【四国の交通ガイド】初めての旅をスムーズに!アクセス・移動手段を徹底紹介

【四国の交通ガイド】初めての旅をスムーズに!アクセス・移動手段を徹底紹介

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筆者 : GOOD LUCK TRIP

4県から成る「四国地方」は、自然美・伝統文化・グルメ・アクティビティが揃い、ゆったりとした時間の中で多彩な体験ができるエリアだ。
各県に異なる特色があるため、四国全体を巡る周遊プランも人気だ。
この記事では、四国地方の概要をはじめ、観光拠点・主要交通手段・県境の移動方法などアクセスガイドを中心に紹介する。
初めての四国旅行でも安心して楽しめるように必要な情報をまとめたので、最後まで読んでほしい。

四国ってどんなところ?

本州の南西部、九州の北東部に位置する「四国地方」は、日本の主要四島のひとつ。
香川・愛媛・高知・徳島の4県で構成され、北側は瀬戸内海、南側は太平洋に面している。
四国地方の面積は約18,298平方キロメートルで、岩手県や欧州のスロベニアとほぼ同じ大きさ。
四国に新幹線は通っていないが、本州とは「瀬戸大橋(岡山-香川)」・「明石海峡大橋大鳴門橋(兵庫-淡路島-徳島)」・「しまなみ海道(広島-愛媛)」で繋がっており、車・鉄道でアクセスできる。
また、国内線の就航がメインだが、各県には空港があるので飛行機経由で国内外への移動も可能だ。

海に囲まれた4つの県から成る四国地方
海に囲まれた4つの県から成る四国地方

四国観光の拠点となる4つの都市

四国旅行において拠点に置くと便利な都市は、「高松市(香川県)」・「松山市(愛媛県)」・「高知市(高知県)」・「徳島市(徳島県)」。
日本地図上では、北側に高松市、東側に徳島市、中央やや西側に松山市、南側に高知市が並ぶ形である。
これら4都市は県の中心部に分布し、地域の交通・経済・文化の拠点として重要な役割を担っている。
各都市の魅力や見どころと併せて、それぞれを拠点にした時のメリットを紹介する。

四国の玄関口となる「香川県高松市」

四国の北東部に位置する高松市は、瀬戸内海に面した港町。
海を挟んで本州と海路・鉄路で繋がるので四国の玄関口として知られる。
高松空港・高松駅・高松港と交通網が整っており、フェリーを使えば直島小豆島などの離島にも日帰りで行ける。
四国内外への交通アクセスが非常に良好なため、四国旅行のスタート地点にぴったり。
飲食施設や宿泊施設も多く、観光しやすいので、特に四国へ初めて訪れる方にお勧め。
コンパクトな都市ながら、自然・歴史・文化と見どころが満載なのも魅力だ。
国の特別名勝「栗林(りつりん)公園」、瀬戸内海の絶景が広がる「屋島」、日本三大海城のひとつ「高松城」など、有名観光スポットが多い。

様々な施設が集まる高松市街地
様々な施設が集まる高松市街地

文化的側面も強い観光拠点「愛媛県松山市」

松山市は、四国の北西部、瀬戸内海に面した松山平野に位置する四国最大の都市。
松山空港・松山駅・松山観光港が揃う交通の要所で、本州・他四国からのアクセスも比較的優れる。
市内は路面電車・バスが発達し、主要スポットが中心部にまとまっているので回遊しやすい。
四国旅行の拠点にすれば効率的に移動でき、より多くの場所を楽しめるだろう。
また、シンボルの「松山城」、日本最古の温泉「道後温泉本館」、四国八十八ヶ所霊場の第51番札所「石手寺」をはじめ、松山市自体も見どころが尽きない。
夏目漱石(なつめそうせき)・司馬遼太郎(しばりょうたろう)の小説の舞台になるなど、文化的な魅力も持ち合わせ、1ヶ所で様々な体験ができる。

松山市内の松山城と市街地
松山市内の松山城と市街地

四国旅行の中間拠点に最適の「高知県高知市」

四国の南部、高知県のほぼ中央にある高知市は、太平洋に面した自然豊かな都市。
高知龍馬空港から中心部まで約30分という利便性を持ち、市内も路面電車・バスといった公共交通機関が整う。
県内の主要観光地へのアクセスが良好なほか、他四国へも比較的容易に移動できるので、四国旅行の中間拠点にお勧め。
高知市自体は歴史・食・自然・文化が融合した魅力的な観光地だ。
現存天守を持つ「高知城」、白砂青松の浜辺が美しい「桂浜」、300年以上の歴史を誇る露店市「日曜市」など、日本屈指の名所が点在する。
また、「チキンナンバン」・「アイスクリン」・「龍馬バーガー」に代表される個性的なご当地グルメの数々も特徴のひとつ。

坂本龍馬の出身地としても知られる高知市
坂本龍馬の出身地としても知られる高知市

関西・淡路島方面からの玄関口「徳島県徳島市」

四国の東部、吉野川の河口付近に位置する徳島市は、独自の伝統文化が息づく水の都。
四国の東の玄関口にあたり、徳島の観光拠点・四国遍路の起点に便利だ。
明石海峡大橋を経由すれば、関西・淡路島方面からのアクセスにも優れる。
市内には観光案内所・広域観光ステーションが整備され、観光客への情報提供やガイドサービスが充実している。
そのため、徳島市を四国旅行の拠点にすると、県内外の名所をスムーズに観光しやすいだろう。
市街地は山・川・海に囲まれ、自然との距離が近い。
「阿波おどり会館」・「眉山(びざん)」といった象徴的なスポットがあり、阿波おどり・藍染・ひょうたん島クルーズなど、徳島ならではの体験も市内で楽しめる。

徳島のシンボル・眉山から望む市街地
徳島のシンボル・眉山から望む市街地

四国へのアクセス

四国4県にある空港の基本情報と併せて、台湾および日本の主要都市から各県へのアクセスを紹介する。
飛行機の便数は限られているので、旅行スケジュールや観光プランの検討時に参考にしてほしい。

各県の空港の主要就航都市と特徴

四国内の各空港の概要、特徴を以下の表にまとめた。

所在地 空港名 主な就航都市 特徴
香川県高松市 高松空港 ・東京
・ソウル
・台北
本州方面や四国内各地からのアクセスが良好で、市中心部までもおよそ20kmと近い。
愛媛県松山市 松山空港 ・東京
・大阪
・ソウル
松山駅まで約30分と市中心に近く、観光拠点としての利便性が高い。
高知県南国市 高知龍馬空港 ・東京
・大阪
・名古屋
高知駅までは約30分、コンパクトでわかりやすい設計が玄関口としての利便性を支える。
徳島県板野郡 徳島阿波おどり空港 ・東京
・福岡
・ソウル
徳島駅までは約30分、市内観光の出入口として利用される。

日本の各主要都市からのアクセス

日本の各主要都市から四国へのアクセスを簡単に紹介する。
いずれも所要時間が短く、乗り換えが少ないルートだ。

出発地点 到着地点 最短交通手段 所要時間(目安)
東京 香川県高松市 飛行機(羽田 → 高松空港) 約1時間20分+市内まで約40分
大阪 香川県高松市 JR(新幹線+マリンライナー) 約2時間
福岡 愛媛県松山市 フェリー(博多港 → 松山観光港) 約3時間半+市内まで約20分
広島 香川県高松市 新幹線+マリンライナー(岡山経由) 約2時間30分

四国各県を巡る際の主要交通手段

四国内で県をまたいで移動する際の主な交通手段を紹介していく。
なお、高松空港・松山空港・高知龍馬空港・徳島阿波おどり空港をそれぞれ結ぶ定期便はないので、四国内の移動は電車・バス・レンタカーのいずれかが基本となる。

1. JR四国の特急列車

「JR四国」は香川・愛媛・高知・徳島を結び、四国地方全域を走っている。
代表的な路線は以下の通り。

路線名 区間 概要
本四備讃線(瀬戸大橋線) 児島駅(岡山)〜宇多津駅(香川) 瀬戸大橋経由で本州と四国を結ぶ路線
予讃(よさん)線 高松駅〜松山駅〜宇和島駅(愛媛) 瀬戸内海沿いを走る路線
予土線 北宇和島駅(愛媛)〜若井駅(高知) 四万十川沿いを走る路線
高徳線 高松駅〜徳島駅 瀬戸内沿岸を結ぶ線
土讃(どさん)線 多度津駅(香川)〜窪川駅(高知) 四国の山間部を縦断し、高知と北部をつなぐ路線

鉄道で県境を移動する場合は、所要時間を大幅に短縮できる特急列車に乗るのが一般的。
ただし、運賃は割高で都市部と比べると運行本数が少ない。
コストよりも快適さ、時間に重きを置く方は特急列車の利用がお勧め。
ここから、四国の主要都市を結ぶ主な特急列車を紹介していく。

香川と愛媛を結ぶ特急「いしづち」

特急「いしづち」は、高松駅と松山駅を予讃線経由で結ぶ特急列車。
途中で宇多津・多度津・今治などの四国北部の主要駅に停車し、2時間30分前後で走っている。
約1時間に1本の運行ペースはJR四国の特急列車の中で最多。利便性の高さも魅力だ。
高松と松山間、途中駅間を短時間で移動したい場合に利用すると良いだろう。
また、瀬戸内海の美しい車窓を満喫しながら、移動中も旅の一部として楽しみたい方もお勧め。

四国北部を走る特急いしづち
四国北部を走る特急いしづち

香川と高知を結ぶ特急「しまんと」

特急「しまんと」は、主に高松駅〜高知駅間を土讃線経由で結ぶ特急列車。
一部の列車は高知駅からさらに西へ延伸し、中村駅・宿毛駅まで走る。
主要停車駅は宇多津・琴平・阿波池田などで、高松〜高知間は約2時間15分、高松〜中村・宿毛間は約4時間で縦断する。
全席にコンセント・無料Wi-Fiが完備というのも魅力だ。
上記区間の移動時のほか、大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)の渓谷美や四万十川の絶景を車窓から楽しむ観光感覚での乗車もお勧め。
ただ、運行本数は1日2本と少ないので気を付けてほしい。

車窓から四国山間部の景色も楽しめる特急しまんと
車窓から四国山間部の景色も楽しめる特急しまんと

香川と徳島を結ぶ特急「うずしお」

特急「うずしお」は、高松駅と徳島駅を高徳線経由、約1時間10分で結ぶ特急列車。
途中停車駅は栗林・志度・三本松・板野などがあり、香川から徳島への県境をまたぐ移動に便利な路線だ。
1日の運行本数も「いしづち」に次いで多く、スケジュールの調整がしやすいのもメリット。
普通列車よりも速く快適に移動したい時、徳島・香川両県を日帰りで観光する時に使うのがお勧め。

1時間10分ほどで高松・徳島間を移動できる特急うずしお
1時間10分ほどで高松・徳島間を移動できる特急うずしお

2. 高速バス(JR四国バス)

「高速バス(ジェイアール四国バス)」は、主に高松⇄松山・高松⇄高知・徳島⇄松山・徳島⇄高知・松山⇄高知を結ぶ5本のバスがそれぞれ四国内を走っている。
高速バスを使う最大のメリットは、鉄道に比べて費用を抑えて移動できること。
目的地次第では近い所まで行けるので、移動自体が楽になるケースも考えられる。
基本的に車内Wi-Fiとコンセント完備、荷物の預け入れ可(一部を除く)、広めのシートと設備の充実もうれしい。
一方、天候・交通渋滞の影響を受けやすいため、タイトなスケジュールには不向き。
個人差はあるが、長時間乗車による疲労・ストレスも考慮した方が良いだろう。
コスト重視、有効的な時間活用、鉄道でアクセスしづらい場所に行く時に利用するのがお勧め。

四国都市間を結ぶ路線
四国都市間を結ぶ路線

3. レンタカー

レンタカーで移動するメリットは、行動範囲を広げ、自由なスケジュールを組めること。
鉄道・高速バスの時刻表に縛られずに行き先や経路をその場で決められる。
四国4県は山間部にも観光スポットが多いため、選択肢が格段に増えるだろう。
複数人での利用なら交通費の分担ができ、車内で楽しい時間を過ごせる。
ただし、道路は狭路・急カーブ・視界の悪い区間があり、運転に慣れていないと負担が大きい。
疲労は事故リスクを高め、旅全体の満足度を下げるほか、ガソリン代・高速料金・駐車料金などの費用がかさむのもデメリット。
以上からレンタカーは、複数県を短期間で巡りたい、公共交通機関が乏しい場所に訪れたい人にお勧めだ。

レンタカーなら自分のペースで自由に四国を巡れる
レンタカーなら自分のペースで自由に四国を巡れる

四国の各県内の主要移動手段

ここからは、四国の各県内の主要移動手段を紹介していく。
目的のスポットや巡り方で選択肢が変わるため、観光プランと照らし合わせながら参考にするのがお勧め。
ただし、いずれの県も基本的に鉄道・バスの運行本数が少ないと思ってほしい。
地域によっては1日に数本程度なので、観光および移動の自由度を高める場合はレンタカーを検討しよう。

香川の主要交通手段

香川県は日本で最も面積が小さく、主要観光地は比較的コンパクトにまとまっている。
交通網も充実しているため、観光しやすいのが特徴だ。
高松市内中心部とその近郊は、JR四国(予讃線・高徳線・土讃線)、ことでん(琴平線・長尾線・志度線)が整備され、多くのスポットにアクセスできる。
また、空港リムジンバスやコミュニティバスなどの路線バスも豊富で、市内や近郊の移動に便利だ。
小豆島や直島などの離島へは、高松港からフェリーでアクセスできる。
一方、郊外や山間部では公共交通機関が限られるため、レンタカーの利用がお勧めだ。

公共交通機関だけで観光できるエリア
・高松市街地(栗林公園、屋島、玉藻公園など)
・琴平町エリア(金刀比羅宮、琴平公園など)
レンタカーの利用推奨エリア
・郊外や山間部(三豊市、観音寺市、瀬戸大橋周辺など)
・離島の一部地域
・県内、離島内を広域に巡る場合

徳島の主要交通手段

徳島県内の主な交通手段は、JR四国(高徳線・徳島線・牟岐線・鳴門線)、路線バス、高速バスの3つ。
徳島駅を起点に交通網は整備されているが、運行本数は非常に少ない。
県全体としては車社会であり、中心部の徳島市内以外を観光する場合はレンタカー(タクシー)が必須と言える。

公共交通機関だけで観光できるエリア
・徳島市街地(眉山、徳島中央公園、阿波おどり会館など)
・鳴門市街地(鳴門公園、大鳴門橋遊歩道「渦の道」など)
レンタカーの利用推奨エリア
・祖谷渓(いやけい)、大歩危などの西部エリア
・海陽町、阿南市などの南部エリア
・吉野川流域、山間地域、離島周辺

愛媛の主要交通手段

愛媛県内の主な交通手段は、JR四国(予讃線・内子線・予土線)、伊予鉄道(路面電車・路線バス)、せとうちバスの3つ。
鉄道は予讃線を中心に松山・今治・宇和島方面を結び、松山市内では伊予鉄道が主要地をカバーしている。
また、離島観光や瀬戸内の島々巡りは港からの定期船・高速船が基本で、サイクリングで有名な「しまなみ海道」はレンタサイクルでの移動が人気だ。

公共交通機関だけで観光できるエリア
・松山市街地(道後温泉、松山城、坂の上の雲ミュージアムなど)
・今治市街地(今治城、吹揚神社、大三島藤公園など)
レンタカーの利用推奨エリア
・西予、宇和島エリア(四国カルスト)
・剣山、石鎚山系周辺の山間部エリア
・離島内の観光

高知の主要交通手段

高知県内の主な交通手段は、JR四国(土讃線・予土線)、土佐くろしお鉄道(ごめん・なはり線、中村・宿毛線)、とさでん交通(路面電車・路線バス)の3つ。
鉄道は土讃線が県内の主要幹線として高知市と県内外を結び、土佐くろしお鉄道・予土線は南北や山間部へ伸びる。
都市部はとさでんの交通網が発達しており、観光しやすい。
一方、沿岸を離れた集落や観光スポットは路線本数が少なく、レンタカーでのアクセスが中心となる。

公共交通機関だけで観光できるエリア
・高知市街地(高知城、ひろめ市場、はりまや橋など)
レンタカーの利用推奨エリア
・四万十川流域エリア
・足摺岬(あしずりみさき)、宿毛(すくも)、土佐清水などの南西部エリア
・山間部、離島周辺

四国を周遊する方にお勧めの乗車券「四国フリーきっぷ」

「四国フリーきっぷ」は、JR四国全線の普通車自由席(特急を含む)、土佐くろしお鉄道線(窪川駅〜若井駅間)、一部路線バスが連続3日乗り降り自由になるフリーパス。
JR四国の駅のみどりの窓口や四国内の主要旅行会社から、大人18,000円・小児6,000円で購入できる。
2泊3日の旅行で、特急列車を使って高松・松山・高知・徳島を効率よく移動し、観光時間を確保したい人にお勧めだ。

旅のプランが広がるフリーきっぷ
旅のプランが広がるフリーきっぷ

四国の交通に関するよくある質問

Q

四国を1周するのに車でどれくらい時間がかかるの?

A

単純に移動するだけなら、高速道路を利用すれば1日で1周できます。観光も楽しむ場合7日〜10日を目安に考えると良いでしょう。

Q

四国で使えるICカードは?

A

香川と愛媛の一部列車では「ICOCA」などの10種類の全国交通系ICカード、高知では独自のICカード「ですか」が使えます。徳島で使えるICカードはありません。

Q

四国を観光するなら車がないと不便?

A

目的の観光スポット次第では公共交通手段だけでも楽しめますが、利便性・快適さを踏まえるとレンタカーの利用をお勧めします。

まとめ

四国の基本情報や観光拠点、県内・県境を移動する際の主要交通手段を中心に紹介してきた。
四国地方には絶景・グルメ・文化・自然をはじめ、本州とは異なる魅力があふれているので、訪れれば新しい発見・出会いがあるだろう。
1カ所をじっくり楽しむ、複数の県を回って違いに触れるなど、様々な形で満喫できるのもポイント。
4県の人気観光スポットをまとめた、こちらの記事も併せて読んでほしい。