
【春の福岡県観光ガイド】桜と名城、歴史を楽しむ春さんぽ
九州の玄関口として知られる福岡県は、古くから城下町として栄えた福岡市を中心に、歴史と文化が息づくエリアだ。
櫛田神社や筥崎宮など市内の名所をはじめ、太宰府天満宮や小倉城など県内各地にも歴史の香りが漂う。春は桜が名城や街並みを彩り、穏やかな陽気の中で散策が楽しくなる季節。
名城と史跡を巡りながら、福岡の歴史をたどる春さんぽへ出かけよう。
歴史の香るまちと名所をめぐる、春の福岡の楽しみ方
福岡の春は、名城や歴史ある町並みが花々に彩られ、歩くだけで情緒を感じられる季節。
市内では福岡城跡や大濠公園で満開の桜が咲き誇り、天守跡からは春色に染まる城下を一望できる。
少し足を延ばせば、学問の神様を祀る大宰府の参道散策や秋月のまち並み散策、柳川の川下りなど、歴史と自然が調和する風景に出会える。
古くから文化が息づく福岡では、まち歩きの途中に郷土料理を味わったり、伝統工芸にふれたりと、暮らしに根づいた文化を体感する楽しみも。
桜舞う名城や情緒あふれるまちを巡りながら、春の光とともに福岡の歴史をゆっくりと感じてみたい。

春観光の定番! 春色の風景に包まれる、福岡の花見スポット3選
自然と歴史が調和する福岡では、春になると桜が各地をやさしく彩る。
市街地の神社や公園、水辺や山あいまで花見の名所が点在、まち歩きの途中に立ち寄ったり、郊外へ足を延ばしてのんびり過ごしたりと、春ならではの時間を満喫できる。例年の見頃は3月下旬から4月上旬ごろで、開花の時期にあわせて訪れるのがおすすめだ。
ほかにも多彩なスポットがあるので、福岡のお花見スポットの詳細は下記記事をチェックしてみて。
1. 北九州市立白野江植物公園(北九州市)
植物公園として80年近い歴史を有し、1年を通して植物が織りなす自然風景を満喫することができる小高い丘に広がる市民憩いの場。
園内には60品種700本以上の桜が咲き、多彩な桜を鑑賞することができる。周防灘を一望する山頂広場の開放的な景色とともに、春らしい穏やかな時間を楽しめる。

2. 宝満宮 竈門神社(太宰府市)
竈門神社は1350年以上の歴史がある神社。縁結びの神様として、古くから信仰を集めてきた。
宝満山の麓にあり、境内には春になると桜が咲き、山の新緑とともに穏やかな景観をつくり出す。自然に包まれた参道を歩きながら、落ち着いた花見の時間を過ごせる。

3. 甘木公園(大牟田市)
小高い丘陵地に整備された甘木公園は、春になると園内が桜色に包まれる花見の名所。3月下旬から4月上旬にかけて900本のヨシノザクラが咲き、麓からピンク色に染まる山頂の様子が見えるほど。
園内を歩くと、穏やかな春景の中でゆったり過ごせる。自然に恵まれた環境で、のびやかな花見を楽しめる公園だ。

名城と春の風景に出会う、福岡の観光スポット7選
春の福岡を歩くなら、名城や歴史ある町並み、花の名所を訪ねたい。
福岡城跡や小倉城、秋月のまち並みや黒木の大藤など、福岡県各地で春の風景に出会える。城跡や史跡、水辺の風景など、多彩な表情を見せる福岡の春を感じられるスポットはこちら。
1. 福岡城跡(福岡市)
黒田孝高(官兵衛)・長政父子が1601年から7年をかけて築城。九州最大級の規模を誇ったと伝わる城跡で、石垣や櫓跡が今も歴史の趣を伝えている。春は桜が彩り、緑と調和した穏やかな散策が楽しめる。
本丸から三の丸にかけては舞鶴公園として、当時の外堀が大濠公園として親しまれており、あわせて歩けば春の開放的な風景に出会える。

2. 小倉城(北九州市)
関ヶ原の戦いの功労で入国した細川忠興によって1602年から7年間をかけて築城。
福岡県内で唯一の天守閣を持つ城で、戦後に再建された天守では城下町の歴史を学べる展示が整う。周辺には書院造の意匠を再現した小倉城庭園もある。
城郭を取り囲む公園は市民の憩いの場として親しまれ、春は花の彩りが景観にやわらかさを添える。小倉駅から歩きやすく、散策に心地よいエリアだ。

3. 秋月城跡(朝倉市)
福岡県ほぼ中央部に位置する秋月は、福岡市内から約1時間程度でたどり着く、古処山の麓に広がる盆地。黒田長興が整えた城下町の姿が今も残り、町全体が重伝建地区に指定されている。
本門(黒門)など歴史的建造物が点在、桜が咲く春はさらに美しい景観に。静かな町並みを歩きながら、往時の面影にふれられる。

4. 太宰府天満宮(太宰府市)
天神さま(菅原道真公)を祀る全国10,000社の総本宮。
道真公の墓所の上に御本殿が建立され、1100年以上にわたり天神信仰の聖地として守られてきた。境内には御神牛像や太鼓橋、宝物殿など見どころが点在し、歩くほどに歴史の深さにふれられる。また、梅をはじめとした四季折々の花を楽しむことができる。

5. 八女・福島の町並み(八女市)
かつて久留米藩の城下町として栄えた、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定される町並み。江戸時代から昭和初期までの伝統的な建物が並び、春の穏やかな気候のなかでの散策にぴったり。
通りには伝統建築を活かした店舗もあり、グルメやショッピングが楽しめる。

6. 柳川川下り(柳川市)
福岡県の南に位置する柳川は、「水郷の町」として知られ、市内は江戸時代の掘割が網目のように張り巡らされている。どんこ舟に揺られて進む「川下り」では、船頭の案内や歌に耳を傾けながら、水辺に寄り添うしだれ柳や花々の景色にふれることができる。
春の穏やかな空気が漂う水路を進めば、城下町の面影とともにゆったりとした時間が流れていく。

7. 黒木の大藤(八女市)
素盞嗚神社の境内に根を張る黒木の大藤は、樹齢600年以上と伝わる古木で、長い歳月を経て今も見事な花を咲かせている。藤棚は約3,000平方メートルにもおよび、4月中旬から4月下旬の開花期には、長さ1メートルを超える紫の花房が風に揺れ、まるで花の滝のような美しい光景が広がる。
歴史を物語る姿と春の景観が重なり、しっとりとした時間が流れる。

春の福岡観光をより楽しく! 注目イベント3選
春の福岡では、桜まつりや花のフェアなど、季節を感じるイベントが各地で開催。
歴史ある会場や公園が春の彩りに包まれ、にぎやかな雰囲気に。地域ごとに特色があり、花と風景、地元の人びとの笑顔が旅をいっそう楽しくしてくれる。
旅の予定にあわせて立ち寄れば、春の福岡をより満喫できること間違いなしだ。
1. 西公園さくらまつり(福岡市)
西公園は福岡市のほぼ中央に広がる公園で、市街地にありながら自然な樹林と眺望が楽しめる。
「日本さくら名所100選」にも選ばれており、約1,300本の桜が咲き誇る春はより一層美しく華やか。この時期には園内を会場にさくらまつりが行われ、博多湾を望む景色とともに桜の季節を味わえる。

2. 添田公園桜まつり(添田町)
岩石山のふもとに広がる添田公園は、春になると公園一帯が桜色に染まる。約1,500本の桜が咲き誇る、県内有数の桜の名所。園内には不動池を中心に散策路が伸び、穏やかな景観が続く。
見ごろは例年3月下旬〜4月上旬。この季節には桜まつりも行われ、開花に合わせて訪れる人びとでにぎわう。

3. のおがたチューリップフェア(直方市)
約20万本のチューリップが咲き誇る春の風物詩。直方市役所前の遠賀川河川敷公園(中之島)で開かれるチューリップフェアで、市民ボランティアが植えた花々が川沿い一面を彩る。
赤や黄色、ピンクのチューリップに菜の花や桜が重なる景観も美しく、春の散策やピクニックを楽しみながらのんびり過ごせる。

春の散策途中に立ち寄りたい、福岡のグルメスポット5選
歴史のまち歩きや名所めぐりの合間に味わいたい、福岡各地のご当地グルメをピックアップ。
もつ鍋や長浜ラーメン、うなぎのせいろ蒸しなど、地域ごとに受け継がれてきた味が旅を彩る。老舗の味から甘味まで、春の福岡を歩きながら出会うグルメが、旅の時間をより豊かにしてくれるはず。
1. うなぎ料理 若松屋(柳川市)
江戸時代末期に創業した老舗の鰻料理店。水郷の町・柳川の情緒あふれる沖ノ端沿いに佇み、160年近くにわたり、変わらぬ味を守り続けている。
看板でもある柳川市の名物料理「鰻のせいろ蒸し」は、タレの染みたごはんとふっくらとした鰻が相性よく、旅の合間にゆっくり味わえる一品。
川下りの乗船場にも近く、柳川散策と合わせて立ち寄りやすい。

2. もつ鍋 田しゅう 福岡大名本店(福岡市)
九州最大の繁華街・天神の西隣に位置する大名の路地裏に佇むもつ鍋専門店。国産牛の小腸のみを使ったもつ鍋と博多名物料理が評判。もつ鍋は味噌や醤油など4種類の味から選ぶことができ、好みに合わせて楽しめる。
福岡城跡からもアクセスしやすく、春の街歩きとあわせて立ち寄りやすい。

3. 元祖長浜屋(福岡市)
博多漁港に面する長浜で誕生した長浜ラーメン。魚市場で働く人たちに素早く提供できるよう工夫された、茹で時間の短い極細麺が特徴だ。
昭和27年(1952)に屋台から始まった「元祖長浜屋」では、とんこつ系でありながら重さを感じさせないあっさりした味わいが今も受け継がれている。店は市街地にあり散策の途中に立ち寄りやすい。

4. 梅ヶ枝餅 やす武本店(太宰府市)
福岡県太宰府市「太宰府天満宮」参道沿いにある和菓子店。名物の梅ヶ枝餅は店頭で一枚ずつ焼き上げ、焼きたてを提供。中はもっちり、外は香ばしく焼き上げられ、ほどよい甘さの粒あんが飽きのこない味わいだ。
参道散策の途中に立ち寄りやすく、焼き立てをその場で味わえるのも魅力。春の太宰府観光とあわせて楽しみたい一軒。

5. お好み焼き いしん(北九州市)
福岡県北九州市小倉北区にある、1990年から続くお好み焼き店。
分厚く焼き上げる生地は外はカリッと中はしっとりとした食感が特徴で、地酒を加えて一晩寝かせることで生まれるしっとりとしたモチモチ感が魅力。また小倉の名物グルメ「焼うどん」も見逃せない。
小倉観光とあわせて立ち寄りやすい一軒だ。

福岡の春旅を楽しむ、観光拠点に便利なホテル3選
春の観光や花見スポット巡りを楽しむなら、アクセスの良さも旅を快適にする大切なポイント。
福岡市中心部や博多駅周辺、小倉エリアなど、観光やビジネスの拠点に便利なロケーションに滞在すれば、春旅の楽しみがさらに広がる。
1. カンデオホテルズ福岡天神(福岡市)
上質さと使いやすさを両立させる“4つ星ホテル”がコンセプト。天神にありながら落ち着いた滞在が叶うホテルだ。
ホテルの目玉は最上階にある「スカイスパ」。 露天風呂やサウナでリフレッシュでき、旅の疲れが心地よくほどけていく。客室は和モダンを基調とし、シモンズ社製ベッドを備えた落ち着いた空間で、くつろぎの時間を過ごせる。

2. テンザ ホテル・博多ステーション(福岡市)
ガラス張りの外観が印象的なデザイナーズホテル。自然光が差し込む明るい客室は、1〜2名向けからファミリー向けまで多彩なタイプがそろう。朝食はブッフェスタイルで、ベジミート料理や糸島産の野菜が味わえるのも魅力。
JR博多駅に近い好立地のため、周辺には博多グルメを満喫できるお店がいっぱい。旅の拠点に最適だ。

3. リーガロイヤルホテル小倉(北九州市)
JR小倉駅の新幹線口と空中回廊で直結し、天候を気にせずアクセスできるのが魅力のリーガロイヤルホテル小倉。高層ホテルならではの眺望と充実した設備で北九州・福岡観光の拠点として人気がある。
30㎡以上の客室はすべて14階以上に位置し、関門海峡や市街地を望む開放的な景色とともにゆったり過ごせる。

名城と歴史をめぐる春のおすすめ福岡観光モデルコース
名城や歴史ある町並みをめぐって、春の福岡を楽しむ1泊2日の旅。城跡や神社を歩いたり、太宰府や柳川の情緒ある風景に、心癒されたり……。
春の穏やかな空気の中で、福岡ならではの歴史と文化を感じるプランはこちら。
- 1日目
- JR博多駅→「福岡城跡」で春の景観を満喫→大濠公園周辺でランチタイム→「大濠公園」でお花見→中洲川端エリアを散策→「もつ鍋 田しゅう 福岡大名本店」で夕食→「カンデオホテルズ福岡天神」に宿泊
- 2日目
- 西鉄福岡(天神)駅→西鉄太宰府駅→「太宰府天満宮」を参拝→「梅ヶ枝餅 やす武本店」で梅ヶ枝餅に舌鼓→「宝満宮竈門神社」に参拝→西鉄太宰府駅→西鉄柳川駅→「うなぎ料理 若松屋」でランチ→「柳川川下り」で風情あふれる水上さんぽ
春の福岡の平均気温
3月は平均気温が10℃前後で、朝晩はまだ肌寒い日も多い。4月には15℃前後まで上がり、春らしい穏やかな陽気に包まれる。5月は20℃近くと日中は汗ばむほどの暖かさになり、屋外観光がいっそう心地よく楽しめる。
| 月 | 3月 | 4月 | 5月 |
|---|---|---|---|
| 気温 | 10.8 | 15.4 | 19.9 |
出典:気象庁
春の福岡を快適に過ごす服装のポイント
春の福岡は比較的温暖だが、日によって気温差があるため服装選びには工夫が必要。
3月は薄手のニットや長袖シャツに、軽めのコートやジャケットを重ねると安心。4月以降は日中の暖かさに合わせてカーディガンや薄手の羽織りものが便利で、夜桜見物や海沿いの散策では一枚余分に持っておくと快適に過ごせる。
春の福岡観光に関するよくある質問
Q
福岡で桜が見頃になるのはいつごろですか?
例年の見頃は3月下旬から4月上旬ごろ。福岡城跡や西公園など市内では3月末がピークです。太宰府や朝倉など内陸部では、見頃が数日から1週間ほど遅れることもあります。
Q
春でも朝晩は冷えますか?
3月はまだ冷える日が多く、朝晩は10℃を下回ることもあります。4〜5月は日中との気温差が大きいため、薄手のジャケットやストールなどで調整できる服装が安心です。
まとめ
名城や歴史あるまち並み、花の名所など、春の福岡は見どころが満載。
城跡や神社をめぐりながら、季節の彩りや人びとの暮らしにふれれば、歴史の深さとあたたかさを感じられるはず。春風に誘われて、情緒あふれる福岡のまち歩きへ出かけてみてはいかが。