
【大内宿の観光ガイド】江戸時代の文化と生活が体験できる宿場町
江戸時代に栄えた街並みの面影が、色濃く残る「大内宿」(おおうちじゅく)。
茅葺屋根の民家が街道沿いに並ぶ光景からは、日本ならではの風情と歴史を感じられる。
この記事では「大内宿」の基本情報やアクセス方法に加えて、お勧めの楽しみ方などを紹介していく。
この記事を読めば、「大内宿」の観光をより楽しめるようになるだろう。
目次
大内宿ってどんなところ?
「大内宿」は福島県南会津郡にある宿場の呼称。
鉄道の開通によって宿場としては使われなくなりながらも、観光名所として現代まで受け継がれてきた歴史がある。
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、「売らない、貸さない、壊さない」という住民憲章の三原則を元に、伝統的な景観が住民の努力によって守られている。
30軒を超える茅葺屋根の民家が立ち並び、江戸時代の街並みがそのままの姿で保存されている。
「大内宿」ではご当地グルメが食べられるほか、文化財住居に滞在できる宿泊施設も用意されている。
昔ながらの日本家屋には独特の雰囲気があり、郷愁を感じられる空気感が漂っている。
タイムスリップしたかのような感覚を味わえるはずだ。
伝統文化に触れられる体験もでき、季節ごとにお祭りなどのイベントも開催されている。
日本文化と歴史を肌で感じられる「大内宿」に足を運んでみよう。

大内宿へのアクセス
福島観光の拠点となる「郡山駅」を起点に、「大内宿」へのアクセス方法を紹介しよう。
- 経路
-
1.「郡山駅前」で高速バスに乗車し、「会津若松駅前」で下車。
2.「会津若松駅」から只見線に乗車し、「湯野上温泉駅」で下車。
3.5分ほど歩いて「湯野上温泉駅前」からバスに乗車し、「大内下」で下車。
4.「大内下」から歩いてすぐ - 所要時間
- 約2時間30分
大内宿のお勧め観光シーズンは?
「大内宿」を観光するなら、お勧めしたい観光シーズンは秋と冬だ。
燃えるような紅やオレンジに染まる周囲の山々と、茅葺屋根の民家が立ち並ぶ景観は圧巻の美しさ。日本でしか見られない、特別な景観のひとつと言えるだろう。
冬には茅葺屋根の民家を含む辺り一面が深い雪に包まれ、白銀の世界となる。
美しくもどこか懐かしい想いに駆られる、不思議な体験ができるはずだ。
冬の「大内宿」では雪まつりが開催され、雪灯篭の炎が幻想的に揺れる情景を鑑賞できる。



大内宿の魅力を最大限堪能できる3つの楽しみ方
「大内宿」では街並みや景観の美しさを堪能するだけではなく、他にも様々な楽しみ方ができる。
これから紹介する楽しみ方を実践すれば、「大内宿」の魅力を最大限満喫できるはずだ。
1. 江戸時代の風習や生活を感じられる施設を楽しむ
「大内宿」は江戸時代に下野(しもつけ)街道の宿場として栄え、会津と関東を結んでいた。
明治時代(1868年~1912年)には鉄道の開発などによる交通路の変化によって、「大内宿」は開発を免れた。
宿場として利用されることは減ったものの、当時の街並みをそのまま残す一因となった。
伝統や景観を守りながら受け継いでいこうとする、住民たちの努力もあり、現代でも江戸時代の街並みがそのまま残っている。
「大内宿」には江戸時代の生活の様子を垣間見えたり、歴史を学べたりする資料館などの施設もある。
「大内宿町並み展示館」には、当時の風習がわかる資料や生活用具などを展示しており、今や珍しくなった囲炉裏(いろり)も目にすることが可能だ。
より身近なものとして当時の生活を捉えられる、貴重な経験になるだろう。

2. 江戸時代から続く民家や蔵に泊まる
「大内宿」には宿泊できる民家もある。
貴重な文化財の住居に宿泊できるのは、またとない経験になるはずだ。
一般的な宿泊施設では感じられない趣深さを感じられると同時に、日本文化を体感できるのは大きな魅力と言える。
「大内宿」で宿泊できる「民宿伊勢屋」の大きな見どころは家庭的な空間にある。
江戸時代から宿泊施設を営んでおり、当時の雰囲気を色濃く残した宿泊体験ができる。
もう1つの宿泊施設である「蔵の民宿 本家扇屋」では、名物の茅葺屋根ではなく、「大内宿」で唯一の蔵に泊まれる。
重厚感のある囲炉裏も雰囲気が抜群で、ノスタルジックな気分に浸れるはずだ。


3. ご当地グルメと食べ歩きを楽しむ
風情のある古民家でご当地グルメを楽しめるのも、「大内宿」の見どころのひとつだ。
なかでも、高遠(たかとお)そばをぜひ味わってもらいたい。
福島県の会津地方で受け継がれている食べ物で、簡単に言えば大根おろしそばのこと。
「大内宿」における高遠そばの特徴は、長ねぎを箸の代わりに使う点にあり、薬味として一緒に食べるのがお勧め。
串に刺さった「いももち」も名物のひとつで、食べ歩きに最適だ。
もち米ではなく、片栗粉とジャガイモを混ぜたものなのでボリュームも満点。
他にはまんじゅうの天ぷらもあり、どちらも片手で食べられることから街並みを散策しながら食べるのに向いている。

大内宿がさらに魅力的になる夏と冬のイベント
「大内宿」では季節ごとに魅力的なイベントが開催されている。
四季折々の自然の中で、「大内宿」でしか味わえない思い出に残る体験ができるはずだ。
ここからは「大内宿」で開催されるイベントの中でも、特に人気のイベントを厳選して紹介していく。
可能であれば、これから紹介するイベントの開催日時に併せて訪れてほしい。
日本ならではの文化に触れられる「半夏まつり」
毎年7月2日の半夏(はんげ)の日に開催される「半夏まつり」だ。
半夏まつりは後白河天皇(ごしらかわてんのう)の第2皇子である、高倉以仁王(たかくらもちひとおう)を祀った「高倉神社」の祭礼のこと。
前日には提灯やろうそくなどの小さな灯りの中でお囃子(おはやし)や太鼓の音が深夜まで鳴り響き、当日には白装束に身を包んだ集団が「大内宿」を練り歩く。
厳かで神聖な雰囲気が魅力のお祭りだ。日本ならではと言える文化の一端に触れられるだろう。

幻想的な空間に打ち上がる花火が美しい「雪まつり」
「大内宿」の「雪まつり」は、毎年2月の第2土曜日と日曜日に開催される。
深い雪に包まれた「大内宿」を雪灯籠がライトアップする、幻想的な空間を散策すれば、忘れられない思い出になるはずだ。
「雪まつり」は仮装大会や歌謡ショーなどの催し物で大きな賑わいを見せるが、1番の見どころは、夜に打ち上がる花火だろう。
花火は夏に見るのが一般的だが、冬の澄んだ空に打ち上がる花火は一段と美しい。
雪に覆われた「大内宿」の情景と、花火が作り出す素晴らしい景観は必見だ。
防寒対策をしっかりして、ぜひ参加してみてほしい。

大内宿と併せて訪れてほしい「湯野上温泉」
「大内宿」から車・タクシーで20分の場所にある、静かな温泉郷。
温泉街は阿賀川沿いにあり、川を見渡す風光明媚な露天風呂が多いことでも知られている。こぢんまりとした温泉街で、アットホームでリーズナブルなお宿が多い。
泉質はサラリとした弱アルカリ性単純温泉で、無色透明で無味無臭。疲労回復や健康増進、美肌にも効力がある。
源泉は「猿湯」「上ノ湯」「新湯」「館ノ湯」など8カ所が点在し、湯の噴出量も非常に多い。
「大内宿」の宿泊施設に泊まれなかった場合や温泉を楽しみたい場合は、「湯野上温泉」で宿泊するのがお勧めだ。

大内宿に関するよくある質問
Q
大内宿の雪まつりはいつ開催される?
毎年2月の第2土曜日と日曜日に開催されます。
Q
大内宿の見どころは?
江戸時代頃の風景を色濃く残す、茅葺屋根の街並みです。
まとめ
この記事では「大内宿」の基本情報や楽しみ方、お勧めのイベントなどを紹介してきた。
江戸時代の街並みを現代まで受け継いだ茅葺屋根の街並みが特徴で、タイムスリップしたような体験ができるのが大きな魅力だ。
可能であれば、紹介したイベントを開催している時期に合わせて観光してもらいたい。より「大内宿」を楽しめるはずだ。
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