【岐阜市モデルコース】戦国武将織田信長公ゆかりの地・岐阜市を満喫するならこのプランで決まり!
群雄割拠する戦国武将たちを次々に討ち、天下統一まであと少しのところまで手をかけた戦国時代(1467~1615年前後)のカリスマ・織田信長公(1534〜1582)。日本国内でも圧倒的な人気を誇る信長公が基盤を築き上げ、天下統一の足がかりとしたのが「岐阜」の街だ。岐阜市には、岐阜城をはじめとする信長公ゆかりの名所や、信長公が遺した「おもてなし」の精神を感じさせる見どころが多く点在。さっそく紹介していこう。
岐阜市へのアクセスは?
岐阜市へは新幹線「のぞみ」が停車する「名古屋駅」でJR在来線に乗り換えるのが一般的なアクセス方法。名古屋は東京と大阪の間にある都市で、新幹線利用の場合、東京から約1時間30分、大阪から約1時間、京都から約40分の距離だ。名古屋駅から岐阜駅までは、JR在来線の快速列車でおよそ20分。
「中部国際空港(セントレア)」からアクセスする場合は、名古屋鉄道(名鉄)が便利。中部国際空港駅から名鉄岐阜駅行の直通特急が運行されており、乗換なしでアクセスが可能だ。所要時間は約1時間。
岐阜県北部の主要都市「高山」からは、JR在来線特急「ひだ」を利用し約2時間。外国人旅行者に人気の高山や白川郷を訪れる前後に、日本文化を色濃く残す岐阜市にも必ず立ち寄りたい。
岐阜市内のアクセスについて
この記事で紹介するスポットの多くが「岐阜公園」周辺に集中しており、コンパクトに観光できる。
市内のアクセスはバス移動が基本。特に岐阜公園へと向かう「長良橋」方面のバスは本数が多く、日中は待ち時間少なく乗車できる。※JR岐阜駅からでも名鉄岐阜駅からでも長良橋方面のバスに乗車可能。
また、JR・名鉄岐阜駅から岐阜公園までは車で約15分と近距離で、タクシーを利用するのも有効だ。
コンパクトに周遊できる岐阜市でぜひ活用したいのが、シェアサイクルの「Gifu-ride」。市内に設置する24箇所(2024年1月現在)のサイクルポートから一部を除き24時間自由に借りて、自由に返却できる自転車貸出サービスだ。観光には24時間利用できる「1日定額プラン」(600円〜)がお得。利用にはアプリのダウンロードが必要だ。
【岐阜市モデルコース】戦国武将織田信長公ゆかりの地・岐阜市を満喫しよう!
10:00 JR岐阜駅前で黄金の信長公像とご対面!
岐阜市の玄関口であるJR岐阜駅を降り立つと、さっそく迎えてくれるのが黄金に輝く織田信長公像。
台座までの高さは約8m、像の高さは約3mで金箔3層張り。マントを羽織り、右手に種子島(現在の鹿児島県に浮かぶ離島)から伝来したという鉄砲、左手に西洋兜を携えている。その姿は西洋の文化をひと足早く取り入れた、信長公のイメージにぴったり。まずは信長公にご挨拶しよう。
10:30 信長公の居館が広がっていた「岐阜公園」を散策
観光の拠点となるのは岐阜城を頂に構える金華山のふもとに広がり、市民や観光客の憩いの場として親しまれている岐阜公園。
ここは戦国時代の岐阜城主であった斎藤道三公(信長公の義父である戦国武将)や信長公の居館が広がっていた場所で、今なお発掘調査が続けられている。
※現在公園は再整備工事が進められています。2025年3月末までのオープン予定です。
11:00 「岐阜市歴史博物館」で信長公が活躍した戦国時代を学ぶ
金華山の頂に構える岐阜城へと登る前に、「岐阜市歴史博物館」を訪れるとより理解が深まる。
今回の旅のテーマである、信長公が生きた戦国時代に関する展示も大充実。特に信長公により「楽市楽座」が敷かれた、岐阜の城下町を再現した展示は必見だ。「楽市楽座」とは商業の自由化によって城下の経済を活性化させる政策のこと。信長公は武力だけでなく、政治面でもカリスマ性を放っていたことがうかがえる。
そのほか鎧兜などの武具や絵巻など、信長公や戦国時代について視覚的に学べる。とくに映像とジオラマがリンクする、「天下鳥瞰絵巻」の展示は臨場感満点。
12:00 「ぎふ金華山ロープウェー」でいよいよ金華山山頂へ!
信長公の居館があった岐阜公園と岐阜城がそびえる金華山の山頂を約4分で結ぶロープウェーに乗り、いよいよ信長公の軍事拠点へと迫る。
ゴンドラからは自然林に覆われた金華山と長良川、岐阜市の街並を一望することができる。山頂には岐阜城のほかレストランやリスとのふれあいを楽しめる「ぎふ金華山リス村」などがあり楽しみ満載。
12:15 岐阜市街を見渡す絶景レストランでランチ!
岐阜城を訪れる前に、山頂駅付近にあるレストラン「ル・ポン・ドゥ・シェル」で昼食。席からは岐阜市街を一望することができる。
岐阜が世界に誇る「飛騨牛」や県産の銘柄豚など地元の食材を使った料理が多くそろい、そのほとんどが手仕込みで調理。メインの食材のみならず味噌や醤油、調味料も地元産のものを多く使用しており、岐阜の食の豊かさを感じられる。
戦国大名にちなんだメニューが多くあるのも、歴史ファンにとってはうれしい。特に「信長どて丼」は、牛すじと豚ホルモンを味噌で丹念に煮込んだ自慢の逸品。味噌は岐阜市の老舗蔵「芋慶」の豆味噌を使用している。甘辛い味わいのどては、ご飯との相性が抜群。
そして、新名物が岐阜県産農薬不使用バナナを使った「信長バナナアイス」。少し牛乳を加えただけのシンプルな味付けで、バナナ本来のおいしさを堪能できる。ちなみにポルトガルの宣教師、ルイス・フロイスが1569年にバナナを信長公へ献上した記録が残っているそう。実は「バナナを初めて食した日本人は織田信長公」という説もあるのだ。
13:30 金華山山頂に構える強固な山城「岐阜城」へ
金華山ロープウェーの山頂駅やレストランから徒歩10分ほどの場所にそびえるのが「岐阜城」。
かつては「稲葉山城」と称し、道三公の居城でもあった。1567年に信長公がこの城を攻略し、この地方一帯を平定するとそれまで「井口(いのくち)」と呼ばれていた地名を「岐阜」へと改称。そう、「岐阜」という地名を名付けたのは、ほかでもない信長公なのだ。
信長公は新たに名付けた「岐阜」を本拠地とし、天下統一を目指した。最上階からは当時都があった、西の方角もよく見渡すことができる。信長公になった気持ちで眺望を楽しもう。
14:30 日本三大仏のひとつ「岐阜大仏」を拝観
ロープウェーで再び山麓へと戻ったら、正法寺を訪れ日本三大仏のひとつに数えられる「岐阜大仏」(日本最大の乾漆仏)を拝観しよう。
1832年(信長公が没した250年後)に38年の歳月を費やして完成した「岐阜大仏」。信長公の居館や岐阜城天守閣はこの時代には失われており、その後に建立された大仏殿は当時の建築物としてはかなりの高層建築であったと考えられる。
15:15 かつて善光寺如来を祀っていた「岐阜善光寺」を参拝
続いて訪れるのは、「岐阜公園歴史博物館前」から岐阜バスJR岐阜行で、約3分「伊奈波通り」下車徒歩5分の場所にある「岐阜善光寺」。
岐阜城主となった信長公が甲斐(現在の山梨県)の武将・武田信玄公によって信州(現在の長野県)の善光寺から山梨県甲府へ移されていた「善光寺如来」を、岐阜へ移したことにより創建された寺院「岐阜善光寺」。目まぐるしく場所を移しつつも、時の権力者たちによって大切に守られてきた善光寺如来という点はとても興味深い。
16:00 織田家が菩提所として保護した「崇福寺」で手を合わせる
信長公が1567年に岐阜に移った際、菩提所として保護した「崇福寺」も欠かさず参拝したい。「伊奈波通り」バス停から岐阜バス市内ループ線左回りで約10分、「長良川国際会議場北口」下車、徒歩3分ほどだ。
本能寺の変で信長公と息子の信忠公が明智光秀に討たれると、遺品がこの寺に送られた。「位牌堂」や「織田信長父子廟(お墓)」は、庭園で拝観することができる。心静かに手を合わせたい。
16:30 「長良川うかいミュージアム」で岐阜市の伝統文化を学ぶ
岐阜市を語る上で、もうひとつ欠かせないのが「ぎふ長良川の鵜飼」。1300年以上にわたり受け継がれてきた、日本を代表する伝統文化のひとつだ。
「鵜飼」とは鵜を巧みに操って魚を獲る伝統漁法のことで、鵜飼観覧船に乗って漁の様子を見学できる。信長公も甲斐(現在の山梨県)を治めた武将・武田信玄公からの使者を鵜飼でもてなしたという。
例年5月11日から10月15日まで期間限定で開催されている「ぎふ長良川の鵜飼」だが、オフシーズンでもその幽玄さを感じられるのが「長良川うかいミュージアム」。原寸大の鵜舟とリアルな音響・照明で、鵜飼の世界を体感できる「ガイダンスシアター」は特に圧巻だ。
「ぎふ長良川の鵜飼」の開催期間中に岐阜市を訪れたのであれば、ミュージアムを見学後ぜひ本物の鵜飼を観覧するのがおすすめだ。
【一泊するなら?】夜の岐阜市を満喫!
期間中(例年5月11日から10月15日。鵜飼休みの日を除く)は毎夜「ぎふ長良川の鵜飼」が開催されるなど、夜も魅力いっぱいの岐阜市。長良川温泉の湯を堪能できる宿での宿泊も楽しみだ。
1300年の伝統と匠の技に感動! 長良川の鵜飼観賞で夜の岐阜を満喫
1300年以上前から行われている「ぎふ長良川の鵜飼」。鵜飼とは鵜を巧みに操り、川魚を獲る伝統的な漁法で「鵜匠」と呼ばれる漁師は最大12本もの手縄をさばきながら鵜を操っていく。鵜飼を「見せる(=魅せる)」ことをおもてなしの手法として最初に取り入れたのは、信長公であると伝えられている。
こちらのイベントもチェック! 岐阜市の夜の多彩な楽しみ方
ぎふ灯り物語
国の伝統的工芸品に指定された、岐阜和傘、岐阜提灯等を用いて開催されるライトアップイベント。例年1月下旬に開催されている。
岐阜城パノラマ夜景
期間限定で岐阜城が夜間営業を行い、360度広がる岐阜市街の夜景を見渡せる。
お得なチケットを活用して駅前酒屋街「タマミヤ」を飲み歩き!
JR岐阜駅北エリアに広がる繁華街「タマミヤ」。岐阜の郷土料理店をはじめ、400店舗以上の飲食店が軒を連ねる。岐阜ホテル会事務局が発行する「タマミヤ観光チケット」を活用して、お得かつ安心・安全に日本の居酒屋文化を楽しむのもおすすめだ。
岐阜市に宿泊するならおすすめはこの宿!
岐阜市には長良川温泉の湯を楽しめる温泉旅館から、シティホテルまでさまざまなタイプの宿がそろっている。
十八楼
長良川の畔に佇む、1860年創業の老舗旅館。良質の鉄分やラドンなどを多量に含んだ、茶褐色の湯色が特徴の長良川温泉を、二つの大浴場で楽しむことができる(男女入れ替え制)。
コンフォートホテル岐阜
JR「岐阜」駅から徒歩約2分とアクセスが良く、繁華街の「タマミヤ」からも近い。宿泊料金はリーズナブルでありながら、朝食が無料で付くのはうれしい限り。洋食を中心としたビュッフェスタイルで、その土地の食材を使用したメニューも用意している。
【プラス1Dayで楽しみたい】信長が遺した日本遺産「川原町のまちなみ」さんぽ
岐阜市に宿泊したら、2日目は趣ある日本家屋が立ち並ぶ、「川原町のまちなみさんぽ」を。
信長公が城下一帯を、「岐阜を訪れる人びとをもてなす空間」としてプロデュースしたのがまちの発祥で、『「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜』として日本遺産に認定されている。近年は古民家を生かした飲食店やショップも増えており、まち歩きが楽しい。
まずは「長良川デパート」内の「ORGANキモノ」でアンティークキモノをレンタルしてまち歩きをスタート。川原町の古いまちなみに着物がよく映え、シャッターを押す回数が増えること間違いなし!
また、「長良川デパート」は美濃和紙や提灯、うちわ、和傘など岐阜が誇る伝統工芸品を揃えたショップでもあり、伝統工芸の制作ができる体験ツアーも開催。岐阜提灯の職人がひとつひとつ丁寧に仕上げた無地の提灯に、自身が好きな絵を描く体験などが人気なので、こちらもぜひ体験してみよう。
お土産選びに訪れたいのは、鵜飼観覧船のりばの近くにある和菓子店「緑水庵」だ。
信長公にも献上されていた極上の干し柿「堂上蜂屋柿」を使った岐阜銘菓「飛あゆ」が名物でお土産におすすめ。イートインスペースもあり、散策途中の休憩にもぴったり!
岐阜市お勧めグルメ4選
旅の楽しみのひとつといえば、やはりグルメ。岐阜が世界に誇る「飛騨牛」など王道のグルメから、岐阜市民のみが知る究極のご当地グルメまでを紹介しよう。
【飛騨牛】飛騨牛一頭家 馬喰一代 岐阜神田
飛騨牛のなかでもA5等級という格付けをさらに越えた、いわば規格外最高級の「最飛び牛」を提供。焼肉やしゃぶしゃぶなどで楽しめる。
【鮎料理】川原町泉屋
天然鮎を心ゆくまでたのしめる鮎料理専門店。コース料理を味わえるほか、こちらでオーダーした弁当を鵜飼観覧船に揺られながら味わうのも風流だ(要事前予約)。
【冷やしたぬき】更科
創業当初から不動のメニューは「冷やしたぬき」。たぬきそばと言えば、一般的にはそばに天かすを乗せたものだが、「更科」の「冷やしたぬき」は、天かすに加え、お揚げを加えたオリジナルの一杯だ。
【高等ライス】あじろ亭
おそらく岐阜市の老舗洋食店でしか味わえない、少々謎めいた「高等ライス」を味わえる。カレーライスに目玉焼きをのせたようなビジュアルだが、従来のカレーのような辛さはなく、滑らかな舌触りが特徴。
まとめ
今回は信長公の遺したおもてなし精神が息づく「岐阜市」の魅力をたっぷりと紹介した。このモデルコースを参考に歴史、文化、温泉、グルメが詰まった岐阜市をじっくりと散策してほしい!
また、信長公も愛した自然が今なお残る岐阜市では、桜と紅葉シーズンになると、またそれぞれ美しい景観を見せてくれる。