【成田山新勝寺ガイド】観光もグルメも楽しめる千葉屈指のパワースポット
1,000年を超える歴史をもち、年間1,000万人を超える参拝者が訪れる「成田山新勝寺」。
重要文化財に指定された建造物が数多く現存する境内のほか、江戸時代の面影が残る参道など、見どころが豊富で千葉を観光するなら外せないスポットだ。
この記事では「成田山新勝寺」の歴史や見どころ、周辺の観光スポットまで詳しく紹介していこう。
成田山新勝寺ってどんなところ?
千葉県成田市に位置する「成田山新勝寺」。
「成田山新勝寺」は年間1,000万人を超える参拝者が訪れる、日本全国でも有数の寺院。
特にお正月の時期には多くの参拝者が初詣に訪れる。
1,000年以上の歴史を誇る寺院で、関東屈指のパワースポットとして名高い。
本尊は弘法大師・空海が自ら祈りを込めて開眼された不動明王が祀られ、御堂ごとに開運厄除けや出世、商売繁盛、恋愛成就など多岐にわたる御利益があるとされている。
大本堂では御護摩祈祷と呼ばれる儀式が毎日数回行われている。
御護摩とは、護摩木という特別な薪を焚いて煩悩を断ち切り、願いごとを清めて成就するよう祈る儀式のこと。
境内にある御護摩受付所で申し込めば参加可能で、仏教文化を体験できる貴重な機会を楽しんでほしい。
約220,000㎡にも及ぶ境内には、5棟の国指定重要文化財が現存。
自然豊かな公園も整備されており、四季折々の自然景観も楽しめる。
日本最大の国際空港であり、日本の玄関口でもある「成田空港」から30分以内でアクセスできるため、楽しく安全な日本旅行を祈願しに訪れてみてはいかがだろうか。
成田山新勝寺の歴史と成り立ち
平安時代の939年、関東の地にて「平将門の乱」が勃発。
平将門の乱とは、千葉で権力を持っていた平将門(たいらのまさかど)が「新皇(新しい天皇)」を名乗り、新しい国を作ろうとした内乱のこと。
真言宗の僧である寛朝大僧正(かんちょうだいそうじょう)は、戦乱を鎮めるために、不動明王像を京都から成田の地へ奉安。
21日間の御護摩祈祷の末、平将門が敗北し関東の地に平和が戻った。
寛朝大僧正が京都へ帰ろうとしたところ、不動明王像はこの地に留まり人々を守ることを告げるように動かなくなり、寛朝大僧正は940年に成田山新勝寺を開山した。
その後、戦国時代の混乱で寂れ寺となってしまった成田山新勝寺だが、江戸時代に入ると世情は落ち着き、参拝客は徐々に増え始める。
歌舞伎役者の一族「市川家」により不動明王が登場する芝居が行われ、庶民の信仰をさらに多く集めた。
1964年には本尊の不動明王像が重要文化財に指定され、2018年には開基1,080年を迎えた。
成田山新勝寺へのアクセス
東京をはじめとする関東地域を観光する上で、空の玄関口である「成田空港」から「成田山新勝寺」へのアクセスをご紹介。
「成田空港駅」には、JR成田線と京成本線の2つのルートがある。
京成本線を利用するルートを紹介するが、JR成田線に間違えて乗車しても「成田駅」で下車すれば、たどり着けるので安心してほしい。
- 経路
-
1.「成田空港駅」で京成本線特急(京成上野行)に乗車し、「京成成田駅」で下車
2.「京成成田駅」から表参道を通り、徒歩約15分で到着 - 所要時間
- 約25分
成田山新勝寺の拝観料と拝観時間
境内を拝観するのは無料。
終日解放されているが、祈祷や御朱印などの受付は8時から16時までだ。
成田山新勝寺のお勧め観光シーズンは?
「成田山新勝寺」の観光にお勧めの時期は、日本の初詣文化を体験できるお正月の期間。
日本全国の寺院の中でも、初詣参拝者の多さはトップクラスで、初詣定番スポットと言っても過言ではない。
お正月期間に訪れる場合は、「新春不動明王御印紋」の体験がお勧め。
不動明王を表す文字が刻まれた朱印を額に押し、一年の無病息災や身体健全、学業成就を祈念するもの。
お正月期間限定のイベントだが、誰でも受けられるので時間があれば体験してほしい。
「成田山新勝寺」のお正月は例年かなり混雑するため、人混みや行列が苦手な方にはお勧めできない。
ただ、日本の初詣文化を体験できる貴重な機会なので、人混みが苦手でなければ、ぜひチャレンジしてみてほしい。
成田山新勝寺で絶対に外せない見どころ9選
「成田山新勝寺」の広大な境内には、重要文化財に指定された5棟の建物をはじめ、成田山のシンボルである大本堂や、成田山新勝寺の創立1,070年を記念し創建された総門などの多くの見どころがあり、御堂ごとにさまざまな御利益を授かれる。
ここでは、数ある見どころの中でも特に外せない見どころを厳選して紹介しよう。
1. 知っている顔に出会える?「釈迦堂」
1858年に建立され、国指定の重要文化財である「釈迦堂」。
江戸時代後期の特徴を残した、総けやき造りの御堂だ。
御堂の周囲に施された彫刻の五百羅漢(ごひゃくらかん)は、10年かけて彫られた大傑作。羅漢とは悟りを開いた僧のこと。
500人もの仏教の修行僧が誰一人似ることなく彫刻されており、自分や知人に似た顔を必ず見つけられると言われている。
1968年に大本堂が建立されるまでは、現在の「釈迦堂」が本堂だった。
現在は厄除お祓いの祈祷所として利用されている。
2. 平安時代から続く伝統的なお祈りを体験できる「大本堂」
1968年に建立された、成田山のシンボルである「大本堂」。
世界平和と人々の幸せを願い、開山以来毎日欠かさず御護摩祈祷が行われている道場だ。
受付所で申し込めば、観光客でも御護摩祈祷を受けられる。
御護摩祈祷を受ければ、願い事が成就し、不動明王のご利益を授かれる。
本尊の不動明王が向かって右側に矜伽羅童子(ごんがらどうじ)、左側に制咤迦童子(せいたかどうじ)を従えている仏像や、四大明王の仏像、仏画・平成大曼茶羅(へいせいまんだら)も見逃さないように。
3. 参拝者を迎える荘厳な雰囲気漂う「総門」
2008年に建立され、成田山の表玄関として参拝者を迎える「総門」。
高さ15mの総けやき造りで、荘厳な雰囲気が漂う外観だ。
「総門」の上部には十二支の彫刻が施されている。
寺院の創立1,070年の記念事業として、成田山と門前町をつなぐ担い手として創建された。
4. 絢爛豪華な装飾と彫刻が見どころ「三重塔」
1712年に建立された、国指定の重要文化財である「三重塔」。
塔には五智如来(ごちにょらい)が祀られており、塔の周囲には十六羅漢の彫刻がはめ込まれている。
雲水紋の彫刻が施された各層の垂木は一枚板で造られており、珍しいと古くから有名だ。
2008年に漆塗りの彩色の修復が施され、創建当時の姿が再現された貴重な建物である。
5. 赤提灯が目を引く「仁王門」
1831年に再建された、国指定の重要文化財である「仁王門」。
入母屋造り銅板葺きの屋根に取り付けられた、大きな千鳥破風が特徴的な外観だ。
門の中央には「魚がし」の文字が大きく目立つ、赤提灯が吊り下げられている。
江戸・築地の魚市場が仁王門に大提灯を奉納するのは古くからの伝統で、現在掲げられている赤提灯は1968年に奉納されたもの。
6. 恋愛運が上がるパワースポット「光明堂」
1701年に建立され、国指定の重要文化財である「光明堂」。
入母屋造りの瓦葺き屋根が特徴的な外観は、江戸時代中期の雰囲気が残る貴重な建物だ。
「光明堂」には、大日如来・愛染明王・不動明王が祀られている。
良縁を授ける神様・愛染明王が祀られていることから、恋愛運が上がるパワースポットとしても有名だ。
釈迦堂が建立されるまで、約1世紀半に渡り本堂として活躍していた御堂でもある。
7. 仏教の歴史・文化を気軽に体感できる「平和の大塔」
1984年に建立された、真言密教の教えを象徴する「平和の大塔」。
1階には成田山の歴史展や写経道場があり、2階には不動明王像、四大明王像、昭和大曼茶羅、真言祖師行状図が安置されており、自由に参拝ができる。
極彩色で彩られた天井や柱は、弘法大師・空海が伝えた密教の世界観を表現したもの。
「成田山新勝寺」以外の仏教寺院の多くも、創建当時はここで見られるような極彩色に溢れたものであったと言われている。
8. 商売繁盛・出世を願うならココ!「出世稲荷」
境内の西側にひっそりと佇む「出世稲荷」。寺院の境内にある神社は珍しい。
「出世開運稲荷」と称される像が本尊であり、商売繁盛や開運成就、火伏せの御利益があるとされている。
古くから商売人に親しまれているパワースポットだ。
「出世稲荷絵馬」に名刺を貼ることで出世すると言われているため、名刺を忘れないように。
9. 四季折々の美しい自然景観が眺められる「成田山公園」
成田山の境内に作られた、東京ドーム約3.5個分 (16万5000m²)にも及ぶ広大な公園。
春になると園内に植えられた約350本の桜が咲き誇り、花見客で賑わう。
梅・藤・紅葉など四季折々の姿を眺められ、年間を通じて美しい自然を間近に感じられる。
時間に余裕がない方にお勧め!成田山新勝寺の定番参拝ルート
境内が広く見どころの多い「成田山新勝寺」の定番参拝ルートを紹介しよう。
紹介する参拝ルートなら、最低限見るべきスポットを観光できる。
できる限り、これまで紹介してきた見どころを全て回って欲しいが、観光する時間があまりない場合は以下のルートで参拝しよう。
順番 | スポット |
---|---|
1 | 総門 |
2 | 手水舎(手と口を清める水が流れる場所) |
3 | 仁王門 |
4 | 香閣(線香の煙で心を清める場所) |
5 | 大本堂 |
6 | 釈迦堂 |
成田山新勝寺の参道で訪れるべき人気飲食店3選
成田駅前から総門まで約800m続く、「成田山新勝寺」の参道。
多くの飲食店やお土産店が参道沿いに軒を連ねる、人気の観光スポットだ。
江戸時代から「成田山新勝寺」の門前町として栄えた参道には、当時の面影が残る建物が点在し、日本らしい風情を感じられる。
それだけでなく、大判焼きや焼き団子など、日本の食文化を感じられるグルメの食べ歩きもできる。
参道で食べられるグルメの中でも、鰻は特に有名。
多くの人が成田山へ参拝するようになった江戸時代に、参拝客をおもてなしするために提供するようになったのが始まり。
そのため、今も鰻料理の名店が数多く残る。「成田山新勝寺」に参拝するなら、鰻は必ず食べてほしい。
どこで食事するか迷ったら、これから紹介する人気の飲食店へ、ぜひ足を運んでほしい。
1. 林田のおせんべい
成田駅前から「成田山新勝寺」へと続く参道にあるせんべい店。
創業は大正元年(1912)で、成田一の老舗せんべい店として長年親しまれている。
店頭には店の看板メニューの「福耳柿餅」(8枚入り700円)をはじめ、常時30種類以上の手作りせんべいがずらり。
2. 川豊 本店
江戸時代から「成田山新勝寺」へ参拝する成田参詣の名物料理として愛されてきたうなぎ料理。
そんな成田のうなぎ料理の老舗といえば、参道に店を構える「川豊 本店」だ。
明治43年(1910)創業の老舗で、職歴50年を超える職人が目利きしたうなぎをうな重や蒲焼、白焼で提供している。
3. 菊屋
「成田山新勝寺」の参道に店を構える老舗の日本料理店。創業は江戸中期で、菊屋という屋号は新勝寺から拝領した菊の御紋に由来する。
成田山名物のうなぎや鯉などの川魚料理のほか、一品料理や定食メニューも充実しているのが特徴だ。
看板メニューのうなぎ料理は産地証明書付きのうなぎのみを使用し、安心でおいしいものだけを提供。
豊かな自然に触れられる成田山新勝寺周辺の観光スポット
成田山新勝寺周辺で、豊かな自然と動物に触れられて癒される、観光スポットを紹介しよう。
どちらも「成田山新勝寺」からアクセスしやすいので、ぜひ併せて訪れてほしい。
1. 成田市さくらの山
成田国際空港の滑走路北側の丘の上にある公園で、飛行機の離着陸を間近に見られる。
「飛行機の見える丘」として知られる絶好のロケーションは、テレビドラマなどの撮影にも使われており、カメラマンや観光客に人気のフォトスポットとなっている。
観光拠点「空の駅 さくら館」では、地元で採れた新鮮野菜や手作りのお弁当、空港や成田ゆかりのお土産などを販売している。
2. 成田ゆめ牧場
自然に囲まれた園内に「ふれあう・あそぶ・たいけん・たべる・かう」という5つに分類されたコンテンツがぎっしり。
おすすめポイントは多くの動物たちと触れ合えることで、牛のえさあげ(えさ1杯100円)や乗馬(1回600円)をはじめ、かわいいヤギをリードにつないでお散歩できる体験(10分300円)もあり。
小動物コーナーやトリ小屋ではうさぎ、モルモット、アヒルなどが飼育されているのでかわいい姿に癒されよう。
成田山新勝寺に関するよくある質問
Q
成田山新勝寺は誰が建てたの?
真言宗の僧である寛朝大僧正が建てました。
Q
成田山新勝寺のご利益は?
御堂ごとに、開運厄除け、出世、商売繁盛、恋愛成就など様々なご利益があります。
Q
成田山新勝寺で御朱印帳はもらえる?
大本堂や敷地内の各御護摩受付所で購入できます。
まとめ
「成田山新勝寺」の参道から境内まで、たくさんの見どころとご利益あるスポットを詳しく紹介してきた。
この記事を参考にすれば、千葉県屈指のパワースポット「成田山新勝寺」のご利益を受け取れるはずだ。
成田山新勝寺以外にも千葉県には、魅力あるスポットが盛りだくさん。
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