【ひがし茶屋街の観光ガイド】伝統文化と情緒感じる歴史ある美しい街並み

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

江戸時代の美しい街並みが残る、人気観光地「ひがし茶屋街」。
その美しい街並みはもちろん、日本の伝統文化と金沢の伝統文化を五感で楽しめることが人気の理由だ。
「せっかく日本を旅行するなら、日本の伝統文化を楽しみたい」と思っている方も、「ひがし茶屋街」を観光すれば、満足すること間違いなし。
その魅力と人気の観光スポットやグルメなどを紹介する、この記事を参考に「ひがし茶屋街」を観光してみよう。

目次

ひがし茶屋街ってどんなところ?

石川県金沢市に位置する「ひがし茶屋街」は、金沢駅からバスで少し移動した場所にある人気観光地。
江戸時代(1603年〜1868年)末期、1820年に出来た街であり、当時は茶屋街として栄えた。
江戸時代に建てられた伝統的建造物は今も残り、黒い瓦屋根と美しい出格子が特徴的なお茶屋と町屋(住宅と店舗が一体化した建物)が、石畳の両脇に立ち並ぶ風景は、風情と美しさを感じられる。
その美しさと歴史的価値の高さから、重要伝統的建造物保存地区に指定されている。
まるでタイムスリップしたかのような街並みは、散策したり写真を撮ったりするだけでも楽しいだろう。
特に「広見」と呼ばれる広場は、フォトスポットとして定番になっている。
着物をレンタルできるお店もあるので、着物で散策・観光するのもお勧めだ。
伝統的建造物を利用したカフェやショップもあり、グルメやショッピングも楽しめる。
歴史ある建物で食す和菓子や抹茶など、日本の伝統的な食文化や金沢のグルメは、より一層美味しく感じられるだろう。
お土産屋や雑貨屋では、金沢の工芸品などを購入できる。
その他にも、金箔貼りや茶道など、金沢の工芸や日本の文化を体験できるスポットも多い。

着物姿で江戸時代の街並みを散策してみよう
着物姿で江戸時代の街並みを散策してみよう

お茶屋とは

「ひがし茶屋街」はお茶屋が立ち並ぶ、茶屋街として栄えた。
お茶屋とは、お茶を飲むところでも販売するところでもない。
江戸時代にお金を持っていた男性たちが、芸妓の舞踊や三味線などの遊芸を楽しむ場所だ。
「ひがし茶屋街」には、現在も5軒のお茶屋が営業している。
金沢のお茶屋には「一見さんお断り」という文化があり、お茶屋に通う人から紹介を受けないとお茶屋には入れない。
ただ、一般公開しているお茶屋の建物はあるため、実際に芸妓の遊芸を楽しめなくとも、建物自体は見学可能だ。

ひがし茶屋街のお茶屋のイメージ
ひがし茶屋街のお茶屋のイメージ

ひがし茶屋街へのアクセス

金沢観光のスタート地点となる金沢駅から、「ひがし茶屋街」へのアクセスをご紹介。
アクセスできるバスは3種類あるが、以下で紹介するバスが「ひがし茶屋街」に最も近いバス停に停まる。

経路
1. 金沢駅東口のバスターミナル7番乗り場から、「橋場町」経由のバスに乗車
2. バス停「橋場町」で下車
3. 徒歩5分で到着
所要時間
約25分

ひがし茶屋街の営業時間と入場料

「ひがし茶屋街」は街の一区画なので、開園時間や入場料などはない。
ただ、ほとんどのお店の営業時間が10:00〜17:00なので、グルメやショッピングを楽しむなら、時間に余裕を持って出かけよう。

ひがし茶屋街のお勧め観光シーズンは?

「ひがし茶屋街」は、いつ訪れても美しい街並みが楽しめる。
ただ、人気観光地であるため、週末や観光シーズンは人が多い。
観光する時期を調整可能でゆっくり観光したい方は、年末年始や7月下旬から8月は避けた方が良いだろう。
金沢はよく雪が降り積もるため、冬に観光して雪の中で「ひがし茶屋街」を散策するのもお勧めだ。
もちろん、雪が降ると不便なことも多いが、日本の冬ならではの景色を楽しめるはず。

日本の冬ならではの景色を楽しむのもお勧め
日本の冬ならではの景色を楽しむのもお勧め

金沢の茶屋文化を体験!ひがし茶屋街で訪れるべき観光スポット3選

江戸時代に建てられたお茶屋で、見学可能な施設をご紹介。
先述した通り、金沢の茶屋文化には「一見さんお断り」のしきたりがあるため、中々入れる機会がない。
貴重な体験ができる施設なので、ぜひ足を運んでほしい。

1. 志摩

1820年に建てられたお茶屋で、当時のままの建物をそのまま保存して一般に公開。
二階が客間というお茶屋特有の構造で、押入れや物入れ、間仕切り壁もなく、遊芸を主体とした優雅な造り。
客が床の間を背にして座ると、その正面が控えの間となり、襖が開くと同時にあでやかな舞や遊芸が披露されていた。

江戸時代からの姿をそのまま残すお茶屋で、当時の様子を垣間見る
江戸時代からの姿をそのまま残すお茶屋で、当時の様子を垣間見る

2. 金沢ひがし茶屋街 懐華樓

築約200年の金沢で1番大きい茶屋建築。
その趣ある佇まいから、1991年に金沢市指定保存建造物に指定された。
昼間は建物内を一般公開しており、伝統工芸「輪島塗」が施された朱塗りの階段や今でもお座敷遊びが行われている朱塗りの間などを見学できる。

金沢市指定保存建造物に指定された築約200年の歴史ある茶屋建築
金沢市指定保存建造物に指定された築約200年の歴史ある茶屋建築

3. お茶屋美術館 旧 中や

典型的なお茶屋の造りをそのまま残しつつ、1階には金沢の伝統工芸の技術が詰まった道具類が展示されている。
1820年に建てられたお茶屋で、歴史的価値も高い。
2階は芸妓の遊芸を楽しむための客間で、壁は朱色や群青色に塗られており、繊細で美しい造りとなっている。
1階では贅沢な装飾を施した髪飾りや、加賀蒔絵なども見学可能。
町人が使った道具類を鑑賞して、江戸時代の人々の生活を想像してみよう。

1820年のお茶屋を見学できる貴重な施設
1820年のお茶屋を見学できる貴重な施設

ひがし茶屋街でグルメを満喫するならここ!和を感じる人気飲食店4選

「ひがし茶屋街」には、趣と歴史ある建物で、和を感じるグルメを堪能できるお店が多い。
金沢ならではのグルメやスイーツが集まっており、特に和菓子や抹茶は人気が高い。
ここからは食べ歩きにピッタリな、人気飲食店を厳選して紹介しよう。

1. ひがし茶屋街 久連波

ひがし茶屋街の一角にたたずむギャラリー&カフェ「久連波」。
1階は加賀友禅を使った雑貨や地元作家の工芸品の展示販売を行うギャラリー、2階はひがし茶屋街を見渡せるカフェとなっている。
1776年創業の老舗呉服屋「ゑり虎」が営んでいることもあり、雑貨品の展示販売のほかに、本格的な加賀友禅のきものレンタル(1時間/5,500円~)も実施している。

老舗呉服屋が営むギャラリー&カフェで本格的な加賀友禅をレンタルできる
老舗呉服屋が営むギャラリー&カフェで本格的な加賀友禅をレンタルできる

2. 一笑

日本茶の製造・販売を行う丸八製茶場が経営する、ほうじ茶専門の喫茶。
1階は喫茶のほかに、作家の作品を展示しているギャラリーや物販スペースがあり、2階はコワーキングスペースとなっている。
喫茶では、ほうじ茶(800円)と季節の菓子(400円)が楽しめる。

自分が選んだほうじ茶と季節の菓子がいただけるほうじ茶専門の喫茶
自分が選んだほうじ茶と季節の菓子がいただけるほうじ茶専門の喫茶

3. きんつば中田屋 東山茶屋街店 甘味処 和味

「きんつばと言えば中田屋」と言われるほど、地元の人から親しまれている創業80年以上の老舗和菓子屋がプロデュースする甘味処。
ここでは、「赤い宝石」と呼ばれている、高品質な奥能登産の能登大納言小豆を使ったスイーツが味わえる。
中でも人気なのが、しっとりとした抹茶生地の「タルト」(単品:495円)。コクのあるカスタードクリームが、能登大納言小豆やひよこ豆など4種の豆と合わさり、上品な味わいに。

能登大納言小豆を使ったスイーツが楽しめる老舗和菓子屋プロデュースの甘味処
能登大納言小豆を使ったスイーツが楽しめる老舗和菓子屋プロデュースの甘味処

4. 金沢 加賀麩不室屋「おやつ麩」

1865年から150年以上麩づくりを行っている加賀麩の老舗「加賀麩 不室屋」。
創業当時からの製法・味・技を守りながらも新しい麩を創作し、麩料理や麩を使ったお菓子なども生み出している。
なかでも評判なのが、スナック風麩菓子の「おやつ麩」(3ヶ入778円)。
ひと口食べると、お麩の香ばしさとほんのりとした甘さが口の中に広がり、後を引く味わいになっている。

加賀麩の老舗が手がけるスナック菓子のような「おやつ麩」
加賀麩の老舗が手がけるスナック菓子のような「おやつ麩」

お土産選びにも最適!ひがし茶屋街のショッピングスポット2選

金沢の伝統工芸品など、伝統文化を感じられるアイテムを販売しているお店が多い。
お土産にピッタリなアイテムも、すぐに見つかるだろう。
伝統工芸や日本文化を体験できるお店もあるので、紹介するお店にぜひ立ち寄ってほしい。

1. 箔一 東山店

ひがし茶屋街で親しまれていた銭湯「東湯」の跡地に建てられた、箔一が運営するショップ。
銭湯時代の吹き抜けをそのまま残した店内は、開放的な雰囲気でゆったりと買い物ができる。
店内では金箔を存分にあしらったアクリル製のコースター「つやび」(2,200円)や、一つずつ手作りされた「千筋 吟醸グラス」(8,800円)などさまざま工芸品を販売。

工芸品から食品まで金箔を存分に使ったアイテムが豊富にそろうみやげ物店
工芸品から食品まで金箔を存分に使ったアイテムが豊富にそろうみやげ物店

2. ひがしやま荘

1938年創業の建具店の作業場だった町家を、2013年にリノベーションしシェアアトリエ&ショップとしてオープンした複合スペース。
1階には、陶芸作家でもあるアメリカ出身の店主や若手作家が手がけた食器や陶芸品、アンティーク雑貨などを扱う「akashu」など、個性豊かなの3店舗が入居。
2階には日本画1日体験ができる「ひがしやま美術教室」、刺繍体験教室やブローチなどの小物製作を開催している「amaretto design」もあり、1つの場所でさまざまな体験ができる。

かつての作業場のリノベーションした5つの店舗が入居するシェアアトリエ&ショップ
かつての作業場のリノベーションした5つの店舗が入居するシェアアトリエ&ショップ

ひがし茶屋街と併せて訪れるべき茶屋街

実は金沢には、「ひがし茶屋街」と並ぶ茶屋街が2つある。
「ひがし茶屋街」と合わせて「金沢三茶屋街」と称されており、「ひがし茶屋街」と併せて観光する方も多い。
特に「主計町茶屋街」は「ひがし茶屋街」から近いため、プランに組み込みやすい。
にし茶屋街」は少し離れているが、華やかに着飾った芸妓に会いたいなら、足を運んでみよう。

1. 主計町茶屋街

浅野川沿いに細い路地と千本格子が続く落ち着いた雰囲気のエリアで、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれている。
どこからともなく聞こえてくる芸妓が奏でる太鼓や三味線の音が、より風情を感じさせる。ほかの2つの茶屋街に比べるとこぢんまりしているので、静かにゆったりと散策することが可能。

川沿いに細い路地と風情ある茶屋建築が続く町並みを散策
川沿いに細い路地と風情ある茶屋建築が続く町並みを散策

2. にし茶屋街

にし茶屋街は、1820年に加賀藩から公許された花街のひとつ。
金沢城から見た方角から西にあったことから、こう呼ばれるようになった。
出格子が美しい2階建ての茶屋建築が立ち並び、カフェやショップに立ち寄りながらの散策が楽しい。
金沢の茶屋街で最も芸の町・金沢を感じられる場所で、夕暮れになると華やかに着飾った芸妓たちに出会えるかも。

お茶屋や割烹が並ぶ情緒あふれる茶屋街をゆったり散策
お茶屋や割烹が並ぶ情緒あふれる茶屋街をゆったり散策

ひがし茶屋街に関するよくある質問

Q

ひがし茶屋街でディナーは食べられる?

A

ひがし茶屋街は17時で営業が終わるお店が多いため、周辺でディナーを食べるお店を探した方が良いです。

Q

ひがし茶屋街でお勧めのグルメは?

A

和菓子と抹茶がお勧めです。他にも金箔1枚を乗せたソフトクリームも名物となっています。

まとめ

ここまで「ひがし茶屋街」の魅力と、人気の観光スポットやグルメなどを紹介してきた。
江戸時代の美しく風情ある街並みと、日本と金沢の伝統文化を楽しめる場所なので、金沢観光の際は、ぜひ足を運んでみてほしい。
「ひがし茶屋街」でしかできない体験や出会いがあるはずだ。
金沢は江戸時代に文化都市として栄えたこともあり、「ひがし茶屋街」以外にもその歴史や伝統文化を楽しめる観光スポットが多い。
金沢の観光を満喫したいなら、魅力ある観光スポットを厳選して紹介している、こちらの記事も参考にしてほしい。