からくり満載の忍者寺!妙立寺の観光ガイド
「忍者寺」とも呼ばれ、様々なからくりが境内にある「妙立寺」。
敵の襲撃に備えたからくりと複雑な構造から、「1度入ったら2度と出られないお寺」という異名もある。
普通のお寺とはかなり異なる作りになっている「妙立寺」は、不思議な魅力がたっぷりで、誰もがわくわくするはずだ。
「妙立寺」の歴史や見どころ、周辺の観光スポットまで詳しく紹介していこう。
妙立寺ってどんなところ?
石川県金沢市にある「妙立寺」は、日本仏教の宗派のひとつ・日蓮宗のお寺。
通称「忍者寺」と呼ばれているが、かつて「妙立寺」に忍者がいたという歴史はない。
ではなぜ「忍者寺」と呼ばれているのかというと、寺全体がまるで忍者屋敷のような独特な構造と仕掛けになっているからだ。
2階建てに見える外観からは想像できないだろうが、「妙立寺」は実は4階建てで、内部は複雑な迷路のように入り組んでいる。
敵を混乱させるため内部には29もの階段があり、多いところでは1か所に6つもの階段が集中している。
どこに続いているのか、既に通ったのかわからなくなる本堂の階段群は必見だ。
さらに「落とし穴」「隠し階段」「抜け道」など、普通のお寺にはないからくりが、あちこちにあるのも大きな魅力。
ただし、「妙立寺」の見学はガイド付きツアーのみ可能で、拝観には予約が必要となっている。
予約は1か月前から電話でできるので、行くことが決まったら早めに済ませておこう。
妙立寺の歴史と成り立ち
「妙立寺」の前身は、金沢城内にあった祈願所。
加賀藩(現在の石川県)の領主・前田利家(まえだ としいえ)が、1643年に城内の祈願所を金沢城近くに移築して「妙立寺」が創建された。
当時、前田利常が率いる加賀藩と徳川幕府は緊張状態が続いており、幕府はいつ加賀征伐を行ってもおかしくなかった。
金沢城を攻められる際に敵を迎え撃つ出城として、様々な寺町やお寺が整備・建築された。
「妙立寺」もそのひとつで、幕府に襲撃されても敵を欺き逃げられるように、さまざまなからくりを備えたのだ。
その後、「妙立寺」は何度か移転を繰り返し、1659年に現在地へ移る。
1862年には祖師堂(そしどう)の一部で火災が起こったが、大規模火災ではなかったため直ちに復興した。
戦火にもあわず北陸地方の豪雪にも負けない「妙立寺」は、建設当時の姿を現在まで維持している。
妙立寺へのアクセス
金沢観光の移動拠点となる、「金沢駅」からのアクセスを案内する。
「金沢駅」東口よりバスターミナルへ向かい、8・9・10番から発車する「平和町・松任・野々市方面行き」、または7番から発車する「金沢周遊左回りコース」のバスに乗車。
15分ほど乗ると「広小路」バス停につくので降車する。
降車後は徒歩5分で「妙立寺」に到着。合計所要時間は約20分だ。
妙立寺の拝観料と拝観時間
妙立寺の拝観時間と拝観料は、下記の表を参考にしてほしい。
見学はガイド付きツアーでのみ可能となっており、事前予約が必要だ。
予約方法は電話のみとなっている。
予約方法の詳細と電話番号は、公式サイトを確認しよう。
- 拝観時間
- 9:00〜16:00
- 拝観料
-
・大人:1,200円
・小学生:800円
誰もがワクワクする妙立寺の「からくり」
「妙立寺」の最大の魅力である、からくりを具体的に紹介しよう。
敵を欺くために特殊な構造になっている部屋も多く、「妙立寺」はからくり以外にも見どころがたくさんある。
現地にはガイドがいて、見どころを詳しく解説してくれる。
しかし、事前にからくりについて予習しておけば解説をより深く理解でき、当日をさらに楽しめるはずだ。
1. 実は落とし穴?危険な「賽銭箱」
本堂正面入り口に埋め込まれている「賽銭箱」。
「賽銭箱」は取り外しできるというからくりになっていて、落とし穴になる。
緊急時には「賽銭箱」を取り外して上から畳をかぶせ、侵攻してきた敵を落としていた。
2. いざという時の避難経路「隠し階段」
本堂物置の戸を開けてすぐの床の下には、階段が隠されている。
全ての床板をめくると階段が現れるからくりになっており、一見しただけでは階段が隠されていることは全くわからない。
階段は地下通路につながっており、そこから寺の外へ脱出できた。
3. 落ちたら絶体絶命!「落とし穴階段」
境内に29ヶ所もある階段のうち、6ヶ所も集まっている「本堂階段群」の奥まった左端にある。
手前の床板を外すと落とし穴になるというからくりで、敵を階下に落として足止めした。
階下は下男(召使)部屋につながっており、落ちた敵は待ち伏せていた下男に攻撃される。
4. 通ったら攻撃される?「明り取り階段」
本堂正面の突き当りにある「明り取り階段」。
階段の一部に障子を使用したからくりは、敵が攻めてくると足の影が映り、槍などで先制攻撃ができる。
階段の下は下男部屋につながっており、差し込む明かりは下男たちの光源でもあった。
日本情緒と伝統文化を楽しもう!妙立寺の周辺観光スポット3選
「妙立寺」を思いきり楽しんだあとは、周辺にある観光スポットにも行ってほしい。
金沢には「妙立寺」以外にも、日本情緒ある街並みや伝統文化を堪能できるスポットが満載だ。
「妙立寺」観光と合わせて巡ってほしい観光スポットを紹介しよう。
1. にし茶屋街
にし茶屋街は、文政3年(1820年)に加賀藩から公許された花街のひとつ。
金沢城から見た方角から西にあったことから、こう呼ばれるようになった。
出格子が美しい2階建ての茶屋建築が立ち並び、カフェやショップに立ち寄りながらの散策が楽しい。
金沢の茶屋街で最も芸の町・金沢を感じられる場所で、夕暮れになると華やかに着飾った芸妓たちに出会えるかも。
2. 四十萬谷本舗 日本刀鑑賞
凛とした美しさが魅力の日本刀には、世界中に数多くのファンがいる。
美術館や博物館でさまざまな名刀が展示されているが、実際に真剣を手に取ってその重さを実感しながら鑑賞できるのが「四十萬谷本舗(しじまやほんぽ)」の体験プログラムだ。
四十萬谷本舗の蔵には古くから多くの日本刀が家宝として残されており、体験プログラムでは時代によって異なるさまざまな日本刀を鑑賞できる。
3. 長町武家屋敷界隈
加賀藩士・中級武士たちの屋敷跡が残るエリア。
石畳の小路に土塀が続き、江戸時代へとタイムトリップしたような気分が味わえる。周辺には伝統工芸品を扱うショップや飲食店もあり、散策が楽しい。
エリア内には今も古くから人々の生活を支えてきた大野庄用水が流れ、冬になると雪から土塀を守るための「こも掛け」が現れる。
昔ながらの町並みのなかに、現在の生活が溶け込んでいるのが長町の魅力で、武家文化を受け継いだ独特の風情があちらこちらに垣間見られる。
妙立寺に関するよくある質問
Q
妙立寺には何でからくりがあるの?
襲撃する敵を迎え撃ち、前田利常の身を守るため、からくりが作られました。
Q
妙立寺の拝観料は?
大人は1,200円、小学生は800円です。
まとめ
「妙立寺」のからくりはシンプルながらもよく考えられており、思わず感心すること間違いなし。
からくりが生まれた歴史や見どころなどを予習してから訪れることで、より「妙立寺」を楽しめるだろう。
「妙立寺」周辺には魅力的な観光スポットがたくさんあるので、どこに行こうか迷ったらぜひ次の記事も参考にしてほしい。
金沢の観光スポットを厳選して紹介した記事は、観光プランを立てるのに役立つはずだ。