【草津温泉の観光ガイド】日本三名泉の一つで温泉文化とグルメを満喫しよう
日本三名泉のひとつの「草津温泉」は、古くから将軍や偉人に愛されてきた歴史を持つ温泉地。
「恋の病以外効かぬ病はない」と言い伝えがあるほど、効能に優れた「天下の名湯」として名高い。
「草津温泉」の魅力は、温泉に浸かる「癒し」、伝統文化に触れる「楽しみ」、名物グルメを味わう「喜び」を一度に体験できることだ。
この記事では、「草津温泉」を初めて観光する人でも楽しめるように、温泉の魅力やお勧めのスポットを中心に紹介しよう。
草津温泉ってどんなところ?
群馬県吾妻郡の草津白根山(くさつしらねせん)の麓に位置する「草津温泉」は、日本三名泉に数えられる日本有数の温泉地。
江戸幕府初代将軍・徳川家康(とくがわいえやす)や8代将軍・徳川吉宗(とくがわよしむね)をはじめ、多くの偉人や神話の登場人物が愛したとされる長い歴史を持つ。
50℃近いほど高温に硫黄分が多く含まれた泉質が「草津温泉」の特徴で、「恋の病以外効かぬ病はない」と言い伝えがあるほど、効能が高い「天下の名湯」として有名。
毎分32.3万リットル以上の自然湧出量は日本一を誇り、主に6つの源泉を心ゆくまで味わえる。日帰りで入浴できる点もポイント。
温泉はもちろんのこと、地元グルメの食べ歩き・伝統文化、本格射撃などの体験施設も充実している。
「草津温泉」の中心に位置する「湯畑」は、観光客が絶対見ておくべきシンボル的存在。
1日中湯けむりが舞い上がる姿から温泉地に来たことを実感し、毎分4,000リットルの源泉が湧き出す光景に圧倒されるだろう。
日没にはライトアップが行われるため、昼と夜で違った街の顔も楽しめる。
伝統の「湯もみショー」も見どころで、高温の源泉を木槌でかき回して冷ます技に目を奪われるはずだ。
荒々しい自然が残る「西の河原(さいのかわら)公園」では、あたり一面から温泉が湧いており、無料で足湯ができる他、渓流や滝などの散策もお勧め。
草津温泉へのアクセス
- 経路
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1.「JR東京駅」の八重洲南口改札から「バスターミナル」に向かい、JR関東高速バス「上州ゆめぐり号or東京ゆめぐり号」へ乗車し、バス停「草津温泉バスターミナル」にて下車
2.「草津温泉バスターミナル」から徒歩5分で到着 - 所要時間
- 約4時間
草津温泉のお勧め観光シーズンは?
「草津温泉」を観光するなら冬がお勧めだ。
穏やかな気候の草津は、早いと11月から雪が降り始め周囲が白く染まる。
雪景色からもくもくと広がる湯けむりや、寒さでできる氷柱などここでしか見られない幻想的な世界を味わってほしい。
近隣にはスキー場もあるので、ウィンタースポーツを楽しんでも良いだろう。
観光を満喫した後は、厳しい寒さで冷え切った身体を温めるために、温泉に浸り気持ちよくリラックスしよう。
草津温泉ならではの魅力を満喫できる3つの楽しみ方
「草津温泉」の魅力は温泉だけにとどまらない。
名物グルメを食べ歩きながら情緒あふれる温泉街の堪能や、日本の伝統文化体験など色々な楽しみ方ができる。
「草津温泉」の数ある見どころの中でも、外せないポイントを厳選して3つ紹介しよう。
1. 情緒あふれる温泉街で食べ歩き
「草津温泉」には様々な名物グルメがあり、魅力的な店も多い。
ここでは、「湯畑そば」と「豚しゃぶ」の2つを紹介しよう。
温泉水で打った湯畑そばは、コシが強くてツルツルした食感が特徴で、地元野菜の舞茸天と合わせると絶品だ。
そば湯で食べる群馬県特産の豚しゃぶも、草津ならではのご当地グルメとしてお勧め。
さらに、街並みを散策しながらの食べ歩きも堪能してほしい。
例えば、お土産としても人気で定番の「温泉饅頭」はお店によって、こだわりや特徴が違うので食べ比べもできる。
まろやかな味わいが魅力的な「草津温泉プリン」、どこか懐かしさを感じる「湯けむりサイダー」はパッケージにもこだわっているので、旅の想い出にピッタリだ。
2. 草津温泉ならではの文化を体験
日本の伝統的な文化に触れるのも「草津温泉」の楽しみ方のひとつ。
その中でも人気なのが「湯もみショー」と「草津温泉らくご」だ。
「湯もみ」は、江戸時代(1603年~1868年)から続く日本文化で、源泉の高い温度を、水を入れずに(効能を落とさず)下げる方法として考えられた。
「草津よいとこ一度はお出いで」から始まる代表民謡「湯もみ唄」に乗せて、長い板で湯をかき混ぜる姿に圧倒されるだろう。
草津の新名物に定着した「草津温泉らくご」は、365日20時から開演しており、1日の終わりにゆったりと伝統芸能を聴ける。
舞台は独特な雰囲気を感じられる「湯もみショー」の場所だが、落語を初めて聴く観光客がほとんどなので安心してほしい。
この他にも草津温泉周辺には日本ならではの体験ができる施設が多いので、肌で感じよう。
3. 外湯巡りで様々な温泉を楽しむ
浴衣を着た外湯巡りが「草津温泉」の最大の魅力と言っても良いだろう。
外湯巡りとは、日帰り入浴施設(共同浴場)を回って様々な温泉を楽しむことだ。
情緒溢れた温泉街を歩きながら、効能や浴室が異なる温泉を満喫できるのは、草津温泉旅行の醍醐味。
浴衣は貸出サービスを利用すれば宿泊しなくても着用でき、種類も豊富に揃っているため、お気に入りを選ぼう。
「草津温泉」には、外湯がたくさんあるので、これから紹介する外湯を是非巡ってほしい。
草津温泉の伝統や自然も楽しめる3つの日帰り入浴施設
貴重な源泉に浸かり草津の伝統や自然を味わえる、3つの日帰り入浴施設を紹介しよう。
3つの入浴施設全てに入るなら、「ちょいな三湯めぐり手形」の購入がお勧め。
別々で入るよりも500円ほど入浴料がお得で、全て入れば絵葉書にもなる「完湯認定証」がもらえる。
1. 御座之湯
「御座之湯」は、江戸から明治にあった共同浴場を再現しており、こだわり抜かれた木造の外観から伝統を大切した内装は感動もの。
趣向が異なる「木之湯」・「石之湯」の浴室(日替わりの男女交代制)が特徴で、ピリッとする「湯畑源泉」と柔和な「万代源泉」の2つの源泉を同時に楽しめるのが魅力。
入り比べれば肌で違いを感じられるはずだ。
主な効能としては、神経痛・美肌・うちみなどが挙げられる。
2階には、ゆったり休める畳敷きの大広間(湯源之間)があり、ここから眺める湯畑の絶景も必見。
2. 西の河原露天風呂
「西の河原露天風呂」は、日本最大級の広さを誇る露天風呂が自慢。
草津の豊かな自然を360度見渡せる開放感が大きな魅力で、春の若葉・秋の紅葉・冬の雪化粧など季節ごとに違った景観を楽しめる。
「御座之湯」と同じ「万代源泉」を引いており、神経痛・うちみ・慢性消化器病などの効能が期待できる。
2015年に創設以来初の大型リニューアルがされたため、施設が綺麗な点も嬉しい。
3. 大滝乃湯
日帰り入浴施設の中で一番大きい「大滝乃湯」は、他のホテルや旅館では引かれていない貴重な「煮川源泉」に入れる。
非常に高温で濁りが少ない透明な湯が特徴の「煮川源泉」は、美人の湯と名高く、神経痛・ねんざ・やけどなどに効能があると言われている。
「大滝乃湯」では、温度が低い浴槽から順番に入っていく草津伝統の「合わせ湯」を体験できるのが魅力。
広々とした空間に洗い場も多いため、ゆっくりと過ごしたい人にお勧め。
また、日帰り入浴施設で唯一のレストランがあるので、観光の締めくくりにもピッタリ。
草津温泉で観光客が入浴できる3つの共同浴場
共同浴場とは、地元民によって管理・運営されている温泉施設を指し、地元の人が利用する目的で作られていることが多い。
「草津温泉」には、共同浴場が19ヶ所あり、3ヶ所は観光客でも利用できる。
いずれも料金は無料だが、地元住民の浴場を借りる意識を忘れずに、マナーは必ず守ろう。
1. 白旗の湯
「湯畑」のすぐ近くにある「白旗の湯」は、源頼朝(みなもとのよりとも)が発見したという言い伝えがある共同浴場の代表的な存在。
「草津温泉」の中でも珍しい白く濁った熱い湯に、湯の花が多く見られるのが特徴だ。
この濁り湯には硫黄分が多く含まれ、皮膚病・不眠症・関節痛などに効果があると言われている。
「白旗の湯」は共同浴場でもっとも広く(定員4~5名)、比較的入りやすいので、初心者にお勧めしたい。
2. 千代の湯
古風な趣を感じさせる木造で作られた「千代の湯」は、定員3名程度のこぢんまりとした共同浴場。
湯船が小さいため常にお湯が新鮮で、他の浴場と比べると硫黄のにおいが柔らかく心地良さを感じられるのが特徴だ。
「千代の湯」では、伝統的な草津独特の湯治療法「伝統湯(時間湯)」を体験してほしい。
「伝統湯」とは、「湯もみ→足に10杯程度のかけ湯→頭部に30杯程度のかぶり湯→隊長の号令で3分間の入浴→休憩」このような一連の入浴作法を指す。
健康促進・筋肉痛・関節痛などの効能があると言われている。
3. 地蔵の湯
2022年にリニューアルしたばかりの「地蔵の湯」は、新しさと風情を持ち合わせた穴場の共同浴場。
「地蔵源泉」というやや白く濁ったお湯が特徴で、天井が高いため外から吹き込む風が気分を爽快にさせる。
古くから眼病に効くと言われており、近くに「目洗い地蔵」も立っている。
また、足湯・手湯・顔湯が設置されているので、入浴する時間がない方も「地蔵の湯」を気軽に体験できるのが魅力だ。
全国的にも珍しく「草津温泉」ならではの顔湯は、目・肌に効き気持ちが良いと好評。
草津温泉でお勧めの宿泊施設3選
「草津温泉」を存分に満喫するには、1泊以上の宿泊が望ましい。
観光拠点となり、ゆったりと過ごすくつろぎの場所であるホテル選びも重要だ。
伝統ある老舗ホテルからリゾートホテルまで様々な宿泊施設があるが、貴重な源泉を堪能できる3つのお勧めのホテルを紹介する。
宿泊するときは、いずれかのホテルに泊まってほしい。
1. ホテル一井
草津温泉のシンボル・湯畑。その正面にある「一井」は、江戸時代中期の創業から三百余年の伝統を誇る湯宿ホテル。
2021年にリニューアルされた大浴場「石殿」では、湯畑周辺の10軒ほどしか使用できない貴重な源泉「湯畑前白旗源泉」を引湯。
複数の浴槽が用意されており、好みの温度で選べるのがポイント。
2. ホテル櫻井
草津温泉中心部の高台にある「ホテル櫻井」は草津有数の規模を誇る温泉宿。
3つの源泉を引いた温泉が自慢で、長さ30mと草津温泉最大級の大浴場では「西の河原源泉」と「万代鉱源泉」の混合泉を、露天風呂では「綿の湯源泉」も含めた3つの源泉を加水なしの源泉100%で堪能できる。
館内にあるお祭り広場は活気あふれるエンターテインメント空間。
飛び入り参加可能な草津温泉伝統の「湯もみ」、迫力満点の「櫻太鼓」のイベントショー2種類を毎日開催している。
3. ラビスタ草津ヒルズ
2021年、草津温泉の高台にオープンしたラビスタ草津ヒルズ。
瀟洒な洋館を思わせる雰囲気の中、草津温泉の宿では初となる最上階の浴場をはじめ「ラビスタ(眺望)」の名にふさわしい眺めを堪能できるリゾートホテルだ。
温泉は湯畑源泉、万代鉱源泉、湯川源泉という3つの源泉を引き込んで使用。
露天風呂や内湯、樽風呂などを備える最上階の眺望浴場のほか、岩や陶器など趣の異なる4種類の貸切露天風呂からも草津の山々と温泉街の雄大なパノラマを見渡せる。
草津温泉と併せて巡りたい群馬県内の4つの温泉郷
温泉の質・量ともに高い群馬県は、温泉が魅力的な都道府県の1位に選ばれることも多い。
「草津温泉」が代表を担っているが、その他にも有名な温泉が点在している。
これから紹介する4つの温泉は「草津温泉」に負けず劣らずの温泉郷なので、温泉が好きな方は訪れてほしい。
1. 四万温泉
三国山脈を源とする四万川の上流域に位置し、緑あふれる国立公園内にある四万温泉は、1000年以上の歴史を持つ名湯。
効用の筆頭は「胃腸病」。「日本三大胃腸病の名湯」に選ばれている。
また草津温泉の近くに位置することから、昔から「草津の仕上げ湯」としても有名。
強酸性の草津の湯で湯治をした後、保湿・美白効果のある硫酸塩泉の四万温泉に入浴して、湯治を終えたことから言われた。
2. みなかみ18湯
上越国境の山々の中心、谷川岳の南斜面に点在する18の温泉を「みなかみ18湯」と総称する。
上越線や関越自動車道が近くを通り、交通の便の良い温泉として、草津・伊香保に並ぶ温泉地として発展した。
利根川上流の渓谷沿いに宿泊施設が建てられているので、どの宿からも渓谷と山々が眺望できる。
3. 万座温泉
県北西部にそびえる草津白根山のふもと、標高1800mの高地にある万座温泉。
上信越国立公園の中にある高原のリゾート地として、夏は避暑、冬はスキーと年間を通して魅力的な温泉地だ。
日本有数の硫黄含有量を含む温泉は、約80度と高温で、一日540万リットルの湧出量を誇り、源泉は20種類を超えその効能も多岐にわたる。
4. 伊香保温泉
万葉集にも登場するほど古くから親しまれ、竹久夢二や徳富蘆花などの文人も愛したと言われる伊香保温泉。
街のシンボルとなっているのが全365段の石段で、両脇には工芸品や物産店などが軒を連ねている。
365段という段数には、「温泉街が1年365日、にぎわうようになってほしい」という願いが込められており、石段の一部には与謝野晶子が書いた詩「伊香保の街」が刻み込まれている。
草津温泉に関するよくある質問
Q
草津温泉ではどんな体験ができる?
外湯巡り・名物グルメの食べ歩き・日本の伝統文化体験などができます。
Q
草津温泉の効能は?
神経痛・筋肉痛・冷え性・皮膚病をはじめ、様々な効能を持っています。
まとめ
古くから日本人に愛されてきた「草津温泉」の見どころを紹介してきたが、いかがだっただろうか。
「草津温泉」は、小さな街並みに温泉・観光名所・グルメ・体験施設が凝縮された魅力的な場所だ。
自然や歴史に触れながら、日常で疲れた身体を癒しに「草津温泉」へぜひ一度訪れてほしい。
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