岩手ならではの魅力を味わい尽くす旅行ガイド

岩手ならではの魅力を味わい尽くす旅行ガイド

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

ダイナミックな「リアス式海岸」の生み出す景観や、1000年以上もの歴史をもつ「平泉」など、雄大な自然と歴史、そして美食と温泉の宝庫である岩手県。
この記事では、岩手の魅力とその魅力を満喫できるモデルコースを中心に、絶品グルメなどを紹介していく。
記事を参考に観光スポットも魅力も豊富な岩手を、心ゆくまで旅行してみよう。

広大な面積と多様な魅力を持つ「岩手」

日本の北東部に位置し、太平洋に面した岩手県。
北海道に次いで面積が広く、冬の冷え込みが厳しいことでも有名だ。
太平洋岸には「リアス式海岸」が広がっており、隆起と浸食がもたらしたダイナミックな地形が、神秘的な景観を生み出す絶景スポットも多い。
他にも、内陸部を流れる「北上川」や、世界遺産の「平泉」など、豊かな自然と歴史、それらと共存してきた人々が受け継いでいく伝統文化が岩手の魅力。
また、岩手は世界的に有名な童話作家「宮沢賢治」の出身地としても有名だ。
独特で美しい世界観を持つ宮沢賢治の生み出した作品について深く知れる資料館や、宮沢賢治の原風景を体験できるスポットなどにも、国内外から多くの人が訪れる。

海と複雑な海岸が織りなす絶景は岩手の魅力のひとつ
海と複雑な海岸が織りなす絶景は岩手の魅力のひとつ

岩手の平均気温と着衣例

エリアによって若干の違いはあるものの、基本的に岩手の気候は寒冷だ。
特に冬は冷え込みが厳しく、雪も多い。平均気温が氷点下という月もある。
夏は高温多湿の日本の中では、比較的乾燥しており、涼しく過ごしやすい。

岩手の平均気温と着衣例

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均気温(度) -1.6 -0.9 2.6 8.7 14.5 18.8 22.4 23.5 19.3 12.6 6.2 0.8

岩手の季節ごとの着衣例

  • 春(3月 - 5月): 軽めのジャケットおよび薄手のセーター
  • 夏(6月 - 8月): 薄手の着衣、半袖
  • 秋(9月 - 11月): 軽めのジャケット、コート
  • 冬(12月 - 2月): コート、ウールスーツ、厚手のセーターやジャケット

岩手へのアクセス

日本の大都市から岩手へのアクセスを紹介しよう。
東京からは新幹線を使えば、「盛岡駅」まで2~3時間程度で行ける。
大阪から岩手には、飛行機で「いわて花巻空港」まで1時間30分ほどで到着可能。
東北地方随一の都市・仙台からは、新幹線なら1時間程度で到着する。
「いわて花巻空港」には国際線もあり、台湾・中国から直接アクセスできる。

岩手県の空の玄関「いわて花巻空港」
岩手県の空の玄関「いわて花巻空港」

岩手空港から主要駅へのアクセス

ここでは岩手県の空の玄関「いわて花巻空港」を起点とする、岩手の移動拠点である「盛岡駅」へのアクセスを紹介する。
「いわて花巻空港」から「盛岡駅」へは鉄道で行く方法と、直行バスを使う方法が2種類ある。
鉄道の方が10分ほど早く着き料金も安いが、直行バスは料金が高い代わりに快適に移動できる。

経路
鉄道の場合:「花巻空港駅」からJR東北本線に乗車し「盛岡駅」下車
または
直行バスの場合:「花巻空港前」バス停から直行バスに乗車し「盛岡駅前」下車
所要時間
鉄道の場合:35分
直行バスの場合:45分

岩手の主要交通手段

岩手旅行の主要交通手段は鉄道とバスになる。
長距離の移動には新幹線と在来線、BRT(Bus Rapid Transit)が網羅されており、「いわて銀河鉄道」「三陸鉄道リアス線」という私鉄もあるため、鉄道が便利。
盛岡市内であればバスも路線が充実しているので、鉄道とバスだけで旅行することも充分可能。
ただ、盛岡市の周辺以外の地域は、便数が少なかったり、目的地から駅まで遠かったりするので、レンタカー利用を検討しよう。

車窓から海岸線を眺められる三陸鉄道リアス線
車窓から海岸線を眺められる三陸鉄道リアス線

岩手旅行で利用すべきお得な乗車券

岩手を旅行する際に便利でお得な乗車券について紹介する。
面積の広い岩手県内を移動するため、交通費も気になるところ。
ただ、ここで紹介するお得なチケットを入手すれば、交通費を抑えられ、かつ自由にプランが組める。

いわてホリデーパス

岩手旅行の時期が、土日や連休などの行楽シーズンであれば「いわてホリデーパス」がお得だ。
「いわてホリデーパス」とは、鉄道やBRT、路線バスが1日乗り放題になるパスのこと。
土日祝日と、4月末~5月前半のゴールデンウィーク、7月末から8月前半の夏休み、12月末から1月前半の年末年始という旅行シーズン限定で販売される。
大人は 2,500 円、子どもは 1,250 円で1日中、岩手県内の交通機関がほぼ全てを自由に乗り降りできる。
岩手の鉄道・バスが充実している「県央エリア」「県南エリア」を旅する場合、お勧めのパスだ。

公共交通機関が充実している盛岡などを観光するなお勧めだ
公共交通機関が充実している盛岡などを観光するなお勧めだ

岩手旅行を満喫するために知るべき4つのエリアの魅力

岩手を大きく分けると4つのエリアとなり、それぞれ魅力が異なる。
その4つのエリアの魅力を紹介するので、ぜひ岩手の旅行プランを立てる際の参考にしてほしい。

絶景をはじめ様々な楽しみ方ができる「県央エリア」

岩手最大の都市・盛岡市をはじめ、滝沢市や八幡平市などで構成される、県の中央・内陸部に位置するエリア。
東北地方で最大の北上川が盛岡市の中央を流れ、南部富士とも呼ばれる岩手山や八幡平など雄大な自然の景観も楽しめる。
盛岡市では都会的な楽しみ方だけでなく、歴史的建造物巡りも楽しめる。
温泉やグルメスポットも多く、様々な発見と喜び、心地良さを体験できるエリアだ。
観光スポットが多いだけでなく、交通網も発達しているので、岩手旅行の拠点にもピッタリだ。

岩手最大の都市である盛岡の街並み
岩手最大の都市である盛岡の街並み
アウトドアが好きなら、八幡平でトレッキングを楽しもう
アウトドアが好きなら、八幡平でトレッキングを楽しもう

様々な日本文化を体験できる「県南エリア」

県南エリアには世界遺産である「平泉」や、世界的に有名な童話作家「宮沢賢治」の出身地「花巻市」がある。
そのため、民話の舞台や宮沢賢治ゆかりのスポットも多い。
その他にも史跡、有名な民話「遠野物語」で知られる地域、行事やお祭りなど、歴史と伝統文化を感じられる有形・無形の文化財が多い。
全国的に知られている温泉地もあり、日本の魅力を満喫できるエリアと言っても過言ではない。
新幹線が通るだけでなく、「いわて花巻空港」があるため、アクセスも良好。
岩手県の南側なので宮城県からも足を伸ばしやすい。

世界遺産であり、紅葉の名所でもある平泉
世界遺産であり、紅葉の名所でもある平泉
宮沢賢治ゆかりのスポットが多いことも県南エリアの魅力だ
宮沢賢治ゆかりのスポットが多いことも県南エリアの魅力だ

他ではできない貴重な体験ができる「県北エリア」

岩手県の北側、青森と面した二戸市や有名なドラマ「あまちゃん」の舞台であった久慈市などがある県北エリアは、豊かな自然と伝統産業が息づいているエリアだ。
世界遺産である御所野遺跡や、素潜り漁の北限で行われる「海女の素潜り実演」(7~9月限定)、日本で最大級の「ヒメボタルの生息地」として知られる折爪岳など他ではできない貴重な体験ができる。
県北エリアまで足を延ばせば雄大な自然と伝統を感じられるだけでなく、穀・そば・小麦を使った独自の食文化に触れ、絶品の海の幸も味わえる。

縄文時代(紀元前約1万8000年頃〜紀元前300年頃)の遺跡・御所野遺跡
縄文時代(紀元前約1万8000年頃〜紀元前300年頃)の遺跡・御所野遺跡
蛍の光が作り出す幻想的な景観の広がる折爪岳
蛍の光が作り出す幻想的な景観の広がる折爪岳

海がもたらす絶景とグルメを満喫できる「沿岸エリア」

沿岸エリアはその名の通り、宮古市や釜石市、陸前高田市など太平洋に面した三陸海岸に沿ったエリア。
三陸海岸の沖合は寒流と暖流が交わる潮目であるため、世界三大漁場の一つにも数えられる。
鮮度の高い牡蠣やホタテ、鮭などの魚介類が思う存分味わえる海の幸の宝庫。
山間部では冷涼な気候と大地の恵みを活かして生産される、質の高いブランド肉や乳製品が味わえる。
隆起と浸食により生み出された「リアス式海岸」の生み出す、複雑で迫力のある景観が楽しめるのも魅力だ。

海岸が織りなす絶景が魅力の沿岸エリア
海岸が織りなす絶景が魅力の沿岸エリア
生牡蠣をはじめとする、様々な海の幸を堪能しよう
生牡蠣をはじめとする、様々な海の幸を堪能しよう

岩手を満喫するために必要な日数

ここまで紹介してきたとおり、岩手には数多くの魅力と観光スポットがある。
観光スポット間の移動距離も長くなるため、1日で巡るのは難しい。
余裕をもって岩手旅行をしっかり楽しむなら、2泊3日がお勧め。
ただ、旅行するエリアを絞れば1泊2日でも充分に楽しめるだろう。

日本で2番目に広い面積を持つ岩手に点在する観光スポットを満喫しよう
日本で2番目に広い面積を持つ岩手に点在する観光スポットを満喫しよう

短期間で岩手の魅力を満喫する1泊2日モデルコース

ここでは、岩手の人気観光スポットを巡る1泊2日のモデルコースを紹介する。
世界遺産と名物グルメ、宮沢賢治の世界に温泉など、岩手の魅力を凝縮したモデルコースだ。
岩手の旅行プランに迷っている方や短い期間で岩手を満喫したい方は、ぜひ参考にしてほしい。

1日目:県南エリアの人気観光スポットを巡る

1日目は1,100年以上の歴史を持つ世界遺産「中尊寺」を皮切りに、歴史とグルメと宮沢賢治の世界を巡る、歴史文化とファンタジーに満ちたプランとなっている。
宮沢賢治の世界をたっぷり味わって、温泉旅館でゆったり休む理想的な旅行プランを紹介しよう。

8:50 一ノ関駅からスタート

モデルコース1日目は、一ノ関駅から。
一ノ関駅からJR東北線に乗って平泉駅へ。平泉駅からタクシーに乗って約10分で中尊寺に到着する。
平泉駅から中尊寺にはバスでもアクセスできるが本数は少ないため、時間がない場合はタクシーの利用がお勧めだ。

1日目のスタート地点となる一ノ関駅
1日目のスタート地点となる一ノ関駅

9:15 世界遺産「中尊寺」で歴史文化を楽しむ

850年に開かれた寺で、3,000点以上の国宝・重要文化財を所有。世界遺産にも登録されている。
かつて東北地方で続いた戦乱によって亡くなった人々の霊を敵味方なく慰め、平和な社会になるように、という強い願いが込められている。
敷地内にはいくつかの建物があるが、中でも「金色堂(こんじきどう)」は、建物や仏像が黄金色に輝き、一つの美術工芸品のような美しさで人気を集めている。
その他にも見どころは多いので、ご利益を願いつつ、境内を散策してみよう。

光り輝く国宝「金色堂」や、蓮の名所でも有名な寺
光り輝く国宝「金色堂」や、蓮の名所でも有名な寺

10:30 「毛越寺」の美しい境内を散策

中尊寺から次のスポットである毛越寺は徒歩で約15分。
「特別史跡」と「特別名勝」、国から二重に指定されている毛越寺には、平安時代の仏教建築物の礎石などの遺構が数多く残っており、当時は堂塔40、僧坊は500を数え、中尊寺を超えるほどの規模だったといわれている。
毛越寺の浄土庭園は、浄土式庭園の代表作。自然の景観を取り入れた作庭技法が随所に見てとれる。
予約は必要だが、座禅・写経・法話も体験可能。
浄土庭園を散策し、座禅・写経などを体験することで、日本の仏教文化を肌で感じてみよう。

仏の世界を現生に表現したと伝わる浄土庭園は必見
仏の世界を現生に表現したと伝わる浄土庭園は必見

11:20 平泉駅周辺で「わんこそば」を味わう

毛越寺を満喫したら、徒歩で平泉駅に戻ってランチに「わんこそば」を食べよう。
「わんこそば」とは、一口分のそばを次々とお碗に入れ続けるという独特の方法で提供されるご当地グルメだ。
「わんこそば」を食べるなら、平泉駅のすぐそばにある「芭蕉館」がお勧め。
芭蕉館の「わんこそば」は、厳選された材料を使い、丁寧に作られている。
「わんこそば」に適した更科そばを使った自家製麺と、創業から100年間変わらない甘めの出汁が自慢。
名店で「わんこそば」の美味しさを堪能しよう。

独特な方法で蕎麦を味わう「わんこそば」※写真はイメージです。
独特な方法で蕎麦を味わう「わんこそば」※写真はイメージです。

14:30 「宮沢賢治記念館」で宮沢賢治の魅力を深く知る

わんこそばをお腹いっぱい食べたら、平泉駅からJR東北本線に乗って北上駅へ。
北上駅からJR東北新幹線に乗り換え、新花巻駅で下車。そこから徒歩約20分で「宮沢賢治記念館」に到着する。
宮沢賢治記念館では、その生涯における作品や研究、人となり、思想までいろいろな角度から宮沢賢治を知れる。
館内は大きく分けて「常設展示室」、「特別展示室」、「展望ラウンジ」、「賢治サロン」の4エリア。
「常設展示室」では、スクリーン映像や関係資料を科学、芸術、宙(そら)、農、祈の5分野に分類し、解説と作品に至る創作過程、これまでの研究成果などの展示が楽しめる。

宮沢賢治のチェロや絵画、原稿など実際に愛用した品々を見ることができる記念館
宮沢賢治のチェロや絵画、原稿など実際に愛用した品々を見ることができる記念館

15:10 「宮沢賢治イーハトーブ館」の世界観・雰囲気に浸る

宮沢賢治記念館の次のスポット、宮沢賢治イーハトーブには徒歩約10分でアクセスできる。
「イーハトーブ」は宮沢賢治の造語で「理想郷」を意味する。
宮沢賢治の作品の雰囲気をより深く、たっぷりと味わえるスポットだ。
宮沢賢治についての書籍、研究論文、その他、宮沢賢治に関わる様々な芸術作品が展示されていて、ホールでは宮沢賢治の作品のアニメーションが上映されている。
ファンはもちろん、それほど詳しくない人でも宮沢賢治の世界に入り込めるだろう。
売店では賢治の作品集や研究書などの書籍や、関連する商品を購入できる。
ガラス張りの喫茶コーナーもあり、イーハトーブの中でお茶を飲み休憩しよう。

16:10 「宮沢賢治童話村」で童話の世界にどっぷり浸る

宮沢賢治イーハトーブの次は、宮沢賢治の童話をモチーフにした体験型施設「宮沢賢治童話村」へ。こちらも歩いて徒歩10分ほどだ。
宮沢賢治童話村は「銀河ステーション」、「天空の広場」、「賢治の教室」、「妖精の小径」、「ふくろうの小径」、「山野草園」、「賢治の学校」があり、ファンタジックな趣向を凝らした作りになっている。
メインは「賢治の学校」で、学校内は「ファンタジックホール」、「宇宙」、「天空」、「大地」、「水」の5つのゾーンに分かれ、ここではちょっと変わった世界を体験できる。

宮沢賢治の童話の世界を映像や歌などを使って、楽しく学べる「楽習施設」
宮沢賢治の童話の世界を映像や歌などを使って、楽しく学べる「楽習施設」

17:25 花巻南温泉峡「山の神温泉 優香苑」で宿泊

宮沢賢治童話村を満喫したら、歩いて20分ほどの場所にある新花巻駅へ戻ろう。
新花巻駅から17時10分初の無料送迎シャトルバスに乗って、1日目の宿がある「花巻南温泉峡」へ。
花巻に12ある温泉地の総称「花巻温泉郷」のうち、花巻市西部の渓谷沿いにある8つの温泉地は「花巻南温泉峡」と呼ばれている。
歴史が古いところで開湯は300~400年前とされ、昔ながらの湯治場やファミリーに人気の大型ホテル、全室露天風呂付客室の高級宿など多種多様な宿が揃う。
1日目は花巻南温泉峡の「山の神温泉 優香苑」に泊まろう。
周りを自然に囲まれた静かな宿で、客室からは山の景色が一望できる。
星空が間近に見える50畳の広さを誇る大露天風呂、大きな窓から豊沢川の大自然が堪能できうる内風呂、夜にはライトアップされ幻想的な雰囲気を醸し出す新露天風呂の4種類の温泉に浸かって、1日目の疲れを癒そう。

木のぬくもりが心地よい純和風の温泉宿
木のぬくもりが心地よい純和風の温泉宿

2日目:県央エリアの自然とグルメを満喫

2日目は岩手のダイナミックな自然を味わう県央エリアの旅。
広大な農場とリアス式海岸のダイナミックな「浄土ヶ浜」の景観、そしてロマンチックな「青の洞窟」と、他では見られない雄大な絶景を巡る。

8:00 JR花巻駅からスタート

2日目はJR花巻駅からスタート。
JR東北本線に乗って盛岡駅へ。盛岡駅から「小岩井農場まきば園行のバス」に乗車し、バス停「小岩井農場まきば園」で下車。
バス停からは徒歩ですぐの場所に次のスポット「小岩井農場」に到着する。

2日目のスタート地点「JR花巻駅」
2日目のスタート地点「JR花巻駅」

9:40 「小岩井農場」で自然・アクティビティ・グルメを満喫

岩手山の麓、雫石町と滝沢市にまたがる広大な敷地を有する農場「小岩井農場」。
観光客が入れるエリアは農場の中央部、およそ40ヘクタールを有する「まきば園」。
岩手山を真正面に望む緑豊かな自然のなかで、農場ならではの体験やアクティビティ、グルメが楽しめる。
人気のアクティビティは「ファームトラクターライド」に乗って、風を感じながら森と牧草地、さらにまきば園No.1の絶景スポット100年杉林道を見学してみよう。
遊び疲れてお腹が空いたら、名物グルメのジンギスカンをいただこう。

130年以上の歴史を誇る日本有数の複合牧場。宮沢賢治のお気に入りの場所でもあった
130年以上の歴史を誇る日本有数の複合牧場。宮沢賢治のお気に入りの場所でもあった

16:10 日本を代表する「浄土ヶ浜」の絶景を眺める

​​小岩井農場を満喫したら、バスに乗って盛岡駅へ戻ろう。
盛岡駅で「宮古駅前行」のバスに乗り変え宮古駅へ。宮古駅でさらにバスを乗り換え、「奥浄土ヶ浜行」に。奥浄土ヶ浜で下車したら「浄土ヶ浜」に到着。
「浄土ヶ浜」は三陸海岸に面した岩浜の入江で、日本を代表する景勝地。
海と大地の躍動が生み出した複雑な形状の海岸は、圧倒的な迫力で自然の力の偉大さを感じられる。
約5200万年前に形成された奇岩の数々は多数の絶景ポイントを作り出し、一つ一つに名前が付けられている。
なかでもひときわ人気が高いのは、「青の洞窟」。
陽光と高い透明度を持つ海水によって生み出される青い空間で、不思議な自然のエネルギーを体感できる。遊覧船に乗って、青の洞窟を探検してみよう。

まるで「極楽浄土」のよう。浮世離れした絶景を満喫できる景勝地
まるで「極楽浄土」のよう。浮世離れした絶景を満喫できる景勝地

17:40 JR宮古駅で「瓶ドン」を食べる

浄土ヶ浜の絶景を満喫したら、徒歩で「浄土ヶ浜ビジターセンター」のバス停に向かい、「宮古駅行」のバスに乗車。
宮古駅で降りたら、モデルコースの締めに「瓶ドン」を食べてみよう。
宮古駅の近くには瓶ドンが食べられる飲食店が複数あるが、お勧めは「割烹 おかめ」。
「瓶ドン」とは、獲れたてのウニを牛乳瓶に保存するというこの地の習慣から生まれた、新しい海鮮丼。
牛乳瓶の中に入っている具材を、自分でご飯にかけて食べるという視覚的に楽しめるものだ。
具材や提供に仕方がお店によって違うのも魅力。「割烹 おかめ」の瓶ドンの具材は、ホタテ、タコ、まぐろ、カンパチ、龍泉洞たまご。
限定でもなく、季節を問わず年間を通して提供しているので、いつ訪れても食べられて嬉しい。

牛乳瓶の中に入っている具材を、自分でご飯にかけて食べる瓶ドン※写真はイメージです。
牛乳瓶の中に入っている具材を、自分でご飯にかけて食べる瓶ドン※写真はイメージです。

岩手で味わうべきご当地グルメ3選

海の幸や山の幸が豊富で、新たなご当地グルメも次々生まれている岩手。
ここでは、数ある岩手県のご当地グルメの中から厳選したものを紹介する。
岩手に訪れたら、これから紹介するものをぜひ食べてみてほしい。

1. 盛岡じゃじゃ麺

中華麺ではなく、うどんのような独特の平うち麺に、特製の肉味噌とキュウリやネギをのせ、ショウガやニンニクなどの薬味やラー油や酢など好みの調味料をかけて食べる、盛岡のご当地グルメ。
「わんこそば」「冷麺」と並び、「盛岡三大麺」と称される。
発祥の店「白龍(パイロン)」の店主が、中国の「炸醤麺(ジャージアンミエン)」を盛岡の人の舌にあうようにアレンジを繰り返して生まれた「じゃじゃ麺」。
麺を食べ終わった後は、卵を割って肉味噌を加え、茹で汁を注いでかき混ぜたスープ(チータン)まで味わうのが本式だ。
麺も太く、肉みそも味が濃厚なので食べ応えがあり、子どもからお年寄りまで広く愛される盛岡のソウルフード。

盛岡三大麺のひとつ盛岡じゃじゃ麺
盛岡三大麺のひとつ盛岡じゃじゃ麺

2. 盛岡冷麺

麺料理といえば熱々のスープをイメージするかもしれないが、盛岡冷麺は名前の通り、冷たいスープの麺料理。
冷たい濃厚スープがコシの強いつるつるした麺と絡まり合い、たっぷりのせられたキムチの辛さと、リンゴ、スイカ、梨など旬の果物の甘酸っぱさが絶妙のハーモニーを生み出す。
濃厚かつスパイシーでありながら、スッキリとした味わいで1度食べたらクセになる味。
一般的に焼き肉店で締め料理として提供されることが多いが、冷麺を目的に店を訪れる人も少なくない。夏にぴったりの盛岡グルメ。

全国的に普及している盛岡冷麺を本場でいただこう
全国的に普及している盛岡冷麺を本場でいただこう

3. わんこそば

400年も前から受け継がれる盛岡市や花巻市の伝統料理「わんこそば」はその提供スタイルが独特だ。
手元のお椀の中には一口分のそばだけ。一口分の蕎麦を食べ終わるごとに、給仕係が次の一口分そばを提供する。このように一口分ずつ提供されるのが「わんこそば」の食べ方だ。
「はい、どんどん」「はい、じゃんじゃん」と給仕係が、リズムよく声をかけつつ絶妙なタイミングでそばを入れ続ける。
調子よくつい何十杯も食べ進めてしまう。多い人では百杯以上食べる人もいて、何杯食べるかを競う大会も開かれる。
もちろん、つるりと食べられるのど越しの良い蕎麦と優しい出汁の味わいは絶品。

何杯食べられるか挑戦してみるのも楽しみ方のひとつだ
何杯食べられるか挑戦してみるのも楽しみ方のひとつだ

春の岩手旅行で訪れるべき桜の名所

春に岩手へ訪れるなら、桜の名所も旅行プランに加えてほしい。
岩手には桜の名所もたくさんあるので、春ならではの絶景に出会えるだろう。
盛岡市内の中心部にある「盛岡城跡公園」では、侍の時代の風情を残す石垣と約250本のソメイヨシノが日本らしい風景を作り出す。
満開の桜と牛舎群が牧歌的な雰囲気を生み出す「小岩井農場」は、90本の桜はもちろん、緑の牧草地に1本だけ咲き誇る「一本桜」も必見。
残雪の残る岩手山を背景に、緑の牧草地に根を張る姿が印象的だ。
北上市立公園展勝地」は北上川に沿った約2kmの桜並木をはじめ、広々とした公園全体にはベニヤマザクラなど様々な品種、合計で約1万本の桜が開花する。桜の季節には観光馬車も走る。
岩手の桜の開花時期は、下の表を参考にしてほしい。
例年の開花時期は下の通りだが、その年の天候や、訪れるスポットによって微妙にずれることもあるので、旅行の前には必ずその年の開花情報をチェックしよう。

開花日
4月18日
満開日
4月24日
桜の見頃
4月24日〜4月30日
風情ある石垣と約250本のソメイヨシノが魅力の盛岡城跡公園
風情ある石垣と約250本のソメイヨシノが魅力の盛岡城跡公園
緑の牧草地に1本だけ咲き誇る「一本桜」が印象的な小岩井農場
緑の牧草地に1本だけ咲き誇る「一本桜」が印象的な小岩井農場
美しい桜並木が魅力の北上市立公園展勝地
美しい桜並木が魅力の北上市立公園展勝地

秋の岩手を彩る紅葉の名所

秋に岩手へ訪れるなら、紅葉の名所も旅行プランに加えてほしい。
迫力ある渓谷、由緒正しい寺院など、紅葉と相性抜群のスポットが岩手にはたくさんある。
高さ約100mの断崖に囲まれた渓谷「猊鼻渓」では、石灰岩の白い岩肌と色づいた木々のコントラストが迫力満点の絶景を生み出す。
世界遺産にも登録されている「中尊寺」は、参道に沿って紅葉する木々が歴史ある寺院の荘厳な雰囲気を盛り立てる。
長い年月をかけて自然が生み出した「厳美渓」の奇岩、怪岩の岩肌とエメラルドグリーンの水流が紅葉の赤色と共演するのも秋だけの特別な景観だ。
例年の紅葉の見ごろは10月上旬〜11月上旬だが、その年の気候や気温、スポットによって見頃は前後するので、旅行前に確認しておくと安心だ。

石灰岩の白い岩肌と色づいた木々のコントラストが迫力満点の猊鼻渓
石灰岩の白い岩肌と色づいた木々のコントラストが迫力満点の猊鼻渓
ライトアップされた紅葉と歴史的建造物のコラボレーションも美しい中尊寺
ライトアップされた紅葉と歴史的建造物のコラボレーションも美しい中尊寺
怪岩の岩肌とエメラルドグリーンの水流が紅葉の赤色と共演する厳美渓
怪岩の岩肌とエメラルドグリーンの水流が紅葉の赤色と共演する厳美渓

岩手旅行に関するよくある質問

Q

岩手を旅行するのにお勧めの季節は?

A

桜の美しい春か、紅葉で絶景スポットがより荘厳な雰囲気を楽しめる秋がお勧め。

Q

親子旅行でお勧めの岩手の観光スポットは?

A

広々とした農場で、自然と触れ合い様々なアクティビティやグルメが楽しめる小岩井農場がお勧めです。

まとめ

岩手の魅力やご当地グルメについて紹介し、それを楽しむための具体的なモデルコースの提案やお得な情報をお届けした。
岩手では雄大でダイナミックな景観や童話の世界、1度食べたらクセになるグルメなど、他では得られない体験があなたを待っている。
岩手に興味を持ったら、岩手の定番観光スポットを紹介する以下の記事も併せて読んでみよう。