【浜松城の観光ガイド】徳川家康の面影が残る名城を散策しよう
徳川家康(とくがわいえやす)と縁のある「浜松城」。
徳川家康の天下統一の足がかりとなったお城は、今や人気の観光スポットとなっている。
当時の面影が残り、美しい自然景観にも恵まれた魅力的な「浜松城」に、徳川家康を知らずとも足を運んでみてほしい。
この記事では「浜松城」を満喫するために知っておきたい、お勧め観光シーズンや見どころなどを紹介していく。
浜松城ってどんなところ?
静岡県浜松市中区にある「浜松城公園」、敷地内に位置する「浜松城」。
織田信長(おだのぶなが)・豊臣秀吉(とよとみひでよし)と並んで、戦国三英傑に名を連ねる徳川家康(とくがわいえやす)が築城したお城として知られている。
天下統一の足がかりとなったお城であること、江戸時代(1603〜1868年)の城主が江戸幕府で要職を務めることになったことから、「出世城」とも呼ばれている。
再現された天守閣や天守門といった建造物や、「浜松城公園」の美しい四季折々の景観から、現在では浜松でも人気の観光スポットだ。
茶道を楽しめる「松韻亭」も併設。
抹茶もしくは煎茶と和菓子セットが味わえるので、ぜひ立ち寄ってほしい。
浜松城の歴史
1514年に築かれた「曳馬城」だったが、天下統一を目指した徳川家康が1568年に攻略。
1570年に「曳馬城」を取り込む形で「浜松城」を築城。
徳川家康は29歳〜45歳までの17年間、「浜松城」に居城した。
その間に行われた様々な戦争で力をつけた徳川家康は、1582年に駿河国(現在の静岡県東部)を手に入れ、「駿府城」へ転居。
徳川家康が天下統一を果たし、江戸幕府を開いた後に城主をひき受けた13名は、幕府の要職に就任したことから、「出世城」とも呼ばれるようになった。
浜松城へのアクセス
静岡観光の移動拠点である、「JR静岡駅」からのアクセスを案内しよう。
在来線より約1,000円高いが、「浜松駅」まで新幹線も使える。
時間を節約したい場合は、新幹線の利用も考えよう。
- 経路
-
1. JR東海道本線 (浜松行)へ乗車し、「浜松駅」で下車
2. 遠州バス(50・51・53番のいずれか)へ乗車し、「浜松城公園入口」で下車
3.バス停から徒歩約5分 - 所要時間
- 約1時間30分
浜松城の営業時間と利用料
「浜松城」の営業時間と利用料は、以下の表にまとめたので、参考にしてほしい。
12月29日から31日までは休館日となっているので、注意しよう。
- 営業時間
- 8:30〜16:30(最終入場は16:20まで)
- 入場料
-
・大人:200円
・中学生以下:無料
浜松城のお勧め観光シーズンは?
「浜松城」を訪れるなら、桜を眺められる春がお勧め。
ソメイヨシノやシダレザクラ、オオシマザクラやヤエザクラなど、約330本の桜が城を取り囲むように咲く。見頃は3月下旬〜4月上旬。
桜と緑が飾る「浜松城」は格別の美しさだ。
ライトアップされた桜と暗闇に浮かぶ城が生み出す、幽玄な世界も必見。
桜の名所でもある「浜松城」には、ぜひ春に訪れてほしい。
知っておけば何倍も楽しめる!浜松城の見どころ6選
「浜松城」と「浜松城公園」には、徳川家康の面影を残す建造物と美しい自然景観を楽しめるスポットが点在している。
その中でも、絶対に外せない見どころを厳選して紹介しよう。
これから紹介する見どころをしっかり押さえておくことで、「浜松城」を何倍にも楽しめるはずだ。
1. 見どころ盛りだくさんの「天守閣」
1958年に鉄筋コンクリート造で再建され、2021年にリニューアルされた「天守閣」。
元々の「天守閣」は天守台のサイズから計算すると、現在の1.5倍あったと推定されている。真横から見て、天守台と天守閣の差を確かめてみよう。
建築様式は望楼型の3重天守。望楼型とは、安土・桃山時代から江戸時代の初期に見られる古い形だ。
現在は当時の遺構、徳川家康や浜松城に関する資料などの展示が行われている。
「天守閣」の3階は展望台となっており、静岡の景色を一望できる。
1階の売店では、登城記念の御城印や出世パワーカードなど、「浜松城」にちなんだお土産が販売されているので、旅の記念に買って帰ろう。
以下に各フロアの概要を紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
階数 | 内容 | 見どころ・特徴 |
---|---|---|
3階 | 展望台 | 北に三方ヶ原古戦場・南に遠州灘、西に浜名湖・東に富士山を一望できる。 |
2階 | 浜松城に関する展示 | 浜松城に関する出土品などの展示や、600分の1に縮尺した浜松城と城下街の模型が展示されている。 |
1階 | 徳川家康に関する展示 | 徳川家康の甲冑・歯朶具足(しだぐそく)の展示 |
地下室 | 当時の井戸を展示 | 約400年間埋められていた井戸の展示 |
2. ハート型の石を見つけて恋愛運アップ?「天守台の石垣」
天守台の石垣は石を加工せず、そのままの形を積み上げる「野面積み」という手法が使われている。
隙間に小さな石を入れ、石同士が動かないよう固定しているので、石垣をよく観察してみよう。
天守台の石垣の中にはハート型の石が2つあり、発見すれば恋愛運UPすると話題になっている。
3. 貫禄と迫力を感じられる「天守門」
高さ9.4m・幅11m・奥行き5mと、巨大な櫓門である「天守門」。
城を攻められた際に櫓から弓矢や鉄砲で敵を撃つ役割や、武器や食料を保管する役割を持っていた。
「天守門」は安土桃山時代(1573〜1603年)に造られたが、1873年に取り壊された。
その後、2000年代の発掘調査を経て、2014年に現在の姿へ復元。
両脇には石垣の補強と城主の力を主張するための巨石が配置された。
迫力ある「天守門」も「浜松城」を観光するなら見逃せない。
4. 全国的にも珍しい「天守曲輪」
「天守曲輪」とは、城や砦を守る目的で造られた石垣。
「浜松城」の天守閣の土台となっている部分が「天守曲輪」だ
「浜松城」の「天守曲輪」は、ほぼ当時のまま残っている。
斜面の上部は土塁の上に石垣を積んだ「鉢巻石垣」を採用し、石垣が複雑に折れ曲がった、特徴的な形をしている。
珍しい「天守曲輪」も見逃せない見どころのひとつだ。
5. 若き日の姿が見られる「家康公の銅像」
天守門の東に、若き日の徳川家康の銅像が配置されている。
この銅像は、1981年に「徳川家康公若き日の銅像建設委員会」により建てられた。
「勝草」と呼ばれる、兜につけたシダの印を持ち、堂々とした表情で立つ。
世の平和を願った徳川家康は、器の大きな人間味あふれる人物だ。
銅像を見ながら、徳川家康がこの地で過ごした日々に思いを馳せてみよう。
6. 日本人の美意識が詰まった「日本庭園」
天守閣の東には日本ならではの風情と、四季折々の景観を楽しめる「日本庭園」がある。
池泉回遊式庭園なので、池の周囲に設けられた散策路を巡りながら、趣向を凝らした景観を楽しめる。
見どころは、斜面を落ちる大滝と2本の切石から成る石橋だ。
東屋や竹林、木橋や竹垣など、日本人の美意識が詰まった空間に、ぜひ立ち寄ってほしい。
浜松名物も堪能できる!浜松城周辺の人気飲食店3選
浜松城周辺には飲食店が多く、日本食をはじめとする様々なグルメが楽しめる。
浜松の名物グルメを味わえる名店もあるため、「浜松城」を観光したら、ぜひ周辺でランチやディナーを食べてみてほしい。
浜松城周辺に数ある飲食店の中でも、特に人気の飲食店を厳選して紹介しよう。
1. 和風ダイニング さくら 浜松
「浜松城公園」から徒歩10分ほどの場所にある「和風ダイニング さくら 浜松」は、上質な馬刺しが味わえる和風ダイニング。
メインは馬肉だが、魚介類や焼き物、煮物など何を注文してもおいしいと地元客からの評判が良い人気店だ。
2. シャンゼリゼ
「浜松城公園」の近くで食事をするのにおすすめなのが「ホテルコンコルド浜松」内にあるブッフェレストラン「シャンゼリゼ」。
ホテルのシェフが手作りする和・洋・中の料理とスイーツをブッフェスタイルで提供しており、浜松の旬の味覚を好きなだけ味わえる。
3. 浜名湖うなぎ 元城亭
浜松城隣接のホテル、「ホテルコンコルド浜松」の最上階(18階)にあるうなぎ料理専門店。
地上60mからの浜松随一のパノラマ絶景とうなぎ料理が楽しめる。
使用するうなぎは、厳選された浜名湖産。
通常のうなぎよりも大きめで脂の乗りがよく、品質にバラつきがないのが浜名湖うなぎの特徴。
徳川家康と縁のある静岡の観光スポット3選
静岡には徳川家康と縁のある観光スポットが多い。
それもそのはずで、子供の頃に駿府(現在の静岡市)で暮らし、将軍を退いたあとも、駿府で隠居していた。
成人の儀式を行った「静岡浅間神社」、武田信玄(たけだしんげん)と戦った「高天神城跡」など、さまざまな史跡が点在。
静岡を観光するなら、徳川家康に縁のある観光スポットも巡ってほしい。
1. 久能山東照宮
江戸幕府を開いた徳川家康公を祀るため、2代将軍秀忠公が1617年に創建した神社。
「死後は久能山に葬るように」との遺言にもとづき、建てられたといわれる。
御社殿は本殿と、参拝するための拝殿を石の間でつないだ権現造。
総漆塗りで豪奢な装飾に彩られた江戸時代初期を代表する建造物で、2010年に国宝建造物の指定を受けた。
2. 駿府城公園
江戸幕府を開いた初代将軍・徳川家康公が天正13年(1585)に築城、将軍職を退いたあと大御所として晩年を過ごした駿府城の城跡を整備。
静岡市の中心に位置し、二重のお堀と石垣で周囲を囲まれた市民公園として、観光名所としても多くの人が訪れている。
3. 静岡浅間神社
神部(かんべ)神社、浅間(あさま)神社、大歳御祖(おおとしみおや)神社の三社の総称で、通称は「おせんげんさん」。
古くから駿河国総社として信仰され、江戸時代には竹千代(家康の幼名)が元服式をおこなったと言われており、特に徳川家の崇敬を受けた。
現在の社殿群は1804年から60年の歳月をかけて徳川幕府によって造営されたもので、社殿26棟すべてが国の重要文化財。
浜松城に関するよくある質問
Q
浜松城は誰がいつ建てた?
1570年に徳川家康が築きました。
Q
浜松城の魅力は?
「野面積み」の石垣や天守閣、復元された天守門です。
まとめ
「浜松城」の歴史や見どころ、徳川家康と縁のある観光スポットを紹介してきた。
この記事を参考に観光すれば、徳川家康をあまり知らなくても満喫できるはずだ。
静岡観光の予定がある方は、静岡の定番観光スポットやグルメなどを紹介している、こちらの記事も参考にしてほしい。