛利綱広(もうりつなひろ)によって寄進された青銅製の鳥居で、別名「四の鳥居」とも呼ばれる。
出雲大社には、鉄筋コンクリート製の「一の鳥居」、耐候性鋼材製の「二の鳥居」、鉄製の「三の鳥居」という材質の異なる3つの鳥居があるので、違いを見比べるのもお勧め。
銅鳥居は重厚感と独特の風合いが神聖な雰囲気をさらに引き立てており、訪れる人々に強い印象を与える。

訪れる前に知っておきたい出雲大社の参拝方法
出雲大社の基本的な参拝マナーおよびルールは他の神社と変わらない。
ただし、参拝は一般的な二礼二拍手一礼とは異なるので注意が必要だ。
出雲大社では伝承・祭祀の歴史を踏まえ、「二礼四拍手一礼」がすべての社殿における正式な作法になっている。
四拍手は「四季」・「東西南北」の四方向を表し、神々に最大限の敬意を示すとともに実りや繁栄、平安を祈願する意味を持つ。※諸説あり
また、出雲大社で最大の祭典「例大祭」では、無限という意味の「八」を用いて拍手を8回行い、神様を限りなく讃える。
出雲地域独自の神話、信仰が反映されたものと言えるだろう。

出雲大社の正式な参拝ルート
マナーやルールだけでなく、正しいルートで参拝したい方は、以下の順番で本殿へと向かおう。
こちらのルートで参拝する場合は、所要時間は1時間から1時間30分程度を目安にしてほしい。
また、周辺の観光スポットやグルメも楽しむなら、全体で3時間から4時間確保しておくと、ゆっくり楽しめるだろう。
- 勢溜の大鳥
- 居祓社
- 松の参道
- 手水舎
- 銅鳥居
- 拝殿
- 八足門
- 御本殿
参拝した記念にいただきたい出雲大社の御朱印
出雲大社では、異なる5種類の御朱印を境内の3カ所で、奉書の朱印(書置き)や持参の御朱印帳にいただける。
人気が高い出雲大社オリジナル御朱印帳の購入もお勧め。概要は以下の表にまとめた。
| 種類 | 授与場所(時間) | 概要 |
|---|---|---|
| 出雲大社・御本殿の御朱印 |
拝殿の裏手・受付所 (7時〜18時) |
中央に「出雲大社」と押印された代表的な御朱印 |
| 出雲大社・神楽殿の御朱印 |
神楽殿・受付所 (7時〜18時) |
中央に「神楽殿」と押印された御朱印 |
| 北島國造館の御朱印 |
北島國造館・授与所 (9時〜16時) |
右側に「北島國造館」、中央に六角形で「出雲教」と押印された御朱印 |
| 北島國造館・天神社の御朱印 |
北島國造館・授与所 (9時〜16時) |
右側に「北島國造館」、中央に丸で「天神社」と押印された御朱印 |
| 出雲國神仏霊場巡り(第1番霊場)の御朱印 |
拝殿の裏手・受付所 (7時〜18時) |
霊場巡り専用の御朱印 |
様々な種類が揃う出雲大社のお守り
出雲大社では、八足門前・神楽殿の御守所で様々なお守り(肌守り)が授与されている。
代表的なものは以下の通り。
またこの他にも、正月期間や神在月限定やカード型、縁結糸といった種類もある。
| 種類 | 概要 | ご利益 |
|---|---|---|
| 蘇守(よみがえり) | 御本殿のヒノキ皮が中に入った、平成の大遷宮を記念したお守り | 諸行無常、特別なご利益 |
| 縁結守 |
縁結びの神様にちなんだ、出雲大社の代表的なお守り ※赤・紫・緑の3色展開 |
良縁(仕事・恋愛)・人間関係※色ごとに意味を持つ |
| 厄除守 | 厄年の1年を無事に過ごすためのお守り | 厄年の安全祈願 |
| 長寿守 | ご年配の人へのプレゼントにも人気の健康と長生きを願うお守り | 健康長寿 |
| 学業守 |
学業向上や試験合格を願うお守り ※赤・青の2色展開 |
学問成就・受験合格 |
| 安産守 | 妊婦と子どもの健康を願うお守り | 安産祈願 |
| 壮気健全守 |
穏やかな生活を願うお守り ※青・紫・緑の3色展開 |
心身の健康・調和 |
| 開運守 | 福運を招き、開運を願うお守り | 総合的な運気上昇 |
さらに深く楽しむために知っておきたい出雲大社の豆知識
ここからは出雲大社を訪れる前に知っておきたい豆知識をご紹介。
出雲大社や御祭神・大国主大神にまつわるエピソードを知っておくと、参拝がさらに印象深いものになるだろう。
大国主大神ってどんな神様?
大国主大神は日本国を造り、その礎を築いた神様。
少彦名命(すくなひこなのみこと)とともに多くの知恵と力で農業・医療・温泉・建築など、土地の開拓や国土の発展を成し遂げたとされる。
また、神々の世界をまとめあげた統治者であると同時に、人々の暮らし・動植物に寄り添う慈愛に満ちた存在として数々の逸話に登場する。

日本神話に登場する「国譲り」の物語
「国譲り」の物語は、天孫降臨や天皇家の正統性を神話的に裏付けるものであり、日本神話において非常に重要なエピソードのひとつ。
物語の簡単な内容は以下の通り。
大国主大神は、地上の国「豊葦原水穂国(あしはらのみずほのくに)」を豊かに治めていた。
高天原(たかまがはら/天上の国)を治める天照大御神は地上の支配権を天孫に譲らせることを計画し、使者を送って話し合いを求めるが上手くいかない。
武神・建御雷神(たけみかづちのかみ)を派遣してきたため、大国主大神は子どもたちと相談のうえ、最終的に国を譲り渡す決意をする。
ただし単純な屈服ではなく、「立派な宮殿を与えることと」などの条件を取りつけ、大国主大神は自らの居所を出雲の地に構えた。これがのちの出雲大社である。

境内にモチーフが点在する「因幡の白兎」
「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」は、古事記に記載された神話のひとつ。
隠岐の島に住む白兎が因幡の国へ渡るため、ワニを騙して列を作らせ、背を飛び跳ねて進んで行く。
しかし、最後に口が滑って嘘をついたと話すと、怒ったワニに皮を剥がれてしまう。
苦しむ白兎は大国主大神の兄たちに「海水に浸かり風に当たれば治る」と言われ、行動に移すが傷はさらに悪化。
そこに大国主大神が正しい方法(真水で体を洗い、蒲(がま)の穂で体を包む)を教えたところ、白兎の体は元通りになった。
白兎は感謝し、大国主大神が良い伴侶を得るだろうと予言した、という有名な逸話だ。
なお、この逸話がモチーフとなった「ご慈愛の御神像」と呼ばれる大国主大神と白兎の青銅像が出雲大社にあるほか、境内には66羽もの兎の石像が点在する。

出雲大社周辺で食べ歩きを楽しむならココ!神門通り・ご縁横丁
出雲市は、地域色豊かな名物グルメが充実している。
日本三大そばのひとつで香り高い「出雲そば」、紅白の白玉が入った「出雲ぜんざい」、フグを使った伝統料理「うず煮」など、ジャンルの幅が広いのも特徴だ。
ここでは、出雲大社周辺で食べ歩きを楽しめる2つのスポットを紹介するので、参拝後にぜひ足を運んでほしい。
神門通り
国登録有形文化財でもある宇迦橋の大鳥居から、勢溜の大鳥居まで続く約700mの表参道。「神門通り」と呼ばれ、出雲大社参拝前後に訪れる人で賑わいをみせる。
出雲大社正門から宇迦橋の大鳥居を望む、この場所ならではの美しい景色もみどころのひとつだ。
古いものと新しいものが共存する神門通りには、60もの店が立ち並び、のんびりと散策するだけでも楽しい。
こちらを訪れたらぜひ食べておきたいのが出雲名物の「出雲そば」。名店が多く揃うので、食べ比べするのもお勧めだ。

ご縁横丁
出雲大社正門のすぐ前にある商業施設「ご縁横丁」。
江戸時代の長屋を思わせる木造建築の中には、島根県産の食材を使ったご当地グルメや種類豊富なみやげ物などの店が立ち並ぶ。
「日本三大そば」と称され、甘皮も一緒に挽くことでそば本来の香りが感じられる出雲そばをはじめ、高級魚の「のどぐろ」を使った寿司や海鮮丼、島根の地鶏「銀山赤どり」で作るから揚げやチキンバーガーなど、施設内には魅力的なご当地グルメが大集合。

出雲大社の周辺観光スポット3選
出雲大社の周辺にある魅力的なスポットを3つ紹介しよう。いずれも古代の出雲神話にゆかりを持つ神聖なパワースポットだ。
神々や聖地に関わる伝承が残っており、歴史の息吹を全身で感じられる。
旅行の満足感が高まるので、出雲大社の参拝後に併せて観光してほしい。
1. 稲佐の浜
出雲大社から西に徒歩15分ほどの場所にある、約2kmの砂浜海岸。
白砂青松の美しい景観から、日本の渚100選に選定されている。
古事記に記された「国譲り神話」の舞台であり、年に一度、全国の八百万の神々をお迎えする場所とされ、旧暦10月10日の夜には神迎えの神事が執り行われる。
浜の近くに「上宮(かみのみや)」という出雲大社の摂社があり、ここでは男女の縁結びをはじめ、多くの縁を結ぶ会議「神議り(かみはかり)」が行われるとされる。

2. 島根県立古代出雲歴史博物館
出雲大社や数多くの神話が残る古代出雲に関する貴重な資料が、多数展示される博物館。
中央ロビー展示では、2000年に出雲大社境内で発見された、巨大な柱「宇豆柱」を展示。テーマ別展示室は3つに分かれており、「出雲大社と神々の国のまつり」には、平安時代には巨大な高層神殿だったという出雲大社の10分の1模型が展示されている。
「青銅器と金色の太刀」では、国宝の銅剣358本と銅鐸39個がズラリと並ぶ圧巻の景色を見られる。

3. 日御碕神社
島根半島の最西端・日御碕に鎮座する神社で、『出雲国風土記』に「美佐伎社」として記されている。
正面に下の宮「日沉宮」、右手の小高い場所に上の宮「神の宮」の2つの本社からなり、日本の昼を守る伊勢神宮に対して、日本の夜を守るとされる。
花崗岩でできた鳥居の奥に朱色の楼門と権現造りの社殿があり、現在の建物は、徳川家光の命により幕府直轄工事として築かれたものだ。
朱塗りの社殿や精細な彫刻、狩野派や土佐派の画匠たちによる見事な壁画が残る。

出雲大社周辺のお勧め宿泊施設3選
最後に出雲大社周辺でお勧めの宿泊施設を3つ紹介する。
いずれも出雲大社に近い好立地なのはもちろん、和の趣を大切にしつつ現代の快適性を備えた人気のホテルだ。
静寂で落ち着いた環境が整っており、滞在中も食体験や温泉を通じて地域の魅力を堪能できる。
内容を参考に好みの施設に泊まってほしい。
1. いにしえの宿 佳雲
「出雲大社」から車で約2分のところにある贅を尽くした和の湯宿。格調の高い設えだが、ゆったりと落ち着ける雰囲気で、日本の伝統・歴史に浸る時間を愉しむことができる。
館内は出雲の伝説にインスパイアされたデザインがいたるところに。
玄関では出雲神楽面が出迎え、神話「八岐大蛇伝説」のストーリーに沿った意匠の数々も伝統の造りに彩りを添える。

2. Hotel Kararako
2023年9月に出雲大社へと続く神門通り沿いにオープンしたホテル。
「Kararako(神等楽来)」という名前には、日本中から年に一度出雲に集まる神々をもてなすようにゲストを迎えたいという思いが込められている。
館内に飾られた芸術作品は、石州和紙や石州タイルなどと絵画や彫金が融合したオリジナリティあふれるもの。
木組みが印象的な外観やエントランスの階段と合わせて自然素材や工芸品などが多用され、日本や出雲の文化を感じさせてくれる。

3. NIPPONIA 出雲大社 門前町
出雲大社前駅より徒歩約5分、出雲大社の参道から少し外れた場所に佇む「NIPPONIA 出雲大社 門前町」。
大正時代(1912年〜1926年)に建てられた診療所「旧奥医院」、邸宅をリノベーションした古民家宿だ。
モダンな建築と和の伝統美が見事に調和しており、異なる趣の全6つの客室は木の温もりや歴史的な風合いが楽しめる造りになっている。
電子機器は最小限にとどめ、静かな日本の夜を深い眠りで過ごせる環境が整う。
併設レストラン「OKU」では、地元食材を使ったシェフこだわりのフレンチ7皿を地酒とともに堪能できる。
また、手のひらサイズの「縁結びまこものしめ縄」作りなど、素敵な思い出が作れる体験プログラムも魅力。

出雲大社の口コミ
出雲大社に関するよくある質問
Q
混雑する時間帯は?
10時から15時の時間帯が1日で最も混雑します。また、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆、神在月の時期も人出が多いです。
Q
早朝・夜間の参拝はできる?
出雲大社の参拝時間は6時から19時まで(素鵞社方面は16時30分まで)です。※年末年始の開門時間は要確認
Q
雨の日でも楽しめる?
御本殿・拝殿などには屋根があるので落ち着いて参拝できます。むしろ雨の日は神秘的で縁起が良いとされ、特別なご利益にあやかれると伝わっています。
Q
子ども連れでも大丈夫?
マナーさえ守れば子ども連れでも問題ありません。境内は広く、段差が少ないためベビーカーでも移動しやすいです。
まとめ
日本を代表する古社「出雲大社」の基本情報や魅力、外せない見どころを中心に紹介してきた。
神話・歴史・自然・信仰が一体となった出雲大社は、日本文化の源流を感じられる日本人にとって特別な場所だ。
人生のきっかけとなる新しい“ご縁”が生まれる、そんな不思議な力に満ちているのでぜひ一度足を運んでほしい。
出雲市観光の楽しみ方、人気飲食店などをまとめた、こちらの記事も要チェック。















