【岡崎城の観光ガイド】徳川家康ゆかりの名城と桜の絶景に出会う

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

265年続く江戸幕府を開いた徳川家康(とくがわいえやす)。
その徳川家康が生まれた場所こそが、愛知県の岡崎市にそびえる「岡崎城」だ。
歴史の深さはもちろん、建築物としての壮大さには目を見張るものがある。
趣向を凝らした展示も見どころで、観光スポットとして楽しめる魅力が多い。
この記事では「岡崎城」の見どころや、お勧めの観光シーズンなどを詳しくご紹介。
「岡崎城」や周辺の観光スポットを訪れる前に、知っておくべき情報を把握しよう。

目次

岡崎城ってどんなところ?

「岡崎城」は愛知県の岡崎市康生町にあり、かつては三河国(現在の愛知県における東半部)岡崎藩と呼ばれた地にある。
織田信長(おだのぶなが)、豊臣秀吉(とよとみひでよし)と並んで三英傑と呼ばれる徳川家康の出生地として知られ、別名では「龍ヶ城」とも呼ばれる。
「岡崎城」は日本100名城に選ばれており、歴史や文化財としての重要性が高く評価されている。
「岡崎城」を中心とした歴史公園である「岡崎公園」は10haの広さを誇り、日本さくら名所100選に選ばれるほどの桜の名所だ。
桜が見頃を迎える季節になると、「岡崎公園」や「岡崎城」は国内外を問わず多くの観光客で賑わいを見せる。
歴史の深い建築物や自然の景色が大きな魅力だが、資料館や「岡崎城」内の充実した展示も見どころのひとつ。
お城や歴史に知識がなくても、楽しめる見どころが多い名城だ。
「岡崎公園」には食事処も充実しているので、観光に疲れたらお腹を満たしながら休憩するのもお勧め。

岡崎城の歴史

「岡崎城」の歴史は西郷頼嗣(さいごうよりつぐ)によって築城されたことから始まる。
現在の「岡崎城」とは場所も違い、かつては今の明大寺の辺りに建てられたとされている。
その後は徳川家康の祖父である松平清康(まつだいらきよやす)が現在の場所に移し、「岡崎城」と呼ばれるようになった。
別名「龍ヶ城」とも呼ばれる「岡崎城」は龍と縁が深く、竹千代(たけちよ、後の徳川家康)が生まれた際には黒雲と風を招く金色の龍が現れ、昇天したとする逸話も伝えられている。

日本100名城に選ばれるほどの名城「岡崎城」
日本100名城に選ばれるほどの名城「岡崎城」

岡崎城へのアクセス

愛知観光の移動拠点となる「JR名古屋駅」を起点とした、「岡崎城」へのアクセスを紹介しよう。

経路
1.「JR名古屋駅」から「名鉄名古屋駅」へ歩いて移動
2.「名鉄名古屋駅」で特急に乗車し、「東岡崎駅」で下車
3.「東岡崎駅」から歩いて15分ほど
所要時間
約1時間

岡崎城の利用料と開館時間

「岡崎城」の開館時間と入館料は、下記の表にまとめたので、参考にしてほしい。
12月29日〜31日は休館日となっているため、年末に訪れる方は気をつけよう。
「岡崎公園」は24時間開放されており、入場料はかからない。

開館時間
9:00〜17:00(最終入館は16:30)
入館料
・大人(中学生以上):300円
・5歳以上:150円

岡崎城のお勧め観光シーズンは?

「岡崎城」へ観光するなら、ぜひ春に訪れてほしい。
「岡崎城」を含めた「岡崎公園」は、日本さくら名所100選に選ばれるほどの桜の名所だからだ。
桜の見頃になると、「岡崎公園」とその周辺にかけて800本もの桜が咲き誇る圧巻の景色が一面に広がる。
「岡崎城」と桜の風光明媚な情景を始め、近くを流れる川とのコントラストも見どころだ。
「岡崎公園」で開催される桜まつりも見逃せない。
桜の開花状況によって変更されることはあるものの、例年3月の終わり頃から4月の初め頃に開催される。
ライトアップも見どころのひとつで、夜桜が醸し出す幻想的な美しさで人気を集めている。
なお、桜の見頃は3月下旬から4月上旬だ。

桜と名城のコラボレーションを満喫しよう
桜と名城のコラボレーションを満喫しよう
ライトアップや屋台の明かりで照らされる岡崎城
ライトアップや屋台の明かりで照らされる岡崎城

見どころ盛りだくさんの「岡崎城(天守閣)」

何度も再建された「岡崎城」だが、現在の形は1959年に復興されたもの。
「岡崎城」における最大の特徴は鉄筋コンクリート製の3層5階建ての建築と、櫓などが江戸時代(1603年~1868年)の構造のまま再現されていること。
「岡崎城」は各フロアに魅力的な展示が設置されている。
1階は石垣に囲まれた穴蔵になっており、旧天守の柱を支える礎石が観察できる。
2階では「岡崎城」の成り立ちを基本に、江戸時代(1603年~1868年)に制作された模型や絵図を通して「岡崎城」に関する資料などを展示。
交通の要所であった城下町の賑わいをARやジオラマで体験できるのが3階の特徴で、伝統産業が栄えた背景なども勉強できる。
4階は体験型のシアターになっており、床面や壁面に城下町の映像が投影される。
没入感のある空間で、現在と当時の暮らしの違いを比較しながら楽しめる。
展望室となっている5階では岡崎市を見渡せる大パノラマが広がっており、美しい街並みを一望できる。

1階から5階まで見どころ盛りだくさんの天守閣
1階から5階まで見どころ盛りだくさんの天守閣

徳川家康の歴史と魅力に触れられる!岡崎公園の見どころ5選

「岡崎公園」の見どころは、天守閣だけではない。
「岡崎公園」内には「岡崎城」の歴史や逸話にまつわる観光スポットがたくさんあり、一部は開運スポットにもなっている。
様々な角度から「岡崎城」を楽しみつつ、その歴史を学んでみよう。
ここからは「岡崎公園」に数ある見どころの中でも、特に外せないスポットを厳選して紹介する。

1. 徳川家康の一生を学べる「三河武士のやかた家康館」

「三河武士のやかた家康館」では、徳川家康の出生から天下統一までを常設展として5つのコーナーで紹介しながら、季節に応じた企画展も実施している。
刀剣や甲冑などが展示されており、試着や兜などの重さを体験できるコーナーもある。当時を生きた武士たちの姿や生活を肌で感じてみよう。

今の日本に続く時代を作った徳川家康について学んでみよう
今の日本に続く時代を作った徳川家康について学んでみよう

2. 開運・出世のパワースポット「東照公産湯の井戸」

竹千代(後の徳川家康)が「岡崎城」で生まれた際、「東照公産湯の井戸」の水を産湯に使ったとされる。
後に徳川家康が大成したことから開運スポットとしても知られ、開運や出世のご利益があると言われている。
井戸の水を汲み上げて触れるようになっており、「岡崎公園」の見どころのひとつだ。

徳川家康のように出世がしたい方はぜひ訪れてほしい
徳川家康のように出世がしたい方はぜひ訪れてほしい

3. 敗戦後の姿を残した「しかみ像」

徳川家康を模した「しかみ像」は顔をしかめつつ、頬杖をついている外見が特徴的。
この「しかみ像」は岡崎市の彫刻師が制作し、2007年に寄贈された。
これは徳川家康の三大苦難として知られる三方ヶ原(みかたがはら)の合戦の折、敗走した自分の姿を絵師に描かせて保管し、教訓にしていたという逸話がベースになっている。
この逸話における絵を立体化したのが「しかみ像」で、失敗から教訓を得ようとする徳川家康の内面性が見て取れる。
とはいえ、この逸話には疑問点も多く、実際の出来事ではないとする見方も強まっている。

敗戦後の姿をわざわざ絵する逸話から徳川家康の人間性を知ることができる
敗戦後の姿をわざわざ絵する逸話から徳川家康の人間性を知ることができる

4. 歴史的価値も高い「清海堀」

創築者である西郷頼嗣の法名(仏教の僧としての名前)、清海入道から名付けられた「清海堀」(せいかいぼり)は水が入っていない空堀で、敵や動物が城へ侵入するのを防ぐ役割を持つ。
戦国時代(1467年~1615年)においては、石垣造りの堀を持つ城は珍しかった。
現在の石垣の高さは9mほどだが、当時は12mあったとされる。
内側が曲がっているのも特徴で、まさに行く手を阻む壁としての壮大さが実感できる。

目の当たりにするとその大きさに圧倒されるだろう
目の当たりにするとその大きさに圧倒されるだろう

5. 徳川家康と部下が祀られる「龍城神社」

「岡崎公園」内、「岡崎城」の隣に鎮座する「龍城神社」(たつきじんじゃ)は、徳川家康と本多忠勝(ほんだただかつ)を祭神として祀っており、出世や開運などのご利益があるとされる。
1876年、「岡崎城」内にあった徳川家康を祀る「東照宮」と本田忠勝を祭神とする「映世神社」(えいせいじんじゃ)を合祀して「龍城神社」とし、社殿が造営された。
厳かでありつつも迫力が感じられる外観が魅力的だ。多くの参拝客を集めているが、特に正月には大きな賑わいを見せる。

天守閣の観光前に徳川家康に参拝していこう
天守閣の観光前に徳川家康に参拝していこう

岡崎城と合わせて巡りたい徳川家康ゆかりの観光スポット3選

愛知県には「岡崎城」だけでなく、徳川家康ゆかりの観光スポットがたくさんある。
これから紹介する観光スポットも徳川家康と深いゆかりを持つスポットばかりだ。
ぜひ、「岡崎城」と合わせて巡ってみてほしい。

1. 名古屋城

江戸幕府を開いた徳川家康の命により、江戸時代初期に築かれた日本最大級の城郭。
5重の屋根がある天守閣の頂には雌雄2体の金鯱が輝いており、名古屋のシンボルとなっている。
1615年に藩主の住まい、政治の場として創建された本丸御殿も見ごたえがある。
1945年、戦火により天守閣とともに焼失したが2009年から木造復元工事が進められ、2018年に完成公開を果たしている。

2体の金鯱が光り輝く天守閣と、障壁画に彩られた荘厳な本丸御殿
2体の金鯱が光り輝く天守閣と、障壁画に彩られた荘厳な本丸御殿

2. 犬山城

全国で5つのみの国宝に指定されている天守は、現存最古といわれ前期望楼型天守の特徴を備えていることで有名。
室町時代の1537年、織田信長の叔父、織田信康によって建てられたといわれる。後方を木曽川に守られた小高い山の上に建つ「後堅固の城」。
城下町と一体となり、交易や政治、経済の要衝として重要な拠点となった。
尾張と美濃の国境に位置していたことから、戦国時代には、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康もこの城を奪おうとし、次々と城主が変わった。

国宝5城のひとつ、古風な木造天守をもつ断崖に建つ城
国宝5城のひとつ、古風な木造天守をもつ断崖に建つ城

3. 徳川美術館

尾張徳川家に受け継がれてきた宝物の数々を所蔵し公開する美術館。
19代当主徳川義親が大名文化を後世に伝えることを目的として、1935年に開館した。
徳川家康から尾張徳川家に分与された刀剣、武具、茶道具、能道具などの名品たち。さらには尾張徳川家歴代当主や夫人たちの遺愛品なども加えて、1万件余りの大名道具・美術品のコレクションを所蔵している。

御三家筆頭 尾張徳川家の格式と威厳を伝える名品の数々を展示
御三家筆頭 尾張徳川家の格式と威厳を伝える名品の数々を展示

岡崎城に関するよくある質問

Q

岡崎城の桜の見頃はいつ?

A

3月下旬から4月上旬とされています。

Q

岡崎城の魅力と見どころは?

A

鉄筋コンクリート製の3層5階建ての建築と、趣向を凝らした各フロアの展示物が見どころです。

まとめ

この記事では「岡崎城」を基本に、「岡崎公園」の見どころを詳しく紹介してきた。
壮大な「岡崎城」の建築はもちろん、趣向を凝らした展示物や「岡崎公園」内に点在する観光スポットの豊富さが魅力だ。
桜が見頃を迎える春を目標に、ぜひ「岡崎城」へ観光してみてほしい。
なお、下記の記事では愛知県における魅力的な観光スポットの数々を紹介している。
合わせてチェックしておくと良いだろう。