金沢で武道を体験!2泊3日モデルプラン
江戸時代(1600〜1868年)、「加賀百万石」と称された加賀藩は、将軍家・徳川家に次ぐ大藩(江戸時代、将軍より1万石以上の領地を与えられた大名の領地)でした。その歴史を受け継ぐ金沢には、いまも武家文化の薫りが色濃く残っています。
加賀藩とゆかりの深い弓道をはじめとする武道、武士の必須のたしなみとされた茶道、武士が暮らした武家屋敷、武家文化と茶道文化が融合した庭園、武家の食文化。そして、武道や茶道に通底する禅を世界に広めた仏教学者・鈴木大拙(すずき だいせつ)もまた、金沢出身です。
城下町・金沢では武道の実技体験や伝統文化体験を通して、武家文化が育んできた「道」と「心」に触れることができます。
1日目
9:30 藩主の心に触れながら兼六園を散策
加賀百万石文化を体現するのが兼六園です。水戸偕楽園、岡山後楽園と並ぶ日本三名園の一つに数えられる兼六園は、江戸時代の代表的な林泉回遊(りんせんかいゆう)式大名庭園の特徴を備えています。
回遊式庭園は土地の広さを最大限に活かして庭の中心に大きな池を配し、その周囲に園路を巡らせて、人工の山や池の中の小島、茶屋などを点在。それらを眺めながら散策する構成となっています。茶室から座って眺める庭園とは好対照です。
10:30 石川県立武道館で弓道体験
金沢は江戸時代より弓道が盛んな土地。通常、弓道では初心者が実際に弓を引くには数か月の鍛錬が必要ですが、このプログラムでは90分で、有段者たちの指導のもと的に向かって矢を放つまでを安全に体験できます。
14:00 彩士館で剣道体験
昼食を済ませたら剣道体験を。剣道と言えば激しい打ち合いをするスポーツというイメージがありますが、このプログラムでは剣道を「KENDO」(Kind Enjoy Natural Design Open)と捉え、初心者でも楽しみながら体験できます。指導者は中学生のチームを全国大会優勝に導いた実力者です。
2日目
9:00 四十萬谷本舗で日本刀鑑賞
日本刀はさまざまな美術館や博物館で展示されていますが、このプログラムでは武士がかつて携えていた真剣を実際に手に取って鑑賞できます。真剣を使った武道の「居合道」の迫力ある演舞も魅力。居合道の有段者である主人が英語で解説してくれます。
11:00 鈴木大拙館の思索空間でZENの心に触れる
日本武道や茶道などの日本文化と禅は深く関わっています。この施設は、ZEN (禅) をはじめ、東洋・日本の文化や考えを世界的に広げた仏教哲学者・鈴木大拙の思想に触れる施設です。禅僧が生活する「方丈」を模した建築や作品のそばに解説のない展示スタイルには、大拙の精神が反映されています。
13:30 西田家庭園と茶道体験
午後は茶道体験を。武士は武芸の鍛錬とともに、社交の作法として茶道をたしなみました。400年前から受け継がれてきた西田家庭園には金沢最古の茶室があり、茶道の基本的所作から体験者自ら茶を点てる「ご自服」まで体験できます。英語通訳サービスも受けられます。
15:00 武家屋敷跡 野村家 庭園鑑賞
長町武家屋敷跡は加賀藩の武士たちが暮らしたエリアで、今も往時の面影が残っています。その一角に立つ野村家の現在の建物は加賀の豪商が藩主を招いた屋敷を一部移築したもの。曲水、古木、岩を配した庭園を鑑賞でき、邸内には刀剣や甲冑も展示されています。
18:30 老舗料亭「大友楼」で饗応料理を堪能
金沢の老舗料亭「大友楼」の祖先は、加賀藩の調理場で腕をふるった「包丁侍」です。店では藩主や武士、他藩の来賓が味わった「饗応料理」をはじめ、代々受け継いできた武家社会の食文化を目と舌で味わうことができます。
3日目
10:30 永安寺で座禅体験
武家文化と深く関わり、武士の精神的支柱となった禅。加賀藩主・前田家とゆかりが深い永安寺では喧騒から離れた静かな空間で座禅を体験できます。バックパッカーとして世界を放浪した住職が山伏の装束で、禅や日本宗教の概要を英語で解説してくれます。
まとめ
歴史が薫る金沢での武家文化体験で「道」と「心」に触れる
城下町・金沢に色濃く残る武家文化を体験する2泊3日旅はいかがでしたか?
弓道や剣道といった武道や、武士のたしなみである茶道、武士の暮らしを垣間見られる武家屋敷など、武道や伝統文化体験を通じることで、武家文化が育んできた「道」と「心」に触れることができます。体験すればより深くこの地の魅力を知ることにつながるので、一つでも気になる体験があればぜひ訪れてみてくださいね。