【白川郷の観光ガイド】日本の原風景と伝統文化を目で見て肌で感じよう
日本の原風景が残る秘境「白川郷」。
山々に囲まれた合掌造り集落の四季折々の景観には、日本人だけでなく外国人も魅了されている。
その美しい景観が最大の魅力であることは間違いないが、その他にも様々な魅力が「白川郷」には詰まっている。
この記事では「白川郷」の魅力や人気観光スポットなど、観光前に知っておきたい情報をご紹介。
記事の内容を参考に「白川郷」を観光すれば、その魅力を余すところなく満喫できるだろう。
白川郷ってどんなところ?
岐阜県北西部に位置する「白川郷」。険しい山々に囲まれており、庄川に沿って幾つかの集落が形成されている。
日本でも有数の豪雪地帯のため、かつては冬になると外界との交流が遮断され、秘境とも呼ばれた。
「白川郷」の96%が山林、0.4%が農耕地である山村で、日本の原風景が今もなお残っている。
「白川郷」の美しく、日本人にとって懐かしい景観は1976年に伝統的建造物群保存地区に選定。
茅葺きの三角屋根が特徴の伝統建築である、合掌造りの家が集まった「合掌造り集落」は、1995年に世界遺産に登録されている。
大小あわせて100棟余りの合掌造りが残っており、合掌集落の規模としては全国最大。
合掌造り集落は、「白川郷」の中央から少し北側に位置する萩町地区にある。
萩町地区の合掌造り集落を指して、「白川郷」と呼ぶことも多い。
萩町地区の合掌造り集落は人気観光スポットとなっており、日本の原風景や昔ながらの日本の伝統文化を体験・見学するために、日々多くの人々が訪れている。
白山の麓が源泉地となる「平瀬温泉」やキャンプ場、宿泊施設などもあり、雄大な自然を体感できるスポットも多い。
白川郷へのアクセス
白川郷のお勧め観光シーズンは?
雄大な自然と合掌造り集落が織りなす、美しい風景が魅力の「白川郷」。
いつ訪れても素晴らしい風景を楽しめるが、特にお勧めのシーズンは秋と冬だ。
秋になると周囲の山々が紅や黄金色に染まり、色彩豊かな紅葉に囲まれた合掌造り集落はまさに絶景。
豪雪地帯のため、冬になると周囲の山々と合掌集落に雪が降り積もり、辺り一面が銀世界に。
日没後は合掌集落がライトアップされ、秘境だと強く感じられる景観が広がる。
日本の原風景と伝統文化を満喫できる白川郷の魅力
「白川郷」の山々に囲まれた合掌造り集落には、美しい景観だけではなく、様々な魅力が詰まっている。
その中でも特に注目すべき魅力を厳選して紹介しよう。
これから紹介する内容をふまえて観光すれば、「白川郷」をより楽しめるだろう。
日本人の知恵と技が詰まった合掌造り
古き良き日本の伝統文化・景観を、今もなお守り続けている「白川郷」。
険しい山々に囲まれた合掌造り集落に訪れれば、田畑が広がる長閑な田園風景に出会える。
日本人には美しく懐かしく、外国人にとっては新鮮な光景だろう。
「白川郷」の田園風景の特徴である合掌造りには、厳冬の豪雪に耐えるための工夫が施されている。
風の抵抗を減らすために屋根を東西に向けて、雪を溶けやすくしている構造もそのひとつだ。
そのため、どの合掌造りも同じ方角に向けて建てられている。
景色の一部としてだけではなく、合掌造り自体もよく観察してみてほしい。
季節によって表情を変える美しい景観
豊かな自然の中に合掌造り集落があるため、春は桜、夏は緑鮮やかな田園風景、秋は紅葉、冬は雪景色、季節によって異なる景色を見られる。
運が良ければ残雪と桜を同時に見られる春
3月に入って気温が上がると、ようやく雪解けが始まる。
集落近くの山に入れば、5月過ぎまで残雪が残っているため、運が良ければ雪と桜を同時に見られる。
桜の開花は遅く、見頃は4月下旬から5月上旬。
本数は多くないものの、桜が彩る合掌造りの集落では、春を体感できる景色が広がっている。
生命力と郷愁を感じられる夏
「白川郷」といえば、冬というイメージが強いかもしれない。
しかし、美しい新緑と季節の花々が咲き誇る、夏の「白川郷」にも美しい光景は広がる。涼しく過ごしやすいのも魅力のひとつだ。
古き良き「日本の夏の田舎」の景色が広がる、「白川郷」を夏に散策するのもお勧めだ。
色彩豊かな山々と黄金色が広がる田んぼが魅力の秋
錦の山で囲まれた秋の「白川郷」では、格別に美しい風景を満喫できる。
紅葉シーズンは10月中旬から11月中旬。
田んぼに黄金色の稲穂が実る光景も見逃せない。田園風景が最も美しく輝く、秋の白川郷も散策してみよう。
秘境の雰囲気漂う絶景を見られる冬
豪雪地帯のため、2月になると積雪が170cm以上を超えることもある、冬の「白川郷」。
雪が深く降り積もる山々と合掌造り集落からは、日本ならではの美しさを感じられる。
冬には外界との交流が遮断され、秘境と呼ばれていたことを納得できる絶景だ。
日本人の古き良き生活や文化を体感できる
「白川郷」の合掌造り集落では、岐阜県重要文化財9棟を含む、25棟の合掌造りを公開し、屋根裏まで見学できる。
それ以外にも、歴史資料館や神社・お寺・水車小屋など、日本の伝統文化を体験できる施設や建物も多い。
郷土料理を味わえる飲食店もあり、日本の食文化も体感できる。
農村の文化と暮らしを体感できる「白川郷」を観光すれば、昔の日本人がどのように暮らしていたのかがわかるだろう。
周辺には「白川郷温泉」や「平瀬温泉」といった温泉地もあるため、宿泊はもちろん日帰り温泉も楽しめる。
白川郷の魅力を満喫できる人気観光スポット8選
日本の原風景が広がり、伝統文化を体感できる世界遺産「白川郷」で、訪れるべき観光スポットを厳選してご紹介。
ここで紹介する観光スポットを巡れば、「白川郷」の魅力を心ゆくまで楽しめるはずだ。
1. 和田家
ユネスコ世界遺産にも登録されている趣のあるエリア内のなかでも、「和田家」は最大級クラスの規模を誇り、唯一国の重要文化財に指定されている。
3階建ての住宅は、現在も住居として利用されている。
1階と2階部分が公開されており、内部の見学が可能。2階から眺める田園風景もまた格別だ。江戸時代から続く合掌造りで当時の暮らしを体感しよう。
2. 荻町城跡展望台
「白川郷」の集落を高台から見渡せる人気の眺望スポット。
荻町城は麓から高さ約60mの城山に築かれた東西約60m、南北約50mの小さな山城で、現在は土塁などの遺構が残る。
村人たちの暮らしを支えた優れた家々は、間近で観賞するのはもちろん、高台から一望すると感慨もひとしお。
荻町集落から「荻町城跡展望台」へは有料シャトルバスが運行している。徒歩でも、比較的ゆるやかな山道を登って30分ほど。
3. 白山白川郷ホワイトロード
「白山白川郷ホワイトロード」は、石川県白山市と岐阜県の世界遺産・白川郷を結ぶドライブルート。
6月中旬~11月上旬のみ通れる期間限定の山岳観光道路で、沿道からは雄大な自然景観が楽しめる。
車窓からの景色を楽しむドライブのほか、ウォーキングやトレッキングができるポイントも用意されている。
4. であい橋
「白川郷合掌造り集落」へ続く全長107mの吊り橋。
白川郷を見学する際に便利な公共駐車場「村営せせらぎ公園駐車場」と集落を結んでおり、橋を渡ると集落の入口に到着する。
橋は川幅の広い庄川に架かっており、吊り橋の上から眺める川の景色も美しい。
川面からはさほど離れておらず、橋を渡ると庄川の清らかな流れも感じられて解放感たっぷりだ。
5. 野外博物館合掌造り民家園
岐阜県重要文化財指定建造物9棟をふくむ全25棟の建造物を保存公開する屋外型博物館。
時には積雪4mを超す豪雪が降るなど、厳しい自然環境とともに暮らしてきた白川村の合掌造りを保存するために、1972年に開館した。
古いものでは、推定宝暦年間(1750年代)に建築された「旧山下陽朗家住宅」のように築260年を越えるものも。
6. 道の駅飛騨白山
日本三名山のひとつに数えられる霊峰「白山」のふもとに位置する。
岐阜県側からの白山登山の拠点でもあり、「白川郷」を訪れる観光客の休憩所としても機能している。
子宝の湯として親しまれている、源泉かけ流しの日帰り入浴施設「しらみずの湯」が隣接。敷地内には名湯を気軽に楽しめる足湯があり、24時間無料で利用可能。
7. 白川八幡神社
「白川郷合掌造り集落」内に鎮座する神社で、創建は708年から715年の間とされている。
主祭神は応神天皇で、社殿の右隣にある釈迦堂は神道と仏教が融合した神仏習合時代の名残とされるもの。
釈迦堂は1627年に当時の領主、山下氏勝が建立したと伝わる。
境内にある老杉は高さ30mほどあり、村の天然記念物に指定されている。
8. 城山天守閣
世界遺産白川郷の合掌造り集落を望む「天守閣展望台」は「てんぼうだいのおみやげやさん」「てんぼうだいのカフェ」に併設されており、絶景スポットとして親しまれている。
展望台からは森に囲まれた集落に建つ合掌造り家屋や田んぼなど、まさに日本の原風景ともいえるノスタルジックな景観が眼下に広がる。
最も美しく幻想的な白川郷を見られる冬季ライトアップイベント
以上紹介したオススメの見どころ以外、雪の降り積もる「白川郷」の合掌造り集落は、1年に6回だけライトアップされる。
ライトアップイベントは、冬季限定で毎年1〜2月の間に開催。
日没後、雪化粧した合掌造り集落が光に照らされる様子は、とても美しく幻想的だ。
特に展望台から一望する、周囲の山々とライトアップされた合掌造りは絶景。
人気のイベントであり、完全事前予約制となっているため、注意してほしい。
ライトアップイベントの日程やチケットについては、公式サイトをチェックしよう。
地元の食材を活かした絶品料理を堪能!白川郷の人気飲食店3選
「白川郷」やその周辺には、飛騨牛をはじめとする地域の食材やご当地グルメを味わえる飲食店が多い。
豊かな食材に育まれた食材を活かした、絶品料理を味わえる人気の飲食店を厳選して紹介しよう。
1. てんから
世界遺産・白川郷の合掌造集落から車で5分ほどの場所にある焼き肉店。
老舗の精肉業者から買い付ける、最高級のA4・A5ランクの飛騨牛をお手頃な価格で提供している。
飛騨牛は霜降りが多く、柔らかい肉質と甘みのある脂が特徴。
ステーキに使われる最高級のサーロインやロース、くちどけが良く旨味たっぷりの脂を堪能できるカルビなどが単品で用意され、部位による肉質や味の違いを楽しめる。
2. ます園 文助
湧水を利用した生け簀で泳ぐイワナやアマゴ、ニジマスをさまざまな調理法で味わえる白川郷の川魚料理店。
合掌造り集落からやや離れた展望台方面の静かな場所にあり、合掌造りの建物を取り囲むようにして広がる庭園を眺めながら落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しめる。
3. 白川郷 お食事処いろり
合掌造りの民家を利用した店舗で、地元産の食材を使った飛騨地方の郷土料理を楽しめる。
料理は品数豊富な定食が人気。味噌味でご飯が進む「朴葉味噌焼き定食」や「鶏ちゃん定食」、白川郷名物の硬い豆腐を使った「焼きどうふ定食」、地元では有名なご当地グルメ「漬物ステーキ定食」などメニューはさまざま。
白川郷の魅力が詰まったお勧めの宿泊施設3選
「白川郷」にはその豊かな自然を活かした体験をできる宿泊施設や、観光で疲れた身体を癒してくれる温泉宿、歴史ある建物に泊まれる宿泊施設など、「白川郷」の魅力を存分に活かした宿泊施設がある。
時間をかけて「白川郷」をゆっくり楽しみたい方は、ぜひこれから紹介する施設に泊まってほしい。
1. トヨタ白川郷自然學校
白山国立公園のすぐそばにある宿泊施設で、周辺の自然環境を利用した体験プログラムを多数提供。
四季折々のさまざまなアクティビティを楽しめるほか、天然温泉や地元食材を味わえるレストランなど館内施設も充実している。
自然の中で思いっきり遊んだあとは、天然温泉で癒しのひと時を。大浴場は内湯と露天風呂があり、露天風呂からは満天の星空や冬は雪見風呂を楽しめる。
2. 御宿 結の庄
世界遺産・白川郷の集落入口にある温泉宿。
切妻合掌造りを摸した建物で、白川郷の歴史と趣を感じながら贅沢なひと時を過ごせる。
宿自慢の天然温泉は内湯と露天風呂、サウナが付いた大浴場のほか、2種類の貸切風呂もあり。
檜風呂の「天雲の湯」と陶器風呂の「星雲の湯」はどちらも露天風呂で、プライベートな空間で白川郷の風景を楽しめる。
3. 城山館
白川郷合掌造り集落のそばにある明治末期創業の老舗宿。
国の重要伝統的建造物に選定された建物と、家族経営ならではの温かなもてなしが自慢。
2023年4月には歴史を感じさせる外観はそのままに館内の一部をリニューアル。
宿泊は1日4組限定。庭側にある従来の和室2部屋に加え、2023年のリニューアルで和室4部屋をトイレ・洗面台付きの洋室ツインルーム2室に。
白川郷に関するよくある質問
Q
白川鄉で宿泊できる施設はあるの?
宿泊できる合掌造りや旅館など、白川郷の魅力が詰まった宿泊施設があります。
Q
白川鄉の観光にかかる時間は?
合掌造りの集落の施設見学や散策だけなら、ゆっくり楽しんでも2~3時間程度です
まとめ
この記事では「白川郷」の魅力や、人気観光スポットなどを詳しく紹介してきた。
「白川郷」の美しい日本の原風景には、日本人なら誰もが懐かしさや郷愁を感じ、外国人なら感動を覚えるはずだろう。
日本の伝統文化を体感できるのも「白川郷」の魅力のひとつ。
この記事を参考に「白川郷」の魅力を満喫してほしい。
「白川郷」以外にも、岐阜には日本の歴史や伝統文化を感じられる観光スポットが満載だ。
下記の記事を参考に岐阜観光を満喫しよう。