
初夏の網走決定版!ネイチャークルーズ&ローカル体験で心躍る1泊2日旅
北海道北東部に位置する網走市。
冬には流氷が押し寄せ、海が真っ白に染まる風景で知られるが、初夏の網走は一転。
青い海と空、緑の草原が広がる爽やかな季節となる。
100haの敷地に咲く原生花の大パノラマをはじめ、クジラやイルカとの出会い、地元食材を使った料理、絶景サイクリングなど、網走の初夏ならではの体験が楽しめる。
本記事では、網走をレンタカーで巡りながら自然やグルメを満喫できる1泊2日のモデルコースを紹介する。
網走らしい原風景と、文化・食・暮らしに触れたい人はチェックしてほしい。
網走ってどんなところ?
網走は、北海道のなかでも「道東」と呼ばれるエリアに属する街。
5月になると雪解けとともに草木が芽吹きはじめ、冬の静けさとは打って変わって、緑の濃い、活気ある風景へと移り変わる。

6月以降も本州のような梅雨はなく、カラッと晴れる日が多いため、旅程を立てやすいのも嬉しいポイントだ。

また、網走といえばやはり「オホーツク海の幸」。
春になり流氷が解けると、流氷に含まれていた豊富なプランクトンが海へと溶け出して魚や貝のエサとなり、網走の海は一気に栄養豊富な漁場に。
そのためオホーツク産の海鮮は、北海道のなかでもとくに味わい深いと評判だ。
「網走」へのアクセス
飛行機の場合
鉄道の場合
ゆったりと車窓の風景を楽しみながら移動したい場合は鉄道の旅がお勧め。
特急列車を利用すれば、JR札幌駅からは約5時間30分、JR旭川駅からは約3時間50分でJR「網走」駅に到着する。
バスの場合
高速バスを利用する場合、「札幌」駅前から網走駅前まではおおよそ6時間の道のりとなる。
費用を抑えたい人や、のんびりと移動したい人はバスもお勧めだ。
DAY1 |「網走」の海と味覚に出会うネイチャートリップ
レンタカーで出発し、網走の自然と味覚を満喫する1日旅へ。
朝はネイチャークルーズで海の生きものと出会い、昼は山頂レストランで絶景ランチ。
流氷館でオホーツクの神秘に触れたあとは、寿司バーで旬の海の幸を堪能しよう。
9:00 「あばしりネイチャークルーズ」でオホーツクの生きものと出会う
クジラやイルカなど、オホーツクの豊かな生態系を船上から観察できるアクティビティ「あばしりネイチャークルーズ」。
道の駅「流氷街道網走」内の網走観光案内所で受付を済ませて海へと出航。
初夏はクジラとの出会いを求め、約2時間半から3時間ほど風を切って船は進む。
クジラの中でも大型のナガスクジラを間近で見られるクルーズは世界でも珍しい。

オキアミをエサとしているクジラ。
そのため、同じオキアミをエサとしているミズナギドリの群れと出会えれば、クジラとの遭遇率も高くなる。

イルカや、5万羽のミズナギドリの群れをみられることもある。
出会えた瞬間の胸の高鳴りは、旅の記憶に深く刻まれることだろう。

ネイチャークルーズの申込期限は前日の12:00までとなっている。
定員に達してしまう可能性もあるので、早めの予約がお勧めだ。
13:00 「ドルチェアクア」で絶景ランチ
昼食は、天都山の山頂に位置する「オホーツク流氷館」3階へ。
ここに店を構えるのが、カジュアルイタリアンの名店「ドルチェアクア」である。
網走湖、能取湖、オホーツク海、そして天気が良い日には知床連山も望むことができる最高のロケーションだ。

人気メニューはオホーツクの海の幸をふんだんに取り入れたパスタや、店内のピザ窯で焼く焼き立てピザなど。
ひと皿に複数種の魚介を組み合わせた料理も多く、網走の恵みを凝縮したような味わいが魅力である。

魚介のみならず肉料理にもこだわる同店では、津別町産の黒毛和牛や網走の大地でのびのびと育てられた放牧牛を使用。
さらに、2026年夏には近隣に酒蔵が開業予定であり、将来的には網走の地酒と料理のマリアージュも楽しめるようになるという。
- 住所
- 北海道網走市天都山244-3オホーツク流氷館2階
- 定休日
- 水曜
- 営業時間
- 11:00〜16:00(L.O.15:30)、金曜、土曜、日曜17:00〜21:00(L.O.はコースによって異なる )
14:00 「カフェ・ド・クリオネ」で甘じょっぱいデザート
お腹を満たしたあとは、1階の「カフェ・ド・クリオネ」で別腹デザート。
「カフェ・ド・クリオネ」は、ジェラート国際大会で優勝したジェラート専門店「Rimo」が手掛ける店だ。
塩キャラメル味のソフトクリームは、地元民の太鼓判。
やさしい甘さのキャラメルに、オホーツク海産の塩が絶妙なアクセントとなり、甘さとしょっぱさのバランスが絶妙だ。
-
青い塩は海藻由来の天然色素で着色
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天都山のてっぺんからオホーツク海を望む
時間に余裕があれば、屋上の展望台に足を運んでみよう。
初夏の北海道らしい雄大な風景が、きっと心をやわらかくほどいてくれるはず。
- 住所
- 北海道網走市天都山244-3オホーツク流氷館1階
- 営業時間
- 5月〜10月8:30〜18:00、 11月〜4月9:00〜16:30
15:00 ロマンの世界へ誘う「オホーツク流氷館」
再び1階へ下りて、流氷とオホーツク海の生きものをテーマとした「オホーツク流氷館」へ。

まるで海のなかを潜っているような感覚が楽しめる「流氷海中ライブ」。
また、流氷についても学べるコンテンツも充実している。
流氷や流氷の下の世界を4Kで撮影した映像を迫力の5面シアターで鑑賞できる「流氷幻想シアター」など、魅力的な展示が盛り沢山の施設だ。

なかでもマイナス15℃の部屋で本物の流氷に触れることができる「流氷体感テラス」では、濡れたタオルを振り回して凍らせる「しばれ体験」が人気。
防寒用のコート貸出もあるが、あえて夏服のまま入場して、冬の網走の厳しさを体感してみるのもいいだろう。
18:00 「スシバーエンド」で海の幸を堪能
1日目の終わりは「スシバーエンド」で乾杯。
カジュアルモダンな店内で、オホーツク海で水揚げされた旬の魚介を使った寿司をリーズナブルに楽しめる、地元民にも旅行客にも支持される話題のお店だ。
ひとりでもグループでも落ち着いて過ごせる空間となっている。

提供される寿司は、まさに本気の一貫。
調味料を一切使わない濃厚なカニ味噌、こぼれ落ちそうなほどバフンウニをのせた軍艦巻き、その日の朝にオホーツク海で獲れた魚や貝類。
どれも鮮度と迫力に満ちた、道東ならではの逸品である。

網走を代表するご当地ビール「流氷DRAFT」や、地元産の酒米で醸された日本酒「君が袖」など各種地酒も取扱いあり。
アルコールの種類も豊富なので、料理に合う飲み物を尋ねてみるのもいいだろう。

とろけるようにやわらかい肉質が特徴の知床牛のステーキやレアビフカツも、道東ならではの味わい。
網走の恵みでお腹が満たされたら、明日のサイクリングに備えてゆっくり休もう。
- 住所
- 北海道網走市南4条西1丁目セゾンビル2階
- 定休日
- 日曜、月曜
- 営業時間
- 17:30〜24:00(L.O.23:30)、金曜、土曜17:30〜25:00(L.O.24:30)
DAY2|秘密のビーチとグルメ、網走のローカルに触れる
2日目はレンタカーと自転車を使って、網走のローカルをより深く楽しむ旅。
朝は老舗の蒲鉾店でできたてを味わい、サイクリングで絶景の能取岬や秘密のビーチへ。
地元グルメやおみやげ探しを楽しんだあとは、色とりどりの花が咲き誇る「小清水原生花園」で締めくくるプランだ。
9:00 「横山蒲鉾店」で揚げたて蒲鉾をいただく
朝は網走で創業70年以上の歴史を誇る「横山蒲鉾店」で腹ごしらえ。
近海で水揚げされた魚をこだわりの原材料とともに丁寧に手作りしている、昔ながらの蒲鉾屋だ。

実は、蒲鉾の原料となる冷凍すり身は網走が発祥の地。
昭和35年、網走市にある北海道立水産試験場で開発され、現在では練り物づくりに欠かせない原料として広く利用されている。

レジで注文すると、後ろの厨房で揚げて、提供してくれるシステム。
香ばしい匂いに期待を膨らませていると、地元民らしき人が蒲鉾を買いにやってきた。
揚げたての「ちぎり揚げ えだ豆」は、外は香ばしく中身はふんわり。
枝豆のやさしい甘味とほどよい歯応えがアクセントになっている。
こうして網走の日常に自然と入り込めるのは、旅のなかでも貴重なひとときである。
- 住所
- 北海道網走市北五条西6-5
- 定休日
- 水曜、日曜、祝日
- 営業時間
- 9:00〜16:30
9:30 レンタサイクルで絶景スポット「能取岬」へ
道の駅「流氷街道網走」で電動アシスト付き自転車をレンタル。
網走随一の絶景スポット「能取岬」まで駆け抜けよう。

初夏の網走は緑が眩しく、どこを走っても爽快な景色が広がっている。
「能取岬」に向かう途中の坂道はとくに気持ちの良いサイクリングロードだ。

木漏れ日の下をゆっくり走ったり、遠くの海を眺めてみたり、自分だけの絶景スポットを見つけてみたり。
自由自在に動き回れるのはサイクリングならではだ。

「能取岬」に到着したら、自転車を停めて灯台付近や岬の自然を散策しよう。

美しい草原や透き通った海、どこまでも続く地平線―。
晴れた日にはオホーツク海の向こうにそびえる知床連山も望むことができる。

北海道らしいダイナミックな景色に癒やされること間違いなしのスポットだ。
12:00 「二ッ岩」のプライベートビーチでのんびり
再びレンタサイクルに乗って「二ッ岩」に移動。
“引き潮のときだけたどり着けるビーチ”を目指して海岸に下りる。

海岸左側の岩場を進み、その先にある草むらを抜けると、そこはまるでプライベートビーチ。

道路から離れていて観光客も少ないこの場所では、波と風の音だけが聞こえてくる。

岩の陰でひと休みしたり、波打ち際を歩いたり、ゆったりのんびり過ごす昼下がり。
プライベートビーチを楽しんだら、道の駅へレンタサイクルを返却して次のスポットへ出発だ。
- 住所
- 北海道網走市二ツ岩4-2
13:00 「UMINOBA」でおみやげ探し
オホーツク管内で生産された食品や生活雑貨が並ぶ「UMINOBA」でおみやげ探し。
店内にはハンバーガーや唐揚げ、フライドポテトなどの軽食もそろい、昼食をとりつつゆっくり買い物を楽しめる場所だ。

「UMINOBA」に隣接する食品工場で製造された商品も取り扱われている。
オホーツク産の長芋を使用した「長芋ゴロゴロキムチ」、コクと甘みが特徴のオホーツク産大豆・ユキホマレで作った「ホッカイドウユキホマレソイミルク」などが人気。

昭和16年に網走で創業した水野商店が手がける「てんさいひとくち黒みつ」は、オホーツク名産の甜菜(てんさい)から作られたお菓子。
やわらかな甘さと自然な風味が特徴で、大人から子どもまで幅広い世代に親しまれている。

食品だけでなく、オホーツク生まれの雑貨も豊富にそろっており、眺めているだけでも楽しいひととき。
旅の記憶を呼び起こすような、お気に入りのひと品を見つけて持ち帰りたい。
- 住所
- 北海道網走市藻琴14-1
- 定休日
- 不定休
- 営業時間
- フード10:00〜16:00、ドリンク10:00〜16:30、ショップ10:00〜17:00
15:00 季節の花が咲き誇る「小清水原生花園(隣町の小清水町)」へ
小清水町にある「小清水原生花園」は、年間約200種類の花が咲き誇る原生花園。
6〜7月にはエゾスカシユリやエゾキスゲ、ハマナス、クロユリなど色とりどりの花が咲き乱れ、観光客を楽しませている。

原生花園とは、人の手を加えずとも、季節ごとに色とりどりの花が咲き誇る湿地や草原のこと。
特有の植生が広がり、まるで自然が育んだ花畑のような風景が楽しめるのが特徴だ。

遊歩道を歩けば、色とりどりの花々に加え海や山の風景も広がり、網走の自然を全身で味わえる癒やしスポット。
旅の締めくくりは「小清水原生花園」で風に揺れる草花を眺めながら、旅の思い出に浸ってみて。
バードウォッチングもできるので、気になる方は下記の記事もチェックしよう。
番外編:原生花園へのアクセスには「JR釧網線」もお勧め
「小清水原生花園」の最寄り駅は、夏季限定で停車するJR釧網線「原生花園」駅。
オホーツク海沿いを走る列車の車窓から草原や海の風景を眺めれば、道東の旅情を一層深く味わえる。
「網走」駅から「原生花園」駅までの所要時間は約20分。
歩き疲れた身体を少し休めるのにもちょうどいい時間だ。
まとめ
初夏の網走は、爽やかな風と雄大な自然、そして地元の温もりにあふれている。
クジラやイルカとの出会い、原生花園の花々、海と草原が織りなす絶景、そして地元の味を楽しむ食の時間。
レンタカーで自由に巡ることで、その魅力を余すことなく体感できるだろう。
網走の自然、文化、暮らしにふれる旅は、きっと心に残る特別な時間になるはずだ。
四季で異なる表情を見せる網走を、ぜひ初夏に訪れてみてほしい。
また、冬の網走の魅力を知りたい方は下記の記事をチェックしよう。
網走に行きたいと思いましたか?
ご回答ありがとうございました。