世界遺産「東寺」の多様な魅力を満喫するための観光ガイド

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

世界遺産でもあり、京都のシンボルでもある「東寺」。
京都に向かう新幹線から見えることやJR京都駅から近いこともあり、京都に訪れたら、その姿を必ず目にするはずだ。
桜の名所・秋の名所としても有名で、日本の歴史と情緒を感じられる、京都らしい観光スポット。
そんな魅力たっぷりの「東寺」を楽しむために知っておきたい、見どころとその歴史、合わせて観光したい周辺スポットを紹介しよう。

目次

東寺ってどんなところ?

京都駅から徒歩でもアクセスできる立地にある「東寺」。
創建は764年と、1,000年を超える歴史を持つお寺だ。
京都のシンボルとなっており、境内では国宝に指定された「五重塔」や重要文化財の「講堂」など、貴重な歴史的建造物が見学できる。
建立から何度も焼失されているが、その度に復興されており、現存する建造物が復興された時代も、室町時代だったり江戸時代だったりと様々だ。
1994年には「古都京都の文化財」として、世界遺産に登録された。

知っておくべき「東寺」の成り立ちと歴史

794年に築かれた当時の首都「平安京」。
「平安京」が築かれる際に、都の東を守るために建てられた、国立の寺院が「東寺」だ。「教王護国寺」とも呼ばれる。
823年に嵯峨天皇(さがてんのう)が、弘法大師空海に「東寺」の管理・造営を託したことで、日本初の密教寺院となった。
都の西を守る国立の寺院「西寺」も「東寺」と共に築かれたが、度重なる焼失の後、再建されることはなく、今は土台となっていた「礎石」と「石碑」だけが残っている。
そのため、「東寺」は唯一の平安京の遺構と言われている。
「東寺」も「西寺」と同じく、何度も焼失したが、その度に豊臣秀吉徳川家康などによって復興された。

一世紀を超える歴史を持つ「東寺」
一世紀を超える歴史を持つ「東寺」

東寺へのアクセス

「東寺」はアクセスしやすい場所にあり、JR「京都駅」八条口から、徒歩15分で移動できる。
近鉄京都線「東寺駅」からは徒歩10分。
路線が多いバスを使わずに、電車と徒歩だけでアクセスできるのも嬉しい。

東寺の拝観料・拝観時間

開門は5時と朝早いが、見どころである金堂や宝物館などの拝観は8時、もしくは9時からなので、気をつけてほしい。
基本的に拝観は無料だが、一部有料となる施設がある。

開門時間
5:00〜17:00
拝観時間(金堂・講堂)
8:00〜17:00(受付終了 16:30)
拝観時間(宝物館・観智院)
9:00〜17:00(受付終了 16:30)
拝観料
無料(有料拝観となる金堂・講堂・五重塔を除く)

見ないと後悔する「東寺」の見どころ5選

見どころが多い「東寺」の中でも、特に注目すべき見どころを厳選してご紹介。
桜の名所・紅葉の名所としても知られており、春には境内を桜が彩り、秋には紅葉で情緒あふれる景色へと変わる。
せっかく観光するなら、国宝や重要文化財が多い「東寺」の境内を、桜か紅葉が彩る時期に訪れてみよう。

1. 木造建築で日本一の高さを誇る国宝「五重塔」

京都のランドマークとも言える東寺の「五重塔」は、国宝に指定されている。
高さ約55mと、木造建築では日本一の高さだ。
「五重塔」には弘法大師空海が唐から持ち帰った、釈迦の遺骨が収められている。
落雷などの様々な原因で4回も焼失したが、その度に修復された。
現在の五重塔は1644年に、江戸幕府3代将軍・徳川 家光(とくがわ いえみつ)が再建したもの。
「五重塔」の初層内部は、「大日如来」を中心に四尊の「如来」と八尊の「菩薩」が囲んでおり、極彩色で彩られている。
初層内部は非公開となっているが、時期によっては特別公開される。

日本一の高さを誇る木造建築である「五重塔」
日本一の高さを誇る木造建築である「五重塔」

2. 東寺と密教の中心「講堂」

境内の中心に位置する「講堂」は、密教を伝えるために建てられた。
内部にはその教えを視覚的に表した「立体曼荼羅」として、「大日如来」や「不動明王」など21尊の仏が安置されている。
1486年に本堂である「金堂」と共に焼失するも、本堂よりも優先的に再建された。
今では重要文化財に指定されている。

立体曼荼羅が安置される「講堂」
立体曼荼羅が安置される「講堂」

3. 本尊が安置されている「金堂」

東寺の本堂である「金堂」。
宋の建築様式である「天竺様」と、日本独自の建築様式の「和様」を合わせて作られた建物自体が見どころのひとつ。
内部には本尊である薬師如来・日光菩薩・月光菩薩の像が安置されている。
本尊の周りに十二神将が並ぶ、その迫力に圧倒されるはずだ。

東寺の本堂である「金堂」
東寺の本堂である「金堂」

4. 弘法大師空海の住居だった「御影堂(大師堂)」

「東寺」の管理・造営を任された「弘法大師空海」が住居とした、「御影堂(大師堂)」も国宝に指定されている。
「講堂」の立体曼荼羅もこの「御影堂(大師堂)」で構想して、造営の指示を出していた。
毎朝6時にお膳とお茶を「弘法大師空海」に届ける、「生身供」は生前から今にいたるまで続いている

弘法大師空海の住居だった「御影堂(大師堂)」
弘法大師空海の住居だった「御影堂(大師堂)」

5. 春の桜・秋の紅葉が彩る雅な境内

「東寺」は桜の名所・紅葉の名所としても高い人気を誇る。
春と秋の境内には雅な景観が広がり、散策するだけでも楽しめるため、できれば春か秋に訪れてほしい。

「不二桜」とライトアップされた桜は必見

桜の見頃になると、境内には約200本もの桜が咲き誇る。
ソメイヨシノや河津桜など数ある桜の中でも、「不二桜」と呼ばれる大きなシダレザクラは必見。
樹齢120年を超え、高さ13mに達するシダレザクラは、圧倒的な存在感を放っている。
夜になると桜がライトアップされ、池の水面に映る五重塔と桜が幻想的な空間を作り出す。
「東寺」の桜の見頃は3月中旬から4月中旬。

樹齢120年超・高さ13mの「不二桜」
樹齢120年超・高さ13mの「不二桜」
ライトアップされた桜と五重塔
ライトアップされた桜と五重塔

情緒ある景色の中を散策できる秋の「東寺」

秋になると境内に植えられた、約250本ものカエデが色づく。
境内のいたるところが深紅に染まり、情緒ある景色の中を散策できる。
夜は紅葉がライトアップされ、昼間とは違った雰囲気へと変わる。
「ひょうたん池」の水面に映る、ライトアップされた紅葉と五重塔は、なんとも趣深い。
「東寺」の紅葉の見頃は、11月下旬から12月上旬だ。

情緒あふれる境内を散策しよう
情緒あふれる境内を散策しよう
ライトアップされた紅葉と東寺は必見
ライトアップされた紅葉と東寺は必見

東寺周辺の観光スポット3選

周辺は「東寺」から、バスや徒歩でアクセスできる、京都でも人気の観光スポットが点在している。
「東寺」を観光したら、これから紹介する3つの観光スポットも、ぜひ合わせて訪れてほしい。

1. 東本願寺

京都駅からも近い烏丸六条にある東本願寺。正式な名称を「真宗本廟」といい、慶長7年(1602)、徳川家康が教如上人に寄進した土地に建立された真宗大谷派の本山だ。
烏丸通に面した御影堂門をくぐると目に飛びこんでくるのが、浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の御真影を安置する「御影堂」。
世界最大級の規模を誇る木造建築で、正面の長さ76m、側面の長さ58m、高さ38m、堂内の畳の数は927枚とそのスケールは圧巻。

真宗大谷派の本山
真宗大谷派の本山

2. 鴨川

賀茂川、あるいは加茂川と書かれることもある。鴨川は桟敷ヶ岳付近を源とし、京都市街を縦断するように流れ、鳥羽で桂川に注ぎ込む。
四条付近は東には祇園、西には河原町といった繁華街が控え、京都の商業の中心地でもあり、京都を象徴する風景となっている。
河川敷は人々が憩いの時間を過ごす定番スポット。鴨川の名の通り、マガモやカルガモ、オナガガモなどカモはもちろん、サギ類やカワウなどの野鳥が見られる。

川の両側に広がる町並みは、京都を象徴する風景
川の両側に広がる町並みは、京都を象徴する風景

3. 京都タワー

京都駅の改札を出てすぐ目の前にそびえ立つ。京都の街を照らす灯台をイメージして建設され、高さは131mと京都市街で1番高い建物だ。
1964年にオープンして以来、3200万人以上の人々が訪れている。
地上100mの展望室からは、京都の街並みをぐるりと見渡せる。さらには、設置されている無料の望遠鏡を通して天候の良い日は大阪も見ることができる。

京都のランドマークの中には、京都の魅力がぎゅっと詰まっている
京都のランドマークの中には、京都の魅力がぎゅっと詰まっている

東寺に関するよくある質問

Q

東寺でも御朱印はもらえる?

A

東寺には9種類もの御朱印があり、境内の食堂でもらえます。

Q

東寺の桜の見頃はいつ?

A

桜の見頃は3月中旬から4月中旬です。

Q

東寺の紅葉の見頃はいつ?

A

紅葉の見頃は、11月下旬から12月上旬です。

まとめ

「東寺」を楽しむために知っておきたい、歴史と見どころ、周辺観光スポットを紹介してきたが、いかがだっただろうか。
京都に数ある観光スポットの中でも、アクセスが良く、見どころも多いため、京都観光で最初に訪れるスポットとしてもお勧めだ。
「京都」の観光スポットをもっと詳しく知りたい方は、京都の定番観光スポットをまとめて紹介している、こちらの記事も参考にしてほしい。