【錦帯橋の観光ガイド】独創的で美しい橋と四季折々の自然が調和する絶景

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

東京の「日本橋」・長崎の「眼鏡橋」と共に「日本三名橋」に数えられるほか、「日本三大奇橋」の1つでもある「錦帯橋」。
重厚なアーチの中に洗練された美しさがあり、独創的な構造も魅力のひとつ。
周辺の美しい自然と調和した、美しい景観も見どころだ。
この記事では「錦帯橋」を満喫するために知っておくべき、四季折々の魅力や見どころ、周辺の観光スポットなどを紹介していく。
記事を参考にすれば、「錦帯橋」とその周辺を120%楽しみ尽くせるだろう。

目次

錦帯橋ってどんなところ?

山口県岩国市の「錦川」に架かる「錦帯橋」は1673年に建設された、長さ約35m、幅は5mほど
世界的にも珍しい木造のアーチ橋で、他では類を見ない構造を持つ。
国指定の名勝にも指定されており、現在はユネスコ世界文化遺産への登録を目指している。
「錦帯橋」の主要部分は、日本古来の建築技法・木組みを用いて造られている。
木組みとは、2つ以上の木材を隙間なく組み合わせる技法のことで、見た目の美しさと高い強度が特徴。
「錦帯橋」の裏側を覗くと、木組みならではの幾何学的な構造を見られるので、訪れる際には必ずチェックしてほしい。
日が落ちると、「錦帯橋」全体が季節に合わせたプログラムでライトアップされる。
光に照らされた「錦帯橋」は、鏡のような水面に反射し、幻想的な輝きと美しさを放つ。
時間によって表情を変えるため、昼だけでなく夜にも「錦帯橋」へ足を運んでみよう。

日本古来の建築技法で作られた錦帯橋は裏側も美しい
日本古来の建築技法で作られた錦帯橋は裏側も美しい

錦帯橋へのアクセス

山口観光における移動拠点となる「JR山口駅」を起点に、「錦帯橋」へのアクセスを紹介しよう。
新幹線を利用しなくてもアクセスできるが、時間はかかるため、旅の予算と相談してルートを選定してほしい。
ここでは、新幹線を利用する場合の経路と所要時間を紹介する。

経路
1.「山口駅」でJR山口線に乗車し、「新山口駅」で下車
2.「新山口駅」でJR山陽新幹線に乗車し、「新岩国駅」で下車
3.バス停の「新岩国駅」からバスに乗車し、「錦帯橋」で下車
所要時間
約1時間30分

錦帯橋の入橋料と営業時間

「錦帯橋」を渡るためには、「錦帯橋入橋券」を購入する必要がある。
「錦帯橋」からすぐの「岩国城」も観光する予定であれば、「錦帯橋」と「岩国城」のセット券を購入すれば、少しだけお得になる。
「錦帯橋」の「入橋券」と料金所の営業時間は、以下の通りだ。

錦帯橋入橋券(往復のみ)
・大人(中学生以上):310円
・小学生:150円
料金所の営業時間
8:00~17:00

四季折々の錦帯橋の魅力と見どころ

日本古来の技術で造られた「錦帯橋」の姿と四季折々の自然景観が調和した、日本風情あふれる景色が「錦帯橋」最大の魅力。
季節ごとに魅力と見どころを紹介するので、ぜひその季節ならではの景観を楽しんでほしい。

重厚な橋を彩る桜が見どころ!春の錦帯橋

錦帯橋周辺は桜の名所でもあり、少し歩いた場所にある「吉香公園」と共に「日本さくら名所100選」にも選ばれている。
「錦帯橋」の周辺に植えられた1,500本ほどの桜が見頃を迎えると、白や薄いピンクの花びらが華やかに「錦帯橋」を彩る。
日没後はライトアップが行われ、昼間とは異なる幻想的な世界が創り出される。
なお、「錦帯橋」における桜の見頃は3月下旬~4月上旬となっている。
春に訪れるなら、この時期を狙って観光時期を調整してほしい。

周囲を桜に彩られた錦帯橋は格別の美しさを誇る
周囲を桜に彩られた錦帯橋は格別の美しさを誇る

江戸時代から続く伝統的な漁法を見られる!夏の錦帯橋

「錦帯橋」では、夏の風物詩である鵜飼が見られる。
鵜飼は飼いならされた鵜(カツオドリ目に分類される鳥)を使って鮎などを獲る、日本や中国の伝統的な漁法のこと。
鮎漁が解禁される夏の夜に「錦帯橋」のたもとで行われ、かがり火を焚いた小舟と鵜が鮎を追う、ダイナミックな姿が印象的だ。
「錦帯橋」自体もライトアップされるので、辺りは神秘的な雰囲気に包まれる。
他ではなかなか見られない、夏の景色を見に行こう。

錦帯橋で行われる鵜飼のイメージ
錦帯橋で行われる鵜飼のイメージ

紅葉で彩られた風情あふれる絶景が魅力!秋の錦帯橋

11月中旬~11月下旬になると、周辺の木々は赤やオレンジなど鮮やかに染まり、豊かな色彩が重厚な「錦帯橋」に彩りを与える。
絵葉書のように美しく、日本風情も存分に感じられる。
「錦帯橋」から歩いて10分ほどの場所には、「日本紅葉の名所100選」に選ばれている「紅葉谷公園」がある。
園内には1,000本ほどの紅葉があり、豊かな自然の中で紅葉を楽しめる。
ぜひ「紅葉谷公園」も散策してほしい。

豊かな色彩が錦帯橋をさらに魅力的にする
豊かな色彩が錦帯橋をさらに魅力的にする
名前通り紅葉の名所である「紅葉谷公園」にも足を運んでみよう
名前通り紅葉の名所である「紅葉谷公園」にも足を運んでみよう

静謐な空間で美しい景観をゆっくり鑑賞できる冬の錦帯橋

山口県では、冬になると雪が降り積もることがある。
静謐な空間に佇む、雪に覆われた「錦帯橋」からは洗練された美しさを感じられるだろう。
雪が降ると人の往来は少なくなるので、ゆっくりと落ち着いて「錦帯橋」を散策できるのも嬉しい。

静謐な空間で洗練された美しい風景を楽しもう
静謐な空間で洗練された美しい風景を楽しもう

錦帯橋の周辺観光スポット5選

「錦帯橋」の周辺には、城や神社をはじめとする魅力的な観光スポットが多い。
日本らしい風情を感じられると共に、四季折々で異なる美しい自然も楽しめる。
「錦帯橋」を満喫したら、併せて訪れてほしい観光スポットを紹介するので、ぜひ足を運んでもらいたい。

1. 岩国城

毛利元就の孫でもある、初代岩国領主吉川広家によって1608年に建てられた山城。
眼下を流れる錦川を外堀に、標高約200mの城山に位置する。
3層4階の桃山風南蛮造り(唐造り)で、下階より上界を大きく造る特殊な造りである。
天守閣内には、錦帯橋の模型や写真、武具や甲冑など当時の様子がわかる展示コーナーと展望台があり、吉香公園、城下町、錦帯橋など市内全体から瀬戸内海の島々までも見下ろす絶景が楽しめる。

天守閣からは市内が一望できる
天守閣からは市内が一望できる

2. 吉香神社

旧岩国藩の藩主であった吉川氏の先祖を祀る神社。
もとは三社あったものを明治18年(1885)に統合、旧居館跡である現在の場所に建立された。
祖霊を祀る神社建築は全国的にも珍しいもので、鳥居から神門、拝殿、幣殿、本殿と南から北へ、一直線に並んでいるのも特徴的だ。

国の重要文化財に指定される、旧岩国藩主吉川氏の先祖を祀る神社
国の重要文化財に指定される、旧岩国藩主吉川氏の先祖を祀る神社

3. 岩国市観光交流所「本家 松がね」

江戸時代の趣を残す岩国の町並みに佇む観光交流施設。
太い梁が印象的な建物は1850年頃に建てられた、当時鬢付け油の製造販売で財を成した「松金屋」商家を改装したもの。
江戸時代の豪商の暮らしをしのばせる重厚な雰囲気を今なおとどめ、平成12年(2000)に「國安家住宅」として有形文化財に登録された。

岩国の郷土料理や銘酒が試せる観光施設
岩国の郷土料理や銘酒が試せる観光施設

4. 吉香公園

旧岩国藩主・吉川氏の居館跡を整備した公園で、広大な園内には吉香神社をはじめ岩国市の有形文化財にも登録される錦雲閣や江戸時代の武家屋敷跡などさまざまな歴史遺産が点在。「日本歴史公園100選」にも選出された歴史公園だ。
随所に花壇があるほか、日本庭園や吉川氏居館跡周辺の内堀、無料で楽しめる「吉川花菖蒲園」「城山花菖蒲園」など四季折々の植物も魅力。
なかでも錦帯橋が架かる清流・錦川沿いに約1,500本の桜が咲き誇る春は必見。

桜や紅葉の名所として知られる、「日本歴史公園100選」にも選ばれた公園
桜や紅葉の名所として知られる、「日本歴史公園100選」にも選ばれた公園

5. 香川家長屋門

江戸時代、岩国藩の家老を歴代務めた香川家邸宅の表門。
17世紀後半の元禄年間に、建てられたものと伝えられ、今も建築当時の様相を残している。
岩国市において最も古い建物のひとつに数えられ、1966年に山口県の有形文化財に指定された。

約350年前の様子を今に伝える貴重な建造物
約350年前の様子を今に伝える貴重な建造物

錦帯橋周辺の人気飲食店3選

錦帯橋周辺には、様々な飲食店が点在している。
散策で疲れた身体を休ませつつ、美しい景色を眺められるカフェ。
瓦そばを筆頭にご当地グルメを食べられる飲食店など、魅力的な飲食店を紹介しよう。

1. カフェいつつばし

目の前に架かる錦帯橋を眺めながら食事を楽しめる抜群のロケーションが自慢の「カフェいつつばし」。
錦川沿いに建つ「錦帯橋バスセンター」の2階にあるため、アクセスも非常に便利で周辺散策の拠点として使いやすい。
散策後、バスを待つ時間を過ごすのにも最適だ。

錦帯橋周辺をベストポジションで見渡せる眺望自慢のカフェ
錦帯橋周辺をベストポジションで見渡せる眺望自慢のカフェ

2. 長州屋 錦帯橋店

錦帯橋を吉香公園側に渡ってすぐの場所にある食事処。
熱した瓦に乗せて提供される山口のご当地グルメ「瓦そば」が食べられる人気店だ。
牛肉や錦糸卵、レモン、もみじおろしなどを乗せた茶そばをタレにつけていただく瓦そば。
岩国名物の押し寿司「岩国寿司」や塩からあげも人気メニューで、瓦そばと合わせて注文する人も多い。

瓦そば、岩国寿司など山口のご当地グルメを味わえる錦帯橋近くの食事処
瓦そば、岩国寿司など山口のご当地グルメを味わえる錦帯橋近くの食事処

3. パンサー

岩国の郷土料理や軽食をテイクアウト&イートインで味わえる店。
錦川沿いに設置された下河原駐車場の向かいにあり、錦帯橋を訪れる観光客に人気。
かつては献上品や祝い事のために作られたという「岩国寿司」は、レンコンやエビ、錦糸卵などたっぷりの具材が入り見た目も華やかな押し寿司。
山口名物の焼きさば寿司は焼いたサバの旨味と酢飯や生姜の酸味とのバランスが絶妙な逸品。

イートイン&テイクアウトOK、錦帯橋近くで岩国寿司や軽食を味わえる店
イートイン&テイクアウトOK、錦帯橋近くで岩国寿司や軽食を味わえる店

錦帯橋周辺の人気宿泊施設スポット2選

ここからは、「錦帯橋」周辺の宿泊施設を紹介しよう。
温泉や郷土料理など日本文化を存分に楽しめるほか、「錦帯橋」を含む素晴らしい景色を宿から望める。
「錦帯橋」をより満喫するためにも、ぜひ紹介する宿泊施設を利用してみてほしい。

1. 錦帯橋温泉 岩国国際観光ホテル

露天風呂や客室、レストランなど館内のさまざまな場所から錦帯橋を眺められる宿。
天然温泉を使った大浴場「いつつばしの里」は、眼下に錦帯橋を見渡す岩風呂が自慢の「朝霧の湯」と岩国城を望むヒノキ風呂のある「夕霧の湯」の2エリアで構成。
朝と夜で男女を入れ替えるため、どちらの眺望も堪能することが可能だ。

錦帯橋や岩国城を望む露天風呂が自慢の絶景ホテル
錦帯橋や岩国城を望む露天風呂が自慢の絶景ホテル

2. 割烹旅館 白為旅館

距離にして約20mと、岩国にある宿の中でも特に錦帯橋に近く、創業は宝永元年(1704)、建造物は文化財指定、明治18年(1885)創建の和風旅館。
客室の窓を開ければ錦川に架かる錦帯橋や岩国城など、城下町の風情に満ちた景観を楽しめる。

地元の旬素材たっぷりの割烹が絶品!錦帯橋のたもとの和風旅館
地元の旬素材たっぷりの割烹が絶品!錦帯橋のたもとの和風旅館

錦帯橋に関するよくある質問

Q

錦帯橋を渡るのにお金は必要?

A

大人(中学生以上)で310円、小学生で150円が必要です。

Q

錦帯橋周辺の桜の見頃は?

A

3月下旬〜4月上旬が見頃です。

Q

岩国城から錦帯橋までどれくらい時間がかかる?

A

1kmほどなので、歩くと15分前後かかります。

まとめ

この記事では、「錦帯橋」の特徴や四季折々の魅力と見どころ、周辺の観光スポットなどを紹介してきた。
他では類を見ない特徴的な5連のアーチ構造と、四季折々の美しい自然が調和した景観が「錦帯橋」の魅力だ。
「錦帯橋」における夏の風物詩である鵜飼など、日本ならではの文化も見られるので、ぜひ「錦帯橋」を観光してみよう。
山口にはその他にも魅力的な観光スポットが多いので、観光スポットを厳選して紹介している、以下の記事も参考にしてほしい。