名匠が手がけた仙台の総鎮守・大崎八幡宮の観光ガイド

名匠が手がけた仙台の総鎮守・大崎八幡宮の観光ガイド

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

宮城県仙台市を代表する神社である「大崎八幡宮」。
絢爛豪華な桃山建築の特色を残す歴史的建造物や、長い歴史を持つ伝統的なお祭りが行われるなど、見どころが多い。
プロスポーツ選手もご利益を授かりに訪れる、パワースポットでもある。
魅力あふれる「大崎八幡宮」を初めて訪れる方に向けて、見どころとその歴史、合わせて観光したい周辺スポットを紹介しよう。
この記事を読めば、「大崎八幡宮」をより深く楽しめるはずだ。

大崎八幡宮ってどんなところ?

「大崎八幡宮」は、宮城県仙台市にある神社。
1607年に戦国武将・伊達政宗(だて まさむね)により、仙台の人々の平穏を導く総鎮守(その地域を安らかに守る神社)として造営された。
華やかで煌びやかな装飾が施された御社殿は、日光東照宮などと同じ「権現造(ごんげんづくり)」と呼ばれる様式で造られており、1952年に国宝指定されている。
他にも国指定の重要文化財の長床など、見どころが多い。
御祭神は応神天皇(おうじんてんのう)・神功皇后(じんぐうこうごう)・仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)で、ご利益は開運・厄除けや除災招福、必勝、安産。
除災招福とは、さまざまな災いを除き、福を招き入れることを意味する。
300年の歴史を持つ「松焚祭(まつたきまつり)」は毎年1月14日に行われる、日本で有数の正月送りの行事。
正月飾りや古神札等を焼いて、各家庭を守っていた神々を正月の間に送る「御神火」を焚き、その火にあたると1年間無病息災・家内安全のご利益があると言われている。
仙台の冬の風物詩としても有名なので、観光時期が合えばぜひ参加してほしい。

大崎八幡宮の歴史と成り立ち

「大崎八幡宮」の起源は、平安時代に東北征伐を行った坂上田村麻呂(さかのうえ の たむらまろ)が武運を祈って創建した「鎮守府八幡宮(ちんじゅふはちまんぐう)」に遡ると言われている。
室町時代に「奥州管領(現在の岩手県内陸南部を統治する地方官)」へ任命された、大崎氏が宮城県大崎市に御神体を移し、「大崎八幡宮」と呼ばれるように。
戦国武将・伊達政宗が仙台城を築いた後、城下町の北西に「大崎八幡宮」を遷し、以後仙台の街の総鎮守として祀られてきた。
城下町に遷す際に、豊臣家に仕えていた名匠により、絢爛豪華な桃山時代の建築の特色を持った御社殿が建てられた。

絢爛豪華な桃山建築の特色が見どころのひとつ
絢爛豪華な桃山建築の特色が見どころのひとつ

大崎八幡宮へのアクセス

仙台の観光拠点となるJR仙台駅から「大崎八幡宮」へのアクセスをご紹介。
電車・バスどちらでもアクセス可能だが、最寄り駅から徒歩15分もかかるため、バスでのアクセスがお勧め。
JR仙台駅西口のバスターミナルから市営バスに乗って、約20分で最寄りのバス停「大崎八幡宮前」に到着。
「大崎八幡宮前」からは徒歩5分程度で「大崎八幡宮」に到着。
バスの移動時間を含めて、25分〜30分程度でJR仙台駅からアクセスできる。

大崎八幡宮の拝観料と参拝可能時間

「大崎八幡宮」の参拝可能な時間と拝観料は、下記の表を参考にしてほしい。
お祭りなどの行事に参加したい場合は、大崎八幡宮の公式サイトで開催日時を確認しよう。

参拝可能時間
9:00〜17:00
拝観料
無料

大崎八幡宮のお勧め観光シーズンは?

「大崎八幡宮」の観光なら冬がお勧め。
純白の雪が辺り一面を覆い尽くし、静寂に包まれた境内を散策できる。
黒漆塗りと極彩色や金箔の装飾が美しい「御社殿」が雪化粧した、幻想的な姿も必見だ。
境内には桜が植えられているため、寒さが苦手な方には春がお勧めだ。

雪が降り積もる境内はなんとも幻想的
雪が降り積もる境内はなんとも幻想的
寒さが苦手な方には綺麗な桜が見られる春がお勧め
寒さが苦手な方には綺麗な桜が見られる春がお勧め

大崎八幡宮の魅力を満喫できる見どころ5選

「大崎八幡宮」には国宝や重要文化財に指定された建造物が現存し、約300年の歴史を持つ伝統的なお祭りも毎年行われている。
「大崎八幡宮」の魅力である、深い歴史と絢爛豪華な装飾が施された建造物を堪能できる見どころを5つ紹介しよう。

1. 当時の名匠が手がけた国宝「御社殿」

戦国武将・伊達政宗が造営した「御社殿」は、戦火などで焼失することなく当時のまま現存し、1903年に国宝に指定されている。
伊達政宗が仙台の町づくりを行う際に、仙台城の築城や城下町の建設と合わせて、数多くの寺社を造営。
その内の一つとして、伊達氏の旧領地である米沢にて代々祀ってきた「成島八幡宮」と大崎一族の「大崎八幡宮」の御神体を遷し合わせ、仙台城の北西の位置に「御社殿」を置いたとされている。
京都や紀州(現在の和歌山県和歌山市)から、名の知られた職人を招いて建てられた「御社殿」は、絢爛豪華な桃山建築の魅力が詰まっている。
建物全体は総黒漆塗りの落ち着いた雰囲気ながら、金箔が施された金具や鮮やかな色使いの極彩色による贅沢で華やかな装飾は実に見事だ。

桃山建築の魅力が詰まった「御社殿」
桃山建築の魅力が詰まった「御社殿」

2. 約300年の歴史を持つ伝統的なお祭り「松焚祭 」

「松焚祭」は境内で正月飾りなどを焼き、御神火にあたることで一年の無病息災や家内安全を祈る伝統的なお祭り。2005年に仙台市の無形民俗文化財に指定された。
約300年の歴史をもつ行事で、日本の中でも最大級の正月送りの行事である。
仙台以外では「どんと祭」と呼ぶことが多い。
「松焚祭」の際にさらしなど軽微なものを身につけ、裸に近い格好で御神火を目指して参拝することを「裸参り」と呼び、冬の風物詩となっている。
「松焚祭」は例年1月14日に開催されるため、正月に仙台を観光する機会があれば、ぜひ参加してみてほしい。

冬の風物詩ともなっている「松焚祭」は必見だ
冬の風物詩ともなっている「松焚祭」は必見だ

3. 豪華な御社殿と対照的な「長床」

「長床」は大崎八幡宮の御社殿の前方に位置する建物。
正面に唐破風がある素木造で格式の高さを感じさせるが、彫刻や装飾も控えめで「御社殿」とは対照的に質素な見た目だ。
1660年頃に建てられたと考えられており、「長床」としては県内で最古の建物。
1966年に重要文化財に指定されている。

質素な見た目だが格式の高さを感じる「長床」
質素な見た目だが格式の高さを感じる「長床」

4. 異彩を放つ石造りの「二之鳥居」

「大崎八幡宮」の表参道には3つの鳥居があり、「二之鳥居(にのとりい)」は2番目にくぐる鳥居である。
仙台の四代目領主である「伊達綱村(だて つなむら)」が、1668年に寄進したという歴史ある鳥居だ。
他の2つの鳥居が朱塗りで大きいのに対し、この「二之鳥居」はやや小ぶりで、石造りと異彩を放つ。
岩手県一関の花崗岩を取り寄せて造ったとされており、1970年に有形文化財に指定された。

花崗岩で作られた異彩を放つ「二之鳥居」
花崗岩で作られた異彩を放つ「二之鳥居」

5. 格式の高さを感じられる「神馬舎」

「神馬舎(しんめしゃ)」とは、神社に奉納された馬を飼育するために建てた建物。馬は神聖な神様の乗り物とされ、奈良時代(710〜784年)から祈願のために馬を奉納する文化があった。
庶民が生きた馬を奉納するのは大変なため、木や紙に馬を書いたものが代用されるようになり、これが現在の絵馬に変化したと言われている。
大崎八幡宮にも1945年頃までは「神馬(しんめ)」がおり、当時の宮司(神社の長のこと)は「神馬」に乗り、仙台城に毎日通っていたそうだ。
現存する「神馬舎」は大正時代(1912年〜1926年)に建てられたもので、約10坪と小さな建物だが、入母屋造で「神馬」を扱う格式の高さを感じさせる。
2011年に有形文化財に登録された。

生きた馬の代わりに奉納されるようになった絵馬
生きた馬の代わりに奉納されるようになった絵馬

大崎八幡宮の周辺観光スポット3選

大崎八幡宮周辺には仙台を一望できるスポットをはじめとする、魅力ある観光スポットが盛りだくさん。
「大崎八幡宮」を満喫したら、これから紹介する観光スポットにもぜひ訪れてほしい。

1. 仙台城跡

伊達政宗公の命によって築城された仙台城。
通称「青葉城」とも呼ばれ、以来270年にわたって藩政の中心だった。
しかし明治以降は陸軍用地となり多くの建築物が解体され、残っていた大手門などの建造物もほとんどが仙台大空襲によって焼失した。
現在一帯は公園として整備され、石垣と再建された大手門の脇櫓と大手門北側土塀を見ることができる。

仙台市を一望できる仙台城跡
仙台市を一望できる仙台城跡

2. 輪王寺

輪王寺は伊達持宗によって1441(嘉吉元)年に創建された曹洞宗の寺院。
山号は金剛寳山。中央に池を配し、北西に三重塔がそびえる日本庭園は東北屈指の美しさ。
四季を通して寺院と自然の美しさを満喫することができる。
毎月1日と15日には三重塔で釈迦如来坐像の開帳も行われる。

東北屈指の美しい日本庭園
東北屈指の美しい日本庭園

3. せんだいメディアテーク

約700mのケヤキ並木が続く、杜の都・仙台のシンボルロード定禅寺通り。
そんな定禅寺通りでひときわ目を引くのが、全面ガラス張りの外観が特徴的なこちら。
地下2階、地上7階の建物には仙台市民図書館をはじめ、イベントスペースやギャラリー、スタジオ、カフェなどが入る複合文化施設だ。
メディアテークとはフランス語で「メディアを収める棚」あるいは「視聴覚資料室」といった意味を持ち、さまざまなメディアによる情報収集や保管、発信、また美術や映像文化の活動拠点として多彩なイベントやワークショップを開催している。

散策の途中にぜひ立ち寄りたい、地元に根付いた文化施設
散策の途中にぜひ立ち寄りたい、地元に根付いた文化施設

大崎八幡宮に関するよくある質問

Q

大崎八幡宮は誰が建てたの?

A

仙台の戦国武将である伊達政宗によって建てられました。

Q

大崎八幡宮のご利益は?

A

ご利益は厄除け・除災招福・必勝・安産であるとされています。

Q

大崎八幡宮に祀られている神様は?

A

応神天皇・神功皇后・仲哀天皇が祀られています。

まとめ

「大崎八幡宮」を楽しむために知っておきたい、歴史と見どころ、周辺観光スポットを紹介してきたが、いかがだっただろうか。
仙台に数ある観光スポットの中でもアクセスが良く、見どころも多いため、仙台観光で最初に訪れるスポットとしてもお勧めだ。
「仙台」の観光スポットをもっと詳しく知りたい方は、仙台の定番観光スポットをまとめて紹介している、こちらの記事も参考にしてほしい。