
【春の京都府観光ガイド】桜と新緑が出会う春色の絶景
古都の情緒と、豊かな自然が調和する京都府。
市街地を囲む東山や北山、お茶処として知られる南部の宇治、保津川下りで名高い亀岡、そして日本海に面した天橋立まで、多彩な風景が広がっている。
清水寺や嵐山、哲学の道、円山公園に加え、美山や天橋立など府内各地では、自然と文化が寄り添う景色に出会える。
春は社寺や庭園を淡い桜色が包み、まちなみや山々に新緑の光が差し込む季節。桜と若葉が出会う春色の絶景をめぐりながら、時の流れがゆるやかに感じられる京都の春を楽しみたい。
花と緑が織りなす春色の絶景をめぐる、京都の旅の楽しみ方
まち歩きから自然散策まで、春の京都では花と緑が織りなす風景が旅を彩る。
哲学の道や清水寺などの人気観光地では、桜や若葉がまちを華やかに演出、写真に収めたくなる春景色に出会える。
一方で、美山のかやぶきの里や天橋立など、山や海、里に広がる自然も表情豊か。社寺や庭園をめぐる時間も、のどかな里山を歩くひとときも、春ならではの光や色に包まれる。
花と緑が生み出す多彩な絶景をめぐりながら、季節の移ろいを感じる旅が楽しめる。

春観光の定番! 桜が彩る春色の京都・花見スポット3選
桜が咲き誇る春の京都は、まち歩きも郊外散策も心華やぐ季節。歴史ある社寺や庭園を包む淡い桜色から、川沿いや里山に広がる自然の桜まで、地域ごとに異なる景観が楽しめる。
例年の見ごろは3月下旬から4月上旬ごろ。街と自然がひとつになるこの季節、桜が彩る春色の京都を歩いてみてはいかが。
ほかにも多彩なスポットがあるので、京都のお花見スポットの詳細は下記記事をチェックしてみて。
1. 哲学の道(京都市)
銀閣寺から熊野若王子神社まで続く、約2kmの散歩道。
20世紀初頭の哲学者で京都大学の教授でもあった西田幾多郎が思索に耽りながら歩いたことにちなみ「哲学の道」と呼ばれ、日本の道百選にも選ばれている。
春には疏水沿いにソメイヨシノを中心とした桜が咲き並び、水面に枝を伸ばす桜並木の下を静かに歩きながら花見が楽しめる。

2. 円山公園(京都市)
京都最古の公園で、回遊式庭園に料亭や茶房が並ぶ。池のほとりにたたずむ祇園しだれ桜は、京都屈指の撮影スポット。
ひょうたん池や石橋周辺は水辺の景観が美しく、春は桜の下を歩きながら落ち着いた雰囲気を楽しめる。八坂神社や知恩院にも近く、花見とあわせて名刹めぐりもできる。

3. 南丹市美山大野ダム公園(南丹市)
大野ダム湖畔に広がる自然豊かな公園で、季節ごとに表情が変わる美しい景観が楽しめる。
春になると、地元住民が植えた約1,000本の桜が見事に咲き誇り、桜のトンネルをドライブでくぐる体験ができるのが魅力だ。
湖畔でのんびり過ごせる広い芝生や遊歩道もあり、山あいの静けさとともに満開の桜を眺める穏やかな時間が過ごせる。

春ならではの表情豊かな絶景に出会う、京都の観光スポット7選
春の京都を旅するなら、花と新緑がきらめく絶景スポットめぐりが楽しい。
社寺や庭園、海や山に広がる自然など、京都ならではの景色に春色が加わり、この季節だけの特別な表情を見せる。古都の風情と自然の息吹が出会うこの季節、京都府内の多彩な観光スポットをご紹介。
1. 宇治上神社(宇治市)
古代から崇敬を集める神聖なパワースポット。「古都京都の文化財」として世界遺産に登録される古社で、本殿と拝殿はいずれも国宝に指定されている。
とくに本殿は日本最古の神社建築といわれ、静かな森に佇む境内には往時の雰囲気が色濃く残る。春の宇治散策で立ち寄りやすい一社だ。

2. 天橋立(宮津市)
宮城県の陸前の松島、広島県の安芸の宮島とともに、日本を代表する絶景・日本三景のひとつに数えられる天橋立。
全長約3.6kmの砂州に約5,000本の松が続き、海と松が織りなす景観が広がる。周辺には展望台が点在し、「昇龍観」など多彩な眺望が楽しめるのも魅力。春の宮津湾を歩きながら、自然がつくりだした美しい姿にふれたい。

3. 保津川下り(亀岡市)
丹波高地から流れる保津川の亀岡から嵯峨嵐山まで約16kmの渓流を、小型の平底船で約2時間かけて下る。
熟練の船頭が岩の合間を巧みに操船し、迫力ある流れと穏やかな景観の両方を楽しめる。両岸に広がる山並みは、春には桜はもちろん新緑が美しく、川下りならではの自然美を堪能できる。

4. 美山かやぶきの里(南丹市)
珍しい茅葺き民家が残る美山町。なかでも39棟の茅葺き民家が現存する北集落には四季折々の自然に彩られた古き良き日本の原風景が広がり、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。
集落内では民俗資料館や藍染の展示館などを巡りながら伝統文化にふれられ、春の美山では里山の穏やかな景色の中を散策できる。

5. 舞鶴赤れんがパーク(舞鶴市)
かつて海軍の魚形水雷庫などとして使用された、8棟の赤れんが倉庫群。全て国の重要文化財に指定されており、内1号棟は現存する鉄骨れんが造りの建物の中で最古級のものとして保存活用されている。
館内には博物館や飲食店・ショップなどが揃い、春は海沿いを歩きながら赤れんが建築と港の景色を楽しめる。

6. 三千院(京都市)
天台宗の三門跡寺院として知られる三千院。境内には荘厳な佇まいのお堂が点在し、四季折々に美しい風景を見せる庭園が広がる。
聚碧園や有清園など池泉庭園の景観が魅力で、苔むす庭にたたずむわらべ地蔵の姿も印象的。
春は大原らしい穏やかな風景の中で、ゆったりと散策ができる。

7. 長岡天満宮(長岡京市)
学問の神様・菅原道真公を祀る由緒ある長岡天満宮。
春になると、境内を彩るキリシマツツジが見ごろを迎え、参道を真紅に染め上げる。
太鼓橋や水上橋が架かる八条ヶ池の景観も美しく、花が映える境内を歩けば春ならではの華やかさが感じられる。

春の京都観光をより楽しく! 注目イベント3選
春の京都では、社寺を舞台にした行列や祭りなど、季節を感じる華やかなイベントが各地で開催される。桜の季節を彩る花の祭典から、平安の雅を感じる伝統行事まで、見どころは多彩。旅の予定にあわせて訪れれば、春の京都の魅力をより深く味わえるはず。
1. 平野神社 桜花祭
古くから境内に桜を植えてきた歴史をもつ古社で、約60品種・400本の桜が次々と花を咲かせる。
4月10日に行われる「桜花祭」では、花山天皇の行幸に由来する祭儀と時代行列が催され、春の京都に華やぎを添える。
多彩な品種が咲く境内では、春ならではの彩りとともに由緒ある神事の日ならではの雰囲気が感じられる。

2. 醍醐寺 豊太閤花見行列(京都市)
真言宗醍醐派の総本山で、上醍醐から下醍醐まで広がる広大な寺域や数多くの堂塔をもつ醍醐寺は、「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録されている。豊臣秀吉が盛大な「醍醐の花見」を催した地として知られ、古くから桜の名所として親しまれてきた。
その故事にちなみ、毎年4月第2日曜には「豊太閤花見行列」が開催されており、当日は多くの参拝者で賑わう。

3. 葵祭(京都市)
毎年5月15日に京都の下鴨神社(賀茂御祖神社)と上賀茂神社(賀茂別雷神社)で開催される例祭で、祇園祭と時代祭に並び「京都三大祭」と呼ばれる京都の初夏の風物詩。
古典文学にも登場する歴史ある祭で、正式名称は「賀茂祭」。京都御所を出発し、平安装束をまとった人びとが練り歩く「路頭の儀」があり、平安時代の雅やかな世界をいまに伝える。

春の京都で味わいたい、景色とともに楽しむグルメスポット5選
春の京都観光では、桜や新緑の名所を巡る途中で立ち寄りたいグルメスポットも多い。
老舗の甘味処や宇治茶のカフェ、里山や海辺のレストランなど、景色とともに味わう春のひとときを楽しみたい。
1. 鍵善良房 四条本店(京都市)
300年以上前、江戸時代の享保年間に創業したと伝わる祇園の老舗甘味処。
代表銘菓は、つるんとした喉越しと絶妙なコシが魅力の「くずきり」。奈良・大宇陀の吉野葛を使い、黒糖蜜のすっきりとした甘味が上品に引き立つ。もう一つの名物「菊寿糖」は、和三盆ならではのやさしい口溶けが印象的。円山公園散策の合間に、落ち着いた空間で老舗の味をゆったり味わいたい。

2. お食事処きたむら(南丹市)
美山かやぶきの里の目の前に立つ食事処で、美山産のそば粉を石臼で挽き、職人が手打ちで仕上げるそばが味わえる。
30年以上の経験を持つ職人が心を込めて毎日打ち上げるそばは、喉越しが良く、豊かな風味と甘みが魅力だ。数量限定のため、売り切れには注意が必要。
店内からは茅葺き屋根の風景を望め、里山散策の合間に落ち着いて過ごせる。

3. 中村藤吉本店(宇治市)
上質な日本茶の産地として全国的に有名な宇治で、安政元年(1854)に創業した日本茶専門店。製茶工場だった建物を生かしたカフェで、宇治茶を使ったスイーツが味わえる。看板スイーツの「生茶ゼリイ(抹茶)」は、高級茶葉のもつ豊かな旨みや香りを閉じ込めたつるんとなめらかなゼリイに、甘さ控えめの小豆と白玉が相性抜群。
宇治らしい落ち着いた景観に包まれながら、老舗ならではの味わいをゆったり堪能できる。

4. 京料理 松正(亀岡市)
昭和11年(1936)、京都市内で仕出し屋として創業。その後亀岡へ移り、4代にわたり暖簾を守る老舗料亭。味わえるのは、自然豊かな亀岡の食材を使ったこちらならではの料理。季節の会席やお任せコースがそろい、シェフの技が生きた品々がいただける。日本庭園を望む個室もあり、落ち着いて過ごせる。春の保津川下りと組み合わせて楽しみたい一軒だ。

5. 天橋立ワイナリー(宮津市)
自社農園で栽培した丹後産生葡萄を使用し、最先端の醸造技術によるワイン造りにこだわった「天橋立ワイナリー」。併設のレストランでは、丹後の食材を使った料理をビュッフェスタイルで楽しめるほか、赤白や甘口辛口など種類豊富なワイン(別料金)もそろう。カフェタイムにはスイーツもスタンバイ、散策のひと休みにもぴったり。
客席から望む天橋立の穏やかな景観が心地よく、旅の途中に立ち寄りたい一軒だ。

京都の春旅を楽しむ、観光拠点に便利なホテル3選
春の京都観光や花見散策を楽しむなら、立地の良さも旅の満足度を左右する要素のひとつ。四季折々の風情が漂う市街地から、静けさに包まれた郊外の宿まで、春の景色と調和する宿に滞在すれば、京都の春を心ゆくまで堪能できるステイが実現する。
1. 四条河原町温泉 空庭テラス京都 別邸(京都市)
京都市内観光の拠点として使いやすいロケーションに立つ宿で、鴨川や東山を望む穏やかな景観が心地よい。
全32室ある客室は、すべて自家源泉の露天風呂付き。和モダンの空間でくつろぎながら、街中とは思えない静けさが広がる。趣の異なる湯船を備えた大浴場や、屋上テラスの足湯など館内施設も充実しており、滞在時間を豊かにしてくれる。

2. 花やしき浮舟園(宇治市)
宇治川沿いに立ち、宇治上神社や平等院へも足を運びやすい旅の拠点。
全客室内からは宇治川が見渡せるようになっており、宇治川中州の「塔の島」も眺めることができる。客室から広がる川景色にふれながら、宇治らしい落ち着いた時間を過ごせる。展望風呂やサウナを備えた館内施設もそろい、観光と滞在のどちらにも心地よく寄り添う一軒だ。

3. 天橋立温泉 文珠荘(宮津市)
天橋立運河沿いに佇み、日本三景を間近に感じられる立地が魅力の旅館。
全室が松並木と天橋立運河を借景とする設計で、客室にいながら天橋立の景観を堪能できる。和の趣と現代の快適性が調和した館内には、大浴場やサウナなどの温浴施設も充実しており、旅の途中で心身をゆっくりと整えられる滞在がかなう。

京都の春色の風景と歴史を楽しむ、おすすめ観光モデルコース
春の京都は、歴史ある街並みが桜色に染まり、華やかに風景を演出する季節。
社寺や庭園を巡り、桜咲く公園でひと休み……。フォトジェニックな春の風景を楽しむ2日間のモデルコースはこちら。
- 1日目
- JR京都駅→「清水寺」で春の景色を満喫→産寧坂・二寧坂を散策して祇園へ→祇園周辺でランチタイム→「円山公園」でお花見→「四条河原町温泉 空庭テラス京都 別邸」に宿泊
- 2日目
- JR京都駅→バスで大原へ移動して、「三千院」で春色の庭園を散策→JR奈良線で宇治へ→「中村藤吉本店」でランチ→世界遺産「宇治上神社」へ参拝
春の京都の平均気温
3月はまだ肌寒い日も多いが、4月には平均気温が15℃前後まで上がり、街歩きが心地よい季節。
5月は20℃前後と日中は汗ばむほどの陽気になる日も多く、屋外観光を楽しむのにぴったり。内陸部では朝晩が冷え込むこともあるため、羽織りものがあると安心。
| 月 | 3月 | 4月 | 5月 |
|---|---|---|---|
| 気温 | 8.8 | 14.4 | 19.5 |
出典:気象庁
春の京都を快適に過ごす服装のポイント
春の京都は日中と朝晩の気温差が大きく、服選びがポイントになる季節。薄手のニットや長袖シャツに、軽めのジャケットなど重ね着できるスタイルが快適。4月以降は暖かい日も多いが、朝の寺社巡りや夜の花見では一枚羽織れるものがあると安心。
春の京都観光に関するよくある質問
Q
京都で桜が見頃になるのはいつごろですか?
例年の見頃は3月下旬から4月上旬ごろ。市内中心部では4月初旬がピークで、円山公園や清水寺周辺、平安神宮などで満開の桜が楽しめます。北部の大原や嵐山などでは、見頃が1週間ほど遅れる傾向があります。
Q
春でも朝晩は冷えますか?
はい。京都は内陸盆地のため朝晩の冷え込みがやや強く、3月は最低気温が一桁になる日もあります。4〜5月は日中との寒暖差が大きいため、薄手のコートやストールなど体温調節しやすい服装がおすすめです。
まとめ
寺社や庭園、桜咲く公園や川沿いの風景など、春の京都は見どころが盛りだくさん。
市街地から郊外まで、多彩な風景と歴史に触れながら、春のやわらかな空気に包まれる特別な旅が体験できるはず。春色の風景が広がる京都の旅へ出かけてみよう。