【猪苗代湖の観光ガイド】湖と山々が織りなす雄大な自然景観を満喫

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

磐梯山」(ばんだいさん)の美しい姿を湖面に映すことから、「天鏡湖」とも称される「猪苗代湖」(いなわしろこ)。
四季折々で移り変わる景観やマリンスポーツが人気とあって、福島県でも有数の観光スポットだ。
この記事では「猪苗代湖」の見どころに加え、観光にお勧めのシーズンを季節ごとの魅力と一緒に紹介する。
季節によって異なる魅力を持つ「猪苗代湖」だが、訪れるべき季節が見えてくるはずだ。

目次

猪苗代湖ってどんなところ?

福島県の中央部に位置し、猪苗代町と会津若松市、郡山市の3つにまたがるのが「猪苗代湖」だ。
面積は103㎢、深度は93mにもなる日本において4番目に大きい湖だ。
なお、海水と淡水が混在する汽水湖である「サロマ湖」を除けば、淡水湖としては3番目の大きさを誇る。
四季折々の景観を見られることが「猪苗代湖」の最大の魅力だが、近くにそびえる「磐梯山」も季節ごとに美しい姿を見せる。
「磐梯山」の美しい姿を湖面に映すことから「猪苗代湖」は、「天鏡湖」と呼ばれるほど、自然景観を望むうえで両者の相性は抜群だ。
寒さが厳しい冬の時期に見られるしぶき氷は、「猪苗代湖」の大きな見どころ。
しぶき氷とは「猪苗代湖」の波しぶきが強い風に吹かれて、岸辺の樹木に着氷したもの。日本国内ではかなり珍しい現象で、神秘的な見た目をしている。
「磐梯山」をはじめとする、自然景観を眺めながら湖上散歩が楽しめる遊覧船も見逃せない。

一面に広がる美しい景観を見ながらゆっくり湖周辺を散策してみよう
一面に広がる美しい景観を見ながらゆっくり湖周辺を散策してみよう

知れば観光がさらに楽しくなる猪苗代湖に関する逸話

「猪苗代湖」には唯一、北西部に「翁島」(おきなじま)という島が存在する。
「翁島」の名前の由来にはいくつかの逸話があるが、真言宗の開祖にして弘法大師の諡(おくりな)で有名な、空海が登場するものが有名だ。
逸話は「おきな」という貧しい女性が水を欲していたお坊さんに対し、米のとぎ水を快く与えたことに始まる。
その後「磐梯山」が噴火し、辺り一面が沈んでしまう事態に。
ところが、「おきな」の住む場所だけが水没せず島になった。
これが由来となって「翁島」と呼ばれるように。このお坊さんが空海だったとされている。

猪苗代湖に伝わる逸話にも思いを馳せながら観光してみよう
猪苗代湖に伝わる逸話にも思いを馳せながら観光してみよう

猪苗代湖へのアクセス

福島観光の移動拠点となる「仙台駅」を起点に、「猪苗代湖」へのアクセスを紹介しよう。
観光する時間をできるだけ削りたくない方は、割高だが新幹線を利用することをお勧めする。

経路
1.「仙台駅」で東北新幹線に乗車し、「郡山駅」で下車。
2.「郡山駅」で磐越西線(快速でも可能)に乗車し、「猪苗代駅」で下車。
3.「猪苗代駅」から歩いて10分ほど。
所要時間
約2時間

季節によって異なる猪苗代湖の魅力と見どころ

「猪苗代湖」を訪れるなら、最もお勧めしたい観光シーズンは冬だ。
「猪苗代湖」ならではの自然景観が楽しめる。
とはいえ、冬以外にも自然が作り出す絶景など、季節ごとの魅力が「猪苗代湖」にはたくさんある。
これから紹介する各季節の見どころや魅力を参考にして、観光する時期を決めてほしい。

桜・山・湖を同時に望む日本情緒あふれる景観「春の猪苗代湖」

春の「猪苗代湖」の魅力と言えば、日本の象徴とも言える桜と磐梯山、「猪苗代湖」を同時に楽しめる景観だろう。
「猪苗代湖」の湖畔にある、舟津公園付近から眺める景観は実に美しい。
桜の本数は多くはないものの、日本情緒を堪能できるはずだ。
「猪苗代湖」周辺では、特に「観音寺川」(かんのんじがわ)の桜並木が絶景だ。
1kmほどのエリアにソメイヨシノやシダレザクラが咲き誇り、桜のトンネルを作り出す。
「観音寺川」のせせらぎを聞きながら、鑑賞する桜にはこの上ない風流がある。
なお、桜の見ごろは4月下旬から5月上旬とされている。

日本情緒を感じられる猪苗代湖の春の景観
日本情緒を感じられる猪苗代湖の春の景観
観音寺川の桜並木も合わせて鑑賞してみよう
観音寺川の桜並木も合わせて鑑賞してみよう

アクティビティと表情を変える景観を楽しめる「夏の猪苗代湖」

夏の「猪苗代湖」では湖水浴をはじめ、マリンスポーツやキャンプなどを楽しめる。
身体を動かして楽しみたい人にはもってこいの季節だ。
「猪苗代湖」にはいくつかの砂浜があり、湖水浴は夏の風物詩となっている。
海水浴と違い、身体がべたつかない点が魅力として人気を博している。
「猪苗代湖」の湖畔はキャンプ場も充実しており、エリアによっては予約も不要。
昼間はアクティビティを楽しみながら、1日の中で移り変わる「猪苗代湖」の姿を満喫できるのは大きな見どころと言える。

湖水浴をはじめとするアクティビティを楽しもう
湖水浴をはじめとするアクティビティを楽しもう
時間の経過によって表情を変える猪苗代湖
時間の経過によって表情を変える猪苗代湖

紅葉の帷が下りた山々が織りなす絶景「秋の猪苗代湖」

燃えるような赤やオレンジに色づく紅葉の季節、秋の「猪苗代湖」も素晴らしい。
見た目のインパクトも大きく、壮大な自然景観を目にしたいのなら秋に訪れてみてほしい。
風光明媚な景色の中に、力強さを感じられる魅力がある。
「猪苗代湖」の周辺には、車で10分ほどの地点に紅葉の名所として名高い「土津神社」(はにつじんじゃ)がある。
紅葉の絨毯が敷かれたような空間に広がる紅葉と、青い空とのコントラストには言葉を失ってしまうほど。
紅葉の見頃は10月下旬から11月中旬と言われている。
秋の「猪苗代湖」を観光するなら、特にこの時期を狙って訪れてほしい。

周囲の山々が美しく色づく秋の猪苗代湖
周囲の山々が美しく色づく秋の猪苗代湖
周囲の紅葉スポットもぜひ巡ってほしい
周囲の紅葉スポットもぜひ巡ってほしい

白鳥としぶき氷が見どころの「冬の猪苗代湖」

冬になると、「猪苗代湖」にはシベリアから3000羽ほどの白鳥がやって来る。
こうして飛来する白鳥は国の天然記念物にも指定されており、貴重な姿を目の当たりにできる。
夕暮れで光る湖面に集まる白鳥はどこか幻想的で、絶好のシャッターチャンスになるだろう。
白鳥を驚かせないようにしながら、写真撮影に挑戦してほしい。
なお、白鳥は12月頃から集まり始め、2月頃がピークとされている。
冬の「猪苗代湖」では、しぶき氷も有名だ。
強い風に吹かれた波しぶきが樹木に着氷したもので、独特な姿には引き込まれるものがある。
しぶき氷は日本国内においてかなり珍しい現象なので、忘れずにチェックしてほしい。

磐梯山と猪苗代湖を背景した白鳥はなんとも美しい
磐梯山と猪苗代湖を背景した白鳥はなんとも美しい
珍しい現象であるしぶき氷も必見だ
珍しい現象であるしぶき氷も必見だ

猪苗代湖の周辺観光スポット5選

「猪苗代湖」での散策やレジャーを満喫したら、合わせて訪れてほしい周辺の観光スポットを紹介する。
「猪苗代湖」周辺の観光スポットでは、美しい自然景観を見られるだけでなく、文化施設も多く、様々な楽しみ方ができる。
これから紹介する内容を参考にしながら、1日の観光スケジュールを組み立ててほしい。

1. 野口英世記念館

猪苗代湖のほとりに生まれた野口英世(1876~1928年)は、黄熱病や梅毒の研究で世界的に知られる細菌学者。
野口英世記念館は、彼の業績を記念して1939年に開設された博物館で、彼の生家と展示室からなっている。展示室では多くの写真や彼の遺品、ロボットなどを使い、彼の生涯と研究についてわかりやすく紹介している。ファミリーで楽しみながら彼の業績を学べる体験ゲームなども好評だ。

1000円札にも描かれた偉大な医学者の記念館
1000円札にも描かれた偉大な医学者の記念館

2. 磐梯吾妻スカイライン

全長約29km、最高標高1,622m、平均標高1,350m、吾妻連峰の間を走り抜ける日本初の山岳道路。火山性ガスが噴出し、草木の生えない荒涼としたエリアは日本離れした景観とSNSでも話題。
4月上旬の開通直後からゴールデンウィーク頃までは道の両側に雪の壁ができる「雪の回廊」、秋には見事な紅葉など四季折々の変化に富んだ景色を見ながらドライブを楽しめる。

ワイルドな山岳風景と四季折々の絶景を楽しめる最高地点1,622mの”空を走る道”
ワイルドな山岳風景と四季折々の絶景を楽しめる最高地点1,622mの”空を走る道”

3. 五色沼湖沼群

明治21年(1888)に起こった水蒸気爆発により、数百もの湖沼が形成されて誕生。
そのうちの毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・竜沼・弁天沼など大小30ほどの湖沼の総称を「五色沼湖沼群」と呼ぶ。
2016年、ミシュラン・グリーンガイド1つ星に認定されている。

さまざまな色彩を持つ沼が集まる神秘の湖沼群
さまざまな色彩を持つ沼が集まる神秘の湖沼群

4. 世界のガラス館 猪苗代店

国内はもとより世界中のガラス製品を展示する日本最大級のガラス専門ギャラリーで、その数は約2万5,000点にのぼる。
世界各国から直輸入した製品やオリジナルアクセサリー、アンティーク、装飾品など、種類も多彩に取り揃えており、ガラス製品の魅力を余すところなく伝えている。

約2万5,000点を展示する日本最大級のガラス専門ギャラリー
約2万5,000点を展示する日本最大級のガラス専門ギャラリー

5. 天鏡閣

東北地方御旅行中の有栖川宮威仁親王が猪苗代湖畔の美しさに魅了され、明治41年(1908)8月に竣工した別邸跡。
翌9月の皇太子嘉仁親王(大正天皇)行啓の際、李白の詩句「明湖落天鏡」にちなんで「天鏡閣」と命名されたといわれている。

皇室別邸跡の気品ある洋館で楽しむ、優雅なひと時
皇室別邸跡の気品ある洋館で楽しむ、優雅なひと時

猪苗代湖周辺の人気飲食店3選

猪苗代湖畔とその周辺を観光したら、ご当地グルメも満喫しよう。
中には湖畔でホッと一息つけるカフェもあるので、観光の合間に紹介する人気の飲食店へ足を運んでみてほしい。

1. TARO CAFE

猪苗代湖畔に佇むスイーツとコーヒーの人気店。
広々とした店内、大きな窓からは猪苗代湖が見え、四季折々の風景で楽しませてくれる。夏はオープンテラスも人気だ。
シフォンケーキやチーズケーキ、季節のフルーツとバニラアイスが添えられたハニーワッフルなど、メニューは充実のラインアップ。

自家焙煎のコーヒーと手作りスイーツが人気
自家焙煎のコーヒーと手作りスイーツが人気

2. 会津ブランド馬刺し専門 大久保商店

創業から80年を数える老舗精肉店「肉のおおくぼ」が手掛ける国産馬刺しの専門店。
会津地方における馬肉の生産量は、熊本に次いで全国第2位を誇り、大久保商店で取り扱っているのは、その中でも会津ブランドに認定されている最高級国産馬刺し。
定番人気の「会津ブランド馬刺しランチ」は、モモのなかでも旨みと柔らかさに優れたランプ部分を使用。

会津ブランド認定の高品質な国産馬刺しを気軽に
会津ブランド認定の高品質な国産馬刺しを気軽に

3. いわはし館

職人による手打ちそばの店で、猪苗代湖の北側にそびえる磐梯山が「いわはし山」と呼ばれることから、「いわはし館」と名づけられた。
東日本有数のそばの生産地である猪苗代町。店舗の下には遺跡があり、かつての発掘調査ではそばを食べた形跡も出てきたという。
古くからそば文化が醸成されたこの地で提供するそばは、石臼挽きの猪苗代産「いなわしろ天の香」を使用。
つなぎには小麦粉の「ゆきちから」を用い、それらを8対2の割合でブレンドしている。

地元・猪苗代で生産されたそばを使用した絶品の味が楽しめる
地元・猪苗代で生産されたそばを使用した絶品の味が楽しめる

猪苗代湖に関するよくある質問

Q

猪苗代湖を観光するならどの季節がお勧め?

A

それぞれの季節特有の魅力がありますが、特にお勧めなのは冬でしょう。

Q

猪苗代湖の魅力は?

A

四季折々によって姿を変える自然景観の美しさとレジャーの数々です。

まとめ

この記事では「猪苗代湖」における季節ごとの魅力や見どころなど、観光の予定を立てる前に知っておきたい情報を紹介してきた。
四季折々で異なる自然景観を楽しめるのが「猪苗代湖」の大きな魅力であり、中でも冬のしぶき氷は必見だ。
観光時期を調整しつつ、ぜひ訪れてみてほしい。
なお、以下の記事では厳選した福島県の観光スポットを紹介している。
観光に訪れる際には合わせて参考にしてもらいたい。