
四季を映す和菓子の世界 和菓子完全ガイド
日常のなかで、季節を感じられるものは何があるでしょうか。服装、時候の挨拶、食など、さまざまなものがあります。実は、日本の伝統菓子である「和菓子」からも季節を感じることができます。というのも、和菓子は意匠として季節を繊細に表現しているものだからです。たとえば、茶席で用いられる上生菓子は、花や風景、季節の移ろいなど四季折々の自然を映し出しています。
本記事では、そんな日本人の繊細な美意識が込められた「和菓子」の歴史や種類、さらに和菓子作りにチャレンジできる体験教室をご紹介します!本記事を読んでいただくと、日本観光で和菓子を食べる際、きっとその和菓子の美しさやおいしさをさらに深く味わっていただくことができるでしょう。
和菓子とは
日本の伝統的なお菓子を「和菓子」といいます。単に食べておいしいお菓子というだけではなく、その意匠では季節感を表現していたり、自然の美しさを写し取っていたりします。また、日本の昔からある行事や風習と強い結びつきがあるのも特徴です。そんな和菓子の歴史、和菓子に欠かせない原料、和菓子の種類をご紹介します。
歴史
和菓子の歴史は、日本人が古代に「間食」として木の実や果実を食べていた時代までさかのぼります。それらの果実は主食と区別し、「果子」と呼ばれるものになったと考えられています。その後、奈良時代から平安時代にかけ、中国から伝わってきた「唐菓子」が宮廷や寺院で食べられるようになります。鎌倉時代には禅宗とともに点心文化が伝わってきて、蒸して作る饅頭や羊羹の原型が日本で広まっていきます。そうして、室町時代には和菓子は転機を迎えます。茶の湯の発展とともに和菓子が洗練されるのです。茶席で用いられる上生菓子の基礎が築かれました。さらに安土桃山時代になるとポルトガルなどからカステラや金平糖といった南蛮菓子が伝来。江戸時代になると、それまで高級品だった砂糖の流通が拡大し、菓子職人の技術が向上。多彩な和菓子文化が開花しました。明治以降は西洋文化の影響を受けつつも、独自の発展を続け、今日に至るまで日本の伝統文化のひとつとして親しまれています。
素材
小豆
あんでそのお菓子のおいしさが決まると言っても過言ではないほど、和菓子の基礎であり、生命です。そのあんの原料は、日本で古来から栽培されている小豆。小豆はマメ科の植物で、9〜10月にかけて収穫されます。小豆はこしあん、つぶしあん、小豆羹などの「あん」として使われるほか、お赤飯などにも用いられています。用途が広いのが特徴です。

大豆
大豆が日本に伝わったのは弥生時代初期と考えられています。当時は煮たり炒ったりして食べていたようです。奈良時代になると、現在でいう味噌やしょうゆの原料として利用され始めました。お菓子としては、大豆を粉にした「きな粉」や大豆を炒って外皮を除き、砕いて粉末にした「州浜粉」などに使われています。

粉
和菓子にはいろいろな粉が使われています。
粘り弾力が出すぎると火の通りが悪くなったり食感が悪くなったりするため、和菓子としては小麦粉の中でも「薄力粉」がよく使われています。
また、「片栗粉」は、本来はユリ科のカタクリの根からとったデンプンのことでしたが、昨今はその採取がほとんどなく、ジャガイモのデンプンのことを指します。
うるち米が原料の粉は「上新粉」、「上用粉」、「新引粉」、「しん粉」、「かるかん粉」などがあり、もち米が原料の粉は「道明寺粉」、「餅粉」、「寒梅粉」などがあります。
ほかに麦、玄米、蕨、葛、大豆などが原料の粉があり、どれも和菓子づくりには欠かせない素材です。

砂糖
洋菓子と和菓子の砂糖の種類はちがいます。和菓子では、お菓子の生地や焼物、押物など何にでも使う「上白糖(じょうはくとう)」や、上白糖より純度がやや低い「中白糖(ちゅうはくとう)」、独特なクセと香りが特徴の「三温糖(さんおんとう)」、さとうきびの汁を煮詰めて砂糖にした「黒砂糖(くろざとう)」、香川・徳島のごく限られた地域でのみ生産される高級白砂糖の「和三盆(わさんぼん)」などがあります。

種類
主菓子(おもがし)
お茶席などの主に正式な場で使われる、上品な生菓子のことです。生菓子のなかでも、きんとんや練り切りなどの「上生(じょうなま)」のことです。

きんとん
あんや求肥を丸めて小さな芯にして、練って裏ごしをほどこしたそぼろ状のあんをまぶしてできています。

練り切り
練り切りは2種類あります。白練あんにつなぎの求肥を加えて練った「練り切り」と、山芋を蒸して裏ごしし、砂糖を加えて練って作る「じょうよ練り切り」です。

干菓子(ひがし)
徳島や香川で伝統的に作られる和三盆糖を主原料とした「和三盆糖」、米粉・寒梅粉・はったい粉などに砂糖を加え木型で成形して乾燥させた「落雁」、精製度の低い砂糖を固めて作る「生砂糖(きざと)」、砂糖と水あめを煮て作る「有平」、粉や砂糖を型に詰めて押し固めた「押物」、砂糖や豆類を丸く仕上げた「玉物」など、乾いたお菓子のことです。水分量が少ないため日持ちしやすいのが特徴です。主菓子の添え物として使われます。

羊羹(ようかん)
羊羹はもとは神仏の供え物のひとつで、羊肉に黒砂糖を練り合わせたものでした。鎌倉時代に羊肉の代わりに小豆やくず粉を用いて作るようになり、室町時代には小豆あんと小麦粉を練って蒸した「蒸し羊羹」に、江戸時代になるとあんと砂糖と寒天を煮詰めて固めて作る「練り羊羹」になったと言われています。

饅頭(まんじゅう)
一般的に蒸しあげて、丸く形づくったものです。特に紅と白の「紅白饅頭」は、入学式や卒業式、地域の祝賀行事、結婚式などお祝い事の引菓子として用いられています。紅白は日本で古くから吉祥の色とされていて、紅は魔除けや生命力を、白は清浄や神聖さを表します。

琥珀糖(こはくとう)
寒天と砂糖を煮詰めて、冷やし固めたお菓子のことで、シャリシャリとした食感が特徴です。名の由来は宝石の琥珀からです。

最中(もなか)
皮は餅粉をこねて蒸し、薄く伸ばして型に入れて焼きます。その皮にあんをはさんで食べます。江戸時代半ばに生まれたお菓子です。

どら焼き/三笠(みかさ)
どら焼きの名前の由来は諸説あり、船の銅鑼に形が似ているからや、鉄板の代わりに銅鑼の上で生地を焼いたからという説があります。その形から三笠とも呼ばれています。どらやきは江戸時代初期にその原型ができたと考えられていますが、現在のようなどらやきになったのは大正時代と言われています。

水無月(みなづき)
水無月は日本の旧暦の6月を示す和風月名です。京都では1年のちょうど折り返しにあたる6月30日に、「夏越祓(なごしのはらえ)」という神事が各神社で執り行われます。これは、半年の罪や穢れを祓って残りの半年を無病息災でいられるようにと祈願するもの。
この「夏越祓」のときに食べる和菓子がこの「水無月」。白の外郎生地に小豆をのせた三角形の和菓子です。小豆は悪魔払いの意味があり、三角形は暑気を払う氷を表しているといわれています。

和菓子作り体験
四季のうつろいを色彩や意匠、味で表現する和菓子を、自分で作れる体験教室が、京都市にある「京菓匠 甘春堂」で行われています。実際に職人が和菓子を作るときに使う道具を使いながら、職人から直々に教えてもらえます。和菓子を作る難しさや、その和菓子に込められた意味を感じてみてください。
京菓匠 甘春堂
江戸時代後期から京都で和菓子を作り続ける老舗の「京菓匠 甘春堂」。良質の原料と水、そして自然の歳時記が揃い、和菓子を育むのに十分な京都で、各代堂主がめずらしい菓子の数々を生み出し、後世に伝えてきました。現在、京都市内に3店舗あります。
<甘春堂 本店>
本店は、京阪七条駅で下車し5番6番出口から、川端通りを北へ徒歩3分で到着します。
川端通り沿いにあり、とてもわかりやすい立地です。

- 郵便番号
- 605-0991
- 住所
- 京都府京都市東山区上堀詰町292-2 Googleマップ
- 電話番号
- 075-561-4019
<甘春堂 東店>
本店から正面通を歩いて4分ほどのところにあるのが東店です。豊国神社の門前にあります。

- 郵便番号
- 605-0931
- 住所
- 京都府京都市東山区 大和大路通正面下る茶屋町511-1(豊国神社前)Googleマップ
- 電話
- 075-561-1318
<甘春堂 嵯峨野店>
大覚寺や嵐山から歩いて10分以内にあるのは嵯峨野店です。嵐山・嵯峨野散策の際にアクセスしやすい店舗です。
- 郵便番号
- 616-8422
- 住所
- 京都府京都市右京区嵯峨釈迦堂大門町1-1(清涼寺前-嵯峨釈迦堂)Googleマップ
- 電話
- 075-861-5488
東店と嵯峨野店では、抹茶セットや季節のお菓子がいただける茶房があったり、体験教室が行われていたりします。体験教室では、職人のかたから直々に和菓子作りを教えてもらうことができます。
職人から直々に教えてもらおう
今回は東店の体験教室で和菓子作りを体験しました。この体験教室では、干菓子を1種類、上生菓子を3種類作ることができます。そして体験後はお抹茶と作りたての上生菓子をいただくことができ、とても人気の体験です。
和菓子なので、季節(1ヶ月)によって作る意匠が異なります。
春は菜の花、桜、うぐいす など
夏はあやめ、石竹、朝顔 など
秋は菊、紅葉、銀杏 など
冬は梅、山茶花、松葉、椿 など
作り方が少しずつ違うので、毎月通いたくなります。
※今回は6月に体験しました。
<京都 和菓子体験・一般コース(東店)>
- 開催日
- 毎日(1/1は休講)
- 時間
-
9:15〜10:30、11:00〜12:15、13:15〜14:30、15:00〜16:15 の1日4回
※手洗い等の準備があるので、開始時間の10分前に到着しましょう。 - 所要時間
- 1時間15分程度 ※参加人数により時間が前後する可能性もあります。
- 料金
- 3,700円(税込)
- 申し込み
-
https://www.kanshundo.co.jp/wagashiform/
※2〜3日くらい前までに予約をしましょう。
※当日の予約は直接店舗に問い合わせしましょう。
※体験教室はほかの参加者もいます。一斉にスタートするので時間は厳守しましょう。 - 持ち物
- なし
- 外国語対応
- 英語、中国語、韓国語のテキストがあるので申し込み時に伝えましょう。
和菓子づくり体験のながれ
(1) 受付
お店に到着したら、まずはスタッフのかたに声をかけて受付を済ませましょう。ほかの人が集まってくるまで待ちます。
店内では、時間帯によっては、職人のかたが和菓子を作っている様子を見ることもできます。

また、干菓子で使うさまざまな木型が展示されています。

花などの植物や蝶など。東店だけでも60種類ほどあるそうです。

工芸菓子にもぜひ注目してください。お菓子でできていて、なんと実際に食べられるそうです!
(2) 2階へ上がって準備
体験教室は2階で行います。2階に着いたら、貴重品を持ち、そのほかの荷物は棚に置きます。そして石鹸でしっかりと手を洗いましょう。

(3) まずは干菓子きざと作り
はじめに、干菓子の「きざと」の「あゆ」を作っていきます。「きざと」は元禄・享保時代に始まり、献上菓子から生まれ、京都で発達してきたお菓子です。「生砂糖」と書くように、生地のほとんどが砂糖で、それにもち米の粉と少量の水を加えて練り、色をつけてできています。その生地はすでにできあがっていて、参加者はその生地を、めん棒を使って左右の厚さが同じになるように、正方形になるまで伸ばします。

その後、あゆの形のぬき型を使って型抜きします。水色が背側、白色が腹側になるように作ります。

きれいに型が抜けました。こちらは持ち帰ったら3日ほど乾かして水分を蒸発させるとできあがります。

あゆの型が抜かれたほうの余った生地はその場でいただけます。生地の柔らかい食感をしっかりと覚えておいてください。3日間乾燥させたあゆの型のほうは水分が抜けてとても硬くなります。家に帰って食感のちがいを楽しんでみてください。
「きざと」作りは、ほかの季節は、あやめや蔦、桔梗、すいせん、銀杏、紅葉などを作ることができます。
(4) 上生菓子 ういろ作り
続いては、「ういろ」作りです。果物のびわを作ります。ういろは「ういろう(外郎)」と同じです。ういろの生地は砂糖、もち粉、米粉などを水で練って色をつけ、せいろで50分ほど蒸して作るものです。生地はできあがっているので、ういろを広げるところからスタート。このういろ作りでは「なかぼかし」という技に挑戦します。

ういろはとても手にくっつきやすいため、だいず油を指先に少しだけつけて、手のひら全体に伸ばします。その後オレンジ色のういろを、少し伸ばします。伸ばしたら、中心より外側に指を使ってくぼみを作ります。くぼみには緑色のういろを入れてなじませ、手の腹を使って、手のひらくらいの大きさまで広げます。

そして白あんを中心部にのせ、たまご型に包んでいきます。

できたらひっくり返すと…緑色のういろが少し透けているように見えます。

これが「なかぼかし」という和菓子づくりでの技。まるで本物のびわのようです。手のひらでコロコロ転がして形を整え、最後になかぼかしの部分に指でくぼみをつけるとできあがり。

「ういろ」作りは、ほかの季節は、木守りや福寿草、梅、ほおずきなどを作ることができます。
(5) 上生菓子 練り切り作り
次は「練り切り」作りです。なでしこの花を表現します。「練り切り」は、ねばりのあるあんが特徴で、あんにもち粉のつなぎを入れて炊いています。上生菓子で最も利用される生地だそうです。練り切りの整形には木型に入れて形をつける場合もあるそうですが、甘春堂では布巾で絞ったり、ヘラで整合したりと昔ながらの方法で作っているのだそうです。今回の練り切りでも「なかぼかし」の技を使っていきます。

まずはピンクのあんを指先を使って練り、やわらかくします。

そして大きいあんと小さいあんに分けます。だいたいでOK。赤のあんも指先を使って練って、やわらかくしておきます。
続いてピンクのあんの大きいほうを手のひらサイズに広げます。

指の腹でくぼみを中心につけてそこに赤のあんを入れます。


そしてピンクのあんの小さいほうで蓋をします。

その後、ひっくり返し、赤のあんを入れた中心付近を指でやさしく掘ります。そうすると、中の赤いあんが顔を出します。これが「練り切り」の「なかぼかし」です。


そこから再び手のひらサイズに広げてこしあんを包みます。この包む工程は、職人が一番はじめに練習する工程なのだそうです。


包み終えたら、手のひらで転がして、丸い形に整えます。
ここからは整形をしていきます。まずは側面に指をあてて、くぼみを作り、花びらに見立てるベースを作っていきます。指はあんに対して垂直にあてるのがポイントです。

なかぼかしが思った以上に難しく、花びらのベースを作るのも均等にするのがうまくいかずに、思っていた感じとは違いますが…花びらのような形にはなりました。

そして竹ぐしを使って中心に目印を入れます。

くぼみをつけたところに三角ベラと呼ばれる和菓子作りの道具をあてて、目印に向かってくぼみをつけていきます。

三角ベラを押し倒すように使うのがポイント。職人のかたが三角ベラを使うときの持ち方なども指導してくれました。
続いては、花びら一枚一枚に、なでしこの花びらの特徴であるギザギザを三角ベラで入れていきます。

最後に、めしべを作ります。めしべを作るときには馬の毛を使った通しの道具を使います。黄色のあんをのせ、指先でぎゅっと押すと通しから本当にめしべのようなあんが出てきました。


めしべを、箸を使ってそっと花の上にのせるとできあがり。

「練り切り」作りは、ほかの季節は、牡丹、桔梗、梅、山茶花、野菊、紅葉などを作ることができます。
(6) 上生菓子 きんとん作り
最後は「きんとん」作りです。きんとんは「金団」とも書き、上生菓子には欠かせないお菓子のひとつです。今回は「あじさい」を作ります。緑色と紫色のようかんを使って作ります。

このようかんは、あんと寒天を一緒に炊いたものだそう。籐という、つる性の植物でできた、きんとん用の裏ごしで通して作ります。
そのきんとん通しに緑色と紫色のようかんを置き、手のひらの腹で上から押していきます。

しっかり腹を使わないと難しく、手のひらのくぼみにようかんが流れてしまいます。きんとん通しで押すと、あんがそぼろ状になって出てきます。

これを、つぶあんの玉につけていきます。そぼろをつぶさないように注意しながら、ふわっとやさしくつけていきましょう。上だけでなく側面までつぶあんをすべて覆うようにつけるのがポイントです。

最後に、あじさいに滴る雨粒に見立てた寒天を4粒ほどつけてできあがりです。

「きんとん」作りは、ほかの季節は、つつじや、やぶこうじなどを作ることができます。
(7) お抹茶ときんとんをいただく
これですべての和菓子作りが終了です。

干菓子から上生菓子の様々な種類を作ることができました。食べておいしいだけでなく見た目も華やかで美しい和菓子を作るのは難しく、職人技が必要なことを改めて実感することができました。
お抹茶と、最後に作ったきんとんをその場でいただくことができます。

和菓子をいただくときの楊枝である「黒文字」を使っていただきます。この「黒文字」はクロモジという木を削ってできていて、手でこすると柑橘系の良い香りがします。この黒文字で、和菓子を切ったり刺したりします。洗って何度か使うことができます。食べ終わったあと、ぜひ持って帰って残りの和菓子を食べるときにも使ってみてください。
できたての「きんとん」は、とてもおいしかったです。あんの甘すぎない上品な甘さが口の中に広がりました。ただ、そぼろはやさしくつけすぎたばかりにほろほろと落ちてしまいました。普段買って食べているきんとんはそんなことにはなりません。そぼろをやさしくつける必要はありますが、その中でもしっかりと中のあん玉につけることができる、職人の技を感じました。四季を映した華やかな見た目と、味を大切にした和菓子ならではの技です。
喫茶でひといき
東店と嵯峨野店では喫茶も併設されています。上生菓子と薄茶と干菓子が付いた抹茶セットや生わらび餅と抹茶のセットなどがあります。季節限定や店舗限定のメニューもたくさんあるので、ぜひ利用してみてください。
お土産を購入
旅のお土産に和菓子を購入するのもおススメです。

生菓子の賞味期限は当日中のものが多いですが、そのほかの和菓子は日持ちするものも多くあります。特に干菓子は原料が主に砂糖なので、2ヶ月ほど持ちます。種類豊富で、花や波紋、魚など形も色もさまざまで、見た目も華やか。お土産に喜ばれること間違いなしです。


甘春堂では、ほかにも四季折々の和菓子が約1000種類あるそうです。季節ごとに通いたくなります。
特に本店と東店でおススメなのは、大仏餅です。

本店と東店の近くにある寺「方広寺」には、かつて「京の大仏」と呼ばれる大きな仏様が鎮座されていました。安永9年(1780年)に刊行された「都名所図会(みやこめいしょずえ)」という京都に関する地誌の中で、方広寺の近くで売られている「大仏餅」が紹介されています。

大仏餅は、あんをやわらかい餅で包んだ甘い和菓子だったそうで、大仏を見に来た人たちがおやつやお土産として味わっていたと言われています。「都名所図会」ではお店の前のにぎわいや、人々が大仏餅を買う様子も描かれていて、門前菓子として人気だったことがうかがえます。
その大仏餅は一度途絶えたのですが、甘春堂がその幻の門前菓子を再現。当時と同じ製法にこだわり、杵と臼でついた餅に上質のあんを包んだ餅菓子です。
まとめ
ただ甘くておいしいだけではない和菓子。その意匠の豊かさは、四季ごとの自然の変化が豊かである日本だからこそ生まれた表現だと感じます。桜や紅葉、雪景色などを小さなお菓子の中に繊細に表現する技には、四季の移ろいを慈しむ日本人のこころが息づいているのではないでしょうか。季節の訪れや日本の美しい文化を、和菓子から感じてみませんか?和菓子を味わうときは、お菓子に込められた背景や物語にもぜひ注目してみてください。
