阿智神社

海の守り神で、交通や交易の安全を司る神「宗像三女神」を主祭神とし、倉敷美観地区の一角である鶴形山の山頂に鎮座する。渡来した阿知使主の一族が、この周辺に定住したため「阿知」という地名が生まれ、神社の社号の由来にもなったと伝えられている。

境内には、盤境・盤座と呼ばれる巨岩や奇岩が点在している。特に本殿西側の鶴亀の盤境は古代庭園とも呼ばれる。日本古来の信仰と大陸からの思想が融合した様式のため、渡来した一族によって築かれたのではないかともいわれている。

樹齢300年とも500年ともいわれる古木「阿知の藤」は、「あけぼの藤」という品種で、4月下旬から5月上旬にかけて、淡いピンクの花を咲かせる。衰えていく樹勢に歯止めをかけようと、専門の樹木医による樹勢回復治療が行われ、現在は棚一面に花房をつけるまでに回復した。

能舞台のほか、かつては倉敷川沿いにあったという高灯篭や境内社もあり、標高43mの山の上にある絵馬殿からは倉敷美観地区が見渡せる。