【日本の牛乳ガイド】美味しさの理由・選び方・人気の牛乳がわかる!

【日本の牛乳ガイド】美味しさの理由・選び方・人気の牛乳がわかる!

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

世界中のほとんどの国・地域で親しまれている牛乳だが、日本の牛乳が”美味しい”と訪日観光客の間で密かに話題になっている。
「濃厚」「新鮮」「どこで買っても外れがない」しかも「入手しやすい価格」といった声が多く、日本の牛乳に興味を持っている人も多いだろう。
この記事では、日本の牛乳が美味しい理由から、選び方、全国的に有名なブランド、ご当地牛乳、日本人の楽しみ方まで紹介していく。
最後まで読めば、日本旅行中に最高の”牛乳体験”ができるだろう。

日本の牛乳の特徴と美味しい理由

「新鮮で濃厚ながら、すっきりとした味わい」。
この日本の牛乳の特徴はどこからくるのだろう。
牛乳パック表示欄の「原材料名:生乳100%」という記載に注目して欲しい。
生乳とは、牛から搾ったままの乳。それに何も加えず何も除去しない、殺菌しただけのものを「牛乳」と呼んでいる。
つまり日本の牛乳は、自然の恵みそのままであることこそが、そのおいしさの原点と言える。
その「“新鮮なおいしさ”を消費者に届ける」ために酪農家や、毎日酪農家へ通い新鮮な生乳を集乳するミルクタンクローリー、クーラーステーション、そこから届けられた生乳を製品化する各乳業メーカー、そして製品を消費者に着実に届ける流通等の各プレイヤーが、それぞれ懸命の努力をしている。

製造日から約1~2週間、開封後は2日前後という厳しい賞味期限

新鮮な牛乳だからこそのこの濃厚な味わいは、一方で栄養が豊富な分、細菌が増殖しやすいという課題も同時に抱えているが、各プレイヤーがそれぞれの各段階で品質検査や製造設備等の厳しい衛生管理体制を敷いて対応している。
結果的に、日本で一般的な「チルド牛乳」の賞味期限は短くならざるを得ず、製造日から約1~2週間、開封後は2日前後となる。
ただ、異なる殺菌方法やパッケージを採用した「ロングライフ牛乳」の賞味期限は未開封であれば常温(外気温以下)で2~4カ月程度となる。

日本では賞味期限の短いチルド牛乳が一般的
日本では賞味期限の短いチルド牛乳が一般的

北は北海道から南は九州まで、牧場は日本中に存在

気候差の激しい日本列島には全ての都道府県に様々な牧場が存在する。
与える飼料はもちろん、牧場の自然環境、季節環境変動による影響で生乳の味は変わっていく。
“新鮮なおいしさ”を届けるため、日本ではその地域の牧場の近くの工場で製品化されることが多いが、このような安全・安心への取り組みに対する姿勢はどこも変わらず、日本ではどこでも新鮮で濃厚、そしてすっきりとした味わいの牛乳が楽しめると言えるのだ。

日本各地に存在する牧場はいずれも安全・安心への取り組みに注力している
日本各地に存在する牧場はいずれも安全・安心への取り組みに注力している

日本の牛乳はどこで買えるの?

日本ではスーパーやコンビニエンスストアなど、全国各地で手軽に様々な種類の牛乳を購入できる。特にデパートの食品売り場や成城石井などの高級スーパーでは品ぞろえが豊富。
サイズは200ml・500ml・1ℓの3種類が一般的で、用途に応じて選べるのも嬉しいポイント。
値段は店舗・地域によって異なるが、150円~350円程度が一般的だ。

どこでも手軽に美味しい牛乳を購入できる
どこでも手軽に美味しい牛乳を購入できる

購入前に知っておきたい日本の「牛乳」の選び方

一口に牛乳と言っても、非常に多くの種類があるので選ぶ際に迷ってしまうだろう。
パッケージ・メーカーで決めるのも良いが、好みやシチュエーションに応じて最適なものが見つけられるように、牛乳の容器には様々な情報が記載されている。
日本で牛乳を購入する際は、これから紹介する2つの選び方を参考にしてほしい。

1. 種類別名称を見て「牛乳」を選ぶ

各売場の牛乳コーナーは、どこも牛乳だけ陳列されている訳ではない。
まずはパッケージの種類別名称を確認することが大事。
「牛乳」とは、生乳を100%使用し水や添加物を一切加えずに作られており、成分規格では「乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上」と定められている。ここは要チェックポイントだ。
参考までに生乳100%ではあるが、生乳から成分(水分、乳脂肪分、ミネラル等)の一部を除去したものを「成分調整牛乳」という。無脂乳固形分のみ、8.0%以上と定められている。
さらに、より脂肪分を減らしたものは「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」と分類されているものもある。
また、生乳に脱脂粉乳や乳製品(バターやチーズなど)、生クリームなどを加えて風味や栄養成分を調整したものや生乳を原料としたバターや脱脂粉乳などの乳製品を加工したものを「加工乳」という。
加工乳は、水や糖分などの乳製品以外の添加物は基本的に使えず、無脂乳固形分のみ8.0%以上と定められている。
さらに「乳飲料」は、牛乳や乳製品を主体としつつも、それ以外の成分(ビタミン・ミネラル・果汁など)を加えたもの。例えば、ミルクコーヒーやいちごミルクなどは、乳飲料となる。
乳固形分は3.0%以上の規定があり、栄養強化や嗜好性向上のための成分が入っていることが多く、特定のニーズに応じたバリエーションがある。
売場には非常に多くの紙パックの商品があるので選ぶ際に迷ってしまうだろうが、まずはキッチリ「牛乳」を選択することが第一歩だ。
ちなみに牛乳パックの上部に「小さな凹み」がついていたら、500ml以上の「牛乳」である。

小さな凹みのある牛乳パック
小さな凹みのある牛乳パック

2. 生乳の殺菌方法で選ぶ

日本で市販されている牛乳の9割以上が、生乳を120~150 ℃ で2~3秒間加熱殺菌する超高温瞬間殺菌法(UHT)で処理されている。
しかし、他にも63〜65℃で30分加熱殺菌する低温保持殺菌法(LTLT)等もあり、殺菌方法によって味、特に風味ついては大きく異なる。
まずはパッケージの表示を確認しよう。何度で何秒殺菌しているか、記載があるはずだ。

パッケージに表示されている殺菌の秒数も確認してみよう
パッケージに表示されている殺菌の秒数も確認してみよう

全国的に有名な日本の牛乳ブランド

大手から中小メーカー、地域限定の流通品まで含めると日本には、少なくとも100~200近くの牛乳ブランドがあると言われている。
なかでも、明治製糖が1917年に房総煉乳に資本参加したことにより始まる「明治」、1925年設立の北海道製酪販売組合から続く「雪印メグミルク」、1917年に設立された日本煉乳を祖とする「森永乳業」が有名ブランドとして国内で広く認知されている。

有名なブランドと合わせて様々なブランドの牛乳も飲み比べてみよう
有名なブランドと合わせて様々なブランドの牛乳も飲み比べてみよう

コンビニ・スーパーで購入できる日本でメジャーな牛乳3選

ここでは日本で有名な「明治」「雪印メグミルク」「森永乳業」の商品の中でも、コンビニエンスストアやスーパーで手に取りやすく、日本でメジャーな牛乳を紹介しよう。
その他にも会社やブランドごとに様々な種類の牛乳があるので、ぜひ飲み比べて味の違いを楽しんでほしい。

1. 明治おいしい牛乳

「明治おいしい牛乳」は、牧場で飲む搾りたての新鮮な味わいを再現したプレミアム感のある牛乳。
独自の「ナチュラルテイスト製法」により嫌な臭いを防ぎ、生乳本来のさわやかな香りとまろやかなコク、ほのかな甘みを感じられる。
すっきりかつクセがない後味は飲みやすく、牛乳が苦手な人・子供からも好評だ。
また、独自のリキャップできる「新鮮こだわりパック」は、開封するまで中身が直接空気と触れにくく、遮光性に優れている容器であるため、新鮮な牛乳の香りを保持し、おいしさをキープしている。

明治おいしい牛乳(900ml)
明治おいしい牛乳(900ml)

2. 雪印メグミルクおいしい牛乳

生乳本来の美味しさにこだわった「雪印メグミルクおいしい牛乳」は、牧場で飲むようなクセがなく、好ましい香りと後味を再現した牛乳。
「低温脱気製法」と呼ばれる独自技術を使い、酸素を除去した後に殺菌することで、加熱による味の変化を抑えて新鮮なおいしさを保つ。
さらに「赤い遮光パッケージ」が、風味の変化に影響を与える光から効果的に牛乳を守る。
これら2つの「おいしさW技術」によって、口に入れた後に広がるミルクの香りから最後の濃厚な余韻まで、味わいが変化しながらずっと楽しめるのが魅力だ。

雪印メグミルクおいしい牛乳(1ℓ)
雪印メグミルクおいしい牛乳(1ℓ)

3. 森永のおいしい牛乳

「森永のおいしい牛乳」は、自然な美味しさをそのまま届ける生乳100%の成分無調整牛乳。
蒸気を用いて生乳をやさしく包み込む独自の「FTP(Fresh Taste Process)製法」を採用し、牛乳本来の「コクがあるのに、すっきりとしたキレのある味」を楽しめるのが特徴だ。
牛乳に含まれる脂肪球の大きさにもこだわっており、通常よりもやや大きめにすることでコクを引き出している。
また、遮光性に優れた濃いブルーのパッケージは、牛乳の劣化・風味を防ぎ鮮度を保つ効果がある。

森永のおいしい牛乳(1ℓ)
森永のおいしい牛乳(1ℓ)

全国各地に存在するユニークなご当地牛乳

ご当地牛乳とは、特定の地域で生産しているその土地ならではの牛乳を指す。
各地域それぞれに、地元の酪農家や乳業メーカーが生乳から作っている「ご当地牛乳」が存在する。
基本的にご当地牛乳の方が搾乳~流通までの距離・時間が短いので、新鮮な状態で飲める可能性が高い。
様々なこだわりが味の違いとなって表れ、風味・独自の個性が際立つのも特徴だ。
地域色・生産者の特色が反映された可愛いパッケージも注目のポイント。
一例として、2つのご当地牛乳を紹介しよう。

1. 佐渡牛乳

島のシンボル・朱鷺のパッケージデザインが印象的な「佐渡牛乳」は、「トキパック」の愛称で親しまれる新潟県のご当地牛乳である。
一般的な牛乳よりも低温(75℃で15秒)で殺菌することで、生乳本来の風味や栄養をより多く残し、クセと臭みのない「さらっとした飲み口」が特徴だ。
また、佐渡島内の全酪農家は厳しい審査を通過した「クリーンミルク生産農場」の認定を受けており、質の高い牛乳として信頼を得ている。

印象的なパッケージの佐渡牛乳
印象的なパッケージの佐渡牛乳

2. 夕しぼり

「夕しぼり」は、夕方に搾った生乳だけを使用した愛媛県のご当地牛乳。
夕方搾乳の生乳は朝方搾乳に比べて乳脂肪分や無脂乳固形分が高く、より濃厚なコクと風味が感じられるのが大きな特徴だ。
搾乳後24時間以内に自社工場で殺菌・パック詰めすることで、搾りたてに近いフレッシュな味わいを楽しめるのも魅力。
さらに、製法に頼らずに鮮度・生乳本来の美味しさに強いこだわりを持ち、牧場は飼育管理に優れた県内の3軒に限定している。

夕方に搾った生乳だけを使用した夕しぼり
夕方に搾った生乳だけを使用した夕しぼり

日本人ならではの牛乳の楽しみ方に挑戦してみよう

日本人は牛乳を単に飲むだけでなく、食文化や生活習慣に根ざした様々なシチュエーションを通じて多面的に味わっている。
そのまま飲んでももちろん美味しいのだが、カフェオレ・バナナスムージーといったアレンジドリンク・食べ物とのペアリングなど、ひと工夫を入れるパターンも人気だ。
ここでは多くの人が実践しており、気軽に挑戦できる楽しみ方を紹介しよう。

お風呂上がりの1杯を楽しむ

日本では1955年頃から銭湯などの入浴施設に牛乳が置かれるようになり、今ではお風呂上りに牛乳を飲む文化が定着している。
温まったあとにキンキンに冷えた牛乳を飲み干す瞬間は格別で、まさに日本人の心と体を満たす至福のひととき。
渇いた喉を潤すと同時に、たんぱく質やカルシウムといった栄養をすばやく補給できるのも嬉しいポイントだ。
また、昔懐かしいガラス瓶がレトロ感を演出し、普段とは違った気分を味わえるのも魅力。
腰に手を当てながら飲むのが世代を超えた伝統的なスタイルだ。
銭湯などで入浴したら、ぜひ伝統的なスタイルで牛乳を飲んでみてほしい。

日本人の伝統的なスタイルで牛乳を味わってみよう
日本人の伝統的なスタイルで牛乳を味わってみよう

様々な食べ物との組み合わせを楽しむ

日本人は、牛乳と様々なものとの食べ合わせを楽しんでいる。
ここでは2023年に「ミルクランド北海道(事務局:ホクレン農業協同組合連合会)」が実施した牛乳に一番合う食べ物を決める「牛乳飲みてぇ!牛乳の相方総選挙」のランキングでTOP3に入った食べ物を順番に紹介しよう。
全10万票を超える投票の結果で選ばれた王道の組み合わせなので、日本に訪れた際に試してみてほしい。

1. あんぱん

ランキングで1位に輝いた牛乳とあんぱんは、日本人の定番の組み合わせだ。
あんこのコクやパンのもちっとした食感を牛乳のマイルドな風味がふんわりと包み込み、後味を軽やかにしてくれるのでしつこさを感じずに食べやすい。
また、あんこの甘みは牛乳の乳脂肪分によって丸みを帯び、こしあんのなめらかさあるいは、粒あんのつぶつぶ感がまるでクリームのように口の中で溶け合う感覚を楽しめる。

あんぱんはコンビニやスーパーでも購入できるため挑戦しやすい
あんぱんはコンビニやスーパーでも購入できるため挑戦しやすい

2. クッキー

クッキーのザクザク、サクサクとした歯ごたえに牛乳のまろやかなコクが加わると、より豊かな満足感を得られる。
牛乳のクリーミーな風味とマイルドさがクッキーの旨みを引き立てるとともに、後味が甘すぎる感覚を和らげ、口当たりをなめらかに整えるのが特徴だ。
それぞれの様々な種類があるので、複数の組み合わせで違った味わいを楽しむのもお勧め。

様々な種類のクッキーとの食べ合わせを楽しもう
様々な種類のクッキーとの食べ合わせを楽しもう

3. ドーナッツ

ドーナッツのふわふわ、もくしはしっとりとした生地に牛乳を合わせると、口の中で心地よい一体感が生まれる。
牛乳の自然なコクがドーナッツの甘さ・油っぽさを和らげるため、一口ごとに美味しさが引き立ち豊かな味わいを楽しめる。

ドーナッツのお供にもなる牛乳
ドーナッツのお供にもなる牛乳

「ミルクスタンド」でご当地牛乳を立ち飲み

東京へ訪れる機会があれば、ミルクスタンドに立ち寄ってみよう。
ミルクスタンドでは、ビン入りの牛乳と菓子パンを購入し、近くのテーブルで立ち飲み・立ち食いできる。
全国的に有名なブランドの牛乳だけでなく、全国各地のご当地牛乳まで取り揃えており、コンビニやスーパーでは手に入らない牛乳を味わえるのも魅力のひとつ。
ミルクスタンドでビンの牛乳を購入すると、販売員が素早くビンの蓋を開けて渡してくれるのだが、その手際の良さにも注目してほしい。
ミルクスタンドは、JR「秋葉原」の総武線5・6番線ホームと、JR「御徒町駅」の北口改札を出てすぐの場所にある。
ご当地牛乳を味わうだけでなく、「ミルクスタンドで飲む」という体験自体そのものも楽しんでほしい。

飲める機会が減っているビン入りの牛乳に出会えるのも嬉しい
飲める機会が減っているビン入りの牛乳に出会えるのも嬉しい

日本の牛乳は持ち帰ってもいいの?

国際線の飛行機には、機内への液体持ち込み制限がある。
100mlを超える容器に入った牛乳は持ち込めないため、スーツケースに預け入れる必要がある。
ただ、日本国内で購入した牛乳は、持ち込みを禁止している国がある。
無申告で持ち帰ると罰金が科される場合もあるため、注意が必要だ。
規制内容は国によって異なるので、自国の食品衛生や動物検疫の規制を事前に確認してほしい。
また、チルド牛乳は、常温で長時間持ち歩くと菌が増殖して風味が落ちたり、腐敗したりする可能性がある。
特に夏場は数時間で傷む可能性が高いため、注意してほしい。
日本の牛乳はその場で飲み切れるサイズを購入し、新鮮な状態で楽しもう。

日本の牛乳は持ち帰れないので注意してほしい
日本の牛乳は持ち帰れないので注意してほしい

日本の牛乳に関するよくある質問

Q

日本の牛乳の原料は?

A

日本の牛乳は生乳(国産原料乳100%)を原料としています。生乳の鮮度・味わいを保つために工場で様々な処理後、安全性を確保した牛乳が家庭や店舗に届けられます。

Q

日本の牛乳はどこで買える?

A

コンビニエンスストア・スーパーなど、全国各地で手軽に購入できます。

まとめ

この記事では、日本の牛乳の特徴や成分表の見方、日本人ならではの楽しみ方などを紹介してきた。
国内産生乳のみを使い、厳格な品質・衛生管理下で作られる日本の牛乳は搾りたてに近い新鮮さと濃厚さを味わえる。
メーカーごとにこだわりの独自製法を採用し、それぞれに異なる美味しさがあるのも特徴だ。
日本に訪れたら、ぜひ牛乳を飲んでその違いを肌で感じてほしい。

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